中小企業信用保険法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第275号
公布年月日: 昭和26年11月30日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

中小企業者への事業資金融通円滑化を目的とする中小企業信用保険法は、施行後約11ヶ月で附保金額が約27億円にとどまり、金融機関の利用が十分でない状況にある。この状況を改善するため、二点の改正を行う。第一に、保険関係が成立する一中小企業者への貸付金額の上限を300万円から500万円へ、中小企業協同組合の場合は1000万円から2000万円へ引き上げる。第二に、信用保証協会の保証業務を保険の対象とし、その保証業務の5割程度を保険することで、地方公共団体の財政負担に制約がある信用保証協会の機能を強化する。これにより、中小企業者の信用・担保力不足による金融難の改善が期待される。

参照した発言:
第12回国会 衆議院 通商産業委員会 第6号

審議経過

第12回国会

衆議院
(昭和26年11月13日)
(昭和26年11月15日)
参議院
(昭和26年11月15日)
衆議院
(昭和26年11月16日)
(昭和26年11月17日)
参議院
(昭和26年11月19日)
(昭和26年11月22日)
(昭和26年11月26日)
衆議院
(昭和26年11月30日)
参議院
(昭和26年11月30日)
中小企業信用保險法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十六年十一月三十日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百七十五号
中小企業信用保險法の一部を改正する法律
中小企業信用保險法(昭和二十五年法律第二百六十四号)の一部を次のように改正する。
第一條の前に次の目次及び章名を加える。
目次
第一章
総則(第一條・第二條)
第二章
金融機関を相手方とする保險(第三條―第九條)
第三章
指定法人を相手方とする保險(第九條の二―第九條の五)
第四章
雑則(第十條―第十二條)
附則
第一章 総則
第一條中「貸付」の下に「及び指定法人の中小企業者の金融機関に対する債務の保証」を加え、「信用保險」を「保險」に改める。
第二條第二項中「資本金額(株金総額、出資総額又は株金総額及び出資総額の合計額)」を「資本の額若しくは出資の総額」に改め、同項を第三項とし、同條第一項の次に次の一項を加える。
2 この法律において「指定法人」とは、中小企業者の金融機関に対する債務の保証をすることを目的として民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四條の規定により設立した法人であつて、政令で指定するものをいう。
第二條の次に次の章名を加える。
第二章 金融機関を相手方とする保險
第四條第二項中「三百万円」を「五百万円」に、「一千万円」を「二千万円」に改める。
第九條の次に次の一章を加える。
第三章 指定法人を相手方とする保險
(保險契約)
第九條の二 政府は、会計年度の半期ごとに、指定法人を相手方として、当該指定法人が中小企業者の金融機関からの借入による債務の保証をしたことを政府に通知することにより、保証をした借入金の額の総額が一定の金額に達するまで、その保証につき、政府と当該指定法人との間に保險関係が成立する旨を定める契約を締結することができる。
2 前項の保險関係においては、保証をした借入金の額を保險価額とし、中小企業者に代つてする借入金の全部又は一部の弁済を保險事故とし、保險価額に百分の五十を乘じて得た金額を保險金額とする。
3 政府は、第一項の保險関係が成立する保証をした借入金の額の総額の指定法人を通ずる合計額が、会計年度ごとに国会の議決を経た金額をこえない範囲内でなければ、同項の契約を締結することができない。
(保險関係が成立する保証をした借入金)
第九條の三 前條第一項の保險関係が成立する保証をした借入金は、中小企業者の行う事業の振興に必要なものに限る。
2 前項の借入金の額は、中小企業者一人につき、合計五百万円(その中小企業者が中小企業等協同組合であるときは、二千万円)をこえてはならない。
(保險金)
第九條の四 政府が第九條の二第一項の保險関係に基いて支拂うべき保險金の額は、指定法人が中小企業者に代つて弁済をした借入金の額から指定法人がその支拂の請求をする時までに中小企業者に対する求償権(弁済をした日以後の法定利息及び避けることができなかつた費用その他の損害の賠償に係る部分を除く。以下同じ。)を行使して取得した額(指定法人が借入金の外利息又は費用についても弁済をしたときは、求償権を行使して取得した額に、弁済をした借入金の額の総弁済額に対する割合を乘じて得た額)を控除した残額に、百分の五十を乘じて得た額とする。
(準用)
第九條の五 第五條の規定は、指定法人を相手方とする保險に準用する。
2 第七條及び第九條の規定は、指定法人に準用する。
3 第八條の規定は、指定法人が中小企業者に代つて弁済をした場合において、政府が保險金の全額を支拂つたときに準用する。この場合において、「百分の七十五」とあるのは「百分の五十」と読み替えるものとする。
第九條の五の次に次の章名を加える。
第四章 雑則
第十條中「金融機関」を「金融機関又は指定法人」に、「第三條第一項の契約」を「第三條第一項若しくは第九條の二第一項の保險契約」に、「同項の保險関係」を「第三條第一項若しくは第九條の二第一項の保險関係」に、「同項の契約」を「保險契約」に改める。
第十一條第一項中「第三條第一項」を「第三條第一項又は第九條の二第一項」に、同條第二項中「金融機関の貸付金債権に関する第八條」を「第八條(第九條の五第三項において準用する場合を含む。)」に、「当該金融機関」を「当該金融機関又は指定法人」に、同條第三項中「金融機関」を「金融機関又は指定法人」に改める。
第十二條第二項中「第三條第一項の契約」を「第三條第一項又は第九條の二第一項の保險契約」に改める。
附 則
1 この法律は、昭和二十六年十二月一日から施行する。
