軍需充足会社令
法令番号: 勅令第三十六號
公布年月日: 昭和20年1月27日
法令の形式: 勅令
朕軍需充足會社令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年一月二十六日
內閣總理大臣 小磯國昭
海軍大臣 米內光政
陸軍大臣 杉山元
大藏大臣 石渡莊太郞
運輸通信大臣 前田米藏
內務大臣 大達茂雄
農商大臣 島田俊雄
厚生大臣 廣瀨久忠
軍需大臣 吉田茂
勅令第三十六號
軍需充足會社令
第一條 軍需會社法第三條乃至第二十一條竝ニ軍需會社法施行令第二條乃至第二十四條及第二十七條乃至第二十九條ノ規定ハ左ニ揭グル軍需ノ充足上必要ナル軍需事業以外ノ事業(以下軍需充足事業ト稱ス)ヲ營ム會社ニシテ主務大臣ノ指定スルモノ(以下軍需充足會社ト稱ス)ニ之ヲ準用ス但シ此等ノ規定中軍需會社トアルハ軍需充足會社トシ軍需事業トアルハ軍需充足事業トシ生產責任者トアルハ業務責任者トシ生產擔當者トアルハ業務擔當者トシ同令第五條中特別ノ法令トアルハ特別ノ法令又ハ統制會社令トシ選任トアルハ選任(統制會ノ會長ノ爲ス任命ヲ含ム)トシ軍需會社法施行令第二十七條第一項中部內ノ勅任官トアルハ部內ノ勅任官(第四條ノ規定ニ依ル委任ヲ爲シタル場合ニ在リテハ都廳府縣及當該主務大臣ノ所轄スル官衙ノ高等官ヲ含ム)トシ同令第二十八條第一項中政府ノ任命トアルハ政府ノ任命(統制會ノ會長ノ爲ス任命ヲ含ム)トス
一 地方鐵道事業
二 軌道事業
三 自動車運送事業
四 小運送業
五 港灣運送業
六 倉庫營業
七 電氣通信設備事業
八 土木建築事業
九 金屬類囘收事業
十 船舶ノ救助、引揚及解撤ヲ爲ス事業
十一 軍需會社法施行令第一條ニ揭グル軍需物資ノ配給ヲ爲ス事業
第二條 主務大臣軍需充足會社ノ運營ニ關シ特ニ必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ左ニ揭グル法律及其ノ施行ニ係ル勅令中統制、取締等ニ關スル規定ノ適用ヲ排除シ又ハ其ノ特例ヲ設クルコトヲ得
地方鐵道法
軌道法
鐵道營業法
自動車交通事業法
小運送業法
倉庫業法
石炭配給統制法
日本通運株式會社法
國際電氣通信株式會社法
市街地建築物法
公有水面埋立法
工場法
森林法
第三條 主務大臣軍需充足會社ノ運營ニ關シ特ニ必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ左ニ揭グル勅令中統制、取締等ニ關スル規定ノ適用ヲ排除シ又ハ其ノ特例ヲ設クルコトヲ得
陸運統制令
海運統制令
港灣運送業等統制令
配電統制令
船員給與統制令
賃金統制令
重要事業場勞務管理令
臨時農地等管理令
會社經理統制令
企業許可令
統制會社令
價格等統制令
地代家賃統制令
宅地建物等價格統制令
臨時農地價格統制令
都市計畫法施行令
第四條 主務大臣ハ本令ニ定ムル職權ノ一部ヲ地方長官(東京都ニ在リテハ警視總監ヲ含ム)又ハ當該主務大臣ノ所轄スル官衙ノ長ニ委任スルコトヲ得
