塩業組合令
法令番号: 勅令第四百二號
公布年月日: 昭和18年4月28日
法令の形式: 勅令
朕鹽業組合令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年四月二十七日
內閣總理大臣 東條英機
大藏大臣 賀屋興宣
勅令第四百二號
鹽業組合令
第一章 總則
第一條 鹽專賣法第十七條ノ三第一項又ハ第十七條ノ四ノ規定ニ依リ設立スル鹽業組合ハ其ノ名稱中ニ鹽業組合ナル文字ヲ用フルコトヲ要ス
鹽業組合ニ非ザルモノハ其ノ名稱中ニ鹽業組合タルコトヲ示スベキ文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第二條 鹽業組合ガ其ノ組合員ニ對シテ爲ス通知又ハ催吿ハ組合員名簿ニ記載シタル其ノ者ノ住所ニ、其ノ者ガ別ニ其ノ住所又ハ通知若ハ催吿ヲ受クベキ場所ヲ鹽業組合ニ通知シタルトキハ其ノ住所又ハ場所ニ宛ツルヲ以テ足ル
前項ノ通知又ハ催吿ハ通常其ノ到達スベカリシ時ニ到達シタルモノト看做ス
第三條 民法第四十四條第一項及第五十條ノ規定ハ鹽業組合ニ之ヲ準用ス
第二章 設立
第四條 鹽業組合ヲ設立セントスルトキハ組合員タルベキ者發起人ト爲リ豫メ地區及組合員タル資格ヲ定メ其ノ地區內ニ於テ組合員タル資格ヲ有スル者ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ得テ創立總會ヲ招集シ定款、鹽業組合設立當時ノ收支豫算其ノ他必要ナル事項ヲ定メ役員ヲ選任シ地方專賣局長ノ認可ヲ受クルコトヲ要ス
前項ノ同意ヲ得ルコト能ハザルトキト雖モ特別ノ事由アル場合ニ於テハ地方專賣局長ノ許可ヲ得テ創立總會ヲ招集スルコトヲ得
前二項ノ創立總會ニ於ケル決議及役員ノ選任ハ設立同意者ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ以テ之ヲ爲ス
第五條 地方專賣局長ハ必要アリト認ムルトキハ鹽專賣法第十七條ノ三第一項ニ揭グル者ニ對シ鹽業組合ノ設立ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル鹽業組合ノ設立ノ命令アリタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ創立總會ヲ招集シ定款、鹽業組合設立當時ノ收支豫算其ノ他必要ナル事項ヲ定メ役員ヲ選任シ地方專賣局長ノ認可ヲ受クルコトヲ要ス
前項ノ創立總會ニ於ケル決議及役員ノ選任ハ出席者ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ以テ之ヲ爲ス
第六條 前條第一項ノ規定ニ依リ鹽業組合ノ設立ヲ命ゼラレタル者地方專賣局長ノ指定スル期限迄ニ設立ノ認可ヲ申請セザルトキハ地方專賣局長ハ定款ノ作成、組合長其ノ他ノ役員ノ任命其ノ他設立ニ關シ必要ナル處分ヲ爲スコトヲ得
第七條 前條ノ組合長ハ遲滯ナク創立總會ヲ招集シ鹽業組合設立當時ノ收支豫算其ノ他必要ナル事項ヲ定メ地方專賣局長ノ認可ヲ受クルコトヲ要ス
第五條第三項ノ規定ハ前項ノ創立總會ニ於ケル決議ニ之ヲ準用ス
第八條 創立總會ニ於テハ代理人ヲ以テ其ノ議決權ヲ行フコトヲ得
前項ノ代理人ハ設立同意者又ハ設立ノ命令ヲ受ケタル者ナルコトヲ要ス
