(日本証券取引所の解散等に関する法律)
法令番号: 法律第二十一号
公布年月日: 昭和22年3月28日
法令の形式: 法律
朕は、帝國議会の協賛を経た日本証券取引所の解散等に関する法律を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十二年三月二十七日
内閣総理大臣 吉田茂
司法大臣 木村篤太郎
大藏大臣 石橋湛山
法律第二十一号
第一條 日本証券取引所法は、これを廃止する。
第二條 この法律施行前になした行爲に対する罰則の適用については、旧日本証券取引所法は、この法律施行後も、なおその効力を有する。
第三條 日本証券取引所は、これを解散する。
日本証券取引所は、清算の目的の範囲内においては、なお存続するものとみなす。この場合において、旧日本証券取引所法は、その範囲内において、なほその効力を有する。
第四條 日本証券取引所の清算人は、日本証券取引所の役員又は役員であつた者以外の者の中から、裁判所がこれを選任する。
第五條 日本証券取引所の清算は、裁判所の監督に属する。
第六條 日本証券取引所の解散又は清算に関する登記については、勅令の定めるところによる。
前項の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これを以て第三者に対抗することができない。
第七條 清算人は、就職の後、遅滯なく日本証券取引所の財產の現況を調査し、財產目録及び貸借対照表を作成し、これを監事に提出し、その承認を求めなければならない。
清算人は、前項の承認を得た後、遅滯なく財產目録及び貸借対照表を、裁判所に提出しなければならない。
第八條 清算人は、事業年度ごとに、財產目録、貸借対照表及び事務報告書を作成し、事業年度経過後二箇月以内に、これを監事に提出し、その承認を求めなければならない。
監事は、前項の書類を承認した後、遅滯なく意見書を、裁判所に提出しなければならない。
前條第二項の規定は、第一項の場合に、これを準用する。
清算人は前項の規定により第一項の書類を裁判所に提出した後四箇月間、これを主たる事務所に備え置かなければならない。
商法第二百八十二條第二項の規定は、前項の場合に、これを準用する。
清算人は、第三項の規定により第一項の書類を裁判所に提出した後、遅滯なく同項の貸借対照表を公告しなければならない。
第九條 前條第一項の書類が裁判所に提出された時から六箇月以内に、出資者がその書類につき日本証券取引所に対し異議を述べなかつたときは、日本証券取引所は、清算人又は監事に対し、その責任を解除したものとみなす。但し、清算人に不正な行爲があつたときは、この限りでない。
第十條 日本証券取引所は、清算の実行上必要があると認めるときは、出資者の半数以上であつて資本金額の半額以上に当る出資者の同意を得て、その財產の一部を出資して、不動產の賃貸を主たる目的とする株式会社を設立することができる。
前項の株式会社の設立については、商法第百六十五條の規定は、これを適用しない。
第十一條 前條の場合においては、残余財產は、金銭及び前條第一項の出資によつて得た株式ごとに出資の口数に應じて、これを出資者に分配する。
前項の場合において、分配に適しない数の株式又は政府、戰時金融金庫若しくはその出資額が日本証券取引所の資本金額の百分の一以上に相当する金額を超える出資者に分配すべき株式につていは、同項の規定にかかわらず、当該株式を処分して得た代金の交付により、残余財產の分配を行う。
第十二條 日本証券取引所の財產につき清算が終つたときは清算人は、遅滯なく決算報告書を作成し、これを監事に提出して、その承認を求めなければならない。
第七條第二項、第八條第二項、第四項乃至第六項及び第九條の規定は、前項の場合に、これを準用する。
第十三條 商法第百二十四條、第百二十五條、第百二十八條、第百三十一條、第四百十八條、第四百二十一條乃至第四百二十五條及び第四百二十九條並びに非訟事件手続法第百三十五條ノ二十五第二項第三項、第百三十六條第二項及び第百三十七條の規定は、日本証券取引所の清算に、これを準用する。
民法第四十四條及び第五十四條並びに商法第三十九條第二項、第百二十九條第三項、第二百五十四條第二項、第二百六十一條第一項、第二百六十五條、第二百六十六條第一項、第二百七十四條、第二百七十六條第一項、第二百七十七條第一項本文、第二百七十八條及び第四百三十五條、破產法第百六十六條並びに非訟事件手続法第百三十五條ノ六十四の規定は、日本証券取引所の清算人に、これを準用する。
