(帝国ガ領事裁判権ヲ行使スル地域ニ於ケル民事及刑事ノ手続等ニ関スル特例ニ関スル件)
法令番号: 勅令第九百十七號
公布年月日: 昭和18年12月8日
法令の形式: 勅令
朕帝國ガ領事裁判權ヲ行使スル地域ニ於ケル民事及刑事ノ手續等ニ關スル特例ニ關スル件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年十二月七日
內閣總理大臣 東條英機
大東亞大臣 靑木一男
勅令第九百十七號
第一條 帝國ガ領事裁判權ヲ行使スル地域ニ於ケル民事及刑事ノ手續等ニ關スル特例ハ本令ノ定ムル所ニ依ル
第二條 調停主任ハ領事官職務規則第十五條ノ二第一項ニ揭グル者ノ中ヨリ總領事館又ハ領事館ノ長タル領事官之ヲ指定ス
調停委員ノ選任ニ關スル地方裁判所長ノ職務ハ前項ノ領事官之ヲ行フ
第三條 領事官適當ト認ムルトキハ民事又ハ刑事ノ訴訟事件ニ付土地ノ管轄ニ關スル規定ニ拘ラズ其ノ全部若ハ一部ヲ他ノ領事官ニ移送シ又ハ自ラ裁判ヲ爲スコトヲ得
戰時民事特別法第四條ノ規定ハ領事官ノ取扱フ民事ノ訴訟事件ニ付テハ之ヲ適用セズ
第四條 國防保安法第十七條乃至第二十條、第二十二條第一項及第二十三條乃至第二十七條ノ規定ハ同法第十六條及治安維持法第一章ニ揭グル罪以外ノ罪ニ關スル事件ニ付之ヲ準用ス
第五條 領事官ハ刑事訴訟法第三百三十四條第二項ノ場合ニ於テ同法第四十三條第一項ノ規定ニ依リ難キトキハ總領事館又ハ領事館ノ館員ノ中ヨリ辯護人ヲ選任スベシ
第六條 國防保安法第二章(第四條ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)及治安維持法第二章中司法大臣トアルハ大東亞大臣トシ檢事長又ハ檢事正トアルハ總領事館又ハ領事館ノ長タル領事官トス
第七條 治安維持法第三章ノ規定ハ之ヲ適用セズ
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
昭和十六年勅令第五百九十五號及昭和十七年勅令第五百三十五號ハ之ヲ廢止ス
朕帝国ガ領事裁判権ヲ行使スル地域ニ於ケル民事及刑事ノ手続等ニ関スル特例ニ関スル件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年十二月七日
内閣総理大臣 東条英機
大東亜大臣 青木一男
勅令第九百十七号
第一条 帝国ガ領事裁判権ヲ行使スル地域ニ於ケル民事及刑事ノ手続等ニ関スル特例ハ本令ノ定ムル所ニ依ル
第二条 調停主任ハ領事官職務規則第十五条ノ二第一項ニ掲グル者ノ中ヨリ総領事館又ハ領事館ノ長タル領事官之ヲ指定ス
調停委員ノ選任ニ関スル地方裁判所長ノ職務ハ前項ノ領事官之ヲ行フ
第三条 領事官適当ト認ムルトキハ民事又ハ刑事ノ訴訟事件ニ付土地ノ管轄ニ関スル規定ニ拘ラズ其ノ全部若ハ一部ヲ他ノ領事官ニ移送シ又ハ自ラ裁判ヲ為スコトヲ得
戦時民事特別法第四条ノ規定ハ領事官ノ取扱フ民事ノ訴訟事件ニ付テハ之ヲ適用セズ
第四条 国防保安法第十七条乃至第二十条、第二十二条第一項及第二十三条乃至第二十七条ノ規定ハ同法第十六条及治安維持法第一章ニ掲グル罪以外ノ罪ニ関スル事件ニ付之ヲ準用ス
第五条 領事官ハ刑事訴訟法第三百三十四条第二項ノ場合ニ於テ同法第四十三条第一項ノ規定ニ依リ難キトキハ総領事館又ハ領事館ノ館員ノ中ヨリ弁護人ヲ選任スベシ
第六条 国防保安法第二章(第四条ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)及治安維持法第二章中司法大臣トアルハ大東亜大臣トシ検事長又ハ検事正トアルハ総領事館又ハ領事館ノ長タル領事官トス
第七条 治安維持法第三章ノ規定ハ之ヲ適用セズ
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
昭和十六年勅令第五百九十五号及昭和十七年勅令第五百三十五号ハ之ヲ廃止ス