第三條 所得税法の施行地に住所及び一年以上居所を有しない個人又は法人税法の施行地に本店若しくは主たる事務所を有しない法人が対外支拂手段(外国為替及び外国貿易管理法第六條に規定する対外支拂手段をいう。以下同じ。)の提供に因り合法的に取得した国債、地方債又は同法の施行地に本店若しくは主たる事務所を有する法人の発行する社債、株式若しくは出資について所得税法の施行地に住所及び一年以上居所を有しない個人又は法人税法の施行地に本店若しくは主たる事務所を有しない法人が支拂を受ける利子所得又は配当所得のうち利息の配当に対する同法第十七條又は第十八條の規定の適用については、これらの規定に規定する百分の二十の税率は、百分の十の税率とする。
前項の規定は、同項の規定の適用を受けようとする者が、当該国債、地方債、社債、株式又は出資が対外支拂手段の提供に因り合法的に取得されたものである旨を示して、その利子又は利息の配当の支拂をなす者の備え付ける帳簿にその氏名、国籍及び住所又は名称及び主たる事務所の所在地並びに命令で定める事項の登載を受けた場合において、その登載を受けている期間に限り、これを適用する。
第四條 所得税法第一條第一項に規定する者で同法の施行地に住所を有しないものの昭和二十五年から昭和三十年までの各年における給與所得又は退職所得については、同法の施行地における支拂に因る收入金額を同法第九條第一項第五号又は第六号に規定する收入金額として、同法の規定を適用する。
前項に規定する各年において同項に規定する者が所得税法の施行地外から送金を受領した場合においては、その受領した金額のうち同法第九條第一項第五号に規定する收入金額から同法の施行地における支拂に因る給與所得の收入金額を控除した金額に達するまでの金額に相当する金額は、前項の規定の適用については、同法の施行地における支拂に因る收入金額とみなす。
第一項に規定する者の所得税法の施行地における生活に通常必要な金額が同法の施行地における支拂に因る給與所得の收入金額(その者が同法第九條第一項第一号から第四号まで又は第七号から第十号までの所得を有するときは、これらの各号に規定する所得の金額との合計額)をこえる場合においては、第一項の規定にかかわらず、そのこえる金額に相当する同法の施行地外における支拂に因る給與所得の收入金額(前項の規定により同法の施行地における支拂に因る收入金額とみなされた金額があるときは、当該金額に相当する金額を控除した金額)については、これを第一項に規定する同法の施行地における支拂に因る給與所得の收入金額に加算して同項の規定を適用する。
第五條 日本経済の健全な発展のため外国資本又は外国技術の導入を必要とする事業を営む外資法人から給與所得又は退職所得の支拂を受ける所得税法第一條第一項に規定する者で同法の施行地に住所を有しないものの昭和二十七年から昭和三十年までの各年において当該法人から支拂を受ける給與所得又は退職所得については、当該給與所得又は退職所得の收入金額(その年分の総所得金額から所得税法第九條第二項、第九條の二、第十一條の三又は第十一條の四の規定による控除をなす場合においては、当該所得の收入金額からこれらの規定により控除すべき金額を控除した金額。以下同じ。)からその十分の五に相当する金額(その金額が三百五十万円をこえるときは、三百五十万円)を控除した金額を同法第九條第一項第五号又は第六号に規定する收入金額として、同法の規定を適用する。日本経済の健全な発展のため外国資本又は外国技術の導入を必要とする事業を営む法人で外資法人以外のものの当該事業に係る科学技術の指導改善のために招へいされた所得税法第一條第一項に規定する者で同法の施行地に住所を有しないもののうち大蔵大臣の指定する者の昭和二十七年から昭和三十年までの各年において当該法人から支拂を受ける給與所得又は退職所得についても、また同様とする。
前項前段に規定する者が同項前段の規定の適用を受けようとするときは、命令で定める手続により、その氏名、国籍その他命令で定める事項を記載した申告書を、当該給與所得又は退職所得の支拂者を経由して、政府に提出しなければならない。
第一項に規定する事業の種類は、大蔵大臣が外資委員会に協議した上、これを定めて公表する。
第一項において「外資法人」とは、左の各号に掲げる法人をいう。
一 所得税法の施行地に住所及び一年以上居所を有しない個人又は法人税法の施行地に本店若しくは主たる事務所を有しない法人の同法の施行地に本店又は主たる事務所を有する法人に対する対外支拂手段の提供、第一項に規定する事業の用に供する貨物の輸入又は当該事業の用に供する工業所有権その他技術に関する権利で同法の施行地外において取得したものの提供(これらの権利に関する使用権の設定を含む。)に因る投資について命令の定めるところにより計算した金額が毎年一月一日において一億円以上である場合における当該法人