第五條 第一條ニ於テ準用スル軍需會社法第十條中勤勞管理ニ關スル事項ニ付政府トアリ第一條ニ於テ準用スル軍需會社法施行令第九條中主務大臣トアルハ船員ニ付テハ運輸通信大臣トシ軍需省所管企業ヲ目的トスル軍需充足會社ハ他ノ目的ノ企業ヲ兼營スル場合ニ於テハ當該部分ニ限ル以下同ジ)ニ付テハ軍需大臣トシ其ノ他ノモノニ付テハ厚生大臣トス
第六條 第一條ニ於テ準用スル軍需會社法第十條中經理ニ關スル事項ニ付政府トアリ第一條ニ於テ準用スル軍需會社法施行令第十條中主務大臣トアルハ當該軍需充足會社ノ營ム軍需充足事業ガ軍需大臣及陸軍大臣又ハ海軍大臣ノ所管ニ屬スルモノニ付テハ軍需大臣トス
第七條 第一條ニ於テ準用スル軍需會社法ノ規定中政府トアリ同條ニ於テ準用スル軍需會社法施行令ノ規定及本令中主務大臣トアルハ同條ニ於テ準用スル同法第十條中勤勞管理及資金調整ニ關スル事項竝ニ第一條ニ於テ準用スル軍需會社法施行令第九條ノ場合ヲ除クノ外特定ノ事業ノ用ニ供スル土木建築工事ノミヲ施行スルコトヲ目的トシテ設立セラレタル軍需充足會社ニ付テハ當該事業ノ所管大臣トシ其ノ他ノ土木建築事業ヲ營ム軍需充足會社ニ付テハ軍需大臣トス但シ當該軍需充足會社ガ陸軍大臣又ハ海軍大臣ノ發注ニ係ル作戰上必要アル土木建築工事ヲ施行スル場合ニ於テ當該軍需充足會社ノ所管大臣及陸軍大臣又ハ海軍大臣ノ定ムル事項ニ關シテハ當該所管大臣及陸軍大臣又ハ海軍大臣トス
第八條 第一條ニ於テ準用スル軍需會社法ノ規定中政府トアリ同條ニ於テ準用スル軍需會社法施行令ノ規定及本令中主務大臣トアルハ前三條ノ場合及第一條ニ於テ準用スル同法第十條中資金調整ニ關スル事項ヲ除クノ外當該軍需充足事業ノ所管大臣(軍需省所管企業ヲ目的トスル軍需充足會社ニ於ケル經理統制ニ係ル增配ニ關スル事項ニ付テハ大藏大臣)トス
第九條 第二條及第三條中主務大臣トアルハ當該軍需充足會社ノ營ム軍需充足事業ノ所管大臣及法律又ハ勅令ノ規定ノ適用ヲ排除シ又ハ其ノ特例ヲ設クベキ事項ノ所管大臣トス
第十條 第二條乃至前條及第十一條、軍需會社法第三條乃至第十八條、第二十條及第二十一條竝ニ軍需會社法施行令第二條乃至第十八條、第二十條及第二十七條乃至第二十九條ノ規定ハ軍需充足事業ヲ營ム者ニシテ會社以外ノ主務大臣ノ指定スルモノニ之ヲ準用ス此ノ場合ニ於テハ第一條但書ノ規定ヲ準用ス
前項ノ場合ニ於テ法人ニ非ザル人ニ在リテハ當該事業主ニ非ザレバ業務責任者タルコトヲ得ズ
法人ニ非ザル事業主ニシテ業務責任者タルモノハ業務責任者ノ職ヲ辭スルト同時ニ非ザレバ事業主タル地位ヲ退クコトヲ得ズ
第十一條 第一條ニ於テ準用スル軍需會社法ノ規定中政府トアリ同條ニ於テ準用スル軍需會社法施行令ノ規定及本令中主務大臣トアルハ同條ニ於テ準用スル同法第十條中資金調整ニ關スル事項ヲ除クノ外朝鮮ニ在リテハ朝鮮總督、臺灣ニ在リテハ臺灣總督トス但シ當該軍需充足會社ガ陸軍大臣又ハ海軍大臣ノ發注ニ係ル作戰上必要アル土木建築工事ヲ施行スル場合ニ於テ陸軍大臣又ハ海軍大臣及朝鮮總督又ハ臺灣總督ノ定ムル事項ニ關シテハ陸軍大臣又ハ海軍大臣及朝鮮總督又ハ臺灣總督トス
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
