租税特別措置法等の一部を改正する法律
法令番号: 法律第136号
公布年月日: 昭和25年5月2日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

外資と外国技術の適正な導入を図り、日本経済の急速な復実現するため、所得税課税上の特別措置を講じる必要がある。これらの課税上の特別措置は臨時的なものであることを考慮し、租税特別措置法に規定することが適当と認められる。また、所得税法及び法人税法の改正、富裕税の新設に伴い、所得税、法人税、富裕税等の課税標準等の特例の改正または新設を行うこととしている。

参照した発言:
第7回国会 衆議院 大蔵委員会 第53号

審議経過

第7回国会

衆議院
(昭和25年4月18日)
参議院
(昭和25年4月18日)
衆議院
(昭和25年4月19日)
参議院
(昭和25年4月20日)
衆議院
(昭和25年4月21日)
参議院
(昭和25年4月21日)
衆議院
(昭和25年4月24日)
(昭和25年4月25日)
参議院
(昭和25年4月25日)
(昭和25年4月27日)
(昭和25年4月29日)
衆議院
(昭和25年5月3日)
参議院
(昭和25年5月2日)
租税特別措置法等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十五年五月二日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百三十六号
租税特別措置法等の一部を改正する法律
第一條 租税特別措置法(昭和二十一年法律第十五号)の一部を次のように改正する。
第一條中「法人税、有価証券移転税、」を削り、「財産税、」を「富裕税、」に、「物品税」を「印紙税」に改める。
第三條から第五條の三までを次のように改める。
第三條 所得税法の施行地に住所及び一年以上居所を有しない個人又は法人税法の施行地に本店若しくは主たる事務所を有しない法人が対外支拂手段(外国為替及び外国貿易管理法第六條に規定する対外支拂手段をいう。以下同じ。)の提供に因り合法的に取得した国債、地方債又は同法の施行地に本店若しくは主たる事務所を有する法人の発行する社債、株式若しくは出資について所得税法の施行地に住所及び一年以上居所を有しない個人又は法人税法の施行地に本店若しくは主たる事務所を有しない法人が支拂を受ける利子所得又は配当所得のうち利息の配当に対する同法第十七條又は第十八條の規定の適用については、これらの規定に規定する百分の二十の税率は、百分の十の税率とする。
前項の規定は、同項の規定の適用を受けようとする者が、当該国債、地方債、社債、株式又は出資が対外支拂手段の提供に因り合法的に取得されたものである旨を示して、その利子又は利息の配当の支拂をなす者の備え付ける帳簿にその氏名、国籍及び住所又は名称及び主たる事務所の所在地並びに命令で定める事項の登載を受けた場合において、その登載を受けている期間に限り、これを適用する。
第四條 所得税法第一條第一項に規定する者で同法の施行地に住所を有しないものの昭和二十五年から昭和三十年までの各年における給與所得又は退職所得については、同法の施行地における支拂に因る收入金額を同法第九條第一項第五号又は第六号に規定する收入金額として、同法の規定を適用する。
前項に規定する各年において同項に規定する者が所得税法の施行地外から送金を受領した場合においては、その受領した金額のうち同法第九條第一項第五号に規定する收入金額から同法の施行地における支拂に因る給與所得の收入金額を控除した金額に達するまでの金額に相当する金額は、前項の規定の適用については、同法の施行地における支拂に因る收入金額とみなす。
第一項に規定する者の所得税法の施行地における生活に通常必要な金額が同法の施行地における支拂に因る給與所得の收入金額(その者が同法第九條第一項第一号から第四号まで又は第七号から第十号までの所得を有するときは、これらの各号に規定する所得の金額との合計額)をこえる場合においては、第一項の規定にかかわらず、そのこえる金額に相当する同法の施行地外における支拂に因る給與所得の收入金額(前項の規定により同法の施行地における支拂に因る收入金額とみなされた金額があるときは、当該金額に相当する金額を控除した金額)については、これを第一項に規定する同法の施行地における支拂に因る給與所得の收入金額に加算して同項の規定を適用する。
