特別都市計画法施行令
法令番号: 勅令第422号
公布年月日: 昭和21年9月11日
法令の形式: 勅令

審議経過

朕は、特別都市計畫法施行令を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十一年九月十日
內閣總理大臣 吉田茂
勅令第四百二十二號
特別都市計畫法施行令
第一條 內閣總理大臣は、特別都市計畫又は特別都市計畫事業について、都市計畫法第三條の規定による內閣の認可を受けたときは、直ちにその要領を吿示する。
第二條 特別都市計畫法(以下法といふ。)第二條の公共の用に供する土地とは、地目の如何にかかはらず、道路、廣場、堤塘、溝渠、運河、河川、公共物揚場、公園又は綠地の用に供せられる土地をいふ。
第三條 法第三條第一項の規定により指定された綠地地域內においては、建築物は、左の各號の一に該當するものを除いては、これを新築又は增築することができない。
一 農業、林業、畜產業又は水產業を營む者の業務又は居住の用途に供するために建築するもの
二 公園、運動場の類の施設に附隨して建築するもの
三 內閣總理大臣の指定する建築物でその建築面積が敷地面積の十分の一を超えないもの
四 地方長官が公益上已むを得ないと認めるもの
前項各號に定める建築物を新築又は增築しようとする者は、地方長官の許可を受けなければならない。但し、地方長官が別段の定をなした場合には、この限りでない。
前二項の規定は、綠地地域指定の際建築工事中の建築物には、これを適用しない。
第四條 前條の綠地地域內において、地方長官が綠地地域の效用を保持するために地區を指定した場合には、その地區內において工作物(建築物を除く。)を築造若しくは除却し、土地の形質を變更し、又は竹木土石の類を採取しようとする者は、命令の定めるところにより、地方長官の許可を受けなければならない。
第五條 地方長官は、前二條の許可に、特別都市計畫上必要な條件を附することができる。
第六條 地方長官は、第三條若しくは第四條の規定に違反した者又は前條の規定による條件に違反した者に對し、原狀囘復を命ずることができる。
第七條 第三條の規定の適用については、あらたに建築物の用途を定め、又は建築物を他の用途に供するときは、その用途に供する建築物を建築するものとみなす。
第八條 法第四條の規定による國庫補助は、支出精算額に對して、これをなす。但し、寄附金があるときは、その金額を控除した額に對して補助をなす。
前項の規定により交付した國庫補助金は、交付の條件に違反した場合には、その全部又は一部を返還せしめることができる。
第九條 法第四條の規定による國庫補助の割合は、左の各號の定めるところによる。
一 土地區劃整理事業費 十分の八以內
二 街路事業費 四分の三以內
三 上水道事業費 三分の一以內
四 下水道事業費 三分の二以內
第十條 法第五條第一項の土地區劃整理を施行する場合には、行政廳は、その土地區劃整理施行地區(以下整理施行地區といふ。)を吿示しなければならない。整理施行地區を變更するときもまた同じ。
第十一條 法第五條第一項の土地區劃整理を施行する行政廳(以下整理施行者といふ。)は、設計書及び施行規程を定め、地方長官の認可を經て、これを吿示する。
第十二條 整理施行者は、法第六條の規定により、國有地を金錢で淸算しようとする場合には、その國有地を管理する主務官廳に協議し、且つ大藏大臣にこれを通知する。
第十三條 法第七條の過小宅地及び大なる地積の宅地竝びに法第八條の過小借地を定める基準となる宅地(法第二條に規定する宅地をいふ。以下これに同じ。)地積の規模は、法第十一條第一項の土地區劃整理委員會(以下整理委員會といふ。)の意見を聞いて、整理施行者がこれを決定する。この場合において過小宅地及び過小借地を定める基準となる宅地地積の規模は、整理施行地區を更に甲、乙及び丙の三地區に分ち、その各地區について左の各號に揭げる地積を下ることができない。但し、地方長官が、公益上已むを得ないものと認めた宅地又は借地については、この限りでない。
一 甲地區內の宅地 二百五十平方メートル
二 乙地區內の宅地 百五十平方メートル
三 丙地區內の宅地 百平方メートル
前項各號の地區は、地方長官が、整理施行者の意見を聞いて、これを指定する。
