(金、銀又ハ白金ノ取引等取締ニ関スル件)
法令番号: 勅令第五百七十七號
公布年月日: 昭和20年10月15日
法令の形式: 勅令
朕昭和二十年勅令第五百四十二號「ポツダム」宣言ノ受諾ニ伴ヒ發スル命令ニ關スル件ニ基ク金、銀又ハ白金ノ取引等取締ニ關スル件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年十月十三日
內閣總理大臣 男爵 幣原喜重郞
大藏大臣 子爵 澁澤敬三
商工大臣 小笠原三九郞
勅令第五百七十七號
第一條 金銀貨幣(外國金銀貨幣ヲ含ミ日本政府發行ノ額面五十錢以下ノ銀貨幣ヲ除ク)又ハ金、銀若ハ白金ノ地金若ハ合金ノ本邦內ニ於ケル得喪、滅失、原狀變更又ハ移動ヲ生ズベキ取引又ハ行爲ハ大藏大臣ノ許可ヲ受クルニ非ザレバ之ヲ爲スコトヲ得ズ但シ大藏大臣別段ノ定ヲ爲シタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ニ違反シテ爲サレタル取引ハ之ヲ無效トス
第二條 大藏大臣ハ必要アルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ報吿ヲ徵シ又ハ當該官吏ヲシテ必要ナル場所ニ臨檢シ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢查セシムルコトヲ得
第三條 第一條第一項ノ規定ニ違反シタル者ハ三年以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ一萬圓以下ノ罰金ニ處ス但シ當該取引又ハ行爲ノ目的物ノ價額ノ三倍ガ一萬圓ヲ超ユルトキハ罰金ハ當該價額ノ三倍以下トス
前條ノ規定ニ基キテ發スル命令ニ違反シ報吿ヲ爲サズ若ハ虛僞ノ報吿ヲ爲シ又ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ノ檢查ヲ拒ミ若ハ帳簿書類ノ隱蔽、不實ノ申立其ノ他ノ方法ニ依リ檢查ヲ妨ゲタル者及第一條ノ規定ニ依ル許可ノ申請書其ノ他ノ書類ニ虛僞ノ記載ヲ爲シタル者亦前項ニ同ジ
第四條 法人ノ代表者又ハ法人若ハ人ノ代理人、使用人其ノ他ノ從業者ガ其ノ法人又ハ人ノ業務ニ關シテ前條ノ違反行爲ヲ爲シタルトキハ行爲者ヲ罰スルノ外其ノ法人又ハ人ニ對シ亦前條ノ罰金刑ヲ科ス
第五條 金貨幣ノ鑄潰又ハ毀傷ノ制限ニ關シテハ外國爲替管理法、金ノ使用ノ制限及金ノ地金又ハ合金ノ處分ノ制限ニ關シテハ產金法ニ拘ラズ本令ノ定ムル所ニ依ル
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
昭和二十年九月二十四日以後本令施行前ニ爲サレタル第一條第一項ニ規定スル取引ハ之ヲ無效トス但シ本令施行後二月內ニ大藏大臣ノ承認ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
朕昭和二十年勅令第五百四十二号「ポツダム」宣言ノ受諾ニ伴ヒ発スル命令ニ関スル件ニ基ク金、銀又ハ白金ノ取引等取締ニ関スル件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年十月十三日
内閣総理大臣 男爵 幣原喜重郎
大蔵大臣 子爵 渋沢敬三
商工大臣 小笠原三九郎
勅令第五百七十七号
第一条 金銀貨幣(外国金銀貨幣ヲ含ミ日本政府発行ノ額面五十銭以下ノ銀貨幣ヲ除ク)又ハ金、銀若ハ白金ノ地金若ハ合金ノ本邦内ニ於ケル得喪、滅失、原状変更又ハ移動ヲ生ズベキ取引又ハ行為ハ大蔵大臣ノ許可ヲ受クルニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ但シ大蔵大臣別段ノ定ヲ為シタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ニ違反シテ為サレタル取引ハ之ヲ無効トス
第二条 大蔵大臣ハ必要アルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ報告ヲ徴シ又ハ当該官吏ヲシテ必要ナル場所ニ臨検シ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ検査セシムルコトヲ得
第三条 第一条第一項ノ規定ニ違反シタル者ハ三年以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ一万円以下ノ罰金ニ処ス但シ当該取引又ハ行為ノ目的物ノ価額ノ三倍ガ一万円ヲ超ユルトキハ罰金ハ当該価額ノ三倍以下トス
前条ノ規定ニ基キテ発スル命令ニ違反シ報告ヲ為サズ若ハ虚偽ノ報告ヲ為シ又ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ノ検査ヲ拒ミ若ハ帳簿書類ノ隠蔽、不実ノ申立其ノ他ノ方法ニ依リ検査ヲ妨ゲタル者及第一条ノ規定ニ依ル許可ノ申請書其ノ他ノ書類ニ虚偽ノ記載ヲ為シタル者亦前項ニ同ジ
第四条 法人ノ代表者又ハ法人若ハ人ノ代理人、使用人其ノ他ノ従業者ガ其ノ法人又ハ人ノ業務ニ関シテ前条ノ違反行為ヲ為シタルトキハ行為者ヲ罰スルノ外其ノ法人又ハ人ニ対シ亦前条ノ罰金刑ヲ科ス
第五条 金貨幣ノ鋳潰又ハ毀傷ノ制限ニ関シテハ外国為替管理法、金ノ使用ノ制限及金ノ地金又ハ合金ノ処分ノ制限ニ関シテハ産金法ニ拘ラズ本令ノ定ムル所ニ依ル
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
昭和二十年九月二十四日以後本令施行前ニ為サレタル第一条第一項ニ規定スル取引ハ之ヲ無効トス但シ本令施行後二月内ニ大蔵大臣ノ承認ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