第五條 日本経済の健全な発展のため外国資本又は外国技術の導入を必要とする事業を営む外資法人から給與所得又は退職所得の支拂を受ける所得税法第一條第一項に規定する者で同法の施行地に住所を有しないものの昭和二十七年から昭和三十年までの各年において当該法人から支拂を受ける給與所得又は退職所得については、当該給與所得又は退職所得の收入金額(その年分の総所得金額から所得税法第九條第二項、第九條の二、第十一條の三又は第十一條の四の規定による控除をなす場合においては、当該所得の收入金額からこれらの規定により控除すべき金額を控除した金額。以下同じ。)からその十分の五に相当する金額(その金額が三百五十万円をこえるときは、三百五十万円)を控除した金額を同法第九條第一項第五号又は第六号に規定する收入金額として、同法の規定を適用する。日本経済の健全な発展のため外国資本又は外国技術の導入を必要とする事業を営む法人で外資法人以外のものの当該事業に係る科学技術の指導改善のために招へいされた所得税法第一條第一項に規定する者で同法の施行地に住所を有しないもののうち大蔵大臣の指定する者の昭和二十七年から昭和三十年までの各年において当該法人から支拂を受ける給與所得又は退職所得についても、また同様とする。
前項前段に規定する者が同項前段の規定の適用を受けようとするときは、命令で定める手続により、その氏名、国籍その他命令で定める事項を記載した申告書を、当該給與所得又は退職所得の支拂者を経由して、政府に提出しなければならない。
第一項に規定する事業の種類は、大蔵大臣が外資委員会に協議した上、これを定めて公表する。
第一項において「外資法人」とは、左の各号に掲げる法人をいう。
一 所得税法の施行地に住所及び一年以上居所を有しない個人又は法人税法の施行地に本店若しくは主たる事務所を有しない法人の同法の施行地に本店又は主たる事務所を有する法人に対する対外支拂手段の提供、第一項に規定する事業の用に供する貨物の輸入又は当該事業の用に供する工業所有権その他技術に関する権利で同法の施行地外において取得したものの提供(これらの権利に関する使用権の設定を含む。)に因る投資について命令の定めるところにより計算した金額が毎年一月一日において一億円以上である場合における当該法人
二 法人税法の施行地に本店又は主たる事務所を有しない法人の同法の施行地にある資産で対外支拂手段の提供若しくは第一項に規定する事業の用に供する貨物の輸入に因り取得したもの又は当該法人の同法の施行地外において取得した工業所有権その他技術に関する権利(これらの権利に関する使用権を含む。)で同法の施行地において同項に規定する事業の用に供するものの価額が毎年一月一日において一億円以上である場合における当該法人
第五條の二 その事業活動に因り前條第一項に規定する事業を営む外資法人の事業活動が容易となり、且つ、外国資本の適正な導入が促進されることとなる事業を営む法人から給與所得又は退職所得の支拂を受ける所得税法第一條第一項に規定する者で同法の施行地に住所を有しないものの昭和二十七年から昭和三十年までの各年において当該法人から支拂を受ける給與所得又は退職所得については、当該給與所得又は退職所得の收入金額からその十分の五に相当する金額(その金額が三百五十万円をこえるときは、三百五十万円)を控除した金額を同法第九條第一項第五号又は第六号に規定する收入金額として、同法の規定を適用する。
前條第二項の規定は、前項の規定の適用を受けようとする者について、これを準用する。
その活動に因り前條第一項に規定する事業を営む外資法人の事業活動が容易となり、且つ、外国資本の適正な導入が促進されることとなる自由職業を営む所得税法第一條第一項に規定する者で同法の施行地に住所を有しないものの昭和二十七年から昭和三十年までの各年における事業所得については、当該事業所得の金額から当該職業から生ずる所得の金額(その年分の総所得金額から同法第九條第二項、第九條の二、第十一條の三又は第十一條の四の規定による控除をなす場合においては、当該所得の金額からこれらの規定により控除すべき金額を控除した金額)の十分の五に相当する金額(その金額が三百五十万円をこえるときは、三百五十万円)を控除した金額を同法第九條第一項第四号に規定する事業所得の金額として、同法の規定を適用する。
前條第三項の規定は、第一項に規定する法人の事業及び前項に規定する自由職業の種類について、これを準用する。