第九條 鹽業組合ノ定款ニハ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
一 目的
二 名稱
三 地區
四 事務所ノ所在地
五 役員及會議ニ關スル事項
六 組合員ニ關スル事項
七 出資一口ノ金額及其ノ拂込ノ方法
八 事業及其ノ執行ニ關スル事項
九 會計ニ關スル事項
十 公吿ノ方法
第十條 出資一口ノ金額ハ均一ナルコトヲ要ス
第十一條 第四條第一項、第五條第二項又ハ第七條第一項ノ認可アリタルトキハ組合長ハ遲滯ナク出資ノ第一囘ノ拂込ヲ爲サシムルコトヲ要ス
第三章 管理
第十二條 鹽業組合ニ役員トシテ組合長一人、理事二人以上及監事一人以上ヲ置ク
第十三條 組合長ハ鹽業組合ヲ代表シ其ノ業務ヲ總理ス
理事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ鹽業組合ヲ代表シ組合長ヲ輔佐シテ鹽業組合ノ業務ヲ掌理シ組合長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ組合長缺員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
監事ハ鹽業組合ノ業務及財產ノ狀況ヲ監査ス
第十四條 役員ハ第四條第一項、第五條第二項及第六條ニ規定スル場合ヲ除クノ外總會ノ決議ヲ以テ之ヲ選任ス
組合長及理事ノ任期ハ三年、監事ノ任期ハ二年トス但シ定款ニ別段ノ定アルトキハ此ノ限ニ在ラズ
役員ハ其ノ任期中ト雖モ總會ノ決議ヲ以テ之ヲ解任スルコトヲ得
第一項及前項ノ決議ハ總組合員ノ半數以上出席シ其ノ議決權ノ三分ノ二以上ヲ以テ之ヲ爲ス
役員ノ選任及解任ハ地方專賣局長ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第十五條 組合長ハ定款及總會ノ決議錄ヲ各事務所ニ、組合員名簿ヲ主タル事務所ニ備置クコトヲ要ス
前項ノ組合員名簿ニハ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
一 各組合員ノ氏名及住所
二 各組合員ノ出資口數
三 各組合員ノ拂込ミタル金額
四 鹽專賣法第十七條ノ八第三項但書ノ鹽業組合ニ在リテハ各組合員ノ保證金額
組合員及鹽業組合ノ債權者ハ第一項ニ揭グル書類ノ閱覽ヲ求ムルコトヲ得
第十六條 組合長及理事ハ監事ノ承認ヲ得タルトキニ限リ自己又ハ第三者ノ爲ニ鹽業組合ト取引ヲ爲スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ民法第百八條ノ規定ヲ適用セズ
第十七條 鹽業組合ガ組合長若ハ理事ニ對シ又ハ組合長若ハ理事ガ鹽業組合ニ對シ訴ヲ提起スル場合ニ於テハ其ノ訴ニ付テハ監事鹽業組合ヲ代表ス但シ總會ハ他人ヲシテ之ヲ代表セシムルコトヲ得
第十八條 組合長ハ每事業年度一囘通常總會ヲ招集スルコトヲ要ス
組合長ハ必要アリト認ムルトキハ何時ニテモ臨時總會ヲ招集スルコトヲ得
第十九條 組合員ハ總組合員ノ五分ノ一以上ノ同意ヲ得テ會議ノ目的タル事項及招集ノ理由ヲ記載シタル書面ヲ組合長ニ提出シテ總會ノ招集ヲ請求スルコトヲ得
前項ノ請求アリタル後二週間以內ニ組合長ガ正當ノ事由ナクシテ總會招集ノ手續ヲ爲サザルトキハ請求ヲ爲シタル組合員ハ地方專賣局長ノ許可ヲ得テ其ノ招集ヲ爲スコトヲ得
