(船員保険法中改正法律)
法令番号: 法律第二十四號
公布年月日: 昭和20年2月19日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル船員保險法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年二月十七日
內閣總理大臣 小磯國昭
大東亞大臣 重光葵
大藏大臣 石渡莊太郞
運輸通信大臣 前田米藏
內務大臣 大達茂雄
厚生大臣 相川勝六
法律第二十四號
船員保險法中左ノ通改正ス
第三條第一項ヲ左ノ如ク改ム
本法ニ於テ報酬ト稱スルハ船舶所有者ニ使用セラルル者ガ職務執行ノ對償トシテ受クル給料及之ニ準ズベキモノヲ謂フ
第五條 保險料其ノ他本法ニ依ル徵收金ヲ徵收シ又ハ其ノ還付ヲ受クル權利及療養費、傷病手當金、障害手當金、葬祭料又ハ第四十五條ノ二ノ規定ニ依ル一時金ヲ受クル權利ハ一年ヲ經過シタルトキ、養老年金、障害年金、脫退手當金、遺族年金又ハ第三十六條、第三十七條、第四十二條乃至第四十二條ノ三、第四十九條若ハ第五十條ノ六ノ規定ニ依ル一時金ヲ受クル權利ハ五年ヲ經過シタルトキハ時效ニ因リテ消滅ス
第九條及第六十一條中「雇傭」ヲ「使用」ニ改ム
第十二條第三項中「市町村」ヲ「市町村(東京都ノ區ノ存スル區域ニ於テハ東京都)」ニ、同條第四項中「市町村ニ」ヲ「市町村(東京都ノ區ノ存スル區域ニ於テハ東京都)ニ」ニ、「市町村ハ」ヲ「市町村(東京都ノ區ノ存スル區域ニ於テハ東京都)ハ」ニ改ム
第十五條中「國、北海道、府縣、市町村其ノ他之ニ準ズベキモノノ所有ニ屬スル船舶ニ乘組ム船員」ヲ「國、東京都、北海道、府縣、市町村其ノ他之ニ準ズベキモノニ使用セラルル者」ニ改ム
第十七條 船員法第一條ニ規定スル船員又ハ同法同條ニ規定スル船員タルベキ者(以下船員ト總稱ス)トシテ船舶所有者ニ使用セラルル者ハ船員保險ノ被保險者トス但シ左ニ揭グル者ハ此ノ限ニ在ラズ
一 日本ノ國籍ヲ有セザル者
二 前號ニ揭グル者ノ外勅令ヲ以テ指定スル者
第十八條 被保險者ハ船員トシテ船舶所有者ニ使用セラルルニ至リタル日又ハ前條各號ノ規定ニ該當セザルニ至リタル日ヨリ其ノ資格ヲ取得ス
第十九條中「船舶ニ乘組マザルニ至リタル日、第十七條各號ノ規定ノ一ニ該當スルニ至リタル日又ハ日本ノ國籍ヲ失ヒタル日」ヲ「船員トシテ船舶所有者ニ使用セラレザルニ至リタル日又ハ第十七條各號ノ一ニ該當スルニ至リタル日」ニ改ム
第二十條第一項中「十年」ヲ「七年」ニ改メ同條第二項ヲ左ノ如ク改ム
前項ノ規定ニ依ル被保險者ニ關シテハ老齡、脫退又ハ死亡ニ關スル保險給付(葬祭料ヲ除ク)ニ限リ之ヲ爲スモノトス
第二十二條第一項但書ヲ削リ同條第二項ヲ左ノ如ク改ム
前項ノ規定ニ拘ラズ被保險者ノ資格ヲ取得シタル月ニ於テ其ノ資格ヲ喪失シタル場合ニ於テハ其ノ月ハ一月トシテ之ヲ被保險者タリシ期間ニ加算ス
第二十二條ノ二ヲ削ル
第二十三條中「第三十六條、第三十七條若ハ第四十二條ノ規定ニ依ル一時金又ハ死亡手當金」ヲ「遺族年金、葬祭料、第三十六條、第三十七條、第四十二條乃至第四十二條ノ三若ハ第五十條ノ六ノ規定ニ依ル一時金又ハ第二十七條ノ二ノ規定ニ依ル支給金」ニ改ム
第二十四條中「及癈疾年金」ヲ「、障害年金及遺族年金」ニ改ム
第二十七條ノ次ニ左ノ一條ヲ加フ
第二十七條ノ二 保險給付ヲ受クル權利ヲ有スル者ガ死亡シタル場合ニ於テ其ノ者ガ支給ヲ受クベキ保險給付ニシテ未ダ其ノ支給ヲ受ケザリシモノ又ハ被保險者若ハ被保險者タリシ者ガ死亡シタルニ因リ支給スベキ脫退手當金ハ之ヲ被保險者タリシ者ノ遺族ニ支給ス
第二十八條第二項ヲ削ル
第三十條 被保險者又ハ被保險者タリシ者ガ療養ノ爲職務ニ服スルコト能ハザルトキハ其ノ期間傷病手當金トシテ一日ニ付報酬日額(被保險者タリシ者ニ在リテハ被保險者ノ資格喪失當時ノ報酬日額)ノ百分ノ六十ニ相當スル金額ヲ支給ス
第三十一條中「被保險者タリシ者」ヲ「被保險者又ハ被保險者タリシ者」ニ改ム
第三十二條 療養ノ給付及傷病手當金ノ支給ハ勅令ヲ以テ定ムル事由ニ該當スルニ至リタルトキハ之ヲ爲サズ
第三十五條 養老年金ノ額ハ被保險者タリシ全期間ノ平均報酬月額(以下平均報酬月額ト稱ス)ノ四月分ニ相當スル金額トシ被保險者タリシ期間十五年以上一年ヲ增ス每ニ其ノ一年ニ對シ平均報酬月額(平均報酬月額ノ三十分ノ一ノ額トス以下同ジ)ノ六月分ニ相當スル金額ヲ加ヘタル金額トス
第三十六條 養老年金ノ支給ヲ受クル者ガ職務上ノ事由以外ノ事由(以下職務外ノ事由ト稱ス)ニ因リ死亡シタル際其ノ者ノ死亡ニ關シ遺族年金ノ支給ヲ受クベキ者ナキ場合ニ於テ旣ニ支給ヲ受ケタル養老年金ノ總額ガ養老年金ノ六年分ニ相當スル金額ニ滿タザルトキハ其ノ差額ヲ一時金トシテ其ノ遺族ニ支給ス
第三十七條 十五年以上被保險者タリシ者ガ養老年金ノ支給ヲ受クルコトナクシテ職務外ノ事由ニ因リ死亡シタル際其ノ者ノ死亡ニ關シ遺族年金ノ支給ヲ受クベキ者ナキ場合ニ於テハ其ノ者ガ支給ヲ受クルコトヲ得ベカリシ養老年金ノ六年分ニ相當スル金額ヲ一時金トシテ其ノ遺族ニ支給ス
前項ノ規定ハ第四十二條ノ規定ニ依ル一時金ノ支給ヲ受クル場合ニ於テハ之ヲ適用セズ
第三十八條 削除
「第四節 癈疾年金及癈疾手當金」ヲ「第四節 障害年金及障害手當金」ニ改ム
第四十條 被保險者ノ資格喪失前ニ發シタル疾病又ハ負傷及之ニ因リ發シタル疾病ガ勅令ノ定ムル期間內ニ治癒シタル場合又ハ治癒セザルモ其ノ期間ヲ經過シタル場合ニ於テ勅令ノ定ムル程度ノ癈疾ノ狀態ニ在ル者ニハ其ノ程度ニ應ジ其ノ者ノ死亡ニ至ル迄障害年金ヲ支給シ又ハ一時金トシテ障害手當金ヲ支給ス