第五條の三 学校教育法第一條に規定する大学又は高等学校(同法第九十八條の従前の規定による大学、大学予科及び專門学校を含む。)の教員として給與所得又は退職所得の支拂を受けやうとする者のうち所得税法第一條第一項に規定する者で同法の施行地に住所を有しないものの昭和二十七年から昭和三十年までの各年において支拂を受ける当該給與所得又は退職所得については、当該給與所得又は退職所得の收入金額からその十分の五に相当する金額(その金額が三百五十万円をこえるときは、三百五十万円)を控除した金額を同法第九條第一項第五号又は第六号に規定する收入金額として、同法の規定を適用する。牧師その他宗教の布教に従事する者としてその所属する宗教上の組織から給與所得又は退職所得の支拂を受けやうとする者のうち所得税法第一條第一項に規定する者で同法の施行地に住所を有しないものの昭和二十七年から昭和三十年までの各年における当該給與所得又は退職所得についても、また同様とする。
第五條第二項の規定は、前項の規定の適用を受けやうとする者について、これを準用する。
第五條の四 所得税法第一條第一項に規定する者で同法の施行地に住所を有しないもののうち左の各号の一に該当する者の昭和二十五年分及び昭和二十六年分の所得に対する同法の規定の適用については、昭和二十五年分については同年中の命令で定める期間内に生じた所得の金額(その年分の総所得金額から同法第九條第二項、第十一條の三又は第十一條の四の規定による控除をなす場合においては、当該期間内に生じた所得の金額からこれらの規定により控除すべき金額を控除した金額)の十分の五に相当する金額(その金額が三百五十万円に当該期間の月数を乘じて十二分して計算した金額をこえるときは、当該金額)を、昭和二十六年分については同年分の総所得金額(当該総所得金額から同法第九條第二項、第九條の二、第十一條の三又は第十一條の四の規定による控除をなす場合においては、当該総所得金額からこれらの規定により控除すべき金額を控除した金額。以下同じ。)の十分の五に相当する金額(その金額が三百五十万円をこえるときは、三百五十万円)を、それぞれ当該年分の総所得金額から控除した金額を同法第十三條に規定する課税総所得金額として、同法の規定を適用する。
一 本條の規定施行前に所得税法の施行地において本邦通貨以外の通貨をもつて合法的に得た所得を有していた者
二 本條の規定施行後に合法的に所得税法の施行地に居住することとなつた者
前項に規定する者については、その者が昭和二十五年の同項に規定する期間中及び昭和二十六年中に支拂を受ける給與所得又は退職所得の收入金額からその十分の五に相当する金額を控除した金額(退職所得については、当該金額からその十分の一・五に相当する金額を控除した金額)を所得税法第三十八條第一項に規定する給與の金額又は退職所得の金額として、同項の規定を適用する。
第五條第二項の規定は、前項の規定の適用を受けようとする者について、これを準用する。
第六條を削る。
第七條第一項中「昭和二十年八月十五日以後に相続の開始があつた場合において、相続財産(昭和二十二年五月三日以後に開始する相続については、相続開始前二年以内に被相続人が贈與した財産を含む。以下本條中同じ。)」を「相続税の課税価格の計算の基礎となる財産」に、「当該在外財産等の価格」を「当該在外財産等の価額」に改め、「当該相続についての課税価格の計算上、」を削り、「相続財産の価格」を「相続税の課税価格」に改め、同條第二項中「更正」を「更正又は決定」に改め、同條に次の一項を加え、同條を第六條とする。
在外財産等の価額を算定することができることとなつた際において、当該在外財産等の価額について相続税法第三十一條の規定による修正申告書の提出があつた場合又は前項の規定による更正若しくは決定をなした場合における同法第五十一條から第五十四條までの規定の適用については、当該在外財産等の価額が算定できることとなつた日から四箇月を経過した日を当該各條に規定する申告書の提出期限とみなす。
第八條を第七條とし、同條の次に次の一條を加える。
第八條 富裕税法第一條第一号に規定する課税時期において有する在外財産等の価額(課税時期において第六條第一項に規定する命令で定める債務があるときは、その債務の金額を控除した金額)は、当該課税時期を含む年分の富裕税の課税価格に算入しない。
前項の規定の適用を受けようとする者は、富裕税法第十八條又は第十九條の規定による申告書に在外財産等の価額その他命令で定める事項を記載しなければならない。
第十二條を次のように改める。
第十二條 納税準備預金通帳には、印紙税を課さない。
第二條 揮発油税法(昭和二十四年法律第四十四号)の一部を次のように改正する。
第五條第二項を次のように改める。