地方長官が前項の指定をしようとする場合には、內閣總理大臣の認可を受けなければならない。
第十四條 國有財產法により國有地の無償貸付を受ける神社、寺院及び佛堂竝びに國有又は公有の墳墓地を管理する寺院及び佛堂は、整理委員會に關する規定の適用については、これを借地權者(法にいふ借地權者をいふ。以下これに同じ。)とみなす。
第十五條 法第五條第一項の土地區劃整理を施行する場合において、法第六條乃至第八條の規定による處分及び法第十條の規定による決定については、地方長官の認可を受けなければならない。
地方長官は前項の處分に關し同項の認可を與へたときは、遲滯なく、これを吿示し、且つ、その旨を管轄登記所に通知する。
第十六條 法第十一條第二項に定める整理委員會の委員(以下整理委員といふ。)の定數は、特別の事情がある場合を除く外、土地所有者の選擧すべきものと借地權者の選擧すべきものとに區分し、その割合が整理施行地區內における土地所有者の總數と借地權者の總數との割合に槪ね比例するやうに、整理施行者がこれを定める。但し、その定數は、內閣總理大臣の定める員數を超えてはならない。
前項の規定により定められた委員の定數は、選擧期日の少くとも三十日前にこれを吿示する。
第十七條 左に揭げる者は、整理委員の被選擧權を有しない。
一 六年の懲役又は禁錮以上の刑に處せられた者
二 六年未滿の懲役又は禁錮の刑に處せられ、その刑の執行を終り、又は執行を受けないことになるまでの者
三 未成年者
四 禁治產者及び準禁治產者
五 破產者で復權してゐない者
第十八條 整理委員は、整理施行地區內において、土地所有者にあつては土地所有者の中から、借地權者にあつては借地權者の中から、これを選擧する。
前項の規定の適用については、土地の共有者又は共同して借地權を有する者は、各々これを一人とみなし、且つ、これらの者の中から代表者一人を選ばしめ、その者を以て土地所有者又は借地權者とみなす。
又、同一の土地について、借地權者が數人ある場合には、現に土地を使用する者を借地權者とみなす。
第十九條 整理委員の選擧の期日は、整理施行者がこれを定め、その期日の少くとも四十日前に、これを吿示する。
第二十條 整理施行地區內の土地所有者及び借地權者は、前條の吿示のあつた日から二週間以內に、住所、氏名又は名稱竝びに權利の種別及びその目的たる土地の所在を具して、整理施行者に申吿しなければならない。但し、第四十五條但書に規定する屆出のなかつた借地權の權利者は、申吿をなすことができない。
前項の場合において、整理施行者は、土地所有者又は旣登記の借地權を有する者に對し、その權利を證する書類の提出を命ずることができる。
第二十一條 整理施行者は、前條第一項の申吿に基いて、土地の所有者及び借地權者について各別に選擧人名簿を調製し、選擧期日の二週間前から三日間、これを縱覽に供しなければならない。
第二十二條 選擧人名簿について異議のある者は、前條に揭げる縱覽期間內に、證憑書類を添附し、書面を以て整理施行者にこれを申し出ることができる。第二十條第一項の申吿のあつた後、權利を取得した者についてもまた同じ。
第二十三條 前條の規定による異議の申立があつた場合には、整理施行者は、その申立を受けた日から三日以內に、これを決定しなければならない。
整理施行者は、前項の申立を正當であると決定したときは、直ちに選擧人名簿を修正して、その旨を申立人及び關係者に通知するとともに、これを吿示する。
整理施行者は、第一項の申立を正當でないと決定したときは、その旨を申立人に通知する。
第二十四條 整理施行者は、投票所及び投票時間を定めて、選擧期日の少くとも七日前に、これを吿示しなければならない。
第二十五條 整理委員の選擧は、無記名投票でこれを行ふ。
投票は、一人一票とする。
投票用紙は、整理施行者が選擧の當日、投票所において、これを選擧人に交付する。
選擧人は、選擧の當日、投票所において、被選擧人一人の氏名又は名稱を投票用紙に記載して投票する。
投票は代理人でこれをなすことができる。但し、委任による代理人は、本人の委任狀を選擧長に提出しなければならない。
第二十六條 選擧人名簿に登載されてゐない者は、投票することができない。
第二十七條 整理施行者は、關係官公吏の中から選擧長を命ずる。
選擧長は、投票、開票その他の選擧に關する事務を統轄する。
