裁判所法等の一部を改正する法律
法令番号: 法律第177号
公布年月日: 昭和24年6月1日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

裁判所法等の一部を改正する法律案は、裁判所書記制度の改正、司法修習生の採用、補充裁判官の員数、司法研修所教官及び裁判所調査官の任用について改正を行うものである。具体的には、裁判所書記を裁判所書記官及び裁判所書記官補に改め、司法修習生は司法試験合格者から採用することとし、補充裁判官の員数を一人以上に増加させ、裁判官・検察官が司法研修所教官や裁判所調査官を兼務できるようにする。また裁判官以外の裁判所職員の分限について、国家公務員法の全面適用に伴う改正を行う。

参照した発言:
第5回国会 衆議院 法務委員会 第11号

審議経過

第5回国会

衆議院
(昭和24年4月26日)
参議院
(昭和24年4月26日)
衆議院
(昭和24年4月27日)
(昭和24年4月28日)
参議院
(昭和24年4月28日)
(昭和24年5月9日)
(昭和24年5月17日)
(昭和24年5月21日)
(昭和24年5月23日)
衆議院
(昭和24年5月31日)
参議院
(昭和24年6月1日)
裁判所法等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十四年六月一日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百七十七号
裁判所法等の一部を改正する法律
第一條 裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)の一部を次のように改正する。
第六十條中「裁判所書記」を「裁判所書記官」に改め、同條第一項を次のように改める。
各裁判所に通じて別に法律で定める員数の裁判所書記官を置く。
第六十條第一項の次に次の一項を加える。
裁判所書記官は、一級、二級又は三級とする。
第六十條の次に次の一條を加える。
第六十條の二(裁判所書記官補) 各裁判所に通じて別に法律で定める員数の裁判所書記官補を置く。
裁判所書記官補は、二級又は三級とする。
裁判所書記官補は、上司の命を受けて、裁判所書記官の事務を補助する。
第六十五條中「(事務局長、裁判所書記又は少年保護司たるものを除く。)」を「(事務局長又は少年保護司たるものを除く。)、裁判所書記官、裁判所書記官補」に改める。
第六十六條を次のように改める。
第六十六條(採用) 司法修習生は、司法試驗に合格した者の中から、最高裁判所がこれを命ずる。
前項の試驗に関する事項は、別に法律でこれを定める。
第七十八條を次のように改める。
第七十八條(補充裁判官) 合議体の審理が長時日にわたることの予見される場合においては、補充の裁判官が審理に立ち会い、その審理中に合議体の裁判官が審理に関與することができなくなつた場合において、あらかじめ定める順序に從い、これに代つて、その合議体に加わり審理及び裁判をすることができる。但し、補充の裁判官の員数は、合議体の裁判官の員数を越えることができない。
附則に次の一項を加える。
最高裁判所は、当分の間、特に必要があるときは、裁判官又は檢察官を以て、司法研修所教官に、裁判官を以て、裁判所調査官に充てることができる。
第二條 裁判官及びその他の裁判所職員の分限に関する法律(昭和二十二年法律第百二十七号)の一部を次のように改正する。
次の題名を附する。
裁判官分限法
第十四條を削る。
附 則
1 この法律のうち、裁判所法第六十條、第六十條の二、及び第六十五條の改正規定は公布の日から起算して三十日を経過した日から、その他の規定は公布の日から施行する。
2 この法律の公布の日から起算して三十日を経過した際現に裁判所書記に補せられている裁判所事務官で、裁判所書記官に任命されないものは、別に辞令を発せられないときは、兼ねて裁判所書記官補に任命され、且つ、現にその者の勤務する裁判所に勤務することを命ぜられたものとみなす。
3 各裁判所は、当分の間、最高裁判所の定めるところにより、裁判所書記官補に裁判所書記官の職務を行わせることができる。
4 他の法令中「裁判所書記」とあるのは、「裁判所書記官」と読み替えるものとする。
法務総裁 殖田俊吉
内閣総理大臣 吉田茂
裁判所法等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十四年六月一日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百七十七号
裁判所法等の一部を改正する法律
第一条 裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)の一部を次のように改正する。
第六十条中「裁判所書記」を「裁判所書記官」に改め、同条第一項を次のように改める。
各裁判所に通じて別に法律で定める員数の裁判所書記官を置く。
第六十条第一項の次に次の一項を加える。
裁判所書記官は、一級、二級又は三級とする。
第六十条の次に次の一条を加える。
第六十条の二(裁判所書記官補) 各裁判所に通じて別に法律で定める員数の裁判所書記官補を置く。
裁判所書記官補は、二級又は三級とする。
裁判所書記官補は、上司の命を受けて、裁判所書記官の事務を補助する。
第六十五条中「(事務局長、裁判所書記又は少年保護司たるものを除く。)」を「(事務局長又は少年保護司たるものを除く。)、裁判所書記官、裁判所書記官補」に改める。
第六十六条を次のように改める。
第六十六条(採用) 司法修習生は、司法試験に合格した者の中から、最高裁判所がこれを命ずる。
前項の試験に関する事項は、別に法律でこれを定める。
第七十八条を次のように改める。
第七十八条(補充裁判官) 合議体の審理が長時日にわたることの予見される場合においては、補充の裁判官が審理に立ち会い、その審理中に合議体の裁判官が審理に関与することができなくなつた場合において、あらかじめ定める順序に従い、これに代つて、その合議体に加わり審理及び裁判をすることができる。但し、補充の裁判官の員数は、合議体の裁判官の員数を越えることができない。
附則に次の一項を加える。
最高裁判所は、当分の間、特に必要があるときは、裁判官又は検察官を以て、司法研修所教官に、裁判官を以て、裁判所調査官に充てることができる。
第二条 裁判官及びその他の裁判所職員の分限に関する法律(昭和二十二年法律第百二十七号)の一部を次のように改正する。
次の題名を附する。
裁判官分限法
第十四条を削る。
附 則
1 この法律のうち、裁判所法第六十条、第六十条の二、及び第六十五条の改正規定は公布の日から起算して三十日を経過した日から、その他の規定は公布の日から施行する。
2 この法律の公布の日から起算して三十日を経過した際現に裁判所書記に補せられている裁判所事務官で、裁判所書記官に任命されないものは、別に辞令を発せられないときは、兼ねて裁判所書記官補に任命され、且つ、現にその者の勤務する裁判所に勤務することを命ぜられたものとみなす。
3 各裁判所は、当分の間、最高裁判所の定めるところにより、裁判所書記官補に裁判所書記官の職務を行わせることができる。
4 他の法令中「裁判所書記」とあるのは、「裁判所書記官」と読み替えるものとする。
法務総裁 殖田俊吉
内閣総理大臣 吉田茂