水産業団体整理特別措置法
法令番号: 法律第90号
公布年月日: 昭和24年5月20日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

水産業協同組合法及び関連法の施行に伴い、水産業団体から新協同組合への財産移転が開始されることから、二つの重要な規定を整備する必要が生じた。一つは債権者保護手続きで、債務承継に際して債権者への公告・催告を義務付け、異議ある債権者への弁済等の措置を定める。二つ目は財産評価基準で、帳簿価格と時価の範囲内で資産処理委員会が各団体の実情に応じて決定できるようにする。これにより、円滑な財産移転を実現することを目的とする。

参照した発言:
第5回国会 衆議院 水産委員会 第10号

審議経過

第5回国会

衆議院
(昭和24年5月9日)
参議院
(昭和24年5月10日)
衆議院
(昭和24年5月11日)
(昭和24年5月12日)
参議院
(昭和24年5月13日)
(昭和24年5月16日)
衆議院
(昭和24年5月31日)
参議院
(昭和24年6月1日)
水産業團体整理特別措置法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十四年五月二十日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第九十号
水産業團体整理特別措置法
(法律の目的)
第一條 この法律は、水産業團体(漁業会、製造業会及び都道府縣水産業会をいう。以下同じ。)が水産業協同組合法の制定に伴う水産業團体の整理等に関する法律(昭和二十三年法律第二百四十三号。以下「整理法」という。)に基いてその財産を処分するについて、債権者の保護手続及び財産の評價基準等を定め、もつて財産処分の公正と水産業協同組合への円滑な財産移轉とを図ることを目的とする。
(債権者に対する措置)
第二條 水産業團体は、整理法第五條、第七條及び第九條から第十一條までの規定に基き水産業協同組合が債務を承継することにつき異議を有する債権者は一定の期間内にこれを述べるべき旨を公告し、且つ、知れている債権者には、各別にその旨を催告しなければならない。
2 前項の一定の期間は、一箇月を下つてはならない。
3 債権者が第一項の一定の期間内に異議を述べなかつたときは、同項に規定する債務の承継を承諾したものとみなす。
4 債権者が第一項の一定の期間内に異議を述べたときは、水産業團体は、遅滯なく、弁済をし、若しくは相当の担保を供し、又は債権者に弁済を受けさせることを目的として信託業務を営む銀行若しくは信託会社に相当の財産を信託しなければならない。
第三條 前條第四項の規定による弁済又は信託をするために必要な財産の賣却は、法令又はこれに基く行政廳の処分に從つて処分しなければならない資産を除き、随意契約によつてしなければならない。
2 前項の随意契約ができないとき又は成立しなかつたときの財産の賣却は、入札又は競賣の方法のうち整理法第十三條第三項の資産処理委員会(以下「資産処理委員会」という。)の定める方法によつてしなければならない。
3 第一項の随意契約の方法によつて資産を処分する場合において、その價格は、公定價格(法令に基く價格をいう。以下同じ。)があるときはこれによるものとし、公定價格がないときは時價を基準として資産処理委員会の定める價格によるものとする。
(買受人又は落札人の決定)
第四條 随意契約の方法をもつて水産業團体の財産を水産業協同組合以外の者に賣却しようとする場合には、当該水産業團体は、当該財産の種類、賣却しようとする相手方の氏名若しくは名称及び住所並びに賣却價格を公告しなければならない。
2 前項の場合において、水産業協同組合は、当該水産業團体に対し、当該賣却價格により当該財産を讓渡すべきことを申し出ることができる。但し、公告の日から二週間を経過したときは、この限りでない。
3 水産業團体は、前項本文の規定に基いて同項但書の期間内に当該財産の讓渡を申し出た水産業協同組合に、第一項の賣却價格をもつて、当該財産を讓渡しなければならない。
4 前項の規定により当該財産の讓渡を受けるべき水産業協同組合が二以上ある場合には、水産業團体はこれらの水産業協同組合につき入札又は競賣を行い、その結果落札人又は競落人となつた者に落札價格又は競落價格をもつて、当該財産を讓渡しなければならない。
5 前項の落札價格又は競落價格は、第一項の賣却價格を下ることができない。
第五條 入札の方法をもつて水産業團体の財産を賣却するにあたり、落札となるべき同價の入札をした者が二人以上ある場合において、そのうちに水産業協同組合があるときは、当該水産業協同組合をもつて落札人とする。
2 入札の方法をもつて水産業團体の財産を賣却する場合において水産業協同組合以外の者が最高價の入札をしたときは、入札に加わつた水産業協同組合は、水産業團体に対し、当該入札價格により当該財産を讓渡すべきことを申し出ることができる。但し、入札開封の日から十日を経過したときは、この限りでない。
3 前項の場合には、前條第三項から第五項までの規定を準用する。
第六條 前二條の規定中「水産業協同組合」とあるのは、賣却しようとする財産が漁業会に属する場合にあつては当該漁業会の会員の十分の一以上を組合員とする漁業協同組合又は漁業生産組合とし、当該財産が都道府縣水産業会に属する場合にあつては当該都道府縣水産業会の地区の全部又は一部を地区とする漁業協同組合又は漁業協同組合連合会とし、当該財産が製造業会に属する場合にあつては当該製造業会の地区の全部又は一部を地区とする水産加工業協同組合又は水産加工業協同組合連合会とする。
第七條 前三條に規定するものの外、第三條の規定による財産の賣却につき必要な事項は、資産処理委員会が定める。
(財産移轉の認可申請の制限)
第八條 水産業團体は、前六條の規定による手続を完了した後でなければ、整理法第五條第一項、第七條第一項、第九條第一項、第十條第一項又は第十一條第一項の規定による財産移轉の認可の申請をすることができない。