整理施行者は、整理施行地區內において選擧權を有する者の中から二人の立會人を選任して、投票及び開票に立會はしめる。
第二十八條 有效投票の多數を得た者を當選人とする。得票數が同じときは、抽籤でこれを定める。
土地所有者から選擧されて當選した者が同時に借地權者から選擧されて當選しても、その者は、借地權者から選擧されて當選したものでないとみなす。
第二十九條 當選人が決定したときは、整理施行者は、その旨を當選人に通知し、その氏名又は名稱を吿示する。
前項の吿示のあつた日から五日以內に、當選人が整理施行者に對し不承諾の通知をしないときは、その當選を承諾したものとみなす。
第三十條 當該選擧において定數の整理委員を得ないときは、その不足の員數に對して更に選擧を行ふ。
前項の規定により更に選擧を行ふ場合においては、前に用ひた選擧人名簿によりこれを行ひ、選擧すべき員數及び選擧期日は、選擧期日の少くとも七日前に、これを吿示する。
第三十一條 整理施行者は、當該選擧において、當選人を除いて、なほ有效投票を得た者があるときは、得票數の多い者から順次整理委員の定數の半數に滿つるまで、補充員を決定しなければならない。
第二十九條の規定は、前項の場合にこれを準用する。
第三十二條 整理委員又は補充員は、整理委員の被選擧權を缺くに至つたときは、その地位を失ふ。
第三十三條 整理委員に缺員を生じたときは、補充員の中で得票數の多い者から順次これを補充する。得票數が同じときは、抽籤でこれを定める。
整理委員に缺員を生じこれを補充すべき者がないときは、補缺選擧を行ふ。
第三十一條第一項の規定は、前項の場合にこれを準用する。
第三十四條 整理施行者は、必要があると認めるときは、整理施行地區に數選擧區を設けて整理委員の選擧を行ふことができる。
前項の選擧を行ふ場合においては、選擧區の數及び區域、各選擧區から選出する委員の數その他必要な事項は、整理施行者が、これを定める。
第三十五條 法第十五條及び耕地整理法(都市計畫法第十二條第二項で準用する同法をいふ。以下これに同じ。)第二十七條の規定による補償金は、法令又は法令に基いてなす處分に違反する建築物に關しては、これを交付しない。
第三十六條 法第十六條の補償金は、整理施行地について第十五條第二項、第四十四條第二項又は耕地整理法第三十條第四項の吿示の日において所有權、地上權又は賃借權を有する者、國有財產法により國有地の無償貸付を受ける者及び國有又は公有の墳墓地を管理する寺院又は佛堂に對し、これを交付する。
前項に揭げる者は、整理施行者が指定する期間內に住所、氏名又は名稱竝びに權利の種別及びその目的たる土地の所在を具し、整理施行者に申吿しなければならない。
第二十條第一項但書及び第二項の規定は、前項の申吿にこれを準用する。
登記のない權利については、第二項の期間內に申吿がなければ補償金を交付しない。
第三十七條 法第十六條の補償金の總額は土地區劃整理施行前におけるその地區內の宅地の平均價格に同條に規定する一割五分を超える部分の地積の數を乘じた額とする。
第三十八條 法第二十一條の淸算金の分納は、一人の納付すべき淸算金の總額が五百圓を超える場合において整理施行者が、每回の納付金額及びその納付期限を指定して、これを許可する。
淸算金の分納を希望する者は、整理施行者の指定する期限までに、納付すべき淸算金の總額を具して、前項の規定による許可を申請しなければならない。
第三十九條 整理施行者が淸算金の分納を許可する場合における淸算金の總額の完納の期限は、淸算金の總額に應じ左の區分による。
一 淸算金の總額五百圓以上千圓未滿のとき 半年
二 同千圓以上千五百圓未滿のとき 一年以內
三 同千五百圓以上二千圓未滿のとき 一年半以內
四 同二千圓以上二千五百圓未滿のとき 二年以內
五 同二千五百圓以上三千圓未滿のとき 二年半以內
六 同三千圓以上三千五百圓未滿のとき 三年以內
七 同三千五百圓以上四千圓未滿のとき 三年半以內
八 同四千圓以上四千五百圓未滿のとき 四年以內
九 同四千五百圓以上五千圓未滿のとき 四年半以內
十 同五千圓以上のとき 五年以內
第二回以後の每回の納付金の納付期限は、前回の納付期限の翌日から起算して六箇月目とする。
