(衆議院議員選挙法中改正法律)
法令番号: 法律第三十四號
公布年月日: 昭和20年4月1日
法令の形式: 法律
朕樞密顧問ノ諮詢ヲ經テ帝國議會ノ協贊ヲ經タル衆議院議員選擧法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年四月一日
內閣總理大臣 小磯國昭
海軍大臣 米內光政
外務大臣兼大東亞大臣 重光葵
陸軍大臣 杉山元
國務大臣 石渡莊太郞
國務大臣 町田忠治
運輸通信大臣 前田米藏
司法大臣 松阪廣政
內務大臣 大達茂雄
文部大臣 伯爵 兒玉秀雄
國務大臣 緖方竹虎
農商大臣 島田俊雄
軍需大臣 吉田茂
厚生大臣 相川勝六
大藏大臣 津島壽一
法律第三十四號
衆議院議員選擧法中左ノ通改正ス
第六條第六號中「刑法」ヲ「刑法(朝鮮刑事令及臺灣刑事令ニ於テ依ル場合ヲ含ム)」ニ改ム
第七條第二項中「及志願ニ依リ國民軍ニ編入セラレタル者」ヲ削ル
第九條中「關東廳法院判官」ヲ「關東法院判官」ニ、「關東廳法院檢察官」ヲ「關東法院檢察官」ニ改メ「陸軍法務官、海軍法務官、」ヲ削ル
第十一條 東京都議會議員、北海道會議員、府縣會議員、道會議員及州會議員ハ衆議院議員ト相兼ヌルコトヲ得ズ
第五十八條第一項中第一號ヲ第二號トシ以下順次繰下ゲ同項ニ第一號トシテ左ノ一號ヲ加フ
一 樺太ニ於テハ樺太廳長官
第五十九條中「選擧會ハ」ノ下ニ「樺太廳、」ヲ加フ
第六十四條中「第五十八條第一項第三號」ヲ「第五十八條第一項第四號」ニ改ム
第九十三條第二項及第三項、第九十四條、第百二條竝ニ第百六條中「東京府」ヲ「東京都」ニ改ム
第百十二條第二項及第百十三條第二項中「關係道府縣內」ヲ「關係ノ都道府縣又ハ樺太內」ニ改ム
第百四十條ノ二 第十六條及第八十四條第二項ノ規定ニ依ル訴訟竝ニ第十二章ニ揭グル罪ニ關スル訴訟ニ付上吿裁判所ガ大審院ニ非ザル場合ニ於テ法律ノ同一ノ點ニ付曾テ大審院其ノ他ノ上吿裁判所ノ爲シタル判決ト相反スル意見アルトキハ決定ヲ以テ事件ヲ大審院ニ移送スルコトヲ要ス
前項ノ決定アリタルトキハ訴訟ハ上吿ヲ爲シタル時ヨリ大審院ニ繫屬シタルモノト看做ス
第百四十四條ノ二中「又ハ島廳管內」及「又ハ島司」ヲ削ル
第百四十五條第二項中「市制第六條ノ市」ヲ「東京都ノ區ノ存スル區域及市制第六條ノ市」ニ、「其ノ市內」ヲ「東京都ノ區ノ存スル區域內又ハ其ノ市內」ニ改ム
第百五十條 本法ハ東京都小笠原島、北海道廳根室支廳管內占守郡、新知郡及得撫郡竝ニ高雄州高雄市新南群島ニハ當分ノ內之ヲ施行セズ
第十四章 朝鮮及臺灣ニ於ケル特例
第百五十一條 朝鮮及臺灣ニ於テハ第五條第一項ノ規定ニ拘ラズ帝國臣民タル年齡二十五年以上ノ男子ニシテ選擧人名簿調製ノ期日迄引續キ一年以上直接國稅十五圓以上ヲ納ムル者ハ選擧權ヲ有ス
法令ニ依リ輕減又ハ免除セラルル直接國稅ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ前項ノ規定ニ依ル納稅資格要件ニ關シテハ輕減又ハ免除セラレザルモノト看做ス