被保險者又ハ被保險者タリシ者ノ前項ノ規定ニ依ル癈疾ノ程度ハ主務大臣ノ認定スル所ニ依ル
職務外ノ事由ニ因リ癈疾ト爲リタル者ガ障害年金又ハ障害手當金ノ支給ヲ受クルニハ癈疾ト爲リタル日前六年間ニ三年以上被保險者タリシ者タルコトヲ要ス
第四十一條 障害年金ノ額ハ左ノ區別ニ依ル金額トス
一 被保險者又ハ被保險者タリシ者ガ職務上ノ事由ニ因リ癈疾ト爲リタル場合ニ於テハ平均報酬月額ニ癈疾ノ程度ニ應ジ別表第一ニ定ムル月數ヲ乘ジテ得タル金額
二 被保險者又ハ被保險者タリシ者ガ職務外ノ事由ニ因リ癈疾ト爲リタル場合ニ於テハ平均報酬月額ノ四月分ニ相當スル金額
十五年以上被保險者タリシ者ニ關シテハ其ノ者ニ支給セラルル障害年金ノ額ハ前項ノ金額ニ十五年以上一年ヲ增ス每ニ其ノ一年ニ對シ平均報酬日額ノ六日分ニ相當スル金額ヲ加ヘタル金額トス
前二項ノ規定ニ拘ラズ障害年金ノ額ハ平均報酬月額ノ十二月分ニ相當スル金額ヲ超ユルコトヲ得ズ
第四十一條ノ二 障害手當金ノ額ハ左ノ區別ニ依ル金額トス
一 被保險者又ハ被保險者タリシ者ガ職務上ノ事由ニ因リ癈疾ト爲リタル場合ニ於テハ平均報酬月額ニ癈疾ノ程度ニ應ジ別表第二ニ定ムル月數ヲ乘ジテ得タル金額
二 被保險者又ハ被保險者タリシ者ガ職務外ノ事由ニ因リ癈疾ト爲リタル場合ニ於テハ平均報酬月額ノ十月分ニ相當スル金額
第四十二條 職務上ノ事由ニ因ル癈疾ト爲リタルニ因リ障害年金ノ支給ヲ受クル者又ハ十五年以上被保險者タリシ者ニシテ職務外ノ事由ニ因ル癈疾ト爲リタルニ因リ障害年金ノ支給ヲ受クルモノガ職務外ノ事由ニ因リ死亡シタル際其ノ者ノ死亡ニ關シ遺族年金ノ支給ヲ受クベキ者ナキ場合ニ於テ旣ニ支給ヲ受ケタル障害年金ノ總額ガ障害年金ノ六年分ニ相當スル金額ニ滿タザルトキハ其ノ差額ヲ一時金トシテ其ノ遺族ニ支給ス
第四十二條ノ二 十五年未滿被保險者タリシ者ニシテ職務外ノ事由ニ因ル癈疾ト爲リタルニ因リ障害年金ノ支給ヲ受クルモノガ職務外ノ事由ニ因リ死亡シタル場合ニ於テ旣ニ支給ヲ受ケタル障害年金ノ總額ガ被保險者ノ資格喪失ノ際支給ヲ受クルコトヲ得ベカリシ脫退手當金及平均報酬月額ノ十月分ノ合算額(平均報酬月額ノ二十二月分ヲ超ユルトキハ二十二月分ニ止ム)ニ相當スル金額ニ滿タザルトキハ其ノ差額ヲ一時金トシテ其ノ遺族ニ支給ス
第四十二條ノ三 被保險者又ハ被保險者タリシ者ガ職務上ノ事由ニ因リ勅令ノ定ムル期間內ニ死亡シタル際其ノ者ノ死亡ニ關シ遺族年金ノ支給ヲ受クベキ者ナキ場合ニ於テハ平均報酬月額ノ三十六月分ニ相當スル金額ヲ一時金トシテ其ノ遺族ニ支給ス
十五年以上被保險者タリシ者ニ關シテハ其ノ遺族ニ支給セラルル一時金ノ額ハ前項ノ金額ニ十五年以上一年ヲ增ス每ニ其ノ一年ニ對シ平均報酬日額ノ三十六日分ニ相當スル金額ヲ加ヘタル金額トス
第一項ノ場合ニ於テ職務上ノ事由ニ因ル癈疾ト爲リタルニ因リ障害年金ノ支給ヲ受クル者ニ關シテハ其ノ者ガ旣ニ支給ヲ受ケタル障害年金ノ總額ガ障害年金ノ六年分ニ相當スル金額ニ滿タザル場合ニ於テ其ノ差額ガ第一項又ハ前項ノ金額ヲ超ユルトキハ其ノ超ユル部分ノ金額ニ相當スル金額ヲ第一項又ハ前項ノ金額ニ加ヘテ其ノ遺族ニ支給ス
第四十三條中「癈疾年金」ヲ「障害年金又ハ二以上ノ障害年金」ニ改ム
第四十四條、第四十八條及第四十九條中「癈疾年金」ヲ「障害年金」ニ改ム
第四十五條 養老年金又ハ障害年金ヲ受クル權利ヲ有スル者ニハ障害手當金ヲ支給セズ
同條ノ次ニ左ノ二條ヲ加フ
第四十五條ノ二 養老年金又ハ障害年金ヲ受クル權利ヲ有スル者ガ職務上ノ事由ニ因ル障害手當金ヲ受クベキ程度ノ癈疾ト爲リタル場合ニ於テハ勅令ノ定ムル所ニ依リ一時金ヲ支給ス
第四十五條ノ三 障害年金ノ支給ヲ受クル被保險者ガ其ノ資格ヲ喪失シタルトキハ前後ノ被保險者タリシ期間ヲ合算シテ障害年金ノ額ヲ改定ス
前項ノ規定ニ依リ障害年金ノ額ヲ改定スル場合ニ於テ其ノ額ガ從前ノ障害年金ノ額ヨリ少キトキハ從前ノ障害年金ノ額ヲ以テ改定障害年金ノ額トス
第四十六條 三年以上十五年未滿被保險者タリシ者ガ職務外ノ事由ニ因リ死亡シタルトキ又ハ其ノ資格ヲ喪失シタル後更ニ被保險者ト爲ルコトナクシテ一年ヲ經過シタルトキハ脫退手當金ヲ支給ス但シ其ノ者ガ障害手當金ノ支給ヲ受クルトキハ一年ヲ經過セザル場合ト雖モ之ヲ支給ス
前項ノ規定ニ拘ラズ現ニ被保險者タル者ニ對シテハ脫退手當金ハ之ヲ支給セズ
第四十七條 脫退手當金ノ額ハ平均報酬月額ニ被保險者タリシ期間ニ依リ別表第三ニ定ムル月數ヲ乘ジテ得タル金額トス但シ障害手當金ノ支給ヲ受クル者ニ支給スベキ額ハ障害手當金ノ額ト合算シテ平均報酬月額ノ二十二月分ニ相當スル金額(職務上ノ事由ニ因ル癈疾ト爲リタルニ因リ障害手當金ノ支給ヲ受クル者ニ支給スベキ脫退手當金ノ額ニ付テハ障害手當金ノ額ト合算シテ平均報酬月額ノ二十六月分ニ相當スル金額)ヲ超ユルコトヲ得ズ
第四十七條ノ二 三年以上十五年未滿被保險者タリシ者ガ職務外ノ事由ニ因リ死亡シタル場合ニ於テハ其ノ者ニ付支給セラルル脫退手當金ノ額ハ前條ノ規定ニ拘ラズ平均報酬月額ニ被保險者タリシ期間ニ依リ別表第四ニ定ムル月數ヲ乘ジテ得タル金額トス
第四十七條ノ三 六月以上三年未滿被保險者タリシ者ガ職務外ノ事由ニ因リ死亡シタルトキ其ノ他命令ヲ以テ定ムル場合ニ於テハ第四十六條第一項ノ規定ニ拘ラズ勅令ノ定ムル所ニ依リ脫退手當金ヲ支給ス
「第六節 死亡手當金」ヲ「第六節 遺族年金及葬祭料」ニ改ム
第五十條 左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ニ於テハ被保險者タリシ者ノ遺族ニ對シ遺族年金ヲ支給ス