第四十條 淸算金の分納を認める場合において、第一回の納付金の額は、分納を認められる淸算金の總額を分納の回數で除して得た金額を下ることができない。
第二回以後の納付金の額は、利子を合せて每回均等とする。
第四十一條 分納を認める淸算金に附すべき利子の利率は、年六分とし、第一回の納付金の納付期限の翌日から、これを附する。
第四十二條 淸算金の分納を認められた者は、整理施行者の承諾を得て、未納の淸算金の全部又は一部を繰り上げて納付することができる。
淸算金の分納を認められた者が、分納に係る納付金を滯納したときは、整理施行者は、未納の淸算金の全部又は一部につき、納期限を繰り上げて徵收することができる。
第四十三條 法第五條第一項の土地區劃整理を施行する場合において、整理施行地について所有權以外の權利で登記のないものを有する者は、耕地整理法の準用については、これを同法第二條の關係人とみなす。
第四十四條 法第五條第一項の土地區劃整理を施行する場合において、特別の事情があるために耕地整理法第三十條第一項の規定によることができないものの處分については、整理施行者が、整理委員會の意見を聞いて、これを定める。
第十五條の規定は、前項の規定による處分にこれを準用する。
第四十五條 耕地整理法第三十三條の規定は、法第五條第一項の土地區劃整理において、從前の土地でその全部又は一部について所有權以外の權利で登記のないものの存するものに對して換地の交付をなす場合に、これを準用する。但し、第十條の吿示のあつた日から一箇月以內に、權利者が、權利の存する土地の所有者と連署し、又は權利を證する書類を添付し、書面を以て整理施行者に權利の種別及びその目的たる土地の所在を屆け出ない場合は、この限りでない。
第四十六條 法第五條第一項の土地區劃整理を施行する場合の耕地整理法の準用については、同法第二十九條第一項中「耕地整理施行ノ認可若ハ整理施行地區變更ノ認可又ハ耕地整理組合ノ設立若ハ組合地區變更ノ認可ノ吿示」とあるのは「特別都市計畫法施行令第十條ノ吿示」、同法第四十二條ノ二、第四十七條第一項及び第四十八條中「組合」とあるのは「整理施行者」と讀み替へるものとする。
附 則
この勅令は、公布の日から、これを施行する。
朕は、特別都市計画法施行令を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十一年九月十日
内閣総理大臣 吉田茂
勅令第四百二十二号
特別都市計画法施行令
第一条 内閣総理大臣は、特別都市計画又は特別都市計画事業について、都市計画法第三条の規定による内閣の認可を受けたときは、直ちにその要領を告示する。
第二条 特別都市計画法(以下法といふ。)第二条の公共の用に供する土地とは、地目の如何にかかはらず、道路、広場、堤塘、溝渠、運河、河川、公共物揚場、公園又は緑地の用に供せられる土地をいふ。
第三条 法第三条第一項の規定により指定された緑地地域内においては、建築物は、左の各号の一に該当するものを除いては、これを新築又は増築することができない。
一 農業、林業、畜産業又は水産業を営む者の業務又は居住の用途に供するために建築するもの
二 公園、運動場の類の施設に附随して建築するもの
三 内閣総理大臣の指定する建築物でその建築面積が敷地面積の十分の一を超えないもの
四 地方長官が公益上已むを得ないと認めるもの
前項各号に定める建築物を新築又は増築しようとする者は、地方長官の許可を受けなければならない。但し、地方長官が別段の定をなした場合には、この限りでない。
前二項の規定は、緑地地域指定の際建築工事中の建築物には、これを適用しない。
第四条 前条の緑地地域内において、地方長官が緑地地域の効用を保持するために地区を指定した場合には、その地区内において工作物(建築物を除く。)を築造若しくは除却し、土地の形質を変更し、又は竹木土石の類を採取しようとする者は、命令の定めるところにより、地方長官の許可を受けなければならない。
第五条 地方長官は、前二条の許可に、特別都市計画上必要な条件を附することができる。
第六条 地方長官は、第三条若しくは第四条の規定に違反した者又は前条の規定による条件に違反した者に対し、原状回復を命ずることができる。
第七条 第三条の規定の適用については、あらたに建築物の用途を定め、又は建築物を他の用途に供するときは、その用途に供する建築物を建築するものとみなす。