前二項ノ直接國稅ノ種類及計算ニ關シテハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第百五十二條 朝鮮及臺灣ニ於テハ選擧人其ノ住居ヲ有スル府邑面又ハ市街庄外ニ於テ前條ノ直接國稅ヲ納ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ九月二十日迄ニ其ノ住居地ノ府尹、邑面長又ハ市街庄長ニ其ノ旨ヲ屆出ツベシ其ノ期間迄ニ屆出ヲ爲サザルトキハ其ノ納稅ハ選擧人名簿ニ登錄セラルベキ要件ニ算入セズ
朝鮮及臺灣ニ於テハ第十二條第四項ノ規定ニ拘ラズ選擧人名簿ニハ選擧人ノ氏名、住居、生年月日及納稅額等ヲ記載スベシ
第百五十三條 朝鮮及臺灣ニ於テハ第七十九條第一項、第六項及第七項ノ規定ハ議員ノ定數一人ノ選擧區ニ付テハ之ヲ適用セズ
前項ノ選擧區ニ付テハ第七十九條第五項中其ノ闕員ノ數同一選擧區ニ於テ二人ニ達スルヲ待チ最後ニ第二項ノ規定ニ依ル通知ヲ受ケタル日トアルハ第二項ノ規定ニ依ル通知ヲ受ケタル日トス
第百五十四條 朝鮮及臺灣ニ於テハ選擧委員、選擧運動ノ爲使用スル勞務者又ハ選擧運動ノ費用ニ付第九十三條第一項、第九十三條ノ二第一項又ハ第百二條第一項ノ規定ニ拘ラズ勅令ヲ以テ特別ノ規定ヲ設クルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ選擧委員若ハ勞務者ノ數又ハ選擧運動ノ費用ノ額ヲ定メタル場合ニ於テハ本法ノ適用ニ付テハ之ヲ第九十三條第一項若ハ第九十三條ノ二第一項又ハ第百二條第一項ノ規定ニ依ル定數又ハ額ト看做ス
第百五十五條 臺灣ニ於テ一選擧區州及廳ノ區域ニ涉ル場合ニ於テハ本法中地方長官ノ職務權限ハ關係州知事之ヲ行フ
前項ノ場合ニ於テハ第五十八條第一項第四號ノ規定ニ拘ラズ州知事ヲ以テ選擧長トス
第百五十六條 第七十六條中內務大臣トアルハ朝鮮ニ於テハ朝鮮總督ヲ經テ內務大臣、臺灣ニ於テハ臺灣總督ヲ經テ內務大臣、第八十六條第一項及第二項竝ニ第百四十三條中內務大臣及關係地方長官トアルハ朝鮮ニ於テハ內務大臣、朝鮮總督及關係道知事、臺灣ニ於テハ內務大臣、臺灣總督及關係州知事トス
第七十九條第二項中地方長官トアルハ朝鮮ニ於テハ朝鮮總督ヲ經テ道知事、臺灣ニ於テハ臺灣總督ヲ經テ州知事トス此ノ場合ニ於テハ朝鮮總督又ハ臺灣總督ハ道知事又ハ州知事ニ對スル內務大臣ノ通知ヲ受ケタル日ヨリ五日以內ニ道知事又ハ州知事ニ對シ之ヲ發スベシ
第百五十七條 本法中縣ニ關スル規定ハ朝鮮ニ於テハ道ニ、臺灣ニ於テハ州ニ、縣廳ニ關スル規定ハ朝鮮ニ於テハ道廳ニ、臺灣ニ於テハ州廳ニ郡ニ關スル規定ハ朝鮮ニ於テハ郡又ハ島ニ、澎湖廳ニ於テハ廳ニ、支廳長ニ關スル規定ハ朝鮮ニ於テハ郡守又ハ島司ニ、臺灣ニ於テハ澎湖廳長又ハ郡守ニ、支廳ニ關スル規定ハ朝鮮ニ於テハ郡廳又ハ島廳ニ、臺灣ニ於テハ澎湖廳又ハ郡役所ニ之ヲ適用ス
朝鮮ニ於テハ本法中市ニ關スル規定ハ府ニ、市長ニ關スル規定ハ府尹ニ、市役所ニ關スル規定ハ府廳ニ之ヲ適用ス