朕軍需充足会社令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年一月二十六日
内閣総理大臣 小磯国昭
海軍大臣 米内光政
陸軍大臣 杉山元
大蔵大臣 石渡荘太郎
運輸通信大臣 前田米蔵
内務大臣 大達茂雄
農商大臣 島田俊雄
厚生大臣 広瀬久忠
軍需大臣 吉田茂
勅令第三十六号
軍需充足会社令
第一条 軍需会社法第三条乃至第二十一条並ニ軍需会社法施行令第二条乃至第二十四条及第二十七条乃至第二十九条ノ規定ハ左ニ掲グル軍需ノ充足上必要ナル軍需事業以外ノ事業(以下軍需充足事業ト称ス)ヲ営ム会社ニシテ主務大臣ノ指定スルモノ(以下軍需充足会社ト称ス)ニ之ヲ準用ス但シ此等ノ規定中軍需会社トアルハ軍需充足会社トシ軍需事業トアルハ軍需充足事業トシ生産責任者トアルハ業務責任者トシ生産担当者トアルハ業務担当者トシ同令第五条中特別ノ法令トアルハ特別ノ法令又ハ統制会社令トシ選任トアルハ選任(統制会ノ会長ノ為ス任命ヲ含ム)トシ軍需会社法施行令第二十七条第一項中部内ノ勅任官トアルハ部内ノ勅任官(第四条ノ規定ニ依ル委任ヲ為シタル場合ニ在リテハ都庁府県及当該主務大臣ノ所轄スル官衙ノ高等官ヲ含ム)トシ同令第二十八条第一項中政府ノ任命トアルハ政府ノ任命(統制会ノ会長ノ為ス任命ヲ含ム)トス
一 地方鉄道事業
二 軌道事業
三 自動車運送事業
四 小運送業
五 港湾運送業
六 倉庫営業
七 電気通信設備事業
八 土木建築事業
九 金属類回収事業
十 船舶ノ救助、引揚及解撤ヲ為ス事業
十一 軍需会社法施行令第一条ニ掲グル軍需物資ノ配給ヲ為ス事業
第二条 主務大臣軍需充足会社ノ運営ニ関シ特ニ必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ左ニ掲グル法律及其ノ施行ニ係ル勅令中統制、取締等ニ関スル規定ノ適用ヲ排除シ又ハ其ノ特例ヲ設クルコトヲ得
地方鉄道法
軌道法
鉄道営業法
自動車交通事業法
小運送業法
倉庫業法
石炭配給統制法
日本通運株式会社法
国際電気通信株式会社法
市街地建築物法
公有水面埋立法
工場法
森林法
第三条 主務大臣軍需充足会社ノ運営ニ関シ特ニ必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ左ニ掲グル勅令中統制、取締等ニ関スル規定ノ適用ヲ排除シ又ハ其ノ特例ヲ設クルコトヲ得
陸運統制令
海運統制令
港湾運送業等統制令
配電統制令
船員給与統制令
賃金統制令
重要事業場労務管理令
臨時農地等管理令
会社経理統制令
企業許可令
統制会社令
価格等統制令
地代家賃統制令
宅地建物等価格統制令
臨時農地価格統制令
都市計画法施行令
第四条 主務大臣ハ本令ニ定ムル職権ノ一部ヲ地方長官(東京都ニ在リテハ警視総監ヲ含ム)又ハ当該主務大臣ノ所轄スル官衙ノ長ニ委任スルコトヲ得
