海事仲裁等に関する法律
法令番号: 法律第二百二十一号
公布年月日: 昭和23年12月3日
法令の形式: 法律
海事仲裁等に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十三年十二月三日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百二十一号
海事仲裁等に関する法律
第一條 海運に関する事業者團体(事業者團体法(昭和二十三年法律第百九十一号)第二條に規定する事業者團体をいう。以下同じ。)で、船舶共有、船舶貸借(期間よう船を含む。)、運航委託、海上運送、海上保險若しくは船舶賣買に関する契約又は海損若しくは海難救助に関する事項(以下海事という。)について、紛爭の仲裁又は解決に関する行爲を当該事業者團体の事業として行おうとするものは、当該事業者團体の定款又は寄附行爲及び紛爭の仲裁又は解決に関する取扱規程(以下單に取扱規程という。)を提出して、運輸大臣の認可を受けなければならない。
第二條 運輸大臣は、前條の認可の申請があつた場合において、当該事業者團体の定款又は寄附行爲及び当該取扱規程が左の各号に掲げる要件を備えていなければ、これを認可してはならない。
一 事業者團体の定款又は寄附行爲に関する要件
イ 公益法人であること。
ロ 海事に関する現在又は將來の紛爭について、その仲裁又は解決を当該事業者團体に依頼することを構成員の加入條件としておらず、紛爭の仲裁又は解決に関する行爲は、一件ごとに当事者の任意の請求によつて行うことを明記してあること。
ハ 任意に設立され、且つ、構成員が任意に加入し又は脱退することができること。
ニ 当該事業者團体が海事について、紛爭の仲裁又は解決に関する行爲をすることが、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)の規定及び事業者團体法(第五條第一項第十六号の規定を除く。)の規定に反しないこと。
二 取扱規程に関する要件
イ 構成員間の海事に関する紛爭の仲裁又は解決を当該事業者團体に依頼することを強制しておらず、紛爭の仲裁又は解決に関する行爲は、一件ごとに任意の請求によつて行うことを明記してあること。
ロ 構成員であるかどうかを問わず、何人も、自由に、且つ、同一の條件で当該事業者團体に海事に関する紛爭の仲裁又は解決を依頼することができること。
第三條 事業者團体法第五條第一項第十六号の規程は、第一條の規定により認可された海運に関する事業者團体が海事に関する紛爭の仲裁又は解決のために行う正当な行爲に対しては、適用がない。
第四條 事業者團体法(第五條第一項第十六号の規定を除く。)の規定及びその規定に基く公正取引委員会の権限は、前三條の規定により、変更されるものと解釈してはならない。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 事業者團体法の一部を次のように改正する。
第六條第一項第八号を次のように改める。
八 海事仲裁等に関する法律(昭和二十三年法律第二百二十一号)第一條の規定によつて認可を受けた海運に関する事業者團体。但し、海事に関する紛爭の仲裁又は解決のために行う正当な行爲に限る。
3 社團法人日本海運集会所が、この法律施行の日から三十日以内に定款及び取扱規程を運輸大臣に提出して、その認可を受けたときは、この法律施行の日において第一條の規定により認可があつたものとみなす。
4 前項の規定により行う運輸大臣の認可には、第二條の規定を準用する。
運輸大臣 小澤佐重喜
内閣総理大臣 吉田茂
海事仲裁等に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十三年十二月三日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百二十一号
海事仲裁等に関する法律
第一条 海運に関する事業者団体(事業者団体法(昭和二十三年法律第百九十一号)第二条に規定する事業者団体をいう。以下同じ。)で、船舶共有、船舶貸借(期間よう船を含む。)、運航委託、海上運送、海上保険若しくは船舶売買に関する契約又は海損若しくは海難救助に関する事項(以下海事という。)について、紛争の仲裁又は解決に関する行為を当該事業者団体の事業として行おうとするものは、当該事業者団体の定款又は寄附行為及び紛争の仲裁又は解決に関する取扱規程(以下単に取扱規程という。)を提出して、運輸大臣の認可を受けなければならない。
第二条 運輸大臣は、前条の認可の申請があつた場合において、当該事業者団体の定款又は寄附行為及び当該取扱規程が左の各号に掲げる要件を備えていなければ、これを認可してはならない。
一 事業者団体の定款又は寄附行為に関する要件
イ 公益法人であること。
ロ 海事に関する現在又は将来の紛争について、その仲裁又は解決を当該事業者団体に依頼することを構成員の加入条件としておらず、紛争の仲裁又は解決に関する行為は、一件ごとに当事者の任意の請求によつて行うことを明記してあること。
ハ 任意に設立され、且つ、構成員が任意に加入し又は脱退することができること。
ニ 当該事業者団体が海事について、紛争の仲裁又は解決に関する行為をすることが、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)の規定及び事業者団体法(第五条第一項第十六号の規定を除く。)の規定に反しないこと。
二 取扱規程に関する要件
イ 構成員間の海事に関する紛争の仲裁又は解決を当該事業者団体に依頼することを強制しておらず、紛争の仲裁又は解決に関する行為は、一件ごとに任意の請求によつて行うことを明記してあること。
ロ 構成員であるかどうかを問わず、何人も、自由に、且つ、同一の条件で当該事業者団体に海事に関する紛争の仲裁又は解決を依頼することができること。
第三条 事業者団体法第五条第一項第十六号の規程は、第一条の規定により認可された海運に関する事業者団体が海事に関する紛争の仲裁又は解決のために行う正当な行為に対しては、適用がない。
第四条 事業者団体法(第五条第一項第十六号の規定を除く。)の規定及びその規定に基く公正取引委員会の権限は、前三条の規定により、変更されるものと解釈してはならない。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 事業者団体法の一部を次のように改正する。
第六条第一項第八号を次のように改める。
八 海事仲裁等に関する法律(昭和二十三年法律第二百二十一号)第一条の規定によつて認可を受けた海運に関する事業者団体。但し、海事に関する紛争の仲裁又は解決のために行う正当な行為に限る。
3 社団法人日本海運集会所が、この法律施行の日から三十日以内に定款及び取扱規程を運輸大臣に提出して、その認可を受けたときは、この法律施行の日において第一条の規定により認可があつたものとみなす。
4 前項の規定により行う運輸大臣の認可には、第二条の規定を準用する。
運輸大臣 小沢佐重喜
内閣総理大臣 吉田茂