一 十五年以上被保險者タリシ者ガ職務外ノ事由ニ因リ死亡シタルトキ
二 職務上ノ事由ニ因ル癈疾ト爲リタルニ因リ障害年金ノ支給ヲ受クル者ガ職務外ノ事由ニ因リ死亡シタルトキ
三 被保險者又ハ被保險者タリシ者ガ職務上ノ事由ニ因リ第四十二條ノ三第一項ノ規定ニ依ル勅令ノ定ムル期間內ニ死亡シタルトキ
第五十條ノ二 遺族年金ノ額ハ左ノ區別ニ依ル金額トス
一 養老年金ノ支給ヲ受クル者又ハ職務外ノ事由ニ因ル癈疾ト爲リタルニ因リ障害年金ノ支給ヲ受クル者ガ職務外ノ事由ニ因リ死亡シタル場合ニ於テハ其ノ者ニ支給セラルル養老年金又ハ障害年金ノ額ノ二分ノ一ニ該當スル金額
二 十五年以上被保險者タリシ者ガ養老年金ノ支給ヲ受クルコトナクシテ職務外ノ事由ニ因リ死亡シタル場合ニ於テハ其ノ者ガ支給ヲ受クルコトヲ得ベカリシ養老年金ノ額ノ二分ノ一ニ相當スル金額
三 職務上ノ事由ニ因ル癈疾ト爲リタルニ因リ障害年金ノ支給ヲ受クル者ガ職務外ノ事由ニ因リ死亡シタル場合ニ於テハ平均報酬月額ノ二月半分ニ相當スル金額
四 被保險者又ハ被保險者タリシ者ガ職務上ノ事由ニ因リ第四十二條ノ三第一項ノ規定ニ依ル勅令ノ定ムル期間內ニ死亡シタル場合ニ於テハ平均報酬月額ノ五月分ニ相當スル金額
前項第三號又ハ第四號ノ場合ニ於テ十五年以上被保險者タリシ者ニ關シテハ其ノ遺族ニ支給セラルル遺族年金ノ額ハ十五年以上一年ヲ增ス每ニ其ノ一年ニ對シ平均報酬日額ノ三日分ニ相當スル金額ヲ同項第三號又ハ第四號ノ金額ニ加ヘタル金額トス
第五十條ノ三 遺族年金ノ支給ヲ受クベキ遺族ノ範圍ニ屬スル子(現ニ遺族年金ノ支給ヲ受クル子ヲ除ク)アルトキハ其ノ子一人ニ付平均報酬日額ノ十日分ニ相當スル金額ヲ前條各項ノ金額ニ加給ス
第五十條ノ四 遺族年金ノ支給ヲ受クル者ガ死亡シタルトキ其ノ他勅令ヲ以テ定ムル事由ニ該當スルニ至リタルトキハ遺族年金ヲ受クル權利ヲ失フ此ノ場合ニ於テ遺族年金ノ支給ヲ受クベキ後順位者アルトキハ其ノ者ニ遺族年金ヲ支給ス
第五十條ノ五 遺族年金ノ支給ヲ受クル者ガ一年以上所在不明ナルトキハ次順位者ノ申請ニ依リ所在不明中遺族年金ノ支給ヲ停止スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ遺族年金ノ支給ヲ停止シタル場合ニ於テハ停止期間中遺族年金ハ之ヲ當該次順位者ニ轉給ス
第五十條ノ六 遺族年金ノ支給ヲ受クル者ガ遺族年金ヲ受クル權利ヲ失ヒタル場合ニ於テ遺族年金ノ支給ヲ受クベキ後順位者ナキトキハ左ノ區別ニ依ル金額ヲ一時金トシテ被保險者タリシ者ノ遺族ニ支給ス
一 養老年金又ハ障害年金ノ支給ヲ受クル者ガ職務外ノ事由ニ因リ死亡シタルニ因リ遺族年金ノ支給ヲ受ケタル場合ニ在リテハ旣ニ支給ヲ受ケタル養老年金又ハ障害年金ト其ノ遺族ガ其ノ者ノ死亡ニ關シ支給ヲ受ケタル遺族年金トノ合算額ガ養老年金又ハ障害年金ノ六年分ニ相當スル金額ニ滿タザルトキハ其ノ差額
二 十五年以上被保險者タリシ者ガ養老年金ノ支給ヲ受クルコトナクシテ職務外ノ事由ニ因リ死亡シタルニ因リ遺族年金ノ支給ヲ受ケタル場合ニ在リテハ其ノ者ノ死亡ニ關シ旣ニ支給ヲ受ケタル遺族年金ノ總額ガ其ノ者ノ支給ヲ受クルコトヲ得ベカリシ養老年金ノ六年分ニ相當スル金額ニ滿タザルトキハ其ノ差額
三 被保險者又ハ被保險者タリシ者ガ職務上ノ事由ニ因リ第四十二條ノ三第一項ノ規定ニ依ル勅令ノ定ムル期間內ニ死亡シタルニ因リ遺族年金ノ支給ヲ受ケタル場合ニ在リテハ其ノ者ノ死亡ニ關シ旣ニ支給ヲ受ケタル遺族年金ノ總額ガ同條各項ノ區分ニ準ジ其ノ一時金ニ相當スル金額ニ滿タザルトキハ其ノ差額
第五十條ノ七 左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ニ於テハ被保險者タリシ者ノ遺族ニ對シ葬祭料トシテ被保險者ノ資格喪失當時ノ報酬月額ノ二月分ニ相當スル金額ヲ支給ス
一 被保險者ガ死亡シタルトキ
二 被保險者タリシ者ガ其ノ資格喪失後三月以內ニ死亡シタルトキ
三 被保險者タリシ者ニシテ療養ノ給付ヲ受クルモノガ死亡シタルトキ
四 被保險者タリシ者ニシテ療養ノ給付ヲ受ケタルモノガ其ノ給付ヲ受ケザルニ至リタル日後三月以內ニ死亡シタルトキ
被保險者又ハ被保險者タリシ者ガ死亡シタル場合ニ於テ前項ノ規定ニ依リ葬祭料ノ支給ヲ受クベキ者ナキトキハ葬祭ヲ行ヒタル者ニ對シ前項ノ金額ノ範圍內ニ於テ其ノ葬祭ニ要シタル費用ニ相當スル金額ノ葬祭料ヲ支給ス
第五十一條 被保險者又ハ被保險者タリシ者ガ自己ノ故意ノ犯罪行爲ニ因リ又ハ故意ニ事故ヲ生ゼシメタルトキハ療養ノ給付又ハ傷病手當金、障害年金、障害手當金、第四十五條ノ二ノ規定ニ依ル一時金、遺族年金若ハ葬祭料ノ支給ヲ爲サズ
第二十七條ノ二ノ規定ニ依ル支給金、第三十六條、第三十七條、第四十二條乃至第四十二條ノ三若ハ第五十條ノ六ノ規定ニ依ル一時金、遺族年金又ハ葬祭料ノ支給ヲ受クベキ者ガ被保險者、被保險者タリシ者、第二十七條ノ二ノ規定ニ依ル支給金ノ支給ヲ受クル者又ハ遺族年金ノ支給ヲ受クル者ヲ故意ニ死ニ致シタルトキハ其ノ者ニ對シテハ支給ヲ爲サズ此ノ場合ニ於テ後順位者アルトキハ其ノ者ニ支給ヲ爲ス
第五十二條中「癈疾年金若ハ癈疾手當金」ヲ「障害年金、障害手當金若ハ第四十五條ノ二ノ規定ニ依ル一時金」ニ改ム
第五十六條第一項中「癈疾年金」ヲ「障害年金」ニ、同條第二項中「癈疾年金若ハ癈疾手當金」ヲ「障害年金若ハ障害手當金」ニ改ム
第五十七條中「又ハ癈疾年金」ヲ「、障害年金又ハ遺族年金」ニ改ム