2 前項但書の規定により担保を提供した者が、期限までに税金を納付しなかつたときは、担保物たる金銭をもつて直ちに税金に充て、若しくは金銭以外の担保物を公売して税金及び公売の費用に充て、又は保証人をして税金を納付せしめる。
第五條の次に次の一條を加える。
第五條の二 前條第二項の場合において、担保物の価額が徴收すべき税金及び公売の費用に充てなお不足額があるときは、納税義務者の他の財産について滯納処分を行う。
2 前條第二項の場合において、保証人が税金を完納しないときは、まず納税義務者の財産について滯納処分を行い、その財産の価額が徴收すべき税金、督促手数料及び滯納処分費に充てなお不足額があるときは、保証人の財産について滯納処分を行う。
3 前項の保証人は、国税徴收法(明治三十年法律第二十一号)第三十二條の規定の適用については、これを納税者とみなす。
第七條第一項中「前二條」を「第五條第一項本文及び前條」に改める。
第十條第二項中「第五條第二項」の下に「及び第五條の二」を加える。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。但し、租税特別措置法の改正規定中第五條の四に関する部分は、昭和二十五年十二月三十一日までの間において政令で定める日から施行する。
2 相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)による改正前の相続税法(昭和二十二年法律第八十七号)第五十二條の規定による物納に因り生じた昭和二十四年分以前の讓渡所得又は山林所得については、なお従前の租税特別措置法第三條の例による。
3 法人の昭和二十五年三月三十一日以前に終了した事業年度(法人税法の一部を改正する法律(昭和二十五年法律第七十二号)による改正前の法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)第二十一條第一項の規定により一事業年度とみなされた期間を含む。)の所得の計算については、なお従前の租税特別措置法第四條から第五條の二までの例による。
4 改正後の租税特別措置法第六條の規定は、昭和二十五年一月一日以後に相続、遺贈又は贈與に因り取得した財産に係る相続税から適用する。
5 昭和二十四年十二月三十一日以前に開始した相続に係る相続税については、なお従前の租税特別措置法第六條及び第七條の例による。
6 この法律施行前に従前の租税特別措置法第十二條第一項の規定の適用を受けて製造場から移出し、又は保税地域から引き取つた物品税法(昭和十五年法律第四十号)第一條に掲げる物品については、従前の租税特別措置法第十二條第二項の規定は、この法律施行後においても、なおその効力を有する。
7 改正後の租税特別措置法第十二條の規定は、昭和二十五年四月一日から適用する。
大蔵大臣臨時代理 国務大臣 殖田俊吉
内閣総理大臣 吉田茂
租税特別措置法等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十五年五月二日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百三十六号
租税特別措置法等の一部を改正する法律
第一条 租税特別措置法(昭和二十一年法律第十五号)の一部を次のように改正する。
第一条中「法人税、有価証券移転税、」を削り、「財産税、」を「富裕税、」に、「物品税」を「印紙税」に改める。
第三条から第五条の三までを次のように改める。
第三条 所得税法の施行地に住所及び一年以上居所を有しない個人又は法人税法の施行地に本店若しくは主たる事務所を有しない法人が対外支払手段(外国為替及び外国貿易管理法第六条に規定する対外支払手段をいう。以下同じ。)の提供に因り合法的に取得した国債、地方債又は同法の施行地に本店若しくは主たる事務所を有する法人の発行する社債、株式若しくは出資について所得税法の施行地に住所及び一年以上居所を有しない個人又は法人税法の施行地に本店若しくは主たる事務所を有しない法人が支払を受ける利子所得又は配当所得のうち利息の配当に対する同法第十七条又は第十八条の規定の適用については、これらの規定に規定する百分の二十の税率は、百分の十の税率とする。
前項の規定は、同項の規定の適用を受けようとする者が、当該国債、地方債、社債、株式又は出資が対外支払手段の提供に因り合法的に取得されたものである旨を示して、その利子又は利息の配当の支払をなす者の備え付ける帳簿にその氏名、国籍及び住所又は名称及び主たる事務所の所在地並びに命令で定める事項の登載を受けた場合において、その登載を受けている期間に限り、これを適用する。
