第一條 勞働關係調整法(以下法と稱する。)第九條の勞働委員會又は行政官廳とは、その爭議行爲の發生した地を管轄する地方勞働委員會又はその地の最寄の勤勞署長とし、その爭議行爲の發生した地が二以上の都道府縣に亙るときは、中央勞働委員會又は關係地方長官の一とする。
第二條 法第九條の屆出は、口頭又は電話その他適宜の方法でこれをなすことができる。
第三條 法第十二條の規定による斡旋員の指名、法第十八條第一項第一號乃至第三號若しくは第二項の規定による調停又は法第三十條の仲裁の申請は、關係當事者(當事者が法人、法人でない使用者又は勞働者の組合、爭議團等の團体であるときは、その代表者をいふ。以下同じ。)又はその委任を受けた者が、事件の要點を具し、書面でこれをなさなければならない。
第四條 勞働委員會の會長は、斡旋員候補者の氏名、閱歷等を適宜の方法により、勞働關係の當事者に、周知させなければならない。
第五條 勞働委員會は、斡旋員候補者が、辭任を申し出たとき、又は斡旋員候補者として不適當であると認められるに至つたときは、これを解任することができる。
第六條 斡旋員若しくは斡旋員であつた者又は調停委員會の委員若しくは委員であつた者は、その職務に關して知り得た祕密を漏泄してはならない。
第七條 勞働委員會は、法第十八條第一項第二號又は第三號の規定によつて關係當事者の一方から調停の申請がなされたときには、他の關係當事者に、同項第四號の規定による決議又は同項第五號の規定による調停の請求がなされたときには、關係當事者の双方に遲滯なく、その旨を通知しなければならない。
前項の場合において、事件が公益事業に關するものであるときは、勞働委員會は、併せて、その旨を公表しなければならない。
前二項の規定は法第十八條第二項の場合にこれを準用する。
第八條 法第十八條第一項第五號の行政官廳は、事件が發生した地を管轄する地方長官とし、その地が二以上の都道府縣に亙るときは、厚生大臣とする。
厚生大臣が必要と認めるときは、前項の規定による地方長官又は厚生大臣の職權は、同項の規定にかかはらず、厚生大臣又は厚生大臣の指定する地方長官が、これを行ふものとすることができる。
第九條 調停委員會の委員長は、會務を總理し、調停委員會を代表する。
第十條 調停委員會は、法第十八條第一項第一號若しくは第二號の規定による調停の申請、同項第三號若しくは第四號の規定による決議又は同項第五號の規定による調停の請求がなされた日から、十五日以內に調停案を作成し、十日以內の期限を附して、關係當事者に、その受諾を勸吿するものとする。
第十一條 法第四十二條の請求は、その違反行爲のあつた地を管轄する地方勞働委員會の決議により、會長から書面で檢事に對してこれをなす。
第十二條 法第四十四條の費用は、鐵道賃、船賃、車馬賃、日當及び宿泊料の五種とし、別表に揭げるところに從ひ、定額によつてこれを支給する。
前項に定めるものの外同項の費用の支給については、內國旅費規則を準用する。
第十三條 厚生大臣は、必要があると認めるときは、地方長官以外の行政官廳を指定して、この勅令による地方長官の職務を行はせることができる。但し、厚生大臣が、その指揮監督を受けない行政官廳を指定しようとするときは、あらかじめ所管大臣と協議しなければならない。
船員法の適用のある船員に關しては、この勅令中厚生大臣とあるのは運輸大臣、地方長官又は勤勞署長とあるのは海運局長、都道府縣とあるのは海運局の官轄區域とする。