京城府ニ於テハ前項ノ規定ニ拘ラズ本法中市ニ關スル規定ハ區ニ、市長ニ關スル規定ハ區長ニ、市役所ニ關スル規定ハ區役所ニ之ヲ適用ス但シ第十二條ノ規定ノ適用ニ付テハ其ノ日迄引續キ六月以上其ノ市町村內ニ住居ヲ有スル者トアルハ其ノ日迄引續キ六月以上其ノ府內ニ住居ヲ有シ且其ノ日ニ於テ其ノ區內ニ住居ヲ有スル者トス
本法中町村ニ關スル規定ハ朝鮮ニ於テハ邑面ニ、臺灣ニ於テハ街庄ニ、町村長ニ關スル規定ハ朝鮮ニ於テハ邑面長ニ、臺灣ニ於テハ街庄長ニ、町村役場ニ關スル規定ハ朝鮮ニ於テハ邑面事務所ニ、臺灣ニ於テハ街庄役場ニ之ヲ適用ス
第百四十四條ノ二ノ規定ハ朝鮮ニ、同條及第百四十五條第一項ノ規定ハ臺灣ニ之ヲ適用セズ
第百五十八條 第十條ノ規定ヲ除クノ外本法中官吏トアルハ朝鮮ニ於テハ邑面長ヲ、臺灣ニ於テハ街庄長ヲ含ムモノトス
第百五十九條 第十六條第一項中地方裁判所ニ關スル規定ハ朝鮮及臺灣ニ於テハ地方法院合議部ニ、同條第二項中大審院ニ關スル規定ハ朝鮮ニ於テハ高等法院ニ、臺灣ニ於テハ高等法院上吿部ニ、第八十四條第二項中檢事ニ關スル規定ハ朝鮮ニ於テハ朝鮮總督府檢事ニ、臺灣ニ於テハ臺灣總督府法院檢察官ニ之ヲ適用ス
本法中刑事訴訟トアルハ朝鮮ニ於テハ朝鮮刑事令ニ於テ依ルコトヲ定メタル刑事訴訟法トス
別表中「東京府」ヲ「東京都」ニ、
荏原郡
豐多摩郡
大島島廳管內
八丈島廳管內
品川區
目黑區
荏原區
大森區
蒲田區
世田谷區
澁谷區
淀橋區
中野區
杉並區
大島支廳管內
三宅支廳管內
八丈支廳管內
ニ、
北豐島郡
南足立郡
南葛飾郡
豐島區
瀧野川區
荒川區
王子區
板橋區
足立區
向島區
城東區
葛飾區
江戶州區
ニ、「八王子市」ヲ
八王子市
立川市
ニ、「下京區」ヲ
中京區
下京區
左京區
東山區
ニ、
愛宕郡
葛野郡
乙訓郡
紀伊郡
右京區
伏見區
愛宕郡
葛野郡
乙訓郡
ニ、「天田郡」ヲ
福知山市
舞鶴市
天田郡
ニ、「西區」ヲ
西區
港區
大正區
ニ、「南區」ヲ
天王寺區
南區
浪速區
ニ、
東區
北區
北區
都島區
福島區
此花區
東區
ニ、
西城郡
東成郡
大淀區
西淀川區
東淀川區
東成區
生野區
旭區
城東區
阿倍野區
住吉區
東住吉區
西成區
ニ、「三島郡」ヲ
豐中市
布施市
池田市
吹田市
高槻市
三島郡
ニ、「岸和田市」ヲ
岸和田市
泉大津市
貝塚市
ニ、
久良岐郡
橘樹郡
都筑郡
ヲ「鎌倉市」ニ、「高座郡」ヲ
平塚市
藤澤市
小田原市
高座郡
ニ、「尼崎市」ヲ
西宮市
尼崎市
洲本市
芦屋市
伊丹市
ニ、「姬路市」ヲ
姬路市
飾磨市
相生市
ニ、
西彼杵郡
北高來郡
南高來郡
對馬島廳管內
島原市
諫早市
西彼杵郡
北高來郡
南高來郡
對馬支廳管內
ニ、「佐世保市」ヲ
佐世保市
大村市
ニ、「長岡市」ヲ
長岡市
三條市
柏崎市
ニ、「川越市」ヲ
川越市
川口市
浦和市
大宮市
ニ、「比企郡」ヲ
熊谷市
比企郡
ニ、「桐生市」ヲ
桐生市
伊勢崎市
ニ、「千葉市」ヲ
千葉市
市川市
船橋市
木更津市
松戶市
ニ、「印旛郡」ヲ
銚子市
印旛郡
ニ、「長生郡」ヲ
館山市
長生郡
ニ、「那珂郡」ヲ
日立市
那珂郡
ニ、「新治郡」ヲ
土浦市
新治郡
ニ、「足利市」ヲ