第四条 所得税法第一条第一項に規定する者で同法の施行地に住所を有しないものの昭和二十五年から昭和三十年までの各年における給与所得又は退職所得については、同法の施行地における支払に因る収入金額を同法第九条第一項第五号又は第六号に規定する収入金額として、同法の規定を適用する。
前項に規定する各年において同項に規定する者が所得税法の施行地外から送金を受領した場合においては、その受領した金額のうち同法第九条第一項第五号に規定する収入金額から同法の施行地における支払に因る給与所得の収入金額を控除した金額に達するまでの金額に相当する金額は、前項の規定の適用については、同法の施行地における支払に因る収入金額とみなす。
第一項に規定する者の所得税法の施行地における生活に通常必要な金額が同法の施行地における支払に因る給与所得の収入金額(その者が同法第九条第一項第一号から第四号まで又は第七号から第十号までの所得を有するときは、これらの各号に規定する所得の金額との合計額)をこえる場合においては、第一項の規定にかかわらず、そのこえる金額に相当する同法の施行地外における支払に因る給与所得の収入金額(前項の規定により同法の施行地における支払に因る収入金額とみなされた金額があるときは、当該金額に相当する金額を控除した金額)については、これを第一項に規定する同法の施行地における支払に因る給与所得の収入金額に加算して同項の規定を適用する。
第五条 日本経済の健全な発展のため外国資本又は外国技術の導入を必要とする事業を営む外資法人から給与所得又は退職所得の支払を受ける所得税法第一条第一項に規定する者で同法の施行地に住所を有しないものの昭和二十七年から昭和三十年までの各年において当該法人から支払を受ける給与所得又は退職所得については、当該給与所得又は退職所得の収入金額(その年分の総所得金額から所得税法第九条第二項、第九条の二、第十一条の三又は第十一条の四の規定による控除をなす場合においては、当該所得の収入金額からこれらの規定により控除すべき金額を控除した金額。以下同じ。)からその十分の五に相当する金額(その金額が三百五十万円をこえるときは、三百五十万円)を控除した金額を同法第九条第一項第五号又は第六号に規定する収入金額として、同法の規定を適用する。日本経済の健全な発展のため外国資本又は外国技術の導入を必要とする事業を営む法人で外資法人以外のものの当該事業に係る科学技術の指導改善のために招へいされた所得税法第一条第一項に規定する者で同法の施行地に住所を有しないもののうち大蔵大臣の指定する者の昭和二十七年から昭和三十年までの各年において当該法人から支払を受ける給与所得又は退職所得についても、また同様とする。
前項前段に規定する者が同項前段の規定の適用を受けようとするときは、命令で定める手続により、その氏名、国籍その他命令で定める事項を記載した申告書を、当該給与所得又は退職所得の支払者を経由して、政府に提出しなければならない。
第一項に規定する事業の種類は、大蔵大臣が外資委員会に協議した上、これを定めて公表する。
第一項において「外資法人」とは、左の各号に掲げる法人をいう。
一 所得税法の施行地に住所及び一年以上居所を有しない個人又は法人税法の施行地に本店若しくは主たる事務所を有しない法人の同法の施行地に本店又は主たる事務所を有する法人に対する対外支払手段の提供、第一項に規定する事業の用に供する貨物の輸入又は当該事業の用に供する工業所有権その他技術に関する権利で同法の施行地外において取得したものの提供(これらの権利に関する使用権の設定を含む。)に因る投資について命令の定めるところにより計算した金額が毎年一月一日において一億円以上である場合における当該法人
二 法人税法の施行地に本店又は主たる事務所を有しない法人の同法の施行地にある資産で対外支払手段の提供若しくは第一項に規定する事業の用に供する貨物の輸入に因り取得したもの又は当該法人の同法の施行地外において取得した工業所有権その他技術に関する権利(これらの権利に関する使用権を含む。)で同法の施行地において同項に規定する事業の用に供するものの価額が毎年一月一日において一億円以上である場合における当該法人