2 政府は、第九條の二第三項の規定にかかわらず、昭和二十六年度に限り、同條第一項の保險関係が成立する保証をした借入金の額の総額の指定法人を通ずる合計額が、百億円をこえない範囲内で、同項の契約を締結することができる。
3 中小企業信用保險特別会計法(昭和二十五年法律第二百六十五号)の一部を次のように改正する。
第四條第一項中「法第八條の規定により政府が代位した貸付金債権の回收金」を「法第八條(法第九條の五第三項において準用する場合を含む。)の規定による代位による回收金」に改める。
大蔵大臣 池田勇人
農林大臣 根本龍太郎
通商産業大臣 高橋龍太郎
内閣総理大臣 吉田茂
中小企業信用保険法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十六年十一月三十日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百七十五号
中小企業信用保険法の一部を改正する法律
中小企業信用保険法(昭和二十五年法律第二百六十四号)の一部を次のように改正する。
第一条の前に次の目次及び章名を加える。
目次
第一章
総則(第一条・第二条)
第二章
金融機関を相手方とする保険(第三条―第九条)
第三章
指定法人を相手方とする保険(第九条の二―第九条の五)
第四章
雑則(第十条―第十二条)
附則
第一章 総則
第一条中「貸付」の下に「及び指定法人の中小企業者の金融機関に対する債務の保証」を加え、「信用保険」を「保険」に改める。
第二条第二項中「資本金額(株金総額、出資総額又は株金総額及び出資総額の合計額)」を「資本の額若しくは出資の総額」に改め、同項を第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 この法律において「指定法人」とは、中小企業者の金融機関に対する債務の保証をすることを目的として民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立した法人であつて、政令で指定するものをいう。
第二条の次に次の章名を加える。
第二章 金融機関を相手方とする保険
第四条第二項中「三百万円」を「五百万円」に、「一千万円」を「二千万円」に改める。
第九条の次に次の一章を加える。
第三章 指定法人を相手方とする保険
(保険契約)
第九条の二 政府は、会計年度の半期ごとに、指定法人を相手方として、当該指定法人が中小企業者の金融機関からの借入による債務の保証をしたことを政府に通知することにより、保証をした借入金の額の総額が一定の金額に達するまで、その保証につき、政府と当該指定法人との間に保険関係が成立する旨を定める契約を締結することができる。
2 前項の保険関係においては、保証をした借入金の額を保険価額とし、中小企業者に代つてする借入金の全部又は一部の弁済を保険事故とし、保険価額に百分の五十を乗じて得た金額を保険金額とする。
3 政府は、第一項の保険関係が成立する保証をした借入金の額の総額の指定法人を通ずる合計額が、会計年度ごとに国会の議決を経た金額をこえない範囲内でなければ、同項の契約を締結することができない。
(保険関係が成立する保証をした借入金)
第九条の三 前条第一項の保険関係が成立する保証をした借入金は、中小企業者の行う事業の振興に必要なものに限る。
2 前項の借入金の額は、中小企業者一人につき、合計五百万円(その中小企業者が中小企業等協同組合であるときは、二千万円)をこえてはならない。
(保険金)
第九条の四 政府が第九条の二第一項の保険関係に基いて支払うべき保険金の額は、指定法人が中小企業者に代つて弁済をした借入金の額から指定法人がその支払の請求をする時までに中小企業者に対する求償権(弁済をした日以後の法定利息及び避けることができなかつた費用その他の損害の賠償に係る部分を除く。以下同じ。)を行使して取得した額(指定法人が借入金の外利息又は費用についても弁済をしたときは、求償権を行使して取得した額に、弁済をした借入金の額の総弁済額に対する割合を乗じて得た額)を控除した残額に、百分の五十を乗じて得た額とする。
(準用)
第九条の五 第五条の規定は、指定法人を相手方とする保険に準用する。
2 第七条及び第九条の規定は、指定法人に準用する。
3 第八条の規定は、指定法人が中小企業者に代つて弁済をした場合において、政府が保険金の全額を支払つたときに準用する。この場合において、「百分の七十五」とあるのは「百分の五十」と読み替えるものとする。
第九条の五の次に次の章名を加える。
第四章 雑則
第十条中「金融機関」を「金融機関又は指定法人」に、「第三条第一項の契約」を「第三条第一項若しくは第九条の二第一項の保険契約」に、「同項の保険関係」を「第三条第一項若しくは第九条の二第一項の保険関係」に、「同項の契約」を「保険契約」に改める。
第十一条第一項中「第三条第一項」を「第三条第一項又は第九条の二第一項」に、同条第二項中「金融機関の貸付金債権に関する第八条」を「第八条(第九条の五第三項において準用する場合を含む。)」に、「当該金融機関」を「当該金融機関又は指定法人」に、同条第三項中「金融機関」を「金融機関又は指定法人」に改める。
第十二条第二項中「第三条第一項の契約」を「第三条第一項又は第九条の二第一項の保険契約」に改める。
附 則
1 この法律は、昭和二十六年十二月一日から施行する。
2 政府は、第九条の二第三項の規定にかかわらず、昭和二十六年度に限り、同条第一項の保険関係が成立する保証をした借入金の額の総額の指定法人を通ずる合計額が、百億円をこえない範囲内で、同項の契約を締結することができる。
3 中小企業信用保険特別会計法(昭和二十五年法律第二百六十五号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項中「法第八条の規定により政府が代位した貸付金債権の回収金」を「法第八条(法第九条の五第三項において準用する場合を含む。)の規定による代位による回収金」に改める。
大蔵大臣 池田勇人
農林大臣 根本龍太郎
通商産業大臣 高橋龍太郎
内閣総理大臣 吉田茂