足利市
栃木市
佐野市
ニ、「四日市市」ヲ、
四日市市
桑名市
上野市
鈴鹿市
ニ、「宇治山田市」ヲ
宇治山田市
松阪市
ニ、「愛知郡」ヲ
瀨戶市
半田市
春日井市
愛知郡
ニ、「豐橋市」ヲ
豐橋市
豐川市
ニ、「沼津市」ヲ
沼津市
熱海市
三島市
富士宮市
ニ、「加茂郡」ヲ
高山市
多治見市
加茂郡
ニ、「諏訪郡」ヲ
岡谷市
飯田市
諏訪市
諏訪郡
ニ、「仙臺市」ヲ
仙臺市
塩竈市
ニ、「玉造郡」ヲ
石卷市
玉造郡
ニ、「石城郡」ヲ
平市
石城郡
ニ、「盛岡市」ヲ
盛岡市
宮古市
ニ、「稗貫郡」ヲ
釜石市
稗貫郡
ニ、「靑森市」ヲ
靑森市
八戶市
ニ、「鶴岡市」ヲ
鶴岡市
酒田市
ニ、「秋田市」ヲ
秋田市
能代市
ニ、「金澤市」ヲ
金澤市
小松市
ニ、「河北郡」ヲ
七尾市
河北郡
ニ、
八束郡
能義郡
仁多郡
大原郡
簸川郡
隱岐島廳管內
出雲市
八束郡
能義郡
仁多郡
大原郡
簸川郡
隱岐支廳管內
ニ、「飯石郡」ヲ
濱田市
飯石郡
ニ、「岡山市」ヲ
岡山市
津山市
ニ、「兒島郡」ヲ
倉敷市
玉野市
兒島郡
ニ、「福山市」ヲ
福山市
三原市
ニ、「宇部市」ヲ「宇部市、萩市、小野田市」ニ、「大島郡」ヲ
防府市
下松市
岩國市
光市
山口市
德山市
大島郡
ニ、「和歌山市」ヲ
和歌山市
海南市
ニ、「有田郡」ヲ
新宮市
田邊市
有田郡
ニ、「丸龜市」ヲ
丸龜市
坂出市
ニ、「今治市」ヲ
今治市
新居濱市
西條市
ニ、「宇和島市」ヲ
宇和島市
八幡濱市
ニ、「戶畑市」ヲ
戶畑市
直方市
飯塚市
ニ、「門司市」ヲ
門司市
田川市
ニ、「大分市」ヲ
大分市
日田市
佐伯市
ニ、「別府市」ヲ
別府市
中津市
ニ、「東松浦郡」ヲ
唐津市
東松浦郡
ニ、「熊本市」ヲ
熊本市
荒尾市
ニ、「宇土郡」ヲ
八代市
人吉市
宇土郡
ニ、「薩摩郡」ヲ
川內市
薩摩郡
ニ、
肝屬部
大島島廳管內
鹿屋市
肝屬郡
大島支廳管內
ニ、
空知支廳管內
膽振支廳管內
浦河支廳管內
夕張市
岩見澤市
空知支廳管內
膽振支廳管內
日高支廳管內
ニ、「河西支廳管內」ヲ
帶廣市
北見市
十勝支廳管內
ニ改ム
同表中北海道ノ部ノ次ニ左ノ如ク加フ
樺太 三人
京畿道 三人
忠淸北道 四人
忠淸南道 一人
全羅北道 一人
全羅南道 二人
慶尙北道 二人
慶尙南道 二人
黃海道 二人
平安南道 二人
平安北道 二人
江原道 二人
咸鏡南道 二人
咸鏡北道 一人
臺北州
花蓮港廳
 一人
新竹州 一人
臺中州 一人
臺南州 一人
高雄州
臺東廳
澎湖廳
 一人
附 則
本法中第六條及第百四十條ノ二ノ改正規定、附則第三項ノ規定竝ニ樺太、朝鮮及臺灣ニ關スル改正規定ノ施行ノ期日ハ各規定ニ付勅令ヲ以テ之ヲ定メ其ノ他ノ規定ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本法施行ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
裁判所構成法戰時特例中左ノ通改正ス
第六條ニ左ノ一項ヲ加フ
