水産業協同組合法等の一部を改正する法律
法令番号: 法律第170号
公布年月日: 昭和25年5月10日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

水産業協同組合法施行から1年余が経過し、約4千の組合が認可され、漁村の民主化と水産経済の振興に寄与している。しかし、実施経験や全国からの請願・陳情を踏まえ、法の一層有効な活用のため改正を提案する。主な改正点は、一定規模以下の法人の准組合員としての加入を認めること、独占禁止法の組合に対する適用緩和、役員任期の最大3年への伸張及び競争関係にある事業関係者の役員就任禁止などである。また、員外利用の制限、総代会、専用契約、総会の代理議決に関する条項も実情に即して改正する。

参照した発言:
第7回国会 衆議院 水産委員会 第23号

審議経過

第7回国会

衆議院
(昭和25年3月24日)
(昭和25年3月25日)
(昭和25年3月27日)
参議院
(昭和25年3月27日)
(昭和25年3月31日)
衆議院
(昭和25年4月30日)
(昭和25年4月30日)
参議院
(昭和25年5月1日)
(昭和25年5月1日)
衆議院
(昭和25年5月3日)
参議院
(昭和25年5月2日)
水産業協同組合法等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十五年五月十日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百七十号
水産業協同組合法等の一部を改正する法律
第一條 水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)の一部を次のように改正する。
第七條第一項第一号中「経営規模以上のもの」を「経営規模をこえているもの」に、同号の表の定置漁業の項中「五十人」を「百人」に、同項第二号中「十人以上」を「二十人以上」に改める。
第十一條第三項但書中「組合員」を「組合員及び他の組合の組合員」に改める。
第十八條第三項を次のように改める。
3 前二項に規定する者の外、組合は、定款の定めるところにより、左の者を組合員たる資格を有する者とすることができる。
一 水産加工業協同組合に加入していない水産加工業者であつて組合の地区内に住所又は事業場を有するもの
二 漁業生産組合
三 第一項又は前項に規定する漁民以外の漁民
四 組合の地区内に住所又は事業場を有する漁業を営む法人(漁業協同組合及び漁業生産組合を除く。)であつてその常時使用する従業者の数が三百人以下であり、且つ、使用漁船の合計トン数が三百トン以下であるもの
第二十一條第四項に次の但書を加える。
但し、河川において水産動植物の採捕又は養殖をする者を主たる構成員とする組合であつて組合員(准組合員を除く。)が千人をこえるものにあつては、二人までの組合員を代理することができる。
第二十四條第一項中「一年」を「二年」に改める。
第三十四條第七項の次に次の一項を加える。
8 前項の組合員又は漁民は、漁業法(昭和二十四年法律第二百六十七号)第百二十七條に規定する内水面において水産動植物の採捕又は養殖をする者を主たる構成員とする組合以外の組合にあつては、漁業を営み又はこれに従事する日数が一年を通じて九十日以上である者でなければならない。
第三十五條第一項但書中「二年」を「三年」に改める。
第三十六條の次に次の一條を加える。
(競業関係にある者の役員等への就任禁止)
第三十六條の二 組合の行う事業と実質的に競争関係にある事業(当該組合の組合員の営み又は従事する漁業及び当該組合の所属する漁業協同組合連合会の行う事業を除く。)を営み又はこれに従事する者(当該事業を営む法人その他の団体の役員及び職員を含む。)は、当該組合の理事、監事、参事又は会計主任になることができない。
第四十三條第一項中「貸借対照表」の下に「、損益計算書」を加える。
第四十八條第一項第六号中「貸借対照表、」の下に「損益計算書、」を加える。
第五十二條第一項中「二百人」を「百人」に改め、同條第三項を次のように改める。
3 総代の定数は、組合員(准組合員を除く。)の四分の一以上でなければならない。但し、組合員(准組合員を除く。)の総数が二百人をこえる組合にあつては、五十人以上であればよい。
