大蔵省預金部等損失特別処理法
法令番号: 法律第五十六號
公布年月日: 昭和21年11月18日
法令の形式: 法律
朕は、帝國議會の協贊を經た大藏省預金部等損失特別處理法を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十一年十一月十六日
内閣總理大臣 吉田茂
遞信大臣 一松定吉
大藏大臣 石橋湛山
法律第五十六號
大藏省預金部等損失特別處理法
第一條 政府は、命令の定めるところにより、金融機關經理應急措置法に定める指定時(以下指定時といふ。)における預金部資金に屬する運用資産を評價する。
第二條 前條の規定による評價により評價損を生じた場合において、評價益があるときは、政府は、先づ、その評價益を以て評價損を填補する。
第三條 前條によるもなほ評價損の殘額があるときは、その殘額に對し、政府は、大藏省預金部特別會計の積立金(同會計の昭和二十年度の決算上生ずべき剩餘を含む。以下同じ。)をその全額まで充當して評價損を填補する。
第四條 前條によるもなほ評價損の殘額があるときは、政府は、一般會計から大藏省預金部に、評價損の殘額に相當する金額の範圍内において勅令で定める金額の補償金を繰り入れる。
第五條 前條の規定による補償金の金額が、同條の評價損の殘額より少ないときは、指定時における郵便貯金のうち命令で定めるものの債權は、その差額に相當する金額の範圍内において、勅令の定めるところにより、消滅する。
第六條 前五條の規定は、指定時における簡易生命保險及郵便年金特別會計法による積立金の運用資産の評價及びその評價損の處理竝びに郵便年金の債權に關する措置について、これを準用する。この場合において第三條の規定により評價損の填補に充てるため使用さるべき積立金は、その總額から責任準備金及び支拂備金の額を控除した殘額に相當する金額の積立金に限る。
第七條 指定時において現に存する大藏省預金部特別會計の積立金は、大藏省預金部特別會計法第四條第二項の規定にかかはらず、これを以て同會計の決算上の不足を補足することができない。
指定時において現に存する簡易生命保險及郵便年金特別會計法による積立金のうち、責任準備金及び支拂備金の額を控除した殘額に相當する金額の積立金は、同法第七條第二項の規定にかかはらず、これを以て歳計の不足を補足することができない。
第八條 預金部預金の支拂のため必要があるときは、政府は、大藏省預金部特別會計の負擔において、借入金をなすことができる。
附 則
この法律施行の期日は、勅令でこれを定める。
大藏省預金部特別會計法の一部を次のやうに改正する。
第二條中「運用利殖金」の下に「、借入金」を、「營繕費」の下に「、借入金償還金、借入金利子」を加へる。
第四條ノ二 本會計ニ屬スル經費及減價償却金ヲ支辨スル爲不足アルトキハ本會計ノ負擔ニ於テ借入金ヲ爲スコトヲ得
朕は、帝国議会の協賛を経た大蔵省預金部等損失特別処理法を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十一年十一月十六日
内閣総理大臣 吉田茂
逓信大臣 一松定吉
大蔵大臣 石橋湛山
法律第五十六号
大蔵省預金部等損失特別処理法
第一条 政府は、命令の定めるところにより、金融機関経理応急措置法に定める指定時(以下指定時といふ。)における預金部資金に属する運用資産を評価する。
第二条 前条の規定による評価により評価損を生じた場合において、評価益があるときは、政府は、先づ、その評価益を以て評価損を填補する。
第三条 前条によるもなほ評価損の残額があるときは、その残額に対し、政府は、大蔵省預金部特別会計の積立金(同会計の昭和二十年度の決算上生ずべき剰余を含む。以下同じ。)をその全額まで充当して評価損を填補する。
第四条 前条によるもなほ評価損の残額があるときは、政府は、一般会計から大蔵省預金部に、評価損の残額に相当する金額の範囲内において勅令で定める金額の補償金を繰り入れる。
第五条 前条の規定による補償金の金額が、同条の評価損の残額より少ないときは、指定時における郵便貯金のうち命令で定めるものの債権は、その差額に相当する金額の範囲内において、勅令の定めるところにより、消滅する。
第六条 前五条の規定は、指定時における簡易生命保険及郵便年金特別会計法による積立金の運用資産の評価及びその評価損の処理並びに郵便年金の債権に関する措置について、これを準用する。この場合において第三条の規定により評価損の填補に充てるため使用さるべき積立金は、その総額から責任準備金及び支払備金の額を控除した残額に相当する金額の積立金に限る。
第七条 指定時において現に存する大蔵省預金部特別会計の積立金は、大蔵省預金部特別会計法第四条第二項の規定にかかはらず、これを以て同会計の決算上の不足を補足することができない。
指定時において現に存する簡易生命保険及郵便年金特別会計法による積立金のうち、責任準備金及び支払備金の額を控除した残額に相当する金額の積立金は、同法第七条第二項の規定にかかはらず、これを以て歳計の不足を補足することができない。
第八条 預金部預金の支払のため必要があるときは、政府は、大蔵省預金部特別会計の負担において、借入金をなすことができる。
附 則
この法律施行の期日は、勅令でこれを定める。
大蔵省預金部特別会計法の一部を次のやうに改正する。
第二条中「運用利殖金」の下に「、借入金」を、「営繕費」の下に「、借入金償還金、借入金利子」を加へる。
第四条ノ二 本会計ニ属スル経費及減価償却金ヲ支弁スル為不足アルトキハ本会計ノ負担ニ於テ借入金ヲ為スコトヲ得