前二項ノ規定ハ衆議院議員選擧法第百四十條ノ二ノ規定ノ適用ヲ妨ゲズ
朕枢密顧問ノ諮詢ヲ経テ帝国議会ノ協賛ヲ経タル衆議院議員選挙法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年四月一日
内閣総理大臣 小磯国昭
海軍大臣 米内光政
外務大臣兼大東亜大臣 重光葵
陸軍大臣 杉山元
国務大臣 石渡荘太郎
国務大臣 町田忠治
運輸通信大臣 前田米蔵
司法大臣 松阪広政
内務大臣 大達茂雄
文部大臣 伯爵 児玉秀雄
国務大臣 緒方竹虎
農商大臣 島田俊雄
軍需大臣 吉田茂
厚生大臣 相川勝六
大蔵大臣 津島寿一
法律第三十四号
衆議院議員選挙法中左ノ通改正ス
第六条第六号中「刑法」ヲ「刑法(朝鮮刑事令及台湾刑事令ニ於テ依ル場合ヲ含ム)」ニ改ム
第七条第二項中「及志願ニ依リ国民軍ニ編入セラレタル者」ヲ削ル
第九条中「関東庁法院判官」ヲ「関東法院判官」ニ、「関東庁法院検察官」ヲ「関東法院検察官」ニ改メ「陸軍法務官、海軍法務官、」ヲ削ル
第十一条 東京都議会議員、北海道会議員、府県会議員、道会議員及州会議員ハ衆議院議員ト相兼ヌルコトヲ得ズ
第五十八条第一項中第一号ヲ第二号トシ以下順次繰下ゲ同項ニ第一号トシテ左ノ一号ヲ加フ
一 樺太ニ於テハ樺太庁長官
第五十九条中「選挙会ハ」ノ下ニ「樺太庁、」ヲ加フ
第六十四条中「第五十八条第一項第三号」ヲ「第五十八条第一項第四号」ニ改ム
第九十三条第二項及第三項、第九十四条、第百二条並ニ第百六条中「東京府」ヲ「東京都」ニ改ム
第百十二条第二項及第百十三条第二項中「関係道府県内」ヲ「関係ノ都道府県又ハ樺太内」ニ改ム
第百四十条ノ二 第十六条及第八十四条第二項ノ規定ニ依ル訴訟並ニ第十二章ニ掲グル罪ニ関スル訴訟ニ付上告裁判所ガ大審院ニ非ザル場合ニ於テ法律ノ同一ノ点ニ付曽テ大審院其ノ他ノ上告裁判所ノ為シタル判決ト相反スル意見アルトキハ決定ヲ以テ事件ヲ大審院ニ移送スルコトヲ要ス
前項ノ決定アリタルトキハ訴訟ハ上告ヲ為シタル時ヨリ大審院ニ繋属シタルモノト看做ス
第百四十四条ノ二中「又ハ島庁管内」及「又ハ島司」ヲ削ル
第百四十五条第二項中「市制第六条ノ市」ヲ「東京都ノ区ノ存スル区域及市制第六条ノ市」ニ、「其ノ市内」ヲ「東京都ノ区ノ存スル区域内又ハ其ノ市内」ニ改ム
第百五十条 本法ハ東京都小笠原島、北海道庁根室支庁管内占守郡、新知郡及得撫郡並ニ高雄州高雄市新南群島ニハ当分ノ内之ヲ施行セズ
第十四章 朝鮮及台湾ニ於ケル特例
第百五十一条 朝鮮及台湾ニ於テハ第五条第一項ノ規定ニ拘ラズ帝国臣民タル年齢二十五年以上ノ男子ニシテ選挙人名簿調製ノ期日迄引続キ一年以上直接国税十五円以上ヲ納ムル者ハ選挙権ヲ有ス
法令ニ依リ軽減又ハ免除セラルル直接国税ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ前項ノ規定ニ依ル納税資格要件ニ関シテハ軽減又ハ免除セラレザルモノト看做ス