第五条の二 その事業活動に因り前条第一項に規定する事業を営む外資法人の事業活動が容易となり、且つ、外国資本の適正な導入が促進されることとなる事業を営む法人から給与所得又は退職所得の支払を受ける所得税法第一条第一項に規定する者で同法の施行地に住所を有しないものの昭和二十七年から昭和三十年までの各年において当該法人から支払を受ける給与所得又は退職所得については、当該給与所得又は退職所得の収入金額からその十分の五に相当する金額(その金額が三百五十万円をこえるときは、三百五十万円)を控除した金額を同法第九条第一項第五号又は第六号に規定する収入金額として、同法の規定を適用する。
前条第二項の規定は、前項の規定の適用を受けようとする者について、これを準用する。
その活動に因り前条第一項に規定する事業を営む外資法人の事業活動が容易となり、且つ、外国資本の適正な導入が促進されることとなる自由職業を営む所得税法第一条第一項に規定する者で同法の施行地に住所を有しないものの昭和二十七年から昭和三十年までの各年における事業所得については、当該事業所得の金額から当該職業から生ずる所得の金額(その年分の総所得金額から同法第九条第二項、第九条の二、第十一条の三又は第十一条の四の規定による控除をなす場合においては、当該所得の金額からこれらの規定により控除すべき金額を控除した金額)の十分の五に相当する金額(その金額が三百五十万円をこえるときは、三百五十万円)を控除した金額を同法第九条第一項第四号に規定する事業所得の金額として、同法の規定を適用する。
前条第三項の規定は、第一項に規定する法人の事業及び前項に規定する自由職業の種類について、これを準用する。
第五条の三 学校教育法第一条に規定する大学又は高等学校(同法第九十八条の従前の規定による大学、大学予科及び専門学校を含む。)の教員として給与所得又は退職所得の支払を受けやうとする者のうち所得税法第一条第一項に規定する者で同法の施行地に住所を有しないものの昭和二十七年から昭和三十年までの各年において支払を受ける当該給与所得又は退職所得については、当該給与所得又は退職所得の収入金額からその十分の五に相当する金額(その金額が三百五十万円をこえるときは、三百五十万円)を控除した金額を同法第九条第一項第五号又は第六号に規定する収入金額として、同法の規定を適用する。牧師その他宗教の布教に従事する者としてその所属する宗教上の組織から給与所得又は退職所得の支払を受けやうとする者のうち所得税法第一条第一項に規定する者で同法の施行地に住所を有しないものの昭和二十七年から昭和三十年までの各年における当該給与所得又は退職所得についても、また同様とする。
第五条第二項の規定は、前項の規定の適用を受けやうとする者について、これを準用する。
第五条の四 所得税法第一条第一項に規定する者で同法の施行地に住所を有しないもののうち左の各号の一に該当する者の昭和二十五年分及び昭和二十六年分の所得に対する同法の規定の適用については、昭和二十五年分については同年中の命令で定める期間内に生じた所得の金額(その年分の総所得金額から同法第九条第二項、第十一条の三又は第十一条の四の規定による控除をなす場合においては、当該期間内に生じた所得の金額からこれらの規定により控除すべき金額を控除した金額)の十分の五に相当する金額(その金額が三百五十万円に当該期間の月数を乗じて十二分して計算した金額をこえるときは、当該金額)を、昭和二十六年分については同年分の総所得金額(当該総所得金額から同法第九条第二項、第九条の二、第十一条の三又は第十一条の四の規定による控除をなす場合においては、当該総所得金額からこれらの規定により控除すべき金額を控除した金額。以下同じ。)の十分の五に相当する金額(その金額が三百五十万円をこえるときは、三百五十万円)を、それぞれ当該年分の総所得金額から控除した金額を同法第十三条に規定する課税総所得金額として、同法の規定を適用する。
一 本条の規定施行前に所得税法の施行地において本邦通貨以外の通貨をもつて合法的に得た所得を有していた者
二 本条の規定施行後に合法的に所得税法の施行地に居住することとなつた者
前項に規定する者については、その者が昭和二十五年の同項に規定する期間中及び昭和二十六年中に支払を受ける給与所得又は退職所得の収入金額からその十分の五に相当する金額を控除した金額(退職所得については、当該金額からその十分の一・五に相当する金額を控除した金額)を所得税法第三十八条第一項に規定する給与の金額又は退職所得の金額として、同項の規定を適用する。
第五条第二項の規定は、前項の規定の適用を受けようとする者について、これを準用する。
第六条を削る。
