第一條 政府は、命令の定めるところにより、金融機關經理應急措置法に定める指定時(以下指定時といふ。)における預金部資金に屬する運用資産を評價する。
第二條 前條の規定による評價により評價損を生じた場合において、評價益があるときは、政府は、先づ、その評價益を以て評價損を填補する。
第三條 前條によるもなほ評價損の殘額があるときは、その殘額に對し、政府は、大藏省預金部特別會計の積立金(同會計の昭和二十年度の決算上生ずべき剩餘を含む。以下同じ。)をその全額まで充當して評價損を填補する。
第四條 前條によるもなほ評價損の殘額があるときは、政府は、一般會計から大藏省預金部に、評價損の殘額に相當する金額の範圍内において勅令で定める金額の補償金を繰り入れる。
第五條 前條の規定による補償金の金額が、同條の評價損の殘額より少ないときは、指定時における郵便貯金のうち命令で定めるものの債權は、その差額に相當する金額の範圍内において、勅令の定めるところにより、消滅する。
第六條 前五條の規定は、指定時における簡易生命保險及郵便年金特別會計法による積立金の運用資産の評價及びその評價損の處理竝びに郵便年金の債權に關する措置について、これを準用する。この場合において第三條の規定により評價損の填補に充てるため使用さるべき積立金は、その總額から責任準備金及び支拂備金の額を控除した殘額に相當する金額の積立金に限る。
第七條 指定時において現に存する大藏省預金部特別會計の積立金は、大藏省預金部特別會計法第四條第二項の規定にかかはらず、これを以て同會計の決算上の不足を補足することができない。
指定時において現に存する簡易生命保險及郵便年金特別會計法による積立金のうち、責任準備金及び支拂備金の額を控除した殘額に相當する金額の積立金は、同法第七條第二項の規定にかかはらず、これを以て歳計の不足を補足することができない。
第八條 預金部預金の支拂のため必要があるときは、政府は、大藏省預金部特別會計の負擔において、借入金をなすことができる。