第五十二條第五項の次に次の二項を加える。
6 総代会において既に議決した事項については、総代会の議決の日から三箇月以内に第三十八條又は第三十九條の規定に基いて開催された総会において、更にこれについて議決することができる。
この場合総会において総代会と異なる議決をしたときは、以後その議決によるものとする。
7 組合は、第一項の規定により総代会を設けた場合においても、第三十八條の規定に基く通常総会を開催しなければならない。
第七十條第二項中「第三十四條第七項本文」の下に「及び第八項」を加える。
第八十六條第二項中「第三十三條から第四十一條まで」を「第三十三條、第三十四條第一項から第七項まで、第三十五條から第四十一條まで」に、同條第四項中「第七十條第二項において準用する」を「第七十條第二項中「第三十四條第七項本文及び第八項」とあるのは「第三十四條第七項本文」と、同項において準用する」に改める。
第八十七條第一項第八号中「法人たる所属員」を「会員」に、同條第三項但書中「所属員」を「所属員及び他の連合会の所属員」に改める。
第九十二條第三項中「と読み替えるものとする。」を「と、同條第八項中「組合員又は漁民」とあるのは「所属員」と、第三十六條の二中「(当該組合の組合員の営み又は従事する漁業及び当該組合の所属する漁業協同組合連合会の行う事業を除く。)」とあるのは「(当該連合会の所属員たる組合及び連合会並びに当該連合会の所属する連合会の行う事業を除く。)」と読み替えるものとする。」に、同條第五項中「と読み替えるものとする。」を「と、第七十條第二項において準用する第三十四條第八項中「組合員又は漁民」とあるのは「所属員」と読み替えるものとする。」に改める。
第九十四條に次の一項を加える。
2 前項に規定する者の外、組合は、定款の定めるところにより、組合の地区内に住所又は事業場を有する水産加工業を営む法人であつてその常時使用する従業者の数が四十人以下であるものを組合員たる資格を有する者とすることができる。
第九十六條第二項中「、第二十條、第二十一條第一項本文、第二項から第五項まで及び第二十二條」を「及び第二十條」に改め、同項の末尾に次のように加える。
この場合において第二十一條第一項但書中「第十八條第三項」とあるのは「第九十四條第二項」と、「本章及び第四章において」とあるのは「第九十六條において準用する各規定において」と読み替えるものとする。
同條第三項中「第三十二條から第五十八條まで」を「第三十二條、第三十三條、第三十四條第一項から第七項まで及び第三十五條から第五十八條まで」に改め、同項の末尾に次のように加える。
この場合において、第三十六條の二中「漁業」とあるのは「水産加工業」と、「漁業協同組合連合会」とあるのは「水産加工業協同組合連合会」と読み替えるものとする。
同條第五項中「と読み替えるものとする。」を「と、第七十條第二項中「第三十四條第七項本文及び第八項とあるのは「第三十四條第七項本文と読み替えるものとする。」に改める。
第九十七條第一項第七号中「法人たる所属員」を「会員」に改める。
第百條第三項中「第三十二條から第四十七條まで」を「第三十二條、第三十三條、第三十四條第一項から第七項まで及び第三十五條から第四十七條まで」に、「と読み替えるものとする。」を「と、第三十六條の二中「(当該組合の組合員の営み又は従事する漁業及び当該組合の所属する漁業協同組合連合会の行う事業を除く。)」とあるのは「(当該連合会の所属員の営む水産加工業並びに当該連合会の所属員たる組合及び連合会及び当該連合会の所属する連合会の行う事業を除く。)」と読み替えるものとする。」に、同條第五項中「同條第二項において準用する」を「同條第二項中「第三十四條第七項本文及び第八項」とあるのは「第三十四條第七項本文」と、同項において準用する」に改める。
第百三十條第三号中「第二項」を「第三項」に改める。
第二條 水産業協同組合法の制定に伴う水産業団体の整理等に関する法律(昭和二十三年法律第二百四十三号)の一部を次のように改正する。
