(損失の補てん)
第一條 政府は、石炭鉱業その他の鉱業又は電気事業を業とする者に対し、石炭鉱業については昭和二十二年七月六日から昭和二十三年六月二十二日までの間、石炭鉱業以外の鉱業については昭和二十三年五月一日から昭和二十三年七月三十一日までの間、電気事業については昭和二十一年十一月一日から昭和二十三年六月二十二日までの間におけるその者の責に帰することのできない事由による損失で、生産の確保のため避けることができなかつたと認めるものを補てんする。
2 前項の規定により政府が補てんする金額は、石炭鉱業については総額百七億九千四百万円、石炭鉱業以外の鉱業については総額三億二千八百万円、電気事業については総額二十九億九千二百万円をこえてはならない。
3 第一項の規定により補てんする金額は、商工大臣が大藏大臣と協議して定める基準に從い、商工大臣が定める。
(登録國債の交付)
第二條 政府は、前條の補てんの債務の決済を、登録國債の交付により行うことができる。
2 前項の規定により決済のため交付する登録國債の交付價格、償還期限及び利率は、次の通りとする。
3 政府は、前條の補てんの債務の決済のため必要な金額を限り、公債を発行することができる。
(復興金融金庫等に対する債務の弁済)
第三條 第一條の規定により補てんを受ける者は、復興金融金庫又は別表に掲げる者に対する債務で、商工大臣の指定するものがあるときは、商工大臣及び大藏大臣の指示するところに從い、同條の規定による補てんとして前條に定める登録國債を受ける権利をもつて当該債務を弁済しなければならない。
2 前項の者は、復興金融金庫に対する債務で同項に掲げるもの以外のもの又は別表に掲げる者に対する債務で商工大臣の指定するものがあるときは、同項の権利をもつて当該債務を弁済することができる。
3 別表に掲げる者が前二項の規定により弁済を受領したときは、商工大臣及び大藏大臣の指示するところに從い、弁済として受領した第一項の権利をもつて復興金融金庫に対する債務を弁済しなければならない。
4 前三項の弁済により消滅する債務の額は、弁済に充てられた権利に係る登録國債の額面に相当する額とする。
(復興金融債券の償還)
第四條 復興金融金庫は、日本銀行の所有する復興金融債券の償還をするに当り、前條の規定により弁済として受領した権利に係る登録國債をもつて償還に充てることができる。
2 前項の規定により償還される復興金融債券の額は、償還に充てられた登録國債の額面に相当する額とする。
(税法の特例)
第五條 第一條の規定による補てんを受けた損失の金額のうち、補てんを受けた日の属する事業年度開始の日前一年にあたる日の前日以前に開始した事業年度において生じたもので、法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)による所得及び地方税法(昭和二十三年法律第百十号)により事業税を課する場合における所得の計算上まだ損金として総益金から控除されたことのないものについては、これらの所得の計算上、これを益金に算入しない。