第二條 商工大臣は、交易營團の主たる事務所及び從たる事務所の所在地の登記所に、その解散の登記を囑託することを必要とする。
第三條 交易營團の總裁は、政府以外の出資者に對して、たゞちに解散の通知を發しなければならない。
第四條 商工大臣は、交易營團の總裁、副總裁又は理事の中から、淸算人を選任しなければならない。
商工大臣は、公益上必要があると認めたときは、淸算人を解任することができる。
淸算人が缺けたとき、又はその增員の必要があるときは、商工大臣がこれを選任する。この場合においては、第一項に揭げる者以外からも選任することができる。
第五條 淸算人は他の職業に從事することはできない、但し、商工大臣の認可を受けたときは差支へない。
淸算人は、自己又は第三者の爲に、交易營團と取引をすることはできない。但し、商工大臣の認可を受けたときは、差支へない。この場合には、民法第百八條の規定を適用しない。
第六條 淸算人は、就職の後たゞちに、交易營團の財產の現況を調査して、財產目錄及び貸借對照表を作り、これを商工大臣に提出してその承認を受けなければならない。
淸算人は、商工大臣の定めた淸算計畫に從つて、淸算を行はなければならない。
商工大臣は、必要があると認めたときは、淸算人に對して、淸算に關して必要な事項を命令することができる。
第七條 交易營團に現存する財產が、その債務を完濟するために不足であるときは、淸算人は、商工大臣の認可を受けた上で、出資者をして出資させることができる。
前項の場合には、商法第三百九十二條及び第三百九十三條竝びに非訟事件手續法第百三十五條の四十三乃至第百三十五條ノ四十六の規定を準用する。
前項において準用する商法第三百九十二條及び第三百九十三條に規定する事件は、交易營團の主たる事務所の所在地の、地方裁判所の管轄とする。
第八條 淸算人が、左の行爲をするときは、商工大臣の認可を必要とする。
淸算人が、前項の規定に違反したときも、交易營團は、善意の第三者に對して、その責に任ずる。
商工大臣は、必要があると認めたときは、淸算人に對して、第一項各號の行爲について、必要な事項を命令することができる。
第九條 殘餘財產は、出資者に對して、その出資金額の割合に應じてこれを分配しなければならない。但し、その額は各出資者の拂込金額を超えることはできない。
出資者に對して分配する金額を超える殘餘財產は、國庫に歸屬する。
第十條 公易營團の聯合軍需品調達業務に關して貸付をなす金融機關は、交易營團の聯合軍需品調達業務に關して生じた債權を有する場合において、交易營團が當該業務により取得した聯合軍需品の賣渡代金その他の財產の上に、先取特權を有する。
前項の先取特權の順位は、民法第三百二十五條第三號及び第三百三十條第一項第三の先取特權に次ぐ。
第十一條 商工大臣は、必要があると認めたときは、淸算事務及び財產の狀況について、當該官吏をして檢査をなさしめ、淸算人に對し、その報吿を命じその他監督上必要な命令又は處分をすることができる。
第十二條 商工大臣の諮問に應じて、交易營團の財產の評價、その他淸算に關する重要事項を調査審議せしめるため交易營團淸算監理委員會を置く。
第十三條 交易營團淸算監理委員會は商工大臣の管理に屬する。
委員會は、會長一人及び委員三十人以內でこれを組織する。
委員は、關係官廳二級以上の官吏、交易營團の出資者及びその債權者竝びに學識經驗者の中から、商工大臣の奏請によつて、內閣でこれを命ずる。
この勅令に定めるものの外委員會に關して、必要な事項は、商工大臣がこれを定める。
第十四條 淸算事務が終つなときは、淸算人は、たゞちに、決算報吿書を作り、これを商工大臣に提出して、その認可を受けなければならない。
前項の決算報吿書には、淸算に關する重要な書類、交易營團の帳簿及びその營業に關する重要な書類を、添附することを必要とする。
第十五條 淸算が結了したときは、淸算人は、前條の認可があつた後主たる事務所の所在地では二週間、從たる事務所の所在地では三週間以內に、淸算結了の登記をしなければならない。
第十六條 この勅令による登記は、交易營團を代表する淸算人の申請によつて、これをする。
第十七條 民法第四十四條第一項、第五十四條及び第八十一條、商法第三十九條第二項、第百十六條、第百二十三條、第百二十四條第一項第二項、第百二十五條、第百二十八條、第百二十九條第二項第三項、第百三十一條、第百三十四條、第二百五十四條第二項、第二百六十六條、第四百二十一條乃至第四百二十四條及び第四百三十四條竝びに非訟事件手續法第百三十五條ノ三十五の規定は、交易營團の淸算に準用する。但し、商法第百二十五條中「裁判所ノ選任シタル鑑定人」とあるのは、「商工大臣ノ選任シタル鑑定人」と、第百二十九條第三項及び第四百二十三條中「裁判所」とあるのは、「商工大臣」と讀み替へるものとする。
第十八條 淸算人、又は淸算に關して特定の事項の委任を受けた代理人若しくは使用人が、自己若しくは第三者を利し又は交易營團を害しようと圖つて、その任務に背き、交易營團に財產上の損害を加へたときは、これらの者を七年以下の懲役、又は三萬圓以下の罰金に處する。
前二項の罪を犯した者には、情狀により、懲役及び罰金を併せ科することができる。
第十九條 左の場合には淸算人を六月以下の懲役又は五千圓以下の罰金に處する。
一 第五條、第七條第一項又は第八條第一項の規定により、認可を受くべき行爲について、認可を受けることを怠つたとき。
二 第十一條の規定による報吿を怠り又は虛僞の報吿をなしたとき。
三 第六條第三項、第八條第三項又は第十一條の規定による命令に違反したとき。
第二十條 第十一條の規定による檢査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、これを千圓以下の罰金に處する。
第二十一條 左の場合には、淸算人を、五千圓以下の過料に處する。但し、その行爲について、刑を科するときは、過料には處さない。
一 第六條の規定による承認又は第十四條の規定による許可又は第十七條の規定による許可を受けることを怠つたとき。
三 この勅令に定めた公吿若しくは通知を怠り又は不正の公吿若しくは通知をしたとき。
四 財產目錄、貸借對照表又は決算報吿書に不實の記載をしたとき。
第二十二條 この勅令に基づいてなす登記には、登錄稅を賦課しない。
第二十三條 この勅令で定めるものの外交易營團の淸算に關して必要な事項は命令でこれを定める。