国立世論調査所設置法
法令番号: 法律第128号
公布年月日: 昭和24年5月31日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

完全な民主政治の実現には民意に基づく政治が不可欠であり、行政の民主化を促進するため、国立世論調査所の設置を提案する。これは1946年の衆議院建議に基づくものである。米国で発達した科学的な世論調査法を用い、政策立案と行政運営に資する公正な世論把握を目的とする。現在の総理庁官房審議室内の世論調査部を独立機関として改組し、時の政府や党派にとらわれない厳正公平な自主的機関とする。調査結果は内閣及び関係行政機関に報告・公表され、行政の民主化、能率化、費用軽減に活用される。

参照した発言:
第5回国会 衆議院 内閣委員会 第12号

審議経過

第5回国会

衆議院
(昭和24年4月20日)
参議院
(昭和24年4月20日)
(昭和24年4月21日)
衆議院
(昭和24年4月22日)
(昭和24年5月10日)
(昭和24年5月11日)
(昭和24年5月12日)
(昭和24年5月13日)
参議院
(昭和24年5月21日)
(昭和24年5月22日)
衆議院
(昭和24年5月31日)
参議院
(昭和24年6月1日)
國立世論調査所設置法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十四年五月三十一日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百二十八号
國立世論調査所設置法
(目的及び設置)
第一條 世論に基く政策の樹立及び行政の運営に資する目的で世論の調査を自主的且つ公正に行うため、この法律により、総理府の附属機関として國立世論調査所(以下「調査所」という。)を設置する。
(職務及び権限)
第二條 調査所は、党派にとらわれない自主的機関であつて、前條の目的を達成するために、左に掲げる事項をつかさどる。
一 政府の施策に関し、世論を科学的に調査すること。
二 世論の調査の結果を内閣及び関係行政機関に報告し、及びこれを一般に公表すること。
三 地方公共團体及びその他の者が行う世論の調査に対して必要な助言及び協力をすること。
四 世論及び世論の調査方法を研究し、並びにこれらに関する資料を收集すること。
五 世論の調査の普及発達を図ること。
第三條 調査所及び調査所の職員は、前條に規定する事務を遂行するに当り、左に掲げる行爲をしてはならない。
一 特定の政党政派を利する目的で調査を実施すること。
二 調査の結果を特定の政党政派のために利用すること。
三 調査を思想の統制又は取締に利用すること。
四 調査によつて知り得た個人の祕密を漏らすこと。
五 調査のために行う質問に対して回答を強要すること。
第四條 調査所は、必要がある場合においては、世論の調査を他に委託し、又は他から委託された世論の調査を行うことができる。
(世論調査審議会)
第五條 調査所に、世論調査審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、左に掲げる事項をつかさどる。
一 調査所の事業方針を定めること。
二 調査の実施計画を定めること。
三 調査の結果の発表方法を定めること。
四 前各号に掲げるものの外、調査所の運営に関する重要事項を定めること。
第六條 審議会は、七人の委員で組織する。
2 委員は、世論の調査に関係のある民間の團体が推薦する学識経驗のある者のうちから、審議会の同意を得て、内閣総理大臣が命ずる。
3 委員の任期は、二年とする。但し、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
4 委員は、再任されることができる。
第七條 審議会に、委員長一人を置く。
2 委員長は、審議会の議長となり、会務をつかさどる。
3 委員長は、委員のうちから、互選する。委員長に事故があるときは、委員長があらかじめ指定する者が、その職務を代理する。
(所長)
第八條 調査所に、所長一人を置く。所長は、所務を掌理する。
2 所長は、世論の調査について專門的知識を有する者のうちから、審議会の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
(職員)
第九條 調査所に置かれる職員の任免、昇任、懲戒その他人事管理に関する事項については、國家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)の定めるところによる。
第十條 調査所に置かれる職員の定員は、別に法律で定める。
(命令への委任)
第十一條 この法律に定めるものの外、審議会に関し必要な事項は政令で、調査所の内部組織及び運営に関し必要な事項は総理府令で、定める。
附 則
1 この法律は、昭和二十四年六月一日から施行する。
2 審議会の最初の委員は、第六條第二項の規定にかかわらず、世論の調査に関係のある民間の團体が推薦する学識経驗のある者のうちから、内閣総理大臣が命ずる。
3 審議会の最初の委員のうち、三人の任期は一年、他の四人の任期は二年とし、最初の会議において抽せんで定める。
内閣総理大臣 吉田茂
国立世論調査所設置法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十四年五月三十一日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百二十八号
国立世論調査所設置法
(目的及び設置)
第一条 世論に基く政策の樹立及び行政の運営に資する目的で世論の調査を自主的且つ公正に行うため、この法律により、総理府の附属機関として国立世論調査所(以下「調査所」という。)を設置する。
(職務及び権限)
第二条 調査所は、党派にとらわれない自主的機関であつて、前条の目的を達成するために、左に掲げる事項をつかさどる。
一 政府の施策に関し、世論を科学的に調査すること。
二 世論の調査の結果を内閣及び関係行政機関に報告し、及びこれを一般に公表すること。
三 地方公共団体及びその他の者が行う世論の調査に対して必要な助言及び協力をすること。
四 世論及び世論の調査方法を研究し、並びにこれらに関する資料を収集すること。
五 世論の調査の普及発達を図ること。
第三条 調査所及び調査所の職員は、前条に規定する事務を遂行するに当り、左に掲げる行為をしてはならない。
一 特定の政党政派を利する目的で調査を実施すること。
二 調査の結果を特定の政党政派のために利用すること。
三 調査を思想の統制又は取締に利用すること。
四 調査によつて知り得た個人の秘密を漏らすこと。
五 調査のために行う質問に対して回答を強要すること。
第四条 調査所は、必要がある場合においては、世論の調査を他に委託し、又は他から委託された世論の調査を行うことができる。
(世論調査審議会)
第五条 調査所に、世論調査審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、左に掲げる事項をつかさどる。
一 調査所の事業方針を定めること。
二 調査の実施計画を定めること。
三 調査の結果の発表方法を定めること。
四 前各号に掲げるものの外、調査所の運営に関する重要事項を定めること。
第六条 審議会は、七人の委員で組織する。
2 委員は、世論の調査に関係のある民間の団体が推薦する学識経験のある者のうちから、審議会の同意を得て、内閣総理大臣が命ずる。
3 委員の任期は、二年とする。但し、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
4 委員は、再任されることができる。
第七条 審議会に、委員長一人を置く。
2 委員長は、審議会の議長となり、会務をつかさどる。
3 委員長は、委員のうちから、互選する。委員長に事故があるときは、委員長があらかじめ指定する者が、その職務を代理する。
(所長)
第八条 調査所に、所長一人を置く。所長は、所務を掌理する。
2 所長は、世論の調査について専門的知識を有する者のうちから、審議会の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
(職員)
第九条 調査所に置かれる職員の任免、昇任、懲戒その他人事管理に関する事項については、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)の定めるところによる。
第十条 調査所に置かれる職員の定員は、別に法律で定める。
(命令への委任)
第十一条 この法律に定めるものの外、審議会に関し必要な事項は政令で、調査所の内部組織及び運営に関し必要な事項は総理府令で、定める。
附 則
1 この法律は、昭和二十四年六月一日から施行する。
2 審議会の最初の委員は、第六条第二項の規定にかかわらず、世論の調査に関係のある民間の団体が推薦する学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が命ずる。
3 審議会の最初の委員のうち、三人の任期は一年、他の四人の任期は二年とし、最初の会議において抽せんで定める。
内閣総理大臣 吉田茂