第八条 法第四条の規定による国庫補助は、支出精算額に対して、これをなす。但し、寄附金があるときは、その金額を控除した額に対して補助をなす。
前項の規定により交付した国庫補助金は、交付の条件に違反した場合には、その全部又は一部を返還せしめることができる。
第九条 法第四条の規定による国庫補助の割合は、左の各号の定めるところによる。
一 土地区画整理事業費 十分の八以内
二 街路事業費 四分の三以内
三 上水道事業費 三分の一以内
四 下水道事業費 三分の二以内
第十条 法第五条第一項の土地区画整理を施行する場合には、行政庁は、その土地区画整理施行地区(以下整理施行地区といふ。)を告示しなければならない。整理施行地区を変更するときもまた同じ。
第十一条 法第五条第一項の土地区画整理を施行する行政庁(以下整理施行者といふ。)は、設計書及び施行規程を定め、地方長官の認可を経て、これを告示する。
第十二条 整理施行者は、法第六条の規定により、国有地を金銭で清算しようとする場合には、その国有地を管理する主務官庁に協議し、且つ大蔵大臣にこれを通知する。
第十三条 法第七条の過小宅地及び大なる地積の宅地並びに法第八条の過小借地を定める基準となる宅地(法第二条に規定する宅地をいふ。以下これに同じ。)地積の規模は、法第十一条第一項の土地区画整理委員会(以下整理委員会といふ。)の意見を聞いて、整理施行者がこれを決定する。この場合において過小宅地及び過小借地を定める基準となる宅地地積の規模は、整理施行地区を更に甲、乙及び丙の三地区に分ち、その各地区について左の各号に掲げる地積を下ることができない。但し、地方長官が、公益上已むを得ないものと認めた宅地又は借地については、この限りでない。
一 甲地区内の宅地 二百五十平方メートル
二 乙地区内の宅地 百五十平方メートル
三 丙地区内の宅地 百平方メートル
前項各号の地区は、地方長官が、整理施行者の意見を聞いて、これを指定する。
地方長官が前項の指定をしようとする場合には、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
第十四条 国有財産法により国有地の無償貸付を受ける神社、寺院及び仏堂並びに国有又は公有の墳墓地を管理する寺院及び仏堂は、整理委員会に関する規定の適用については、これを借地権者(法にいふ借地権者をいふ。以下これに同じ。)とみなす。
第十五条 法第五条第一項の土地区画整理を施行する場合において、法第六条乃至第八条の規定による処分及び法第十条の規定による決定については、地方長官の認可を受けなければならない。
地方長官は前項の処分に関し同項の認可を与へたときは、遅滞なく、これを告示し、且つ、その旨を管轄登記所に通知する。
第十六条 法第十一条第二項に定める整理委員会の委員(以下整理委員といふ。)の定数は、特別の事情がある場合を除く外、土地所有者の選挙すべきものと借地権者の選挙すべきものとに区分し、その割合が整理施行地区内における土地所有者の総数と借地権者の総数との割合に概ね比例するやうに、整理施行者がこれを定める。但し、その定数は、内閣総理大臣の定める員数を超えてはならない。
前項の規定により定められた委員の定数は、選挙期日の少くとも三十日前にこれを告示する。
第十七条 左に掲げる者は、整理委員の被選挙権を有しない。
一 六年の懲役又は禁錮以上の刑に処せられた者
二 六年未満の懲役又は禁錮の刑に処せられ、その刑の執行を終り、又は執行を受けないことになるまでの者
三 未成年者
四 禁治産者及び準禁治産者
五 破産者で復権してゐない者
第十八条 整理委員は、整理施行地区内において、土地所有者にあつては土地所有者の中から、借地権者にあつては借地権者の中から、これを選挙する。
前項の規定の適用については、土地の共有者又は共同して借地権を有する者は、各々これを一人とみなし、且つ、これらの者の中から代表者一人を選ばしめ、その者を以て土地所有者又は借地権者とみなす。
又、同一の土地について、借地権者が数人ある場合には、現に土地を使用する者を借地権者とみなす。
第十九条 整理委員の選挙の期日は、整理施行者がこれを定め、その期日の少くとも四十日前に、これを告示する。