(財産の評價)
第九條 水産業團体が整理法第五條、第七條、第九條、第十條又は第十一條の規定により財産を移轉する場合における当該財産の價格は、公定價格があるときはその價格によるものとし、公定價格がないときは帳簿價格と時價との範囲内で資産処理委員会が定める價格によるものとする。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
大藏大臣 池田勇人
農林大臣 森幸太郎
内閣総理大臣 吉田茂
水産業団体整理特別措置法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十四年五月二十日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第九十号
水産業団体整理特別措置法
(法律の目的)
第一条 この法律は、水産業団体(漁業会、製造業会及び都道府県水産業会をいう。以下同じ。)が水産業協同組合法の制定に伴う水産業団体の整理等に関する法律(昭和二十三年法律第二百四十三号。以下「整理法」という。)に基いてその財産を処分するについて、債権者の保護手続及び財産の評価基準等を定め、もつて財産処分の公正と水産業協同組合への円滑な財産移転とを図ることを目的とする。
(債権者に対する措置)
第二条 水産業団体は、整理法第五条、第七条及び第九条から第十一条までの規定に基き水産業協同組合が債務を承継することにつき異議を有する債権者は一定の期間内にこれを述べるべき旨を公告し、且つ、知れている債権者には、各別にその旨を催告しなければならない。
2 前項の一定の期間は、一箇月を下つてはならない。
3 債権者が第一項の一定の期間内に異議を述べなかつたときは、同項に規定する債務の承継を承諾したものとみなす。
4 債権者が第一項の一定の期間内に異議を述べたときは、水産業団体は、遅滞なく、弁済をし、若しくは相当の担保を供し、又は債権者に弁済を受けさせることを目的として信託業務を営む銀行若しくは信託会社に相当の財産を信託しなければならない。
第三条 前条第四項の規定による弁済又は信託をするために必要な財産の売却は、法令又はこれに基く行政庁の処分に従つて処分しなければならない資産を除き、随意契約によつてしなければならない。
2 前項の随意契約ができないとき又は成立しなかつたときの財産の売却は、入札又は競売の方法のうち整理法第十三条第三項の資産処理委員会(以下「資産処理委員会」という。)の定める方法によつてしなければならない。
3 第一項の随意契約の方法によつて資産を処分する場合において、その価格は、公定価格(法令に基く価格をいう。以下同じ。)があるときはこれによるものとし、公定価格がないときは時価を基準として資産処理委員会の定める価格によるものとする。
(買受人又は落札人の決定)
第四条 随意契約の方法をもつて水産業団体の財産を水産業協同組合以外の者に売却しようとする場合には、当該水産業団体は、当該財産の種類、売却しようとする相手方の氏名若しくは名称及び住所並びに売却価格を公告しなければならない。
2 前項の場合において、水産業協同組合は、当該水産業団体に対し、当該売却価格により当該財産を譲渡すべきことを申し出ることができる。但し、公告の日から二週間を経過したときは、この限りでない。
3 水産業団体は、前項本文の規定に基いて同項但書の期間内に当該財産の譲渡を申し出た水産業協同組合に、第一項の売却価格をもつて、当該財産を譲渡しなければならない。
4 前項の規定により当該財産の譲渡を受けるべき水産業協同組合が二以上ある場合には、水産業団体はこれらの水産業協同組合につき入札又は競売を行い、その結果落札人又は競落人となつた者に落札価格又は競落価格をもつて、当該財産を譲渡しなければならない。
5 前項の落札価格又は競落価格は、第一項の売却価格を下ることができない。
第五条 入札の方法をもつて水産業団体の財産を売却するにあたり、落札となるべき同価の入札をした者が二人以上ある場合において、そのうちに水産業協同組合があるときは、当該水産業協同組合をもつて落札人とする。
2 入札の方法をもつて水産業団体の財産を売却する場合において水産業協同組合以外の者が最高価の入札をしたときは、入札に加わつた水産業協同組合は、水産業団体に対し、当該入札価格により当該財産を譲渡すべきことを申し出ることができる。但し、入札開封の日から十日を経過したときは、この限りでない。
3 前項の場合には、前条第三項から第五項までの規定を準用する。
第六条 前二条の規定中「水産業協同組合」とあるのは、売却しようとする財産が漁業会に属する場合にあつては当該漁業会の会員の十分の一以上を組合員とする漁業協同組合又は漁業生産組合とし、当該財産が都道府県水産業会に属する場合にあつては当該都道府県水産業会の地区の全部又は一部を地区とする漁業協同組合又は漁業協同組合連合会とし、当該財産が製造業会に属する場合にあつては当該製造業会の地区の全部又は一部を地区とする水産加工業協同組合又は水産加工業協同組合連合会とする。
第七条 前三条に規定するものの外、第三条の規定による財産の売却につき必要な事項は、資産処理委員会が定める。
(財産移転の認可申請の制限)
第八条 水産業団体は、前六条の規定による手続を完了した後でなければ、整理法第五条第一項、第七条第一項、第九条第一項、第十条第一項又は第十一条第一項の規定による財産移転の認可の申請をすることができない。
(財産の評価)
第九条 水産業団体が整理法第五条、第七条、第九条、第十条又は第十一条の規定により財産を移転する場合における当該財産の価格は、公定価格があるときはその価格によるものとし、公定価格がないときは帳簿価格と時価との範囲内で資産処理委員会が定める価格によるものとする。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
大蔵大臣 池田勇人
農林大臣 森幸太郎
内閣総理大臣 吉田茂