第一條 破産法(大正十一年法律第七十一号)の一部を次のように改正する。
第六條第三項中「同條第二項」を「同條第四項」に改める。
第二十二條に次の後段を加える。
定期金債権ノ金額又ハ存続期間ガ不確定ナルトキ亦同ジ
第四十六條を次のように改める。
第四十六條 左ニ掲グル請求権ハ他ノ破産債権ニ後ル
五 債権ガ無利息ニシテ其ノ期限ガ破産宣告後ニ到来スベキ場合ニ於テハ破産宣告ノ時ヨリ期限ニ至ル迄ノ法定利率ニ依ル元利ノ合計額ガ債権額トナルベキ計算ニ依リ算出セラルル利息ノ額ニ相当スル部分
六 債権ガ無利息ニシテ其ノ期限ガ不確定ナル場合ニ於テハ其ノ債権額ト破産宣告ノ時ニ於ケル評価額トノ差額ニ相当スル部分
七 債権ガ金額及存続期間ノ確定スル定期金債権ナル場合ニ於テハ各定期金ニ付第五号ノ規定ニ準ジ算出セラルル利息ノ額ノ合計額ニ相当スル部分並各定期金ニ付同号ノ規定ニ準ジ算出セラルル元本ノ額ノ合計額ガ法定利率ニ依リ其ノ定期金ニ相当スル利息ヲ生ズベキ元本額ヲ超ユルトキハ其ノ超過額ニ相当スル部分
第五十二條中「第十七條乃至第二十條」を「第十七條」に改め、同條に次の一項を加える。
前項ノ財団債権ガ無利息債権又ハ定期金債権ナルトキハ若シ破産債権ナリトセバ第四十六條第五号乃至第七号ノ規定ニ依リ他ノ破産債権ニ後ルベキ部分ニ相当スル金額ヲ控除シタルモノヲ以テ其ノ額トス
第百二條を次のように改める。
第百二條 破産債権者ノ債権ガ無利息債権又ハ定期金債権ナルトキハ第四十六條第五号乃至第七号ニ掲グル部分ヲ控除シタル額ノ限度ニ於テノミ相殺ヲ為スコトヲ得
第二十二條及第二十三條ノ規定ハ破産債権者ノ債権ニ之ヲ準用ス
第百五條、第百六條及び第百七條第一項中「区裁判所」を「地方裁判所」に改める。
第百十六條中「出張所又ハ其ノ管轄内ノ市役所、町村役場」を「簡易裁判所又ハ其ノ管轄内ノ市町村ノ事務所」に改める。
第百三十三條第一項中「又ハ産業組合」を削り、「合名会社合資会社又ハ株式合資会社」を「合名会社又ハ合資会社」に、「相互保険会社」を「相互会社」に改める。
第百四十六條を次のように改める。
第百四十六條 前條ノ規定ハ破産手続ノ費用ヲ償フニ足ルベキ金額ノ予納アリタル場合ニハ之ヲ適用セズ
第百四十九條第二項中「警察官署」を「警察署ノ警察官又ハ警察吏員」に改める。
第百五十一條第二項中「警察官署」を「警察官又ハ警察吏員」に改める。
第百八十二條に次の一項を加える。
破産債権者ハ第四十六條ニ掲グル請求権ニ付テハ議決権ヲ行フコトヲ得ズ
第百八十六條第一項中「裁判所書記、執達吏」を「裁判所書記官、執行吏」に改める。
第百八十七條中「裁判所書記」を「裁判所書記官」に改める。
第百八十八條中「裁判所書記、執達吏」を「裁判所書記官、執行吏」に改める。
第二百八條から第二百二十四條までを次のように改める。
第二百二十八條第一項中「優先権アルトキハ其ノ権利」の下に「、第四十六條ニ掲グル請求権ヲ含ムトキハ其ノ区分」を加える。
第二百二十九條中「裁判所書記」を「裁判所書記官」に改め、同條第一項第三号中「其ノ権利」の下に「、第四十六條ニ掲グル請求権ヲ含ムトキハ其ノ区分」を加える。
第二百四十條第一項中「債権ノ額及優先権」を「債権ノ額、優先権及第四十六條ニ掲グル請求権ノ区分」に改める。
第二百四十一條第二項中「裁判所書記」を「裁判所書記官」に改める。
第二百五十四條第一項中「第三十八條」を「第四十六條」に改める。
第二百五十五條第一項中「行政訴訟」を「訴訟」に改める。
第二百五十八條第二項中「其ノ順位ニ従ヒテ」を「其ノ順位ニ従ヒ優先権ナキモノニ付テハ第四十六條ノ規定ニ依リ他ノ債権ニ後ルルモノヲ其ノ他ノモノト区別シテ」に改める。