第十三條の二第五項中「水産業協同組合法第十八條第一項に規定する漁民」を「水産業協同組合法第十條第二項に規定する漁民であつて当該漁業会の地区内に住所を有し、一年に三十日以上漁業を営み又はこれに従事するもの」に改める。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 この法律施行の際現に水産業協同組合の理事、監事、参事又は会計主任である者については、水産業協同組合法第三十六條の二の規定は、公布の日から起算して二箇月間は適用しない。
3 この法律施行の際現に漁業協同組合又は漁業協同組合連合会の理事である者については、水産業協同組合法第三十四條第八項(同法第九十二條第三項において準用する場合を含む。)の改正規定は、その任期中は適用しない。
農林大臣 森幸太郎
内閣総理大臣 吉田茂
水産業協同組合法等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十五年五月十日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百七十号
水産業協同組合法等の一部を改正する法律
第一条 水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)の一部を次のように改正する。
第七条第一項第一号中「経営規模以上のもの」を「経営規模をこえているもの」に、同号の表の定置漁業の項中「五十人」を「百人」に、同項第二号中「十人以上」を「二十人以上」に改める。
第十一条第三項但書中「組合員」を「組合員及び他の組合の組合員」に改める。
第十八条第三項を次のように改める。
3 前二項に規定する者の外、組合は、定款の定めるところにより、左の者を組合員たる資格を有する者とすることができる。
一 水産加工業協同組合に加入していない水産加工業者であつて組合の地区内に住所又は事業場を有するもの
二 漁業生産組合
三 第一項又は前項に規定する漁民以外の漁民
四 組合の地区内に住所又は事業場を有する漁業を営む法人(漁業協同組合及び漁業生産組合を除く。)であつてその常時使用する従業者の数が三百人以下であり、且つ、使用漁船の合計トン数が三百トン以下であるもの
第二十一条第四項に次の但書を加える。
但し、河川において水産動植物の採捕又は養殖をする者を主たる構成員とする組合であつて組合員(准組合員を除く。)が千人をこえるものにあつては、二人までの組合員を代理することができる。
第二十四条第一項中「一年」を「二年」に改める。
第三十四条第七項の次に次の一項を加える。
8 前項の組合員又は漁民は、漁業法(昭和二十四年法律第二百六十七号)第百二十七条に規定する内水面において水産動植物の採捕又は養殖をする者を主たる構成員とする組合以外の組合にあつては、漁業を営み又はこれに従事する日数が一年を通じて九十日以上である者でなければならない。
第三十五条第一項但書中「二年」を「三年」に改める。
第三十六条の次に次の一条を加える。
(競業関係にある者の役員等への就任禁止)
第三十六条の二 組合の行う事業と実質的に競争関係にある事業(当該組合の組合員の営み又は従事する漁業及び当該組合の所属する漁業協同組合連合会の行う事業を除く。)を営み又はこれに従事する者(当該事業を営む法人その他の団体の役員及び職員を含む。)は、当該組合の理事、監事、参事又は会計主任になることができない。
第四十三条第一項中「貸借対照表」の下に「、損益計算書」を加える。
第四十八条第一項第六号中「貸借対照表、」の下に「損益計算書、」を加える。
第五十二条第一項中「二百人」を「百人」に改め、同条第三項を次のように改める。
3 総代の定数は、組合員(准組合員を除く。)の四分の一以上でなければならない。但し、組合員(准組合員を除く。)の総数が二百人をこえる組合にあつては、五十人以上であればよい。
第五十二条第五項の次に次の二項を加える。
6 総代会において既に議決した事項については、総代会の議決の日から三箇月以内に第三十八条又は第三十九条の規定に基いて開催された総会において、更にこれについて議決することができる。
この場合総会において総代会と異なる議決をしたときは、以後その議決によるものとする。
7 組合は、第一項の規定により総代会を設けた場合においても、第三十八条の規定に基く通常総会を開催しなければならない。
第七十条第二項中「第三十四条第七項本文」の下に「及び第八項」を加える。