第二十條 總會ノ決議ハ本令又ハ定款ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外出席シタル組合員ノ議決權ノ過半數ヲ以テ之ヲ爲ス
組合員ハ代理人ヲ以テ其ノ議決權ヲ行フコトヲ得
第二十一條 組合員ハ總會ニ於テ各一個ノ議決權ヲ有ス但シ定款ノ定ムル所ニ依リ一人ニ付二個以上ノ議決權ヲ有セシムルコトヲ得
第二十二條 鹽業組合ノ收支豫算及經費ヲ組合員ニ分賦スル鹽業組合ニ在リテハ其ノ經費ノ分賦收入方法ハ總會ノ決議ヲ經ルコトヲ要ス
第十四條第五項ノ規定ハ前項ノ決議ニ之ヲ準用ス
第二十三條 定款ノ變更ヲ爲スニハ總會ノ決議アルコトヲ要ス
第十四條第四項及第五項ノ規定ハ前項ノ決議ニ之ヲ準用ス
第二十四條 民法第六十二條、第六十四條及第六十六條ノ規定ハ鹽業組合ニ之ヲ準用ス
第二十五條 鹽業組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ總會ニ代ルベキ總代會ヲ設クルコトヲ得
總會ニ關スル規定ハ前項ノ總代會ニ之ヲ準用ス
第一項ノ總代會ニ於テハ左ノ事項ノ決議ヲ爲スコトヲ得ズ
一 鹽專賣法第十七條ノ八第三項但書ノ鹽業組合ニ非ザル鹽業組合ガ同項但書ノ鹽業組合ト爲ルコト
二 組合員ノ保證金額ノ增加
三 解散
四 合併
第二十六條 鹽業組合ノ事業年度ハ四月ヨリ翌年三月迄トス
第二十七條 組合長ハ通常總會ノ會日ヨリ一週間前ニ財產目錄、貸借對照表、事業報吿書、損益計算書及剩餘金處分案ヲ監事ニ提出シ且之ヲ主タル事務所ニ備置クコトヲ要ス
組合員及鹽業組合ノ債權者ハ前項ニ揭グル書類ノ閱覽ヲ求ムルコトヲ得
第二十八條 組合長ハ前條第一項ニ揭グル書類及監事ノ意見書ヲ通常總會ニ提出シテ其ノ承認ヲ求ムルコトヲ要ス
第二十九條 鹽業組合ハ出資總額ニ相當スル金額ニ達スル迄ハ每事業年度ノ剩餘金ノ十分ノ一以上ヲ準備金トシテ積立ツルコトヲ要ス
前項ノ準備金ハ出資ノ缺損ノ塡補ニ充ツル場合ヲ除クノ外之ヲ使用スルコトヲ得ズ
第三十條 鹽業組合剩餘金ヲ處分セントスルトキハ地方專賣局長ノ認可ヲ受クルコトヲ要ス
第三十一條 鹽業組合ハ組合員ノ持分ヲ取得シ又ハ質權ノ目的トシテ之ヲ受クルコトヲ得ズ
第三十二條 鹽業組合ガ出資一口ノ金額ノ減少ノ決議ヲ爲シタルトキハ其ノ決議ノ日ヨリ二週間以內ニ財產目錄及貸借對照表ヲ作ルコトヲ要ス
鹽業組合ハ前項ノ期間內ニ其ノ債權者ニ對シ異議アラバ一定ノ期間內ニ之ヲ述ブベキ旨ヲ公吿シ且知レタル債權者ニハ各別ニ之ヲ催吿スルコトヲ要ス但シ其ノ期間ハ一月ヲ下ルコトヲ得ズ
第三十三條 債權者ガ前條第二項ノ期間內ニ異議ヲ述ベザリシトキハ出資一口ノ金額ノ減少ヲ承認シタルモノト看做ス
債權者ガ異議ヲ述ベタルトキハ鹽業組合ハ辨濟ヲ爲シ若ハ相當ノ擔保ヲ供シ又ハ債權者ニ辨濟ヲ受ケシムルコトヲ目的トシテ信託會社若ハ信託業務ヲ營ム銀行ニ相當ノ財產ヲ信託スルコトヲ要ス
第三十四條 前二條ノ規定ハ鹽專賣法第十七條ノ八第三項但書ノ鹽業組合ガ同項但書ノ鹽業組合ニ非ザル鹽業組合ト爲リ又ハ組合員ノ保證金額ヲ減少スル場合ニ之ヲ準用ス
第四章 組合員
第三十五條 地方專賣局長ハ必要アリト認ムルトキハ鹽專賣法第十七條ノ三第一項ニ揭グル者ニ對シ鹽業組合ニ加入スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第三十六條 組合員タル資格ヲ有スル者鹽業組合ニ加入セントスルトキハ鹽業組合ハ正當ノ事由ナクシテ其ノ加入ヲ拒ムコトヲ得ズ