第二百七十一條第二号中「行政訴訟」を「訴訟」に改める。
第二百八十條第二号中「異議ノ訴、訴願又ハ行政訴訟」を「訴訟又ハ訴願」に改める。
第三百二十二條中「裁判所書記」を「裁判所書記官」に改める。
第三百五十三條第二項を次のように改める。
前項ノ規定ハ破産手続ノ費用ヲ償フニ足ルベキ金額ノ予納アリタル場合ニハ之ヲ適用セズ
第三百五十八條第一項、第三百五十九條第一項及び第三百六十條中「一万円」を「百万円」に改める。
「第三編 復権」を「第三編 免責及復権」に改める。
第三百六十七條の前に次の章名及び二十條を加える。
第一章 免責
第三百六十六條ノ二 破産者ハ破産手続ノ解止ニ至ル迄ノ間何時ニテモ破産裁判所ニ免責ノ申立ヲ為スコトヲ得破産宣告ト同時ニ破産廃止ノ決定アリタルトキハ其ノ決定確定ノ後ト雖一月内ハ仍免責ノ申立ヲ為スコトヲ得
免責ノ申立ヲ為シタルトキハ強制和議ノ提供又ハ第三百四十七條ノ規定ニ依ル破産廃止ノ申立ヲ為スコトヲ得ズ
強制和議ノ提供ヲ為シタルトキハ其ノ棄却若ハ不認可ノ決定ガ確定シ又ハ債権者集会ニ於テ強制和議ガ否決セラレタル後ニ非ザレバ免責ノ申立ヲ為スコトヲ得ズ
第三百四十七條ノ規定ニ依ル破産廃止ノ申立ヲ為シタルトキハ其ノ棄却ノ決定ガ確定シタル後ニ非ザレバ免責ノ申立ヲ為スコトヲ得ズ
破産者ガ其ノ責ニ帰スベカラザル事由ニ因リ第一項ノ規定ニ依ル免責ノ申立ヲ為スコト能ハザリシ場合ニ於テハ其ノ事由ノ止ミタル後一月内ニ限リ免責ノ申立追完ヲ為スコトヲ得
第三百六十六條ノ三 破産者ハ免責ノ申立ト同時ニ知レタル破産債権者ノ氏名及住所並破産債権ノ額及原因、別除権アルトキハ其ノ目的及其ノ行使ニ依リテ弁済ヲ受クルコト能ハザル債権額ヲ記載シタル債権者名簿ヲ提出スルコトヲ要ス
申立ト同時ニ提出スルコト能ハザルトキハ爾後遅滞ナク之ヲ提出スルコトヲ要ス
第三百六十六條ノ四 免責ノ申立アリタルトキハ裁判所ハ期日ヲ定メテ破産者ヲ審訊スルコトヲ要ス
前項ノ期日ヲ定ムル決定ハ之ヲ公告シ且検察官、破産管財人及免責ノ効力ヲ受クベキ知レタル破産債権者ニ之ヲ送還スルコトヲ要ス
前項ノ規定ハ第一項ノ期日ノ変更並審訊ノ延期及続行ニ之ヲ準用ス
第二百三十八條但書及第二百三十九條ノ規定ハ前二項ノ規定ニ依ル決定ニ之ヲ準用ス
第一項ノ期日ハ債権者集会又ハ債権調査ノ期日ト併合スルコトヲ妨ゲズ
第三百六十六條ノ五 裁判所ハ破産管財人ヲシテ免責不許可ノ事由ノ有無ニ付調査ヲ為サシメ前條ノ審訊期日ニ於テ其ノ結果ヲ報告セシムルコトヲ得
第三百六十六條ノ六 裁判所ハ利害関係人ノ閲覧ニ供スル為免責ノ申立ニ関スル書類及前條ノ規定ニ依ル破産管財人ノ調査書類ヲ備へ置クコトヲ要ス
第三百六十六條ノ七 検察官、破産管財人又ハ免責ノ効力ヲ受クベキ破産債権者ハ第三百六十六條ノ四ノ審訊期日又ハ其ノ期日ニ於テ裁判所ガ定ムル一月以上ノ期間内ニ免責ノ申立ニ付裁判所ニ異議ヲ申立ツルコトヲ得
前項ノ期間ヲ定ムル決定ニ付其ノ言渡アリタルトキハ送達ヲ為スコトヲ要セズ
第三百六十六條ノ八 異議ノ申立アリタルトキハ裁判所ハ破産者及異議申立人ノ意見ヲ聴クコトヲ要ス
第三百六十六條ノ九 裁判所ハ左ノ場合ニ限リ免責不許可ノ決定ヲ為スコトヲ得
一 破産者ニ第三百七十四條、第三百七十五條、第三百七十七條又ハ第三百八十二條ノ罪ニ該ルベキ行為アリト認ムルトキ
二 破産者ガ破産宣告前一年内ニ破産ノ原因タル事実アルニ拘ラズ其ノ事実ナキコトヲ信ゼシムル為詐術ヲ用ヒテ信用取引ニ因リ財産ヲ取得シタルコトアルトキ
三 破産者ガ虚偽ノ債権者名簿ヲ提出シ又ハ裁判所ニ対シ其ノ財産状態ニ付虚偽ノ陳述ヲ為シタルトキ
四 破産者ガ免責ノ申立前十年内ニ免責ヲ得タルコトアルトキ
五 破産者ガ本法ニ定ムル破産者ノ義務ニ違反シタルトキ