商法第二百六十五條、第二百六十六條第一項、第二百七十四條、第二百七十七條第一項本文及び第二百七十八條の規定は、日本証券取引所の監事に、これを準用する。
第十四條 日本証券取引所の清算人又は監事は、左の場合においては、五千円以下の過料に処する。
一 第六條の規定に基いて発する命令に違反し登記をすることを怠り又は不正の登記をしたとき
二 第七條第二項(第八條第三項又は第十二條第二項において準用する場合を含む。)若しくは第八條第二項(第十二條第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反し財產目録、貸借対照表、事務報告書、決算報告書若しくは意見書を裁判所に提出しなかつたとき又はこれらの書類に不実の記載をしたとき
三 第八條第四項(第十二條第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反し書類を備え置かなかつたとき
四 第八條第五項(第十二條第二項において準用する場合を含む。)の規定において準用する商法第二百八十二條第二項の規定に違反し書類の閲覽又はその謄本若しくは抄本の交付を拒んだとき
五 第八條第六項(第十二條第二項において準用する場合を含む。)若しくは前條第一項において準用する商法第四百二十一條第一項に定める公告をすることを怠り又は不正の公告をしたとき
六 第十一條又は前條第一項において準用する商法第百三十一條の規定に違反し残余財產を分配したとき
七 前條第一項において準用する商法第百二十四條第三項の規定に違反し破產宣告の請求をすることを怠つたとき
八 清算の終了を遅延させる目的を以て前條第一項において準用する商法第四百二十一條第一項の期間を不当に定めたとき
九 前條第一項において準用する商法第四百二十三條の規定に違反し債務の弁済をしたとき
十 前條第二項において準用する商法第二百七十四條に定める調査を妨げたとき
附 則
この法律の施行期日は、勅令でこれを定める。
朕は、帝国議会の協賛を経た日本証券取引所の解散等に関する法律を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十二年三月二十七日
内閣総理大臣 吉田茂
司法大臣 木村篤太郎
大蔵大臣 石橋湛山
法律第二十一号
第一条 日本証券取引所法は、これを廃止する。
第二条 この法律施行前になした行為に対する罰則の適用については、旧日本証券取引所法は、この法律施行後も、なおその効力を有する。
第三条 日本証券取引所は、これを解散する。
日本証券取引所は、清算の目的の範囲内においては、なお存続するものとみなす。この場合において、旧日本証券取引所法は、その範囲内において、なほその効力を有する。
第四条 日本証券取引所の清算人は、日本証券取引所の役員又は役員であつた者以外の者の中から、裁判所がこれを選任する。
第五条 日本証券取引所の清算は、裁判所の監督に属する。
第六条 日本証券取引所の解散又は清算に関する登記については、勅令の定めるところによる。
前項の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これを以て第三者に対抗することができない。
第七条 清算人は、就職の後、遅滞なく日本証券取引所の財産の現況を調査し、財産目録及び貸借対照表を作成し、これを監事に提出し、その承認を求めなければならない。
清算人は、前項の承認を得た後、遅滞なく財産目録及び貸借対照表を、裁判所に提出しなければならない。
第八条 清算人は、事業年度ごとに、財産目録、貸借対照表及び事務報告書を作成し、事業年度経過後二箇月以内に、これを監事に提出し、その承認を求めなければならない。
監事は、前項の書類を承認した後、遅滞なく意見書を、裁判所に提出しなければならない。
前条第二項の規定は、第一項の場合に、これを準用する。
清算人は前項の規定により第一項の書類を裁判所に提出した後四箇月間、これを主たる事務所に備え置かなければならない。
商法第二百八十二条第二項の規定は、前項の場合に、これを準用する。
清算人は、第三項の規定により第一項の書類を裁判所に提出した後、遅滞なく同項の貸借対照表を公告しなければならない。