第五十八條第一項中「及傷病手當金」ヲ「、傷病手當金及葬祭料」ニ、同條第三項中「前二項」ヲ「前項及第七十六條」ニ改メ同條第二項ヲ削ル
第六十條 被保險者及被保險者ヲ使用スル船舶所有者ハ各保險料額ノ二分ノ一ヲ負擔ス但シ勅令ノ定ムル所ニ依リ船舶所有者ノ負擔スベキ割合ヲ增加スルコトヲ得
第二十條ノ規定ニ依ル被保險者ハ前項ノ規定ニ拘ラズ保險料額ノ全額ヲ負擔ス
第六十條ノ二 被保險者ガ陸海軍ニ徵集又ハ召集セラレタル場合ニ於テハ勅令ノ定ムル所ニ依リ其ノ期間保險料ヲ徵收セズ
第七十二條中「關東州船員令ニ依ル船員」ヲ「關東州船員保險令ニ依ル被保險者」ニ改ム
第八章 戰時特例
第七十三條 大東亞戰爭ニ際シ被保險者ガ勅令ヲ以テ指定スル區域ヲ主トシテ航行スル船舶(主務大臣ノ指定スル船舶ヲ除ク)ニ被保險者トシテ乘組ミタルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ其ノ期間ニ於ケル被保險者タリシ期間ノ一月ニ付二月以內ヲ加算ス
前項ノ場合ニ於テ被保險者ガ同項ニ規定スル區域ヲ航行中戰爭危險又ハ之ニ準ズベキ危險ニ遭遇シ因リテ癈疾ト爲リ障害年金ノ支給ヲ受クベキトキ若ハ第四十二條ノ三第一項ノ規定ニ依ル勅令ノ定ムル期間內ニ死亡シタルトキ又ハ特別ノ事由アル場合ニ於テハ前項ノ規定ニ拘ラズ勅令ノ定ムル所ニ依リ同項ニ規定スル船舶ニ乘組ミタル期間ニ於ケル被保險者タリシ期間ノ一月ニ付三月以內ヲ加算ス
第七十四條 昭和十六年十二月八日以後障害年金及障害手當金ニ關スル規定施行ノ日前ニ於テ被保險者トシテ船舶ニ乘組ミ職務ニ從事中戰爭危險又ハ之ニ準ズベキ危險ニ遭遇シ因リテ障害年金及障害手當金ニ關スル規定施行ノ日ニ於テ障害年金又ハ障害手當金ノ支給ヲ受クベキ程度ノ癈疾ノ狀態ニ在ル者ニ對シテハ障害年金及障害手當金ニ關スル規定施行ノ日前ニ於テ癈疾ト爲リタル場合ト雖モ勅令ノ定ムル所ニ依リ其ノ癈疾ノ程度ニ應ジ障害年金又ハ障害手當金ヲ支給ス
第七十五條 昭和十六年十二月八日以後遺族年金ニ關スル規定及第四十二條ノ三ノ規定施行ノ日前ニ於テ被保險者トシテ船舶ニ乘組ミ職務ニ從事中戰爭危險又ハ之ニ準ズベキ危險ニ遭遇シ因リテ死亡シタル者ニ關シテハ遺族年金ニ關スル規定及第四十二條ノ三ノ規定施行ノ日前ニ於テ死亡シタル場合ト雖モ勅令ノ定ムル所ニ依リ其ノ遺族ニ對シ遺族年金又ハ第四十二條ノ三ノ規定ニ依ル一時金ヲ支給ス
第七十六條 國庫ハ第五十八條第一項ノ規定ニ拘ラズ第七十三條ノ規定ニ依リ增加スベキ保險給付ニ要スル費用ヲ負擔ス
國庫ハ第五十八條第一項ノ規定ニ拘ラズ勅令ノ定ムル所ニ依リ大東亞戰爭ニ際シ被保險者トシテ船舶ニ乘組ミ職務ニ從事中戰爭危險又ハ之ニ準ズベキ危險ニ遭遇シ因リテ癈疾ト爲リ又ハ死亡シタル者ニ關シ支給スベキ障害年金、障害手當金、遺族年金又ハ第四十二條、第四十二條ノ三、第四十五條ノ二若ハ第五十條ノ六ノ規定ニ依ル一時金ノ支給ニ要スル費用ヲ負擔ス
附則第二項中「別段ノ定ヲ爲スコトヲ得」ノ下ニ「但シ第四十二條ノ三若ハ第四十七條ノ二又ハ第五十條第三號ノ規定ニ該當スル者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ」ヲ加ヘ同項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ規定ニ依リ脫退手當金ノ支給ヲ受クル者ニハ第四十七條ノ三ノ規定ニ依ル脫退手當金ヲ支給セズ
附 則
第一條 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二條 第七十三條ノ規定ハ昭和十九年一月一日以後同條ノ船舶ニ乘組ミタル期間ニ之ヲ適用ス
昭和十九年一月一日前ニ於ケル被保險者タリシ期間ノ加算及之ニ因リ增加スベキ保險給付ニ要スル費用ノ負擔ニ關シテハ仍從前ノ例ニ依ル
第三條 第七十四條及第七十五條ノ規定ニ依ル障害年金又ハ遺族年金ハ第二十四條ノ規定ニ拘ラズ本法施行ノ日ヨリ之ヲ支給ス
第四條 本法施行ノ際癈疾年金ノ支給ヲ受クル者ニ對スル障害年金ノ支給及其ノ者ガ死亡シタル場合ニ於ケル第四十二條ノ改正規定又ハ第四十二條ノ二ノ規定ニ依ル一時金ノ支給ニ關シ必要ナル事項ハ主務大臣之ヲ定ム
第五條 昭和十五年法律第十四號中左ノ通改正ス
第一條及第二條中「及傷病手當金」ヲ「、傷病手當金及葬祭料」ニ改ム
第六條 船員法中左ノ通改正ス
第二十九條ニ左ノ一項ヲ加フ
般員保險法ニ依リ療養ノ給付、傷病手當金又ハ葬祭料ヲ支給セラルベキトキハ船舶所有者ハ前項ノ規定ニ拘ラズ其ノ保險給付ノ限度ニ於テ同項ノ規定ニ依ル扶助、手當ノ支給又ハ葬祭ノ費用ノ負擔ヲ爲スコトヲ要セズ
別表第一
癈疾ノ程度
月數
一級
八・〇月
二級
七・〇
三級
六・五
四級
六・〇
五級
五・五
六級
五・〇
別表第二
癈疾ノ程度
月數
一級
二五月
二級
二〇
三級
一五
四級
一二
五級
六級
七級
八級
別表第三
被保險者タリシ期間
月數
三年以上
三・〇月
四年以上
四・〇
五年以上
五・〇
六年以上
六・〇
七年以上
七・〇
八年以上
八・五
九年以上
一〇・〇
一〇年以上
一一・五
一一年以上
一三・〇
一二年以上
一四・五
一三年以上
一六・〇
一四年以上
一八・〇
別表第四
被保險者タリシ期間
月數
三年以上
五・〇月
四年以上
六・五
五年以上
八・〇
六年以上
九・五
七年以上
一一・〇
八年以上
一二・五
九年以上
一四・〇
一〇年以上
一五・五
一一年以上
一七・〇
一二年以上
一九・〇