第七条第一項中「昭和二十年八月十五日以後に相続の開始があつた場合において、相続財産(昭和二十二年五月三日以後に開始する相続については、相続開始前二年以内に被相続人が贈与した財産を含む。以下本条中同じ。)」を「相続税の課税価格の計算の基礎となる財産」に、「当該在外財産等の価格」を「当該在外財産等の価額」に改め、「当該相続についての課税価格の計算上、」を削り、「相続財産の価格」を「相続税の課税価格」に改め、同条第二項中「更正」を「更正又は決定」に改め、同条に次の一項を加え、同条を第六条とする。
在外財産等の価額を算定することができることとなつた際において、当該在外財産等の価額について相続税法第三十一条の規定による修正申告書の提出があつた場合又は前項の規定による更正若しくは決定をなした場合における同法第五十一条から第五十四条までの規定の適用については、当該在外財産等の価額が算定できることとなつた日から四箇月を経過した日を当該各条に規定する申告書の提出期限とみなす。
第八条を第七条とし、同条の次に次の一条を加える。
第八条 富裕税法第一条第一号に規定する課税時期において有する在外財産等の価額(課税時期において第六条第一項に規定する命令で定める債務があるときは、その債務の金額を控除した金額)は、当該課税時期を含む年分の富裕税の課税価格に算入しない。
前項の規定の適用を受けようとする者は、富裕税法第十八条又は第十九条の規定による申告書に在外財産等の価額その他命令で定める事項を記載しなければならない。
第十二条を次のように改める。
第十二条 納税準備預金通帳には、印紙税を課さない。
第二条 揮発油税法(昭和二十四年法律第四十四号)の一部を次のように改正する。
第五条第二項を次のように改める。
2 前項但書の規定により担保を提供した者が、期限までに税金を納付しなかつたときは、担保物たる金銭をもつて直ちに税金に充て、若しくは金銭以外の担保物を公売して税金及び公売の費用に充て、又は保証人をして税金を納付せしめる。
第五条の次に次の一条を加える。
第五条の二 前条第二項の場合において、担保物の価額が徴収すべき税金及び公売の費用に充てなお不足額があるときは、納税義務者の他の財産について滞納処分を行う。
2 前条第二項の場合において、保証人が税金を完納しないときは、まず納税義務者の財産について滞納処分を行い、その財産の価額が徴収すべき税金、督促手数料及び滞納処分費に充てなお不足額があるときは、保証人の財産について滞納処分を行う。
3 前項の保証人は、国税徴収法(明治三十年法律第二十一号)第三十二条の規定の適用については、これを納税者とみなす。
第七条第一項中「前二条」を「第五条第一項本文及び前条」に改める。
第十条第二項中「第五条第二項」の下に「及び第五条の二」を加える。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。但し、租税特別措置法の改正規定中第五条の四に関する部分は、昭和二十五年十二月三十一日までの間において政令で定める日から施行する。
2 相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)による改正前の相続税法(昭和二十二年法律第八十七号)第五十二条の規定による物納に因り生じた昭和二十四年分以前の譲渡所得又は山林所得については、なお従前の租税特別措置法第三条の例による。
3 法人の昭和二十五年三月三十一日以前に終了した事業年度(法人税法の一部を改正する法律(昭和二十五年法律第七十二号)による改正前の法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)第二十一条第一項の規定により一事業年度とみなされた期間を含む。)の所得の計算については、なお従前の租税特別措置法第四条から第五条の二までの例による。
4 改正後の租税特別措置法第六条の規定は、昭和二十五年一月一日以後に相続、遺贈又は贈与に因り取得した財産に係る相続税から適用する。
5 昭和二十四年十二月三十一日以前に開始した相続に係る相続税については、なお従前の租税特別措置法第六条及び第七条の例による。
6 この法律施行前に従前の租税特別措置法第十二条第一項の規定の適用を受けて製造場から移出し、又は保税地域から引き取つた物品税法(昭和十五年法律第四十号)第一条に掲げる物品については、従前の租税特別措置法第十二条第二項の規定は、この法律施行後においても、なおその効力を有する。
7 改正後の租税特別措置法第十二条の規定は、昭和二十五年四月一日から適用する。
大蔵大臣臨時代理 国務大臣 殖田俊吉
内閣総理大臣 吉田茂