第二十条 整理施行地区内の土地所有者及び借地権者は、前条の告示のあつた日から二週間以内に、住所、氏名又は名称並びに権利の種別及びその目的たる土地の所在を具して、整理施行者に申告しなければならない。但し、第四十五条但書に規定する届出のなかつた借地権の権利者は、申告をなすことができない。
前項の場合において、整理施行者は、土地所有者又は既登記の借地権を有する者に対し、その権利を証する書類の提出を命ずることができる。
第二十一条 整理施行者は、前条第一項の申告に基いて、土地の所有者及び借地権者について各別に選挙人名簿を調製し、選挙期日の二週間前から三日間、これを縦覧に供しなければならない。
第二十二条 選挙人名簿について異議のある者は、前条に掲げる縦覧期間内に、証憑書類を添附し、書面を以て整理施行者にこれを申し出ることができる。第二十条第一項の申告のあつた後、権利を取得した者についてもまた同じ。
第二十三条 前条の規定による異議の申立があつた場合には、整理施行者は、その申立を受けた日から三日以内に、これを決定しなければならない。
整理施行者は、前項の申立を正当であると決定したときは、直ちに選挙人名簿を修正して、その旨を申立人及び関係者に通知するとともに、これを告示する。
整理施行者は、第一項の申立を正当でないと決定したときは、その旨を申立人に通知する。
第二十四条 整理施行者は、投票所及び投票時間を定めて、選挙期日の少くとも七日前に、これを告示しなければならない。
第二十五条 整理委員の選挙は、無記名投票でこれを行ふ。
投票は、一人一票とする。
投票用紙は、整理施行者が選挙の当日、投票所において、これを選挙人に交付する。
選挙人は、選挙の当日、投票所において、被選挙人一人の氏名又は名称を投票用紙に記載して投票する。
投票は代理人でこれをなすことができる。但し、委任による代理人は、本人の委任状を選挙長に提出しなければならない。
第二十六条 選挙人名簿に登載されてゐない者は、投票することができない。
第二十七条 整理施行者は、関係官公吏の中から選挙長を命ずる。
選挙長は、投票、開票その他の選挙に関する事務を統轄する。
整理施行者は、整理施行地区内において選挙権を有する者の中から二人の立会人を選任して、投票及び開票に立会はしめる。
第二十八条 有効投票の多数を得た者を当選人とする。得票数が同じときは、抽籤でこれを定める。
土地所有者から選挙されて当選した者が同時に借地権者から選挙されて当選しても、その者は、借地権者から選挙されて当選したものでないとみなす。
第二十九条 当選人が決定したときは、整理施行者は、その旨を当選人に通知し、その氏名又は名称を告示する。
前項の告示のあつた日から五日以内に、当選人が整理施行者に対し不承諾の通知をしないときは、その当選を承諾したものとみなす。
第三十条 当該選挙において定数の整理委員を得ないときは、その不足の員数に対して更に選挙を行ふ。
前項の規定により更に選挙を行ふ場合においては、前に用ひた選挙人名簿によりこれを行ひ、選挙すべき員数及び選挙期日は、選挙期日の少くとも七日前に、これを告示する。
第三十一条 整理施行者は、当該選挙において、当選人を除いて、なほ有効投票を得た者があるときは、得票数の多い者から順次整理委員の定数の半数に満つるまで、補充員を決定しなければならない。
第二十九条の規定は、前項の場合にこれを準用する。
第三十二条 整理委員又は補充員は、整理委員の被選挙権を欠くに至つたときは、その地位を失ふ。
第三十三条 整理委員に欠員を生じたときは、補充員の中で得票数の多い者から順次これを補充する。得票数が同じときは、抽籤でこれを定める。
整理委員に欠員を生じこれを補充すべき者がないときは、補欠選挙を行ふ。
第三十一条第一項の規定は、前項の場合にこれを準用する。
第三十四条 整理施行者は、必要があると認めるときは、整理施行地区に数選挙区を設けて整理委員の選挙を行ふことができる。
前項の選挙を行ふ場合においては、選挙区の数及び区域、各選挙区から選出する委員の数その他必要な事項は、整理施行者が、これを定める。
第三十五条 法第十五条及び耕地整理法(都市計画法第十二条第二項で準用する同法をいふ。以下これに同じ。)第二十七条の規定による補償金は、法令又は法令に基いてなす処分に違反する建築物に関しては、これを交付しない。