一三年以上
二一・〇
一四年以上
二三・〇
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル船員保険法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年二月十七日
内閣総理大臣 小磯国昭
大東亜大臣 重光葵
大蔵大臣 石渡荘太郎
運輸通信大臣 前田米蔵
内務大臣 大達茂雄
厚生大臣 相川勝六
法律第二十四号
船員保険法中左ノ通改正ス
第三条第一項ヲ左ノ如ク改ム
本法ニ於テ報酬ト称スルハ船舶所有者ニ使用セラルル者ガ職務執行ノ対償トシテ受クル給料及之ニ準ズベキモノヲ謂フ
第五条 保険料其ノ他本法ニ依ル徴収金ヲ徴収シ又ハ其ノ還付ヲ受クル権利及療養費、傷病手当金、障害手当金、葬祭料又ハ第四十五条ノ二ノ規定ニ依ル一時金ヲ受クル権利ハ一年ヲ経過シタルトキ、養老年金、障害年金、脱退手当金、遺族年金又ハ第三十六条、第三十七条、第四十二条乃至第四十二条ノ三、第四十九条若ハ第五十条ノ六ノ規定ニ依ル一時金ヲ受クル権利ハ五年ヲ経過シタルトキハ時効ニ因リテ消滅ス
第九条及第六十一条中「雇傭」ヲ「使用」ニ改ム
第十二条第三項中「市町村」ヲ「市町村(東京都ノ区ノ存スル区域ニ於テハ東京都)」ニ、同条第四項中「市町村ニ」ヲ「市町村(東京都ノ区ノ存スル区域ニ於テハ東京都)ニ」ニ、「市町村ハ」ヲ「市町村(東京都ノ区ノ存スル区域ニ於テハ東京都)ハ」ニ改ム
第十五条中「国、北海道、府県、市町村其ノ他之ニ準ズベキモノノ所有ニ属スル船舶ニ乗組ム船員」ヲ「国、東京都、北海道、府県、市町村其ノ他之ニ準ズベキモノニ使用セラルル者」ニ改ム
第十七条 船員法第一条ニ規定スル船員又ハ同法同条ニ規定スル船員タルベキ者(以下船員ト総称ス)トシテ船舶所有者ニ使用セラルル者ハ船員保険ノ被保険者トス但シ左ニ掲グル者ハ此ノ限ニ在ラズ
一 日本ノ国籍ヲ有セザル者
二 前号ニ掲グル者ノ外勅令ヲ以テ指定スル者
第十八条 被保険者ハ船員トシテ船舶所有者ニ使用セラルルニ至リタル日又ハ前条各号ノ規定ニ該当セザルニ至リタル日ヨリ其ノ資格ヲ取得ス
第十九条中「船舶ニ乗組マザルニ至リタル日、第十七条各号ノ規定ノ一ニ該当スルニ至リタル日又ハ日本ノ国籍ヲ失ヒタル日」ヲ「船員トシテ船舶所有者ニ使用セラレザルニ至リタル日又ハ第十七条各号ノ一ニ該当スルニ至リタル日」ニ改ム
第二十条第一項中「十年」ヲ「七年」ニ改メ同条第二項ヲ左ノ如ク改ム
前項ノ規定ニ依ル被保険者ニ関シテハ老齢、脱退又ハ死亡ニ関スル保険給付(葬祭料ヲ除ク)ニ限リ之ヲ為スモノトス
第二十二条第一項但書ヲ削リ同条第二項ヲ左ノ如ク改ム
前項ノ規定ニ拘ラズ被保険者ノ資格ヲ取得シタル月ニ於テ其ノ資格ヲ喪失シタル場合ニ於テハ其ノ月ハ一月トシテ之ヲ被保険者タリシ期間ニ加算ス
第二十二条ノ二ヲ削ル
第二十三条中「第三十六条、第三十七条若ハ第四十二条ノ規定ニ依ル一時金又ハ死亡手当金」ヲ「遺族年金、葬祭料、第三十六条、第三十七条、第四十二条乃至第四十二条ノ三若ハ第五十条ノ六ノ規定ニ依ル一時金又ハ第二十七条ノ二ノ規定ニ依ル支給金」ニ改ム
第二十四条中「及廃疾年金」ヲ「、障害年金及遺族年金」ニ改ム
第二十七条ノ次ニ左ノ一条ヲ加フ
第二十七条ノ二 保険給付ヲ受クル権利ヲ有スル者ガ死亡シタル場合ニ於テ其ノ者ガ支給ヲ受クベキ保険給付ニシテ未ダ其ノ支給ヲ受ケザリシモノ又ハ被保険者若ハ被保険者タリシ者ガ死亡シタルニ因リ支給スベキ脱退手当金ハ之ヲ被保険者タリシ者ノ遺族ニ支給ス
第二十八条第二項ヲ削ル
第三十条 被保険者又ハ被保険者タリシ者ガ療養ノ為職務ニ服スルコト能ハザルトキハ其ノ期間傷病手当金トシテ一日ニ付報酬日額(被保険者タリシ者ニ在リテハ被保険者ノ資格喪失当時ノ報酬日額)ノ百分ノ六十ニ相当スル金額ヲ支給ス
第三十一条中「被保険者タリシ者」ヲ「被保険者又ハ被保険者タリシ者」ニ改ム
第三十二条 療養ノ給付及傷病手当金ノ支給ハ勅令ヲ以テ定ムル事由ニ該当スルニ至リタルトキハ之ヲ為サズ
第三十五条 養老年金ノ額ハ被保険者タリシ全期間ノ平均報酬月額(以下平均報酬月額ト称ス)ノ四月分ニ相当スル金額トシ被保険者タリシ期間十五年以上一年ヲ増ス毎ニ其ノ一年ニ対シ平均報酬月額(平均報酬月額ノ三十分ノ一ノ額トス以下同ジ)ノ六月分ニ相当スル金額ヲ加ヘタル金額トス
第三十六条 養老年金ノ支給ヲ受クル者ガ職務上ノ事由以外ノ事由(以下職務外ノ事由ト称ス)ニ因リ死亡シタル際其ノ者ノ死亡ニ関シ遺族年金ノ支給ヲ受クベキ者ナキ場合ニ於テ既ニ支給ヲ受ケタル養老年金ノ総額ガ養老年金ノ六年分ニ相当スル金額ニ満タザルトキハ其ノ差額ヲ一時金トシテ其ノ遺族ニ支給ス
第三十七条 十五年以上被保険者タリシ者ガ養老年金ノ支給ヲ受クルコトナクシテ職務外ノ事由ニ因リ死亡シタル際其ノ者ノ死亡ニ関シ遺族年金ノ支給ヲ受クベキ者ナキ場合ニ於テハ其ノ者ガ支給ヲ受クルコトヲ得ベカリシ養老年金ノ六年分ニ相当スル金額ヲ一時金トシテ其ノ遺族ニ支給ス
前項ノ規定ハ第四十二条ノ規定ニ依ル一時金ノ支給ヲ受クル場合ニ於テハ之ヲ適用セズ
第三十八条 削除
「第四節 廃疾年金及廃疾手当金」ヲ「第四節 障害年金及障害手当金」ニ改ム
第四十条 被保険者ノ資格喪失前ニ発シタル疾病又ハ負傷及之ニ因リ発シタル疾病ガ勅令ノ定ムル期間内ニ治癒シタル場合又ハ治癒セザルモ其ノ期間ヲ経過シタル場合ニ於テ勅令ノ定ムル程度ノ廃疾ノ状態ニ在ル者ニハ其ノ程度ニ応ジ其ノ者ノ死亡ニ至ル迄障害年金ヲ支給シ又ハ一時金トシテ障害手当金ヲ支給ス
被保険者又ハ被保険者タリシ者ノ前項ノ規定ニ依ル廃疾ノ程度ハ主務大臣ノ認定スル所ニ依ル
職務外ノ事由ニ因リ廃疾ト為リタル者ガ障害年金又ハ障害手当金ノ支給ヲ受クルニハ廃疾ト為リタル日前六年間ニ三年以上被保険者タリシ者タルコトヲ要ス
第四十一条 障害年金ノ額ハ左ノ区別ニ依ル金額トス
一 被保険者又ハ被保険者タリシ者ガ職務上ノ事由ニ因リ廃疾ト為リタル場合ニ於テハ平均報酬月額ニ廃疾ノ程度ニ応ジ別表第一ニ定ムル月数ヲ乗ジテ得タル金額
二 被保険者又ハ被保険者タリシ者ガ職務外ノ事由ニ因リ廃疾ト為リタル場合ニ於テハ平均報酬月額ノ四月分ニ相当スル金額
十五年以上被保険者タリシ者ニ関シテハ其ノ者ニ支給セラルル障害年金ノ額ハ前項ノ金額ニ十五年以上一年ヲ増ス毎ニ其ノ一年ニ対シ平均報酬日額ノ六日分ニ相当スル金額ヲ加ヘタル金額トス
前二項ノ規定ニ拘ラズ障害年金ノ額ハ平均報酬月額ノ十二月分ニ相当スル金額ヲ超ユルコトヲ得ズ
第四十一条ノ二 障害手当金ノ額ハ左ノ区別ニ依ル金額トス
一 被保険者又ハ被保険者タリシ者ガ職務上ノ事由ニ因リ廃疾ト為リタル場合ニ於テハ平均報酬月額ニ廃疾ノ程度ニ応ジ別表第二ニ定ムル月数ヲ乗ジテ得タル金額
二 被保険者又ハ被保険者タリシ者ガ職務外ノ事由ニ因リ廃疾ト為リタル場合ニ於テハ平均報酬月額ノ十月分ニ相当スル金額
第四十二条 職務上ノ事由ニ因ル廃疾ト為リタルニ因リ障害年金ノ支給ヲ受クル者又ハ十五年以上被保険者タリシ者ニシテ職務外ノ事由ニ因ル廃疾ト為リタルニ因リ障害年金ノ支給ヲ受クルモノガ職務外ノ事由ニ因リ死亡シタル際其ノ者ノ死亡ニ関シ遺族年金ノ支給ヲ受クベキ者ナキ場合ニ於テ既ニ支給ヲ受ケタル障害年金ノ総額ガ障害年金ノ六年分ニ相当スル金額ニ満タザルトキハ其ノ差額ヲ一時金トシテ其ノ遺族ニ支給ス
第四十二条ノ二 十五年未満被保険者タリシ者ニシテ職務外ノ事由ニ因ル廃疾ト為リタルニ因リ障害年金ノ支給ヲ受クルモノガ職務外ノ事由ニ因リ死亡シタル場合ニ於テ既ニ支給ヲ受ケタル障害年金ノ総額ガ被保険者ノ資格喪失ノ際支給ヲ受クルコトヲ得ベカリシ脱退手当金及平均報酬月額ノ十月分ノ合算額(平均報酬月額ノ二十二月分ヲ超ユルトキハ二十二月分ニ止ム)ニ相当スル金額ニ満タザルトキハ其ノ差額ヲ一時金トシテ其ノ遺族ニ支給ス
第四十二条ノ三 被保険者又ハ被保険者タリシ者ガ職務上ノ事由ニ因リ勅令ノ定ムル期間内ニ死亡シタル際其ノ者ノ死亡ニ関シ遺族年金ノ支給ヲ受クベキ者ナキ場合ニ於テハ平均報酬月額ノ三十六月分ニ相当スル金額ヲ一時金トシテ其ノ遺族ニ支給ス
十五年以上被保険者タリシ者ニ関シテハ其ノ遺族ニ支給セラルル一時金ノ額ハ前項ノ金額ニ十五年以上一年ヲ増ス毎ニ其ノ一年ニ対シ平均報酬日額ノ三十六日分ニ相当スル金額ヲ加ヘタル金額トス
第一項ノ場合ニ於テ職務上ノ事由ニ因ル廃疾ト為リタルニ因リ障害年金ノ支給ヲ受クル者ニ関シテハ其ノ者ガ既ニ支給ヲ受ケタル障害年金ノ総額ガ障害年金ノ六年分ニ相当スル金額ニ満タザル場合ニ於テ其ノ差額ガ第一項又ハ前項ノ金額ヲ超ユルトキハ其ノ超ユル部分ノ金額ニ相当スル金額ヲ第一項又ハ前項ノ金額ニ加ヘテ其ノ遺族ニ支給ス
第四十三条中「廃疾年金」ヲ「障害年金又ハ二以上ノ障害年金」ニ改ム
第四十四条、第四十八条及第四十九条中「廃疾年金」ヲ「障害年金」ニ改ム
第四十五条 養老年金又ハ障害年金ヲ受クル権利ヲ有スル者ニハ障害手当金ヲ支給セズ
同条ノ次ニ左ノ二条ヲ加フ
第四十五条ノ二 養老年金又ハ障害年金ヲ受クル権利ヲ有スル者ガ職務上ノ事由ニ因ル障害手当金ヲ受クベキ程度ノ廃疾ト為リタル場合ニ於テハ勅令ノ定ムル所ニ依リ一時金ヲ支給ス
第四十五条ノ三 障害年金ノ支給ヲ受クル被保険者ガ其ノ資格ヲ喪失シタルトキハ前後ノ被保険者タリシ期間ヲ合算シテ障害年金ノ額ヲ改定ス
前項ノ規定ニ依リ障害年金ノ額ヲ改定スル場合ニ於テ其ノ額ガ従前ノ障害年金ノ額ヨリ少キトキハ従前ノ障害年金ノ額ヲ以テ改定障害年金ノ額トス
第四十六条 三年以上十五年未満被保険者タリシ者ガ職務外ノ事由ニ因リ死亡シタルトキ又ハ其ノ資格ヲ喪失シタル後更ニ被保険者ト為ルコトナクシテ一年ヲ経過シタルトキハ脱退手当金ヲ支給ス但シ其ノ者ガ障害手当金ノ支給ヲ受クルトキハ一年ヲ経過セザル場合ト雖モ之ヲ支給ス
前項ノ規定ニ拘ラズ現ニ被保険者タル者ニ対シテハ脱退手当金ハ之ヲ支給セズ
第四十七条 脱退手当金ノ額ハ平均報酬月額ニ被保険者タリシ期間ニ依リ別表第三ニ定ムル月数ヲ乗ジテ得タル金額トス但シ障害手当金ノ支給ヲ受クル者ニ支給スベキ額ハ障害手当金ノ額ト合算シテ平均報酬月額ノ二十二月分ニ相当スル金額(職務上ノ事由ニ因ル廃疾ト為リタルニ因リ障害手当金ノ支給ヲ受クル者ニ支給スベキ脱退手当金ノ額ニ付テハ障害手当金ノ額ト合算シテ平均報酬月額ノ二十六月分ニ相当スル金額)ヲ超ユルコトヲ得ズ
第四十七条ノ二 三年以上十五年未満被保険者タリシ者ガ職務外ノ事由ニ因リ死亡シタル場合ニ於テハ其ノ者ニ付支給セラルル脱退手当金ノ額ハ前条ノ規定ニ拘ラズ平均報酬月額ニ被保険者タリシ期間ニ依リ別表第四ニ定ムル月数ヲ乗ジテ得タル金額トス
第四十七条ノ三 六月以上三年未満被保険者タリシ者ガ職務外ノ事由ニ因リ死亡シタルトキ其ノ他命令ヲ以テ定ムル場合ニ於テハ第四十六条第一項ノ規定ニ拘ラズ勅令ノ定ムル所ニ依リ脱退手当金ヲ支給ス
「第六節 死亡手当金」ヲ「第六節 遺族年金及葬祭料」ニ改ム
第五十条 左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニ於テハ被保険者タリシ者ノ遺族ニ対シ遺族年金ヲ支給ス
一 十五年以上被保険者タリシ者ガ職務外ノ事由ニ因リ死亡シタルトキ
二 職務上ノ事由ニ因ル廃疾ト為リタルニ因リ障害年金ノ支給ヲ受クル者ガ職務外ノ事由ニ因リ死亡シタルトキ
三 被保険者又ハ被保険者タリシ者ガ職務上ノ事由ニ因リ第四十二条ノ三第一項ノ規定ニ依ル勅令ノ定ムル期間内ニ死亡シタルトキ
第五十条ノ二 遺族年金ノ額ハ左ノ区別ニ依ル金額トス
一 養老年金ノ支給ヲ受クル者又ハ職務外ノ事由ニ因ル廃疾ト為リタルニ因リ障害年金ノ支給ヲ受クル者ガ職務外ノ事由ニ因リ死亡シタル場合ニ於テハ其ノ者ニ支給セラルル養老年金又ハ障害年金ノ額ノ二分ノ一ニ該当スル金額
二 十五年以上被保険者タリシ者ガ養老年金ノ支給ヲ受クルコトナクシテ職務外ノ事由ニ因リ死亡シタル場合ニ於テハ其ノ者ガ支給ヲ受クルコトヲ得ベカリシ養老年金ノ額ノ二分ノ一ニ相当スル金額
三 職務上ノ事由ニ因ル廃疾ト為リタルニ因リ障害年金ノ支給ヲ受クル者ガ職務外ノ事由ニ因リ死亡シタル場合ニ於テハ平均報酬月額ノ二月半分ニ相当スル金額
四 被保険者又ハ被保険者タリシ者ガ職務上ノ事由ニ因リ第四十二条ノ三第一項ノ規定ニ依ル勅令ノ定ムル期間内ニ死亡シタル場合ニ於テハ平均報酬月額ノ五月分ニ相当スル金額
前項第三号又ハ第四号ノ場合ニ於テ十五年以上被保険者タリシ者ニ関シテハ其ノ遺族ニ支給セラルル遺族年金ノ額ハ十五年以上一年ヲ増ス毎ニ其ノ一年ニ対シ平均報酬日額ノ三日分ニ相当スル金額ヲ同項第三号又ハ第四号ノ金額ニ加ヘタル金額トス
第五十条ノ三 遺族年金ノ支給ヲ受クベキ遺族ノ範囲ニ属スル子(現ニ遺族年金ノ支給ヲ受クル子ヲ除ク)アルトキハ其ノ子一人ニ付平均報酬日額ノ十日分ニ相当スル金額ヲ前条各項ノ金額ニ加給ス
第五十条ノ四 遺族年金ノ支給ヲ受クル者ガ死亡シタルトキ其ノ他勅令ヲ以テ定ムル事由ニ該当スルニ至リタルトキハ遺族年金ヲ受クル権利ヲ失フ此ノ場合ニ於テ遺族年金ノ支給ヲ受クベキ後順位者アルトキハ其ノ者ニ遺族年金ヲ支給ス
第五十条ノ五 遺族年金ノ支給ヲ受クル者ガ一年以上所在不明ナルトキハ次順位者ノ申請ニ依リ所在不明中遺族年金ノ支給ヲ停止スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ遺族年金ノ支給ヲ停止シタル場合ニ於テハ停止期間中遺族年金ハ之ヲ当該次順位者ニ転給ス
第五十条ノ六 遺族年金ノ支給ヲ受クル者ガ遺族年金ヲ受クル権利ヲ失ヒタル場合ニ於テ遺族年金ノ支給ヲ受クベキ後順位者ナキトキハ左ノ区別ニ依ル金額ヲ一時金トシテ被保険者タリシ者ノ遺族ニ支給ス
一 養老年金又ハ障害年金ノ支給ヲ受クル者ガ職務外ノ事由ニ因リ死亡シタルニ因リ遺族年金ノ支給ヲ受ケタル場合ニ在リテハ既ニ支給ヲ受ケタル養老年金又ハ障害年金ト其ノ遺族ガ其ノ者ノ死亡ニ関シ支給ヲ受ケタル遺族年金トノ合算額ガ養老年金又ハ障害年金ノ六年分ニ相当スル金額ニ満タザルトキハ其ノ差額
二 十五年以上被保険者タリシ者ガ養老年金ノ支給ヲ受クルコトナクシテ職務外ノ事由ニ因リ死亡シタルニ因リ遺族年金ノ支給ヲ受ケタル場合ニ在リテハ其ノ者ノ死亡ニ関シ既ニ支給ヲ受ケタル遺族年金ノ総額ガ其ノ者ノ支給ヲ受クルコトヲ得ベカリシ養老年金ノ六年分ニ相当スル金額ニ満タザルトキハ其ノ差額
三 被保険者又ハ被保険者タリシ者ガ職務上ノ事由ニ因リ第四十二条ノ三第一項ノ規定ニ依ル勅令ノ定ムル期間内ニ死亡シタルニ因リ遺族年金ノ支給ヲ受ケタル場合ニ在リテハ其ノ者ノ死亡ニ関シ既ニ支給ヲ受ケタル遺族年金ノ総額ガ同条各項ノ区分ニ準ジ其ノ一時金ニ相当スル金額ニ満タザルトキハ其ノ差額
第五十条ノ七 左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニ於テハ被保険者タリシ者ノ遺族ニ対シ葬祭料トシテ被保険者ノ資格喪失当時ノ報酬月額ノ二月分ニ相当スル金額ヲ支給ス
一 被保険者ガ死亡シタルトキ
二 被保険者タリシ者ガ其ノ資格喪失後三月以内ニ死亡シタルトキ
三 被保険者タリシ者ニシテ療養ノ給付ヲ受クルモノガ死亡シタルトキ
四 被保険者タリシ者ニシテ療養ノ給付ヲ受ケタルモノガ其ノ給付ヲ受ケザルニ至リタル日後三月以内ニ死亡シタルトキ
被保険者又ハ被保険者タリシ者ガ死亡シタル場合ニ於テ前項ノ規定ニ依リ葬祭料ノ支給ヲ受クベキ者ナキトキハ葬祭ヲ行ヒタル者ニ対シ前項ノ金額ノ範囲内ニ於テ其ノ葬祭ニ要シタル費用ニ相当スル金額ノ葬祭料ヲ支給ス
第五十一条 被保険者又ハ被保険者タリシ者ガ自己ノ故意ノ犯罪行為ニ因リ又ハ故意ニ事故ヲ生ゼシメタルトキハ療養ノ給付又ハ傷病手当金、障害年金、障害手当金、第四十五条ノ二ノ規定ニ依ル一時金、遺族年金若ハ葬祭料ノ支給ヲ為サズ
第二十七条ノ二ノ規定ニ依ル支給金、第三十六条、第三十七条、第四十二条乃至第四十二条ノ三若ハ第五十条ノ六ノ規定ニ依ル一時金、遺族年金又ハ葬祭料ノ支給ヲ受クベキ者ガ被保険者、被保険者タリシ者、第二十七条ノ二ノ規定ニ依ル支給金ノ支給ヲ受クル者又ハ遺族年金ノ支給ヲ受クル者ヲ故意ニ死ニ致シタルトキハ其ノ者ニ対シテハ支給ヲ為サズ此ノ場合ニ於テ後順位者アルトキハ其ノ者ニ支給ヲ為ス
第五十二条中「廃疾年金若ハ廃疾手当金」ヲ「障害年金、障害手当金若ハ第四十五条ノ二ノ規定ニ依ル一時金」ニ改ム
第五十六条第一項中「廃疾年金」ヲ「障害年金」ニ、同条第二項中「廃疾年金若ハ廃疾手当金」ヲ「障害年金若ハ障害手当金」ニ改ム
第五十七条中「又ハ廃疾年金」ヲ「、障害年金又ハ遺族年金」ニ改ム
第五十八条第一項中「及傷病手当金」ヲ「、傷病手当金及葬祭料」ニ、同条第三項中「前二項」ヲ「前項及第七十六条」ニ改メ同条第二項ヲ削ル
第六十条 被保険者及被保険者ヲ使用スル船舶所有者ハ各保険料額ノ二分ノ一ヲ負担ス但シ勅令ノ定ムル所ニ依リ船舶所有者ノ負担スベキ割合ヲ増加スルコトヲ得
第二十条ノ規定ニ依ル被保険者ハ前項ノ規定ニ拘ラズ保険料額ノ全額ヲ負担ス
第六十条ノ二 被保険者ガ陸海軍ニ徴集又ハ召集セラレタル場合ニ於テハ勅令ノ定ムル所ニ依リ其ノ期間保険料ヲ徴収セズ
第七十二条中「関東州船員令ニ依ル船員」ヲ「関東州船員保険令ニ依ル被保険者」ニ改ム
第八章 戦時特例
第七十三条 大東亜戦争ニ際シ被保険者ガ勅令ヲ以テ指定スル区域ヲ主トシテ航行スル船舶(主務大臣ノ指定スル船舶ヲ除ク)ニ被保険者トシテ乗組ミタルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ其ノ期間ニ於ケル被保険者タリシ期間ノ一月ニ付二月以内ヲ加算ス
前項ノ場合ニ於テ被保険者ガ同項ニ規定スル区域ヲ航行中戦争危険又ハ之ニ準ズベキ危険ニ遭遇シ因リテ廃疾ト為リ障害年金ノ支給ヲ受クベキトキ若ハ第四十二条ノ三第一項ノ規定ニ依ル勅令ノ定ムル期間内ニ死亡シタルトキ又ハ特別ノ事由アル場合ニ於テハ前項ノ規定ニ拘ラズ勅令ノ定ムル所ニ依リ同項ニ規定スル船舶ニ乗組ミタル期間ニ於ケル被保険者タリシ期間ノ一月ニ付三月以内ヲ加算ス
第七十四条 昭和十六年十二月八日以後障害年金及障害手当金ニ関スル規定施行ノ日前ニ於テ被保険者トシテ船舶ニ乗組ミ職務ニ従事中戦争危険又ハ之ニ準ズベキ危険ニ遭遇シ因リテ障害年金及障害手当金ニ関スル規定施行ノ日ニ於テ障害年金又ハ障害手当金ノ支給ヲ受クベキ程度ノ廃疾ノ状態ニ在ル者ニ対シテハ障害年金及障害手当金ニ関スル規定施行ノ日前ニ於テ廃疾ト為リタル場合ト雖モ勅令ノ定ムル所ニ依リ其ノ廃疾ノ程度ニ応ジ障害年金又ハ障害手当金ヲ支給ス
第七十五条 昭和十六年十二月八日以後遺族年金ニ関スル規定及第四十二条ノ三ノ規定施行ノ日前ニ於テ被保険者トシテ船舶ニ乗組ミ職務ニ従事中戦争危険又ハ之ニ準ズベキ危険ニ遭遇シ因リテ死亡シタル者ニ関シテハ遺族年金ニ関スル規定及第四十二条ノ三ノ規定施行ノ日前ニ於テ死亡シタル場合ト雖モ勅令ノ定ムル所ニ依リ其ノ遺族ニ対シ遺族年金又ハ第四十二条ノ三ノ規定ニ依ル一時金ヲ支給ス
第七十六条 国庫ハ第五十八条第一項ノ規定ニ拘ラズ第七十三条ノ規定ニ依リ増加スベキ保険給付ニ要スル費用ヲ負担ス
国庫ハ第五十八条第一項ノ規定ニ拘ラズ勅令ノ定ムル所ニ依リ大東亜戦争ニ際シ被保険者トシテ船舶ニ乗組ミ職務ニ従事中戦争危険又ハ之ニ準ズベキ危険ニ遭遇シ因リテ廃疾ト為リ又ハ死亡シタル者ニ関シ支給スベキ障害年金、障害手当金、遺族年金又ハ第四十二条、第四十二条ノ三、第四十五条ノ二若ハ第五十条ノ六ノ規定ニ依ル一時金ノ支給ニ要スル費用ヲ負担ス
附則第二項中「別段ノ定ヲ為スコトヲ得」ノ下ニ「但シ第四十二条ノ三若ハ第四十七条ノ二又ハ第五十条第三号ノ規定ニ該当スル者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ」ヲ加ヘ同項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ規定ニ依リ脱退手当金ノ支給ヲ受クル者ニハ第四十七条ノ三ノ規定ニ依ル脱退手当金ヲ支給セズ
附 則
第一条 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二条 第七十三条ノ規定ハ昭和十九年一月一日以後同条ノ船舶ニ乗組ミタル期間ニ之ヲ適用ス
昭和十九年一月一日前ニ於ケル被保険者タリシ期間ノ加算及之ニ因リ増加スベキ保険給付ニ要スル費用ノ負担ニ関シテハ仍従前ノ例ニ依ル
第三条 第七十四条及第七十五条ノ規定ニ依ル障害年金又ハ遺族年金ハ第二十四条ノ規定ニ拘ラズ本法施行ノ日ヨリ之ヲ支給ス
第四条 本法施行ノ際廃疾年金ノ支給ヲ受クル者ニ対スル障害年金ノ支給及其ノ者ガ死亡シタル場合ニ於ケル第四十二条ノ改正規定又ハ第四十二条ノ二ノ規定ニ依ル一時金ノ支給ニ関シ必要ナル事項ハ主務大臣之ヲ定ム
第五条 昭和十五年法律第十四号中左ノ通改正ス
第一条及第二条中「及傷病手当金」ヲ「、傷病手当金及葬祭料」ニ改ム
第六条 船員法中左ノ通改正ス
第二十九条ニ左ノ一項ヲ加フ
般員保険法ニ依リ療養ノ給付、傷病手当金又ハ葬祭料ヲ支給セラルベキトキハ船舶所有者ハ前項ノ規定ニ拘ラズ其ノ保険給付ノ限度ニ於テ同項ノ規定ニ依ル扶助、手当ノ支給又ハ葬祭ノ費用ノ負担ヲ為スコトヲ要セズ
別表第一
廃疾ノ程度
月数
一級
八・〇月
二級
七・〇
三級
六・五
四級
六・〇
五級
五・五
六級
五・〇
別表第二
廃疾ノ程度
月数
一級
二五月
二級
二〇
三級
一五
四級
一二
五級
六級
七級
八級
別表第三
被保険者タリシ期間
月数
三年以上
三・〇月
四年以上
四・〇
五年以上
五・〇
六年以上
六・〇
七年以上
七・〇
八年以上
八・五
九年以上
一〇・〇
一〇年以上
一一・五
一一年以上
一三・〇
一二年以上
一四・五
一三年以上
一六・〇
一四年以上
一八・〇
別表第四
被保険者タリシ期間
月数
三年以上
五・〇月
四年以上
六・五
五年以上
八・〇
六年以上
九・五
七年以上
一一・〇
八年以上
一二・五
九年以上
一四・〇
一〇年以上
一五・五
一一年以上
一七・〇
一二年以上
一九・〇
一三年以上
二一・〇
一四年以上
二三・〇