第五条 第一条ニ於テ準用スル軍需会社法第十条中勤労管理ニ関スル事項ニ付政府トアリ第一条ニ於テ準用スル軍需会社法施行令第九条中主務大臣トアルハ船員ニ付テハ運輸通信大臣トシ軍需省所管企業ヲ目的トスル軍需充足会社ハ他ノ目的ノ企業ヲ兼営スル場合ニ於テハ当該部分ニ限ル以下同ジ)ニ付テハ軍需大臣トシ其ノ他ノモノニ付テハ厚生大臣トス
第六条 第一条ニ於テ準用スル軍需会社法第十条中経理ニ関スル事項ニ付政府トアリ第一条ニ於テ準用スル軍需会社法施行令第十条中主務大臣トアルハ当該軍需充足会社ノ営ム軍需充足事業ガ軍需大臣及陸軍大臣又ハ海軍大臣ノ所管ニ属スルモノニ付テハ軍需大臣トス
第七条 第一条ニ於テ準用スル軍需会社法ノ規定中政府トアリ同条ニ於テ準用スル軍需会社法施行令ノ規定及本令中主務大臣トアルハ同条ニ於テ準用スル同法第十条中勤労管理及資金調整ニ関スル事項並ニ第一条ニ於テ準用スル軍需会社法施行令第九条ノ場合ヲ除クノ外特定ノ事業ノ用ニ供スル土木建築工事ノミヲ施行スルコトヲ目的トシテ設立セラレタル軍需充足会社ニ付テハ当該事業ノ所管大臣トシ其ノ他ノ土木建築事業ヲ営ム軍需充足会社ニ付テハ軍需大臣トス但シ当該軍需充足会社ガ陸軍大臣又ハ海軍大臣ノ発注ニ係ル作戦上必要アル土木建築工事ヲ施行スル場合ニ於テ当該軍需充足会社ノ所管大臣及陸軍大臣又ハ海軍大臣ノ定ムル事項ニ関シテハ当該所管大臣及陸軍大臣又ハ海軍大臣トス
第八条 第一条ニ於テ準用スル軍需会社法ノ規定中政府トアリ同条ニ於テ準用スル軍需会社法施行令ノ規定及本令中主務大臣トアルハ前三条ノ場合及第一条ニ於テ準用スル同法第十条中資金調整ニ関スル事項ヲ除クノ外当該軍需充足事業ノ所管大臣(軍需省所管企業ヲ目的トスル軍需充足会社ニ於ケル経理統制ニ係ル増配ニ関スル事項ニ付テハ大蔵大臣)トス
第九条 第二条及第三条中主務大臣トアルハ当該軍需充足会社ノ営ム軍需充足事業ノ所管大臣及法律又ハ勅令ノ規定ノ適用ヲ排除シ又ハ其ノ特例ヲ設クベキ事項ノ所管大臣トス
第十条 第二条乃至前条及第十一条、軍需会社法第三条乃至第十八条、第二十条及第二十一条並ニ軍需会社法施行令第二条乃至第十八条、第二十条及第二十七条乃至第二十九条ノ規定ハ軍需充足事業ヲ営ム者ニシテ会社以外ノ主務大臣ノ指定スルモノニ之ヲ準用ス此ノ場合ニ於テハ第一条但書ノ規定ヲ準用ス
前項ノ場合ニ於テ法人ニ非ザル人ニ在リテハ当該事業主ニ非ザレバ業務責任者タルコトヲ得ズ
法人ニ非ザル事業主ニシテ業務責任者タルモノハ業務責任者ノ職ヲ辞スルト同時ニ非ザレバ事業主タル地位ヲ退クコトヲ得ズ
第十一条 第一条ニ於テ準用スル軍需会社法ノ規定中政府トアリ同条ニ於テ準用スル軍需会社法施行令ノ規定及本令中主務大臣トアルハ同条ニ於テ準用スル同法第十条中資金調整ニ関スル事項ヲ除クノ外朝鮮ニ在リテハ朝鮮総督、台湾ニ在リテハ台湾総督トス但シ当該軍需充足会社ガ陸軍大臣又ハ海軍大臣ノ発注ニ係ル作戦上必要アル土木建築工事ヲ施行スル場合ニ於テ陸軍大臣又ハ海軍大臣及朝鮮総督又ハ台湾総督ノ定ムル事項ニ関シテハ陸軍大臣又ハ海軍大臣及朝鮮総督又ハ台湾総督トス
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス