海上保安庁法及び海難審判法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第158号
公布年月日: 昭和24年5月31日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

国家行政組織法の施行に伴い、海上保安庁及び海難審判所の組織を同法の基準に従って改正する必要があること、また海難審判所を海上保安庁に移管すること、さらに海上保安庁が航海の安全と海上治安の確保という使命を十分に達成するため、組織機構の改正が必要となったことから本法案を提出するものである。主な改正点として、局の名称を部に改め、保安局の所掌事務を警備救難部と保安部に分掌させ、次長制及び海上保安官の階級制度を採用し、海上保安学校を法律で規定するとともに、海難審判所を海上保安庁長官の所轄に属する機関とすることなどが含まれている。

参照した発言:
第5回国会 衆議院 内閣委員会 第15号

審議経過

第5回国会

参議院
(昭和24年4月28日)
衆議院
(昭和24年4月30日)
(昭和24年5月10日)
(昭和24年5月11日)
(昭和24年5月18日)
(昭和24年5月19日)
参議院
(昭和24年5月22日)
(昭和24年5月23日)
(昭和24年6月1日)
海上保安廳法及び海難審判法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十四年五月三十一日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百五十八号
海上保安廳法及び海難審判法の一部を改正する法律
第一條 海上保安廳法(昭和二十三年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。
第五條を次のように改める。
第五條 海上保安廳に長官官房及び左の四部を置く。
警備救難部
保安部
水路部
燈台部
第六條第七号中「他局の所管」を「他部の所掌」に改め、同号を第八号とし、第七号として次の一号を加える。
七 海上保安廳の使用する基地施設及び船舶の管理並びに通信施設の管理及び運用に関する事項
第七條を次のように改める。
第七條 警備救難部においては、左の事務を掌る。
一 海難の際の人命、積荷及び船舶の救助並びに天災事変その他救済を要する場合における必要な援助に関する事項
二 船舶交通の障害の除去に関する事項
三 海上保安廳以外の者で海上において人命、積荷及び船舶の救助を行うもの並びに船舶交通に対する障害を除去するものの監督に関する事項
四 旅客又は貨物の海上運送に從事する者に対する海上における保安のため必要な監督に関する事項
五 沿岸水域における巡視警戒に関する事項
六 海上における密貿易、不法入出國その他の犯罪の予防及び鎭圧に関する事項
七 海上における犯人の捜査及び逮捕に関する事項
八 海上における暴動及び騒乱の鎭圧に関する事項
九 海上保安廳の使用する基地施設及び船舶の運用に関する事項並びに税関、檢疫所その他の行政廳がその職務を行う場合における当該行政廳に対する海上交通の便宜の供與に関する事項
十 國家地方警察及び市町村警察(以下「警察行政廳」という。)、税関、檢疫所その他関係行政廳との間における協力、共助及び連絡に関する事項
第七條の次に次の一條を加える。
第七條の二 保安部においては、左の事務を掌る。
一 船舶、船舶用機関及び船舶用品の檢査に関する事項
二 満載きつ水線の指定に関する事項
三 船舶職員の資格及び定員に関する事項
四 水先人及び水先業務の監督に関する事項
五 航法及び船舶交通に関する信号に関する事項
六 海難の調査に関する事項
七 海難審判廳に対する審判の請求及び海難審判廳の裁決の執行に関する事項
八 その他船舶交通の安全に関する事項であつて他部の所掌に属しないもの
第八條中「水路局」を「水路部」に改める。
第九條中「燈台局」を「燈台部」に改め、同條第二号中「氣象の観測」の下に「並びにその通報」を加える。
第十一條を次のように改める。
第十一條 海上保安廳に次長一人を置く。
次長は、長官を助け、廳務を掌理する。
第十一條の次に次の一條を加える。
第十一條の二 海上保安廳に海上保安学校を置く。
海上保安学校は、海上保安廳の職員の訓練を行うための機関とする。
海上保安学校の名称、位置及び内部組織は、海上保安廳令でこれを定める。
第十三條を次のように改める。
第十三條 削除
第十四條を次のように改める。
第十四條 海上保安廳に海上保安官を置く。
海上保安官の階級は、國家公務員法及び職階制に関する法律に基いて職務の分類が定められるまで政令でこれを定める。
海上保安官は、上官の命を受け、第二條第一項に規定する事務の中、海難審判理事官の行う事務以外の事務を掌る。
第二十一條第一項を次のように改める。
海上保安廳長官は、海上保安官の中から港長を命ずる。
第二十二條第一項中「運輸大臣」を「海上保安廳長官」に、同條第二項中「第七條第六号」を「第七條の二第七号」に改める。
第二十六條の前の「第二章 海上保安委員会」を「第二章 海上保安審議会」に改める。
第二十六條中「海上保安委員会」を「海上保安審議会」に、「中央海上保安委員会及び地方海上保安委員会」を「中央海上保安審議会及び地方海上保安審議会」に改める。
第三十二條を次のように改める。
第三十二條 削除
第三十三條中「海上保安委員会」を「海上保安審議会」に改める。
第三十五條第二項中「海上保安廳保安局」を「海上保安廳警備救難部」に改める。
第二條 海難審判法(昭和二十二年法律第百三十五号)の一部を次のように改正する。
「海難審判所」を「海難審判廳」に、「地方海難審判所」を「地方海難審判廳」に、「高等海難審判所」を「高等海難審判廳」に、「海難審判所審判官」を「海難審判廳審判官」に、「海難審判所事務官」を「海難審判廳事務官」に、「海難審判所長」を「海難審判廳の長」に、「高等海難審判所長」を「高等海難審判廳長官」に、「海難審判所書記」を「海難審判廳書記」に、「海上保安廳保安局」を「海上保安廳保安部」に改める。
第九條の次に次の一條を加える。
第九條の二 各地方海難審判廳に廳長を、高等海難審判廳に長官を置く。
第十條第一項を次のように改める。
海難審判廳に海難審判廳審判官及び海難審判廳事務官を置く。
第十條中第三項を第四項とし、第三項として次の一項を加える。
海難審判廳審判官は、運輸大臣がこれを任命する。
第二十八條中「管海官廳」の上に「海上保安官、」を加え、「警察官吏」を「警察官、警察吏員」に、改める。
附 則
1 この法律は、昭和二十四年六月一日から施行する。
2 從前の海難審判所及びその職員は、第二條の規定による海難審判法の改正規定に基く相当の機関及び職員となり、同一性をもつて存続するものとする。
3 高等海難審判所においてした事件に関する手続は、これを高等海難審判廳においてした事件に関する手続と、地方海難審判所においてした事件に関する手続は、これを当該地方海難審判所の所在地を管轄する地方海難審判廳においてした事件に関する手続とみなす。
運輸大臣 大屋晋三
内閣総理大臣 吉田茂
海上保安庁法及び海難審判法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十四年五月三十一日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百五十八号
海上保安庁法及び海難審判法の一部を改正する法律
第一条 海上保安庁法(昭和二十三年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。
第五条を次のように改める。
第五条 海上保安庁に長官官房及び左の四部を置く。
警備救難部
保安部
水路部
灯台部
第六条第七号中「他局の所管」を「他部の所掌」に改め、同号を第八号とし、第七号として次の一号を加える。
七 海上保安庁の使用する基地施設及び船舶の管理並びに通信施設の管理及び運用に関する事項
第七条を次のように改める。
第七条 警備救難部においては、左の事務を掌る。
一 海難の際の人命、積荷及び船舶の救助並びに天災事変その他救済を要する場合における必要な援助に関する事項
二 船舶交通の障害の除去に関する事項
三 海上保安庁以外の者で海上において人命、積荷及び船舶の救助を行うもの並びに船舶交通に対する障害を除去するものの監督に関する事項
四 旅客又は貨物の海上運送に従事する者に対する海上における保安のため必要な監督に関する事項
五 沿岸水域における巡視警戒に関する事項