前二項ノ直接国税ノ種類及計算ニ関シテハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第百五十二条 朝鮮及台湾ニ於テハ選挙人其ノ住居ヲ有スル府邑面又ハ市街庄外ニ於テ前条ノ直接国税ヲ納ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ九月二十日迄ニ其ノ住居地ノ府尹、邑面長又ハ市街庄長ニ其ノ旨ヲ届出ツベシ其ノ期間迄ニ届出ヲ為サザルトキハ其ノ納税ハ選挙人名簿ニ登録セラルベキ要件ニ算入セズ
朝鮮及台湾ニ於テハ第十二条第四項ノ規定ニ拘ラズ選挙人名簿ニハ選挙人ノ氏名、住居、生年月日及納税額等ヲ記載スベシ
第百五十三条 朝鮮及台湾ニ於テハ第七十九条第一項、第六項及第七項ノ規定ハ議員ノ定数一人ノ選挙区ニ付テハ之ヲ適用セズ
前項ノ選挙区ニ付テハ第七十九条第五項中其ノ闕員ノ数同一選挙区ニ於テ二人ニ達スルヲ待チ最後ニ第二項ノ規定ニ依ル通知ヲ受ケタル日トアルハ第二項ノ規定ニ依ル通知ヲ受ケタル日トス
第百五十四条 朝鮮及台湾ニ於テハ選挙委員、選挙運動ノ為使用スル労務者又ハ選挙運動ノ費用ニ付第九十三条第一項、第九十三条ノ二第一項又ハ第百二条第一項ノ規定ニ拘ラズ勅令ヲ以テ特別ノ規定ヲ設クルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ選挙委員若ハ労務者ノ数又ハ選挙運動ノ費用ノ額ヲ定メタル場合ニ於テハ本法ノ適用ニ付テハ之ヲ第九十三条第一項若ハ第九十三条ノ二第一項又ハ第百二条第一項ノ規定ニ依ル定数又ハ額ト看做ス
第百五十五条 台湾ニ於テ一選挙区州及庁ノ区域ニ渉ル場合ニ於テハ本法中地方長官ノ職務権限ハ関係州知事之ヲ行フ
前項ノ場合ニ於テハ第五十八条第一項第四号ノ規定ニ拘ラズ州知事ヲ以テ選挙長トス
第百五十六条 第七十六条中内務大臣トアルハ朝鮮ニ於テハ朝鮮総督ヲ経テ内務大臣、台湾ニ於テハ台湾総督ヲ経テ内務大臣、第八十六条第一項及第二項並ニ第百四十三条中内務大臣及関係地方長官トアルハ朝鮮ニ於テハ内務大臣、朝鮮総督及関係道知事、台湾ニ於テハ内務大臣、台湾総督及関係州知事トス
第七十九条第二項中地方長官トアルハ朝鮮ニ於テハ朝鮮総督ヲ経テ道知事、台湾ニ於テハ台湾総督ヲ経テ州知事トス此ノ場合ニ於テハ朝鮮総督又ハ台湾総督ハ道知事又ハ州知事ニ対スル内務大臣ノ通知ヲ受ケタル日ヨリ五日以内ニ道知事又ハ州知事ニ対シ之ヲ発スベシ
第百五十七条 本法中県ニ関スル規定ハ朝鮮ニ於テハ道ニ、台湾ニ於テハ州ニ、県庁ニ関スル規定ハ朝鮮ニ於テハ道庁ニ、台湾ニ於テハ州庁ニ郡ニ関スル規定ハ朝鮮ニ於テハ郡又ハ島ニ、澎湖庁ニ於テハ庁ニ、支庁長ニ関スル規定ハ朝鮮ニ於テハ郡守又ハ島司ニ、台湾ニ於テハ澎湖庁長又ハ郡守ニ、支庁ニ関スル規定ハ朝鮮ニ於テハ郡庁又ハ島庁ニ、台湾ニ於テハ澎湖庁又ハ郡役所ニ之ヲ適用ス
朝鮮ニ於テハ本法中市ニ関スル規定ハ府ニ、市長ニ関スル規定ハ府尹ニ、市役所ニ関スル規定ハ府庁ニ之ヲ適用ス
京城府ニ於テハ前項ノ規定ニ拘ラズ本法中市ニ関スル規定ハ区ニ、市長ニ関スル規定ハ区長ニ、市役所ニ関スル規定ハ区役所ニ之ヲ適用ス但シ第十二条ノ規定ノ適用ニ付テハ其ノ日迄引続キ六月以上其ノ市町村内ニ住居ヲ有スル者トアルハ其ノ日迄引続キ六月以上其ノ府内ニ住居ヲ有シ且其ノ日ニ於テ其ノ区内ニ住居ヲ有スル者トス
