保険業法等の一部を改正する法律
法令番号: 法律第104号
公布年月日: 昭和25年4月19日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

保険業法等の一部改正は、主に3つの目的で提案された。第一に、保険会社の株式所有について、独占禁止法の適用除外を認め、他社株式の所有制限を総数の10%までとすることを目指した。第二に、外国損害保険会社の日本進出に関する規制を整備し、設立3年未満で利益を計上していない会社の参入を制限するとともに、外国保険会社の代理業務を認可制で許可することとした。第三に、損害保険料率算出団体に関する法律を改正し、料率算定の公開性を強化するため、算出予定の保険料率についても公聴会開催を義務付けることとした。

参照した発言:
第7回国会 参議院 大蔵委員会 第22号

審議経過

第7回国会

参議院
(昭和25年3月9日)
(昭和25年3月11日)
衆議院
(昭和25年3月14日)
(昭和25年3月17日)
(昭和25年3月18日)
(昭和25年3月22日)
(昭和25年3月23日)
参議院
(昭和25年4月4日)
(昭和25年4月5日)
(昭和25年4月7日)
(昭和25年5月2日)
衆議院
(昭和25年5月3日)
保險業法等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十五年四月十九日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百四号
保險業法等の一部を改正する法律
第一條 保險業法(昭和十四年法律第四十一号)の一部を次のように改正する。
第一條の次に次の一條を加える。
第一條ノ二 保險会社ハ前條第一項ノ免許ヲ受ケタル日ヨリ三年ヲ経過シ且最終ノ決算期ニ於テ利益金又ハ剰余金ヲ計上スルニ非ザレバ外国ニ於テ保險事業ヲ営ムコトヲ得ズ
第五條第一項但書中「信託ノ引受ヲ為ス業務ヲ」の下に「営ミ損害保險事業ヲ営ム会社ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ他ノ損害保險事業ヲ営ム会社(外国保險事業者に関する法律第三條第一項ノ免許ヲ受ケタル外国損害保險事業者ヲ含ム)ノ為ニ其ノ損害保險事業ニ属スル取引ノ代理又ハ媒介ヲ為ス業務ヲ」を加える。
第十二條の次に次の一條を加える。
第十二條ノ二 保險会社ハ他ノ株式会社又ハ株式合資会社(外国ノ法令ニ依リ設立セラレタル会社ヲ含ム)ノ株式総数ノ百分ノ十ヲ超エテ其ノ会社ノ株式ヲ所有シ又ハ貸付ノ担保トシテ之ヲ受入ルルコトヲ得ズ
私的独占ノ禁止及公正取引ノ確保ニ関スル法律第十一條第二項ノ規定ハ保險会社ニハ之ヲ適用セズ
第百三十八條中「保險事業ヲ営ミタル者」の下に「又ハ第一條ノ二ノ規定ニ違反シ外国ニ於テ保險事業ヲ営ミタル者」を加える。
第百四十四條の次に次の一條を加える。
第百四十四條ノ二 第十二條ノ二第一項ノ規定ニ違反シ株式ヲ所有シ又ハ貸付ノ担保トシテ之ヲ受入レタル者ハ一年以下ノ懲役又ハ二十万円以下ノ罰金ニ処ス
保險会社ノ代表者、代理人、使用人其ノ他ノ従業者ガ其ノ保險会社ノ業務ニ関シ前項ノ違反行為ヲ為シタルトキハ行為者ヲ罰スル外保險会社ニ対シ同項ノ罰金刑ヲ科ス
第二條 損害保險料率算出団体に関する法律(昭和二十三年法律第百九十三号)の一部を次のように改正する。
第二條第三項中「第一條第一項」の下に「又は外国保險事業者に関する法律(昭和二十四年法律第百八十四号)第三條第一項」を加え、「保險会社」の下に「及び外国保險事業者」を加える。
第十二條の見出しを「(保險料率についての意見の聽取及びその周知)」に改め、同條第一項を次のように改める。
料率団体は、定款の定めるところにより、その算出しようとする保險料率又は算出した保險料率につき利害関係人の意見を聞くことができる方法及び算出した保險料率を利害関係人に周知させる方法を講じなければならない。
第三條 外国保險事業者に関する法律(昭和二十四年法律第百八十四号)の一部を次のように改正する。
第三條の次に次の一條を加える。
第三條の二 前條第一項の規定による免許を申請しようとする外国保險事業者は、その申請の日において、法人の場合にあつてはその設立の日から、個人の場合にあつてはその事業開始の日から、三年を経過し、且つ、最終の決算期において利益金又は剰余金を計上している者でなければならない。
第十九條中「第六條から第十條(常務役員の專業主義、生命保險と損害保險との兼業禁止、報告徴收及び、検査、監督命令及び基礎書類の変更)」の下に「、第十二條ノ二(保險会社の株式保有)」を加え、「の営む保險事業」を削る。