第八十六条第二項中「第三十三条から第四十一条まで」を「第三十三条、第三十四条第一項から第七項まで、第三十五条から第四十一条まで」に、同条第四項中「第七十条第二項において準用する」を「第七十条第二項中「第三十四条第七項本文及び第八項」とあるのは「第三十四条第七項本文」と、同項において準用する」に改める。
第八十七条第一項第八号中「法人たる所属員」を「会員」に、同条第三項但書中「所属員」を「所属員及び他の連合会の所属員」に改める。
第九十二条第三項中「と読み替えるものとする。」を「と、同条第八項中「組合員又は漁民」とあるのは「所属員」と、第三十六条の二中「(当該組合の組合員の営み又は従事する漁業及び当該組合の所属する漁業協同組合連合会の行う事業を除く。)」とあるのは「(当該連合会の所属員たる組合及び連合会並びに当該連合会の所属する連合会の行う事業を除く。)」と読み替えるものとする。」に、同条第五項中「と読み替えるものとする。」を「と、第七十条第二項において準用する第三十四条第八項中「組合員又は漁民」とあるのは「所属員」と読み替えるものとする。」に改める。
第九十四条に次の一項を加える。
2 前項に規定する者の外、組合は、定款の定めるところにより、組合の地区内に住所又は事業場を有する水産加工業を営む法人であつてその常時使用する従業者の数が四十人以下であるものを組合員たる資格を有する者とすることができる。
第九十六条第二項中「、第二十条、第二十一条第一項本文、第二項から第五項まで及び第二十二条」を「及び第二十条」に改め、同項の末尾に次のように加える。
この場合において第二十一条第一項但書中「第十八条第三項」とあるのは「第九十四条第二項」と、「本章及び第四章において」とあるのは「第九十六条において準用する各規定において」と読み替えるものとする。
同条第三項中「第三十二条から第五十八条まで」を「第三十二条、第三十三条、第三十四条第一項から第七項まで及び第三十五条から第五十八条まで」に改め、同項の末尾に次のように加える。
この場合において、第三十六条の二中「漁業」とあるのは「水産加工業」と、「漁業協同組合連合会」とあるのは「水産加工業協同組合連合会」と読み替えるものとする。
同条第五項中「と読み替えるものとする。」を「と、第七十条第二項中「第三十四条第七項本文及び第八項とあるのは「第三十四条第七項本文と読み替えるものとする。」に改める。
第九十七条第一項第七号中「法人たる所属員」を「会員」に改める。
第百条第三項中「第三十二条から第四十七条まで」を「第三十二条、第三十三条、第三十四条第一項から第七項まで及び第三十五条から第四十七条まで」に、「と読み替えるものとする。」を「と、第三十六条の二中「(当該組合の組合員の営み又は従事する漁業及び当該組合の所属する漁業協同組合連合会の行う事業を除く。)」とあるのは「(当該連合会の所属員の営む水産加工業並びに当該連合会の所属員たる組合及び連合会及び当該連合会の所属する連合会の行う事業を除く。)」と読み替えるものとする。」に、同条第五項中「同条第二項において準用する」を「同条第二項中「第三十四条第七項本文及び第八項」とあるのは「第三十四条第七項本文」と、同項において準用する」に改める。
第百三十条第三号中「第二項」を「第三項」に改める。
第二条 水産業協同組合法の制定に伴う水産業団体の整理等に関する法律(昭和二十三年法律第二百四十三号)の一部を次のように改正する。
第十三条の二第五項中「水産業協同組合法第十八条第一項に規定する漁民」を「水産業協同組合法第十条第二項に規定する漁民であつて当該漁業会の地区内に住所を有し、一年に三十日以上漁業を営み又はこれに従事するもの」に改める。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 この法律施行の際現に水産業協同組合の理事、監事、参事又は会計主任である者については、水産業協同組合法第三十六条の二の規定は、公布の日から起算して二箇月間は適用しない。
3 この法律施行の際現に漁業協同組合又は漁業協同組合連合会の理事である者については、水産業協同組合法第三十四条第八項(同法第九十二条第三項において準用する場合を含む。)の改正規定は、その任期中は適用しない。
農林大臣 森幸太郎
内閣総理大臣 吉田茂