本法中町村ニ関スル規定ハ朝鮮ニ於テハ邑面ニ、台湾ニ於テハ街庄ニ、町村長ニ関スル規定ハ朝鮮ニ於テハ邑面長ニ、台湾ニ於テハ街庄長ニ、町村役場ニ関スル規定ハ朝鮮ニ於テハ邑面事務所ニ、台湾ニ於テハ街庄役場ニ之ヲ適用ス
第百四十四条ノ二ノ規定ハ朝鮮ニ、同条及第百四十五条第一項ノ規定ハ台湾ニ之ヲ適用セズ
第百五十八条 第十条ノ規定ヲ除クノ外本法中官吏トアルハ朝鮮ニ於テハ邑面長ヲ、台湾ニ於テハ街庄長ヲ含ムモノトス
第百五十九条 第十六条第一項中地方裁判所ニ関スル規定ハ朝鮮及台湾ニ於テハ地方法院合議部ニ、同条第二項中大審院ニ関スル規定ハ朝鮮ニ於テハ高等法院ニ、台湾ニ於テハ高等法院上告部ニ、第八十四条第二項中検事ニ関スル規定ハ朝鮮ニ於テハ朝鮮総督府検事ニ、台湾ニ於テハ台湾総督府法院検察官ニ之ヲ適用ス
本法中刑事訴訟トアルハ朝鮮ニ於テハ朝鮮刑事令ニ於テ依ルコトヲ定メタル刑事訴訟法トス
別表中「東京府」ヲ「東京都」ニ、
荏原郡
豊多摩郡
大島島庁管内
八丈島庁管内
品川区
目黒区
荏原区
大森区
蒲田区
世田谷区
渋谷区
淀橋区
中野区
杉並区
大島支庁管内
三宅支庁管内
八丈支庁管内
ニ、
北豊島郡
南足立郡
南葛飾郡
豊島区
滝野川区
荒川区
王子区
板橋区
足立区
向島区
城東区
葛飾区
江戸州区
ニ、「八王子市」ヲ
八王子市
立川市
ニ、「下京区」ヲ
中京区
下京区
左京区
東山区
ニ、
愛宕郡
葛野郡
乙訓郡
紀伊郡
右京区
伏見区
愛宕郡
葛野郡
乙訓郡
ニ、「天田郡」ヲ
福知山市
舞鶴市
天田郡
ニ、「西区」ヲ
西区
港区
大正区
ニ、「南区」ヲ
天王寺区
南区
浪速区
ニ、
東区
北区
北区
都島区
福島区
此花区
東区
ニ、
西城郡
東成郡
大淀区
西淀川区
東淀川区
東成区
生野区
旭区
城東区
阿倍野区
住吉区
東住吉区
西成区
ニ、「三島郡」ヲ
豊中市
布施市
池田市
吹田市
高槻市
三島郡
ニ、「岸和田市」ヲ
岸和田市
泉大津市
貝塚市
ニ、
久良岐郡
橘樹郡
都筑郡
ヲ「鎌倉市」ニ、「高座郡」ヲ
平塚市
藤沢市
小田原市
高座郡
ニ、「尼崎市」ヲ
西宮市
尼崎市
洲本市
芦屋市
伊丹市
ニ、「姫路市」ヲ
姫路市
飾磨市
相生市
ニ、
西彼杵郡
北高来郡
南高来郡
対馬島庁管内
島原市
諫早市
西彼杵郡
北高来郡
南高来郡
対馬支庁管内
ニ、「佐世保市」ヲ
佐世保市
大村市
ニ、「長岡市」ヲ
長岡市
三条市
柏崎市
ニ、「川越市」ヲ
川越市
川口市
浦和市
大宮市
ニ、「比企郡」ヲ
熊谷市
比企郡
ニ、「桐生市」ヲ
桐生市
伊勢崎市
ニ、「千葉市」ヲ
千葉市
市川市
船橋市
木更津市
松戸市
ニ、「印旛郡」ヲ
銚子市
印旛郡
ニ、「長生郡」ヲ
館山市
長生郡
ニ、「那珂郡」ヲ
日立市
那珂郡
ニ、「新治郡」ヲ
土浦市
新治郡
ニ、「足利市」ヲ
足利市
栃木市
佐野市
ニ、「四日市市」ヲ、
四日市市