第六章中第三十四條の前に次の一條を加える。
第三十三條の二 第十九條において準用する保險業法第十二條ノ二第一項の規定に違反して株式を所有し、又は貸付の担保としてこれを受け入れた者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
第三十五條第一項中「前條」を「前二條」に、「同條」を「各本條」に改める。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
大蔵大臣 池田勇人
内閣総理大臣 吉田茂
保険業法等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十五年四月十九日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百四号
保険業法等の一部を改正する法律
第一条 保険業法(昭和十四年法律第四十一号)の一部を次のように改正する。
第一条の次に次の一条を加える。
第一条ノ二 保険会社ハ前条第一項ノ免許ヲ受ケタル日ヨリ三年ヲ経過シ且最終ノ決算期ニ於テ利益金又ハ剰余金ヲ計上スルニ非ザレバ外国ニ於テ保険事業ヲ営ムコトヲ得ズ
第五条第一項但書中「信託ノ引受ヲ為ス業務ヲ」の下に「営ミ損害保険事業ヲ営ム会社ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ他ノ損害保険事業ヲ営ム会社(外国保険事業者に関する法律第三条第一項ノ免許ヲ受ケタル外国損害保険事業者ヲ含ム)ノ為ニ其ノ損害保険事業ニ属スル取引ノ代理又ハ媒介ヲ為ス業務ヲ」を加える。
第十二条の次に次の一条を加える。
第十二条ノ二 保険会社ハ他ノ株式会社又ハ株式合資会社(外国ノ法令ニ依リ設立セラレタル会社ヲ含ム)ノ株式総数ノ百分ノ十ヲ超エテ其ノ会社ノ株式ヲ所有シ又ハ貸付ノ担保トシテ之ヲ受入ルルコトヲ得ズ
私的独占ノ禁止及公正取引ノ確保ニ関スル法律第十一条第二項ノ規定ハ保険会社ニハ之ヲ適用セズ
第百三十八条中「保険事業ヲ営ミタル者」の下に「又ハ第一条ノ二ノ規定ニ違反シ外国ニ於テ保険事業ヲ営ミタル者」を加える。
第百四十四条の次に次の一条を加える。
第百四十四条ノ二 第十二条ノ二第一項ノ規定ニ違反シ株式ヲ所有シ又ハ貸付ノ担保トシテ之ヲ受入レタル者ハ一年以下ノ懲役又ハ二十万円以下ノ罰金ニ処ス
保険会社ノ代表者、代理人、使用人其ノ他ノ従業者ガ其ノ保険会社ノ業務ニ関シ前項ノ違反行為ヲ為シタルトキハ行為者ヲ罰スル外保険会社ニ対シ同項ノ罰金刑ヲ科ス
第二条 損害保険料率算出団体に関する法律(昭和二十三年法律第百九十三号)の一部を次のように改正する。
第二条第三項中「第一条第一項」の下に「又は外国保険事業者に関する法律(昭和二十四年法律第百八十四号)第三条第一項」を加え、「保険会社」の下に「及び外国保険事業者」を加える。
第十二条の見出しを「(保険料率についての意見の聴取及びその周知)」に改め、同条第一項を次のように改める。
料率団体は、定款の定めるところにより、その算出しようとする保険料率又は算出した保険料率につき利害関係人の意見を聞くことができる方法及び算出した保険料率を利害関係人に周知させる方法を講じなければならない。
第三条 外国保険事業者に関する法律(昭和二十四年法律第百八十四号)の一部を次のように改正する。
第三条の次に次の一条を加える。
第三条の二 前条第一項の規定による免許を申請しようとする外国保険事業者は、その申請の日において、法人の場合にあつてはその設立の日から、個人の場合にあつてはその事業開始の日から、三年を経過し、且つ、最終の決算期において利益金又は剰余金を計上している者でなければならない。
第十九条中「第六条から第十条(常務役員の専業主義、生命保険と損害保険との兼業禁止、報告徴収及び、検査、監督命令及び基礎書類の変更)」の下に「、第十二条ノ二(保険会社の株式保有)」を加え、「の営む保険事業」を削る。
第六章中第三十四条の前に次の一条を加える。
第三十三条の二 第十九条において準用する保険業法第十二条ノ二第一項の規定に違反して株式を所有し、又は貸付の担保としてこれを受け入れた者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
第三十五条第一項中「前条」を「前二条」に、「同条」を「各本条」に改める。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
大蔵大臣 池田勇人
内閣総理大臣 吉田茂