二 法人税法の施行地に本店又は主たる事務所を有しない法人の同法の施行地にある資産で対外支拂手段の提供若しくは第一項に規定する事業の用に供する貨物の輸入に因り取得したもの又は当該法人の同法の施行地外において取得した工業所有権その他技術に関する権利(これらの権利に関する使用権を含む。)で同法の施行地において同項に規定する事業の用に供するものの価額が毎年一月一日において一億円以上である場合における当該法人
第五條の二 その事業活動に因り前條第一項に規定する事業を営む外資法人の事業活動が容易となり、且つ、外国資本の適正な導入が促進されることとなる事業を営む法人から給與所得又は退職所得の支拂を受ける所得税法第一條第一項に規定する者で同法の施行地に住所を有しないものの昭和二十七年から昭和三十年までの各年において当該法人から支拂を受ける給與所得又は退職所得については、当該給與所得又は退職所得の收入金額からその十分の五に相当する金額(その金額が三百五十万円をこえるときは、三百五十万円)を控除した金額を同法第九條第一項第五号又は第六号に規定する收入金額として、同法の規定を適用する。
前條第二項の規定は、前項の規定の適用を受けようとする者について、これを準用する。
その活動に因り前條第一項に規定する事業を営む外資法人の事業活動が容易となり、且つ、外国資本の適正な導入が促進されることとなる自由職業を営む所得税法第一條第一項に規定する者で同法の施行地に住所を有しないものの昭和二十七年から昭和三十年までの各年における事業所得については、当該事業所得の金額から当該職業から生ずる所得の金額(その年分の総所得金額から同法第九條第二項、第九條の二、第十一條の三又は第十一條の四の規定による控除をなす場合においては、当該所得の金額からこれらの規定により控除すべき金額を控除した金額)の十分の五に相当する金額(その金額が三百五十万円をこえるときは、三百五十万円)を控除した金額を同法第九條第一項第四号に規定する事業所得の金額として、同法の規定を適用する。
前條第三項の規定は、第一項に規定する法人の事業及び前項に規定する自由職業の種類について、これを準用する。
第五條の三 学校教育法第一條に規定する大学又は高等学校(同法第九十八條の従前の規定による大学、大学予科及び專門学校を含む。)の教員として給與所得又は退職所得の支拂を受けやうとする者のうち所得税法第一條第一項に規定する者で同法の施行地に住所を有しないものの昭和二十七年から昭和三十年までの各年において支拂を受ける当該給與所得又は退職所得については、当該給與所得又は退職所得の收入金額からその十分の五に相当する金額(その金額が三百五十万円をこえるときは、三百五十万円)を控除した金額を同法第九條第一項第五号又は第六号に規定する收入金額として、同法の規定を適用する。牧師その他宗教の布教に従事する者としてその所属する宗教上の組織から給與所得又は退職所得の支拂を受けやうとする者のうち所得税法第一條第一項に規定する者で同法の施行地に住所を有しないものの昭和二十七年から昭和三十年までの各年における当該給與所得又は退職所得についても、また同様とする。
第五條第二項の規定は、前項の規定の適用を受けやうとする者について、これを準用する。
第五條の四 所得税法第一條第一項に規定する者で同法の施行地に住所を有しないもののうち左の各号の一に該当する者の昭和二十五年分及び昭和二十六年分の所得に対する同法の規定の適用については、昭和二十五年分については同年中の命令で定める期間内に生じた所得の金額(その年分の総所得金額から同法第九條第二項、第十一條の三又は第十一條の四の規定による控除をなす場合においては、当該期間内に生じた所得の金額からこれらの規定により控除すべき金額を控除した金額)の十分の五に相当する金額(その金額が三百五十万円に当該期間の月数を乘じて十二分して計算した金額をこえるときは、当該金額)を、昭和二十六年分については同年分の総所得金額(当該総所得金額から同法第九條第二項、第九條の二、第十一條の三又は第十一條の四の規定による控除をなす場合においては、当該総所得金額からこれらの規定により控除すべき金額を控除した金額。以下同じ。)の十分の五に相当する金額(その金額が三百五十万円をこえるときは、三百五十万円)を、それぞれ当該年分の総所得金額から控除した金額を同法第十三條に規定する課税総所得金額として、同法の規定を適用する。
一 本條の規定施行前に所得税法の施行地において本邦通貨以外の通貨をもつて合法的に得た所得を有していた者
二 本條の規定施行後に合法的に所得税法の施行地に居住することとなつた者
前項に規定する者については、その者が昭和二十五年の同項に規定する期間中及び昭和二十六年中に支拂を受ける給與所得又は退職所得の收入金額からその十分の五に相当する金額を控除した金額(退職所得については、当該金額からその十分の一・五に相当する金額を控除した金額)を所得税法第三十八條第一項に規定する給與の金額又は退職所得の金額として、同項の規定を適用する。
第五條第二項の規定は、前項の規定の適用を受けようとする者について、これを準用する。