第三十六条 法第十六条の補償金は、整理施行地について第十五条第二項、第四十四条第二項又は耕地整理法第三十条第四項の告示の日において所有権、地上権又は賃借権を有する者、国有財産法により国有地の無償貸付を受ける者及び国有又は公有の墳墓地を管理する寺院又は仏堂に対し、これを交付する。
前項に掲げる者は、整理施行者が指定する期間内に住所、氏名又は名称並びに権利の種別及びその目的たる土地の所在を具し、整理施行者に申告しなければならない。
第二十条第一項但書及び第二項の規定は、前項の申告にこれを準用する。
登記のない権利については、第二項の期間内に申告がなければ補償金を交付しない。
第三十七条 法第十六条の補償金の総額は土地区画整理施行前におけるその地区内の宅地の平均価格に同条に規定する一割五分を超える部分の地積の数を乗じた額とする。
第三十八条 法第二十一条の清算金の分納は、一人の納付すべき清算金の総額が五百円を超える場合において整理施行者が、毎回の納付金額及びその納付期限を指定して、これを許可する。
清算金の分納を希望する者は、整理施行者の指定する期限までに、納付すべき清算金の総額を具して、前項の規定による許可を申請しなければならない。
第三十九条 整理施行者が清算金の分納を許可する場合における清算金の総額の完納の期限は、清算金の総額に応じ左の区分による。
一 清算金の総額五百円以上千円未満のとき 半年
二 同千円以上千五百円未満のとき 一年以内
三 同千五百円以上二千円未満のとき 一年半以内
四 同二千円以上二千五百円未満のとき 二年以内
五 同二千五百円以上三千円未満のとき 二年半以内
六 同三千円以上三千五百円未満のとき 三年以内
七 同三千五百円以上四千円未満のとき 三年半以内
八 同四千円以上四千五百円未満のとき 四年以内
九 同四千五百円以上五千円未満のとき 四年半以内
十 同五千円以上のとき 五年以内
第二回以後の毎回の納付金の納付期限は、前回の納付期限の翌日から起算して六箇月目とする。
第四十条 清算金の分納を認める場合において、第一回の納付金の額は、分納を認められる清算金の総額を分納の回数で除して得た金額を下ることができない。
第二回以後の納付金の額は、利子を合せて毎回均等とする。
第四十一条 分納を認める清算金に附すべき利子の利率は、年六分とし、第一回の納付金の納付期限の翌日から、これを附する。
第四十二条 清算金の分納を認められた者は、整理施行者の承諾を得て、未納の清算金の全部又は一部を繰り上げて納付することができる。
清算金の分納を認められた者が、分納に係る納付金を滞納したときは、整理施行者は、未納の清算金の全部又は一部につき、納期限を繰り上げて徴収することができる。
第四十三条 法第五条第一項の土地区画整理を施行する場合において、整理施行地について所有権以外の権利で登記のないものを有する者は、耕地整理法の準用については、これを同法第二条の関係人とみなす。
第四十四条 法第五条第一項の土地区画整理を施行する場合において、特別の事情があるために耕地整理法第三十条第一項の規定によることができないものの処分については、整理施行者が、整理委員会の意見を聞いて、これを定める。
第十五条の規定は、前項の規定による処分にこれを準用する。
第四十五条 耕地整理法第三十三条の規定は、法第五条第一項の土地区画整理において、従前の土地でその全部又は一部について所有権以外の権利で登記のないものの存するものに対して換地の交付をなす場合に、これを準用する。但し、第十条の告示のあつた日から一箇月以内に、権利者が、権利の存する土地の所有者と連署し、又は権利を証する書類を添付し、書面を以て整理施行者に権利の種別及びその目的たる土地の所在を届け出ない場合は、この限りでない。
第四十六条 法第五条第一項の土地区画整理を施行する場合の耕地整理法の準用については、同法第二十九条第一項中「耕地整理施行ノ認可若ハ整理施行地区変更ノ認可又ハ耕地整理組合ノ設立若ハ組合地区変更ノ認可ノ告示」とあるのは「特別都市計画法施行令第十条ノ告示」、同法第四十二条ノ二、第四十七条第一項及び第四十八条中「組合」とあるのは「整理施行者」と読み替へるものとする。
附 則
この勅令は、公布の日から、これを施行する。