六 海上における密貿易、不法入出国その他の犯罪の予防及び鎮圧に関する事項
七 海上における犯人の捜査及び逮捕に関する事項
八 海上における暴動及び騒乱の鎮圧に関する事項
九 海上保安庁の使用する基地施設及び船舶の運用に関する事項並びに税関、検疫所その他の行政庁がその職務を行う場合における当該行政庁に対する海上交通の便宜の供与に関する事項
十 国家地方警察及び市町村警察(以下「警察行政庁」という。)、税関、検疫所その他関係行政庁との間における協力、共助及び連絡に関する事項
第七条の次に次の一条を加える。
第七条の二 保安部においては、左の事務を掌る。
一 船舶、船舶用機関及び船舶用品の検査に関する事項
二 満載きつ水線の指定に関する事項
三 船舶職員の資格及び定員に関する事項
四 水先人及び水先業務の監督に関する事項
五 航法及び船舶交通に関する信号に関する事項
六 海難の調査に関する事項
七 海難審判庁に対する審判の請求及び海難審判庁の裁決の執行に関する事項
八 その他船舶交通の安全に関する事項であつて他部の所掌に属しないもの
第八条中「水路局」を「水路部」に改める。
第九条中「灯台局」を「灯台部」に改め、同条第二号中「気象の観測」の下に「並びにその通報」を加える。
第十一条を次のように改める。
第十一条 海上保安庁に次長一人を置く。
次長は、長官を助け、庁務を掌理する。
第十一条の次に次の一条を加える。
第十一条の二 海上保安庁に海上保安学校を置く。
海上保安学校は、海上保安庁の職員の訓練を行うための機関とする。
海上保安学校の名称、位置及び内部組織は、海上保安庁令でこれを定める。
第十三条を次のように改める。
第十三条 削除
第十四条を次のように改める。
第十四条 海上保安庁に海上保安官を置く。
海上保安官の階級は、国家公務員法及び職階制に関する法律に基いて職務の分類が定められるまで政令でこれを定める。
海上保安官は、上官の命を受け、第二条第一項に規定する事務の中、海難審判理事官の行う事務以外の事務を掌る。
第二十一条第一項を次のように改める。
海上保安庁長官は、海上保安官の中から港長を命ずる。
第二十二条第一項中「運輸大臣」を「海上保安庁長官」に、同条第二項中「第七条第六号」を「第七条の二第七号」に改める。
第二十六条の前の「第二章 海上保安委員会」を「第二章 海上保安審議会」に改める。
第二十六条中「海上保安委員会」を「海上保安審議会」に、「中央海上保安委員会及び地方海上保安委員会」を「中央海上保安審議会及び地方海上保安審議会」に改める。
第三十二条を次のように改める。
第三十二条 削除
第三十三条中「海上保安委員会」を「海上保安審議会」に改める。
第三十五条第二項中「海上保安庁保安局」を「海上保安庁警備救難部」に改める。
第二条 海難審判法(昭和二十二年法律第百三十五号)の一部を次のように改正する。
「海難審判所」を「海難審判庁」に、「地方海難審判所」を「地方海難審判庁」に、「高等海難審判所」を「高等海難審判庁」に、「海難審判所審判官」を「海難審判庁審判官」に、「海難審判所事務官」を「海難審判庁事務官」に、「海難審判所長」を「海難審判庁の長」に、「高等海難審判所長」を「高等海難審判庁長官」に、「海難審判所書記」を「海難審判庁書記」に、「海上保安庁保安局」を「海上保安庁保安部」に改める。
第九条の次に次の一条を加える。
第九条の二 各地方海難審判庁に庁長を、高等海難審判庁に長官を置く。
第十条第一項を次のように改める。
海難審判庁に海難審判庁審判官及び海難審判庁事務官を置く。
第十条中第三項を第四項とし、第三項として次の一項を加える。
海難審判庁審判官は、運輸大臣がこれを任命する。
第二十八条中「管海官庁」の上に「海上保安官、」を加え、「警察官吏」を「警察官、警察吏員」に、改める。
附 則
1 この法律は、昭和二十四年六月一日から施行する。
2 従前の海難審判所及びその職員は、第二条の規定による海難審判法の改正規定に基く相当の機関及び職員となり、同一性をもつて存続するものとする。
3 高等海難審判所においてした事件に関する手続は、これを高等海難審判庁においてした事件に関する手続と、地方海難審判所においてした事件に関する手続は、これを当該地方海難審判所の所在地を管轄する地方海難審判庁においてした事件に関する手続とみなす。
運輸大臣 大屋晋三
内閣総理大臣 吉田茂