第九条 前条第一項の書類が裁判所に提出された時から六箇月以内に、出資者がその書類につき日本証券取引所に対し異議を述べなかつたときは、日本証券取引所は、清算人又は監事に対し、その責任を解除したものとみなす。但し、清算人に不正な行為があつたときは、この限りでない。
第十条 日本証券取引所は、清算の実行上必要があると認めるときは、出資者の半数以上であつて資本金額の半額以上に当る出資者の同意を得て、その財産の一部を出資して、不動産の賃貸を主たる目的とする株式会社を設立することができる。
前項の株式会社の設立については、商法第百六十五条の規定は、これを適用しない。
第十一条 前条の場合においては、残余財産は、金銭及び前条第一項の出資によつて得た株式ごとに出資の口数に応じて、これを出資者に分配する。
前項の場合において、分配に適しない数の株式又は政府、戦時金融金庫若しくはその出資額が日本証券取引所の資本金額の百分の一以上に相当する金額を超える出資者に分配すべき株式につていは、同項の規定にかかわらず、当該株式を処分して得た代金の交付により、残余財産の分配を行う。
第十二条 日本証券取引所の財産につき清算が終つたときは清算人は、遅滞なく決算報告書を作成し、これを監事に提出して、その承認を求めなければならない。
第七条第二項、第八条第二項、第四項乃至第六項及び第九条の規定は、前項の場合に、これを準用する。
第十三条 商法第百二十四条、第百二十五条、第百二十八条、第百三十一条、第四百十八条、第四百二十一条乃至第四百二十五条及び第四百二十九条並びに非訟事件手続法第百三十五条ノ二十五第二項第三項、第百三十六条第二項及び第百三十七条の規定は、日本証券取引所の清算に、これを準用する。
民法第四十四条及び第五十四条並びに商法第三十九条第二項、第百二十九条第三項、第二百五十四条第二項、第二百六十一条第一項、第二百六十五条、第二百六十六条第一項、第二百七十四条、第二百七十六条第一項、第二百七十七条第一項本文、第二百七十八条及び第四百三十五条、破産法第百六十六条並びに非訟事件手続法第百三十五条ノ六十四の規定は、日本証券取引所の清算人に、これを準用する。
商法第二百六十五条、第二百六十六条第一項、第二百七十四条、第二百七十七条第一項本文及び第二百七十八条の規定は、日本証券取引所の監事に、これを準用する。
第十四条 日本証券取引所の清算人又は監事は、左の場合においては、五千円以下の過料に処する。
一 第六条の規定に基いて発する命令に違反し登記をすることを怠り又は不正の登記をしたとき
二 第七条第二項(第八条第三項又は第十二条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第八条第二項(第十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反し財産目録、貸借対照表、事務報告書、決算報告書若しくは意見書を裁判所に提出しなかつたとき又はこれらの書類に不実の記載をしたとき
三 第八条第四項(第十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反し書類を備え置かなかつたとき
四 第八条第五項(第十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定において準用する商法第二百八十二条第二項の規定に違反し書類の閲覧又はその謄本若しくは抄本の交付を拒んだとき
五 第八条第六項(第十二条第二項において準用する場合を含む。)若しくは前条第一項において準用する商法第四百二十一条第一項に定める公告をすることを怠り又は不正の公告をしたとき
六 第十一条又は前条第一項において準用する商法第百三十一条の規定に違反し残余財産を分配したとき
七 前条第一項において準用する商法第百二十四条第三項の規定に違反し破産宣告の請求をすることを怠つたとき
八 清算の終了を遅延させる目的を以て前条第一項において準用する商法第四百二十一条第一項の期間を不当に定めたとき
九 前条第一項において準用する商法第四百二十三条の規定に違反し債務の弁済をしたとき
十 前条第二項において準用する商法第二百七十四条に定める調査を妨げたとき
附 則
この法律の施行期日は、勅令でこれを定める。