桑名市
上野市
鈴鹿市
ニ、「宇治山田市」ヲ
宇治山田市
松阪市
ニ、「愛知郡」ヲ
瀬戸市
半田市
春日井市
愛知郡
ニ、「豊橋市」ヲ
豊橋市
豊川市
ニ、「沼津市」ヲ
沼津市
熱海市
三島市
富士宮市
ニ、「加茂郡」ヲ
高山市
多治見市
加茂郡
ニ、「諏訪郡」ヲ
岡谷市
飯田市
諏訪市
諏訪郡
ニ、「仙台市」ヲ
仙台市
塩竈市
ニ、「玉造郡」ヲ
石巻市
玉造郡
ニ、「石城郡」ヲ
平市
石城郡
ニ、「盛岡市」ヲ
盛岡市
宮古市
ニ、「稗貫郡」ヲ
釜石市
稗貫郡
ニ、「青森市」ヲ
青森市
八戸市
ニ、「鶴岡市」ヲ
鶴岡市
酒田市
ニ、「秋田市」ヲ
秋田市
能代市
ニ、「金沢市」ヲ
金沢市
小松市
ニ、「河北郡」ヲ
七尾市
河北郡
ニ、
八束郡
能義郡
仁多郡
大原郡
簸川郡
隠岐島庁管内
出雲市
八束郡
能義郡
仁多郡
大原郡
簸川郡
隠岐支庁管内
ニ、「飯石郡」ヲ
浜田市
飯石郡
ニ、「岡山市」ヲ
岡山市
津山市
ニ、「児島郡」ヲ
倉敷市
玉野市
児島郡
ニ、「福山市」ヲ
福山市
三原市
ニ、「宇部市」ヲ「宇部市、萩市、小野田市」ニ、「大島郡」ヲ
防府市
下松市
岩国市
光市
山口市
徳山市
大島郡
ニ、「和歌山市」ヲ
和歌山市
海南市
ニ、「有田郡」ヲ
新宮市
田辺市
有田郡
ニ、「丸亀市」ヲ
丸亀市
坂出市
ニ、「今治市」ヲ
今治市
新居浜市
西条市
ニ、「宇和島市」ヲ
宇和島市
八幡浜市
ニ、「戸畑市」ヲ
戸畑市
直方市
飯塚市
ニ、「門司市」ヲ
門司市
田川市
ニ、「大分市」ヲ
大分市
日田市
佐伯市
ニ、「別府市」ヲ
別府市
中津市
ニ、「東松浦郡」ヲ
唐津市
東松浦郡
ニ、「熊本市」ヲ
熊本市
荒尾市
ニ、「宇土郡」ヲ
八代市
人吉市
宇土郡
ニ、「薩摩郡」ヲ
川内市
薩摩郡
ニ、
肝属部
大島島庁管内
鹿屋市
肝属郡
大島支庁管内
ニ、
空知支庁管内
胆振支庁管内
浦河支庁管内
夕張市
岩見沢市
空知支庁管内
胆振支庁管内
日高支庁管内
ニ、「河西支庁管内」ヲ
帯広市
北見市
十勝支庁管内
ニ改ム
同表中北海道ノ部ノ次ニ左ノ如ク加フ
樺太 三人
京畿道 三人
忠清北道 四人
忠清南道 一人
全羅北道 一人
全羅南道 二人
慶尚北道 二人
慶尚南道 二人
黄海道 二人
平安南道 二人
平安北道 二人
江原道 二人
咸鏡南道 二人
咸鏡北道 一人
台北州
花蓮港庁
 一人
新竹州 一人
台中州 一人
台南州 一人
高雄州
台東庁
澎湖庁
 一人
附 則
本法中第六条及第百四十条ノ二ノ改正規定、附則第三項ノ規定並ニ樺太、朝鮮及台湾ニ関スル改正規定ノ施行ノ期日ハ各規定ニ付勅令ヲ以テ之ヲ定メ其ノ他ノ規定ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本法施行ニ関シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
裁判所構成法戦時特例中左ノ通改正ス
第六条ニ左ノ一項ヲ加フ
前二項ノ規定ハ衆議院議員選挙法第百四十条ノ二ノ規定ノ適用ヲ妨ゲズ