第三百六十六條ノ十 破産者ガ免責ノ審理ヲ為スベキ期日ニ正当ノ事由ナクシテ出頭セズ又ハ出頭スルモ陳述ヲ拒ミタルトキハ裁判所ハ免責ノ申立ヲ却下スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ破産者ハ同一ノ破産ニ付再ビ免責ノ申立ヲ為スコトヲ得ズ
第三百六十六條ノ十一 免責ノ決定ハ確定ノ後ニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
第三百六十六條ノ十二 免責ヲ得タル破産者ハ破産手続ニ依ル配当ヲ除キ破産債権者ニ対スル債務ノ全部ニ付其ノ責任ヲ免ル但シ左ニ掲グル請求権ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
二 破産者ガ悪意ヲ以テ加へタル不法行為ニ基ク損害賠償
三 雇人ノ給料但シ一般ノ先取特権ヲ有スル部分ニ限ル
五 破産者ガ知リテ債権者名簿ニ記載セザリシ請求権但シ債権者ガ破産ノ宣告アリタルコトヲ知リタル場合ヲ除ク
第三百六十六條ノ十三 免責ハ破産債権者ガ破産者ノ保証人其ノ他破産者ト共ニ債務ヲ負担スル者ニ対シテ有スル権利及破産債権者ノ為ニ供シタル担保ニ影響ヲ及ボサズ
第三百六十六條ノ十四 免責ノ決定ガ確定シタルトキハ裁判所ハ其ノ主文ヲ公告シ債権表アルトキハ之ニ免責決定確定ノ旨ヲ記載スルコトヲ要ス
第三百六十六條ノ十五 詐欺破産ニ付破産者ニ対スル有罪ノ判決ガ確定シタルトキハ裁判所ハ破産債権者ノ申立ニ因リ又ハ職権ヲ以テ免責取消ノ決定ヲ為スコトヲ得免責ガ破産者ノ不正ノ方法ニ因リテ得ラレタル場合ニ於テ破産債権者ガ免責後一年内ニ免責ノ取消ノ申立ヲ為シタルトキ亦同ジ
第三百六十六條ノ十六 裁判所ハ免責取消ノ裁判ヲ為ス前破産者及申立人ノ意見ヲ聴クコトヲ要ス
第三百六十六條ノ十七 免責取消ノ決定ハ確定ノ後ニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
第三百六十六條ノ十八 免責ノ取消アリタルトキハ免責後其ノ取消迄ノ間ニ生ジタル原因ニ基キ破産者ニ対シ債権ヲ有スルニ至リタル者ハ他ノ債権者ニ先チテ弁済ヲ受クル権利ヲ有ス
第三百六十六條ノ十九 免責取消ノ決定ガ確定シタルトキハ裁判所ハ其ノ主文ヲ公告シ債権表アルトキハ之ニ免責取消決定確定ノ旨ヲ記載スルコトヲ要ス
第三百六十六條ノ二十 第百八條乃至第百十二條及第百十四條乃至第百十八條ノ規定ハ免責及免責取消ノ手続ニ之ヲ準用ス
第二章 復権
第三百六十六條ノ二十一 破産者ハ左ノ場合ニ於テハ復権ス
三 第三百四十七條ノ規定ニ依ル申立ニ基ク破産廃止ノ決定ガ確定シタルトキ
四 破産者ガ破産宣告後詐欺破産者ノ罪ニ付有罪ノ確定判決ヲ受クルコトナクシテ十年ヲ経過シタルトキ
免責取消又ハ強制和議取消ノ決定ガ確定シタルトキハ前項第一号又ハ第二号ノ規定ニ依ル復権ハ将来ニ向テ其ノ効力ヲ失フ
第三百六十七條を次のように改める。
第三百六十七條 前條ノ規定ニ依リ復権ヲ得ザル破産者ガ弁済其ノ他ノ方法ニ因リ破産債権者ニ対スル債務ノ全部ニ付其ノ責任ヲ免レタルトキハ破産裁判所ハ破産者ノ申立ニ因リ復権ノ決定ヲ為スコトヲ要ス
申立人ハ其ノ責任ヲ免レタルコトヲ証スル書面ヲ提出スルコトヲ要ス
第三百七十四條第四号中「裁判所書記」を「裁判所書記官」に改める。
第三百七十五條中「五千円」を「三十万円」に改め、同條第五号中「裁判所書記」を「裁判所書記官」に改める。
第三百七十七條第一項中「千円」を「五万円」に改める。
第三百八十條第一項及び第三百八十一條第一項中「三千円」を「二十万円」に改める。
第三百八十二條第一項中「千円」を「五万円」に改める。