第三十七條 組合員ハ其ノ拂込ムベキ出資額ニ付相殺ヲ以テ鹽業組合ニ對抗スルコトヲ得ズ
第三十八條 組合員ハ鹽業組合ノ承諾アルニ非ザレバ其ノ持分ヲ讓渡スコトヲ得ズ
第三十九條 組合員ハ左ノ事由ニ因リテ脫退ス
一 組合員タル資格ノ喪失
二 死亡
三 破產
四 除名
五 法人ノ解散
組合員ノ死亡ニ因リ家督相續開始シタルトキハ其ノ家督相續人之ニ代リテ組合員ト爲ル但シ其ノ家督相續人ガ組合員タル資格ヲ取得セザル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第四十條 除名ノ事由ハ定款ヲ以テ之ヲ定ム
除名ハ總會ノ決議ニ依ル但シ除名シタル組合員ニ其ノ旨ヲ通知スルニ非ザレバ之ヲ以テ其ノ組合員ニ對抗スルコトヲ得ズ
第十四條第四項ノ規定ハ前項ノ決議ニ之ヲ準用ス
第四十一條 脫退シタル組合員ハ定款ノ定ムル所ニ依リ其ノ持分ノ拂戾ヲ請求スルコトヲ得
前項ノ拂戾ノ額ハ脫退シタル事業年度ノ終ニ於ケル組合財產ニ依リテ之ヲ定ム
第四十二條 前條第二項ノ規定ニ依リ持分ノ計算ヲ爲スニ當リ組合財產ヲ以テ組合債務ヲ完濟スルニ足ラザルトキハ鹽業組合ハ脫退シタル組合員ニ對シ其ノ負擔ニ歸スベキ損失額ノ拂込ヲ請求スルコトヲ得
第四十三條 前二條ノ請求權ハ二年間之ヲ行ハザルトキハ時效ニ因リテ消滅ス
第四十四條 鹽專賣法第十七條ノ八第三項但書ノ鹽業組合ニ在リテハ脫退シタル組合員ハ主タル事務所ノ所在地ニ於テ脫退ノ登記ヲ爲ス前ニ生ジタル組合債務ニ付責任ヲ負フ
前項ノ責任ハ前項ノ登記後二年以內ニ請求又ハ請求ノ豫吿ヲ爲サザル債權者ニ對シテハ登記後二年ヲ經過シタルトキ消滅ス
前二項ノ規定ハ持分ヲ讓渡シタル組合員ニ之ヲ準用ス
第四十五條 組合員ハ其ノ有スル製鹽地面積ノ減少其ノ他已ムヲ得ザル事由アルトキハ定款ノ定ムル所ニ依リ鹽業組合ノ承諾ヲ得テ其ノ出資口數又ハ保證金額ヲ減少スルコトヲ得
第十四條第五項ノ規定ハ前項ノ出資口數又ハ保證金額ノ減少ニ、第四十一條乃至第四十三條ノ規定ハ前項ノ出資口數ノ減少ニ、前條第一項及第二項ノ規定ハ前項ノ保證金額ノ減少ニ之ヲ準用ス
第五章 解散及淸算
第四十六條 鹽業組合ハ左ノ事由ニ因リテ解散ス
一 總會ノ決議
二 合併
三 組合員ガ一人ト爲リタルコト
四 破產
五 大藏大臣ノ解散ノ處分
第十四條第四項及第五項ノ規定ハ解散及合併ノ決議ニ之ヲ準用ス
第四十七條 合併ニ因リテ鹽業組合ヲ設立スル場合ニ於テハ定款ノ作成其ノ他設立ニ關スル行爲ハ各鹽業組合ノ總會ニ於テ選任シタル者共同シテ之ヲ爲スコトヲ要ス
第十四條第四項ノ規定ハ前項ノ選任ニ之ヲ準用ス
第四十八條 第三十二條及第三十三條ノ規定ハ合併ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四十九條 合併後存續スル鹽業組合又ハ合併ニ因リテ設立シタル鹽業組合ハ合併ニ因リテ消滅シタル鹽業組合ノ權利義務ヲ承繼ス
第五十條 鹽業組合ガ解散シタルトキハ合併及破產ノ場合ヲ除クノ外組合長淸算人ト爲ル
前項ノ規定ニ依リテ淸算人タル者ナキトキハ裁判所ハ利害關係人ノ申請ニ因リ又ハ職權ヲ以テ淸算人ヲ選任ス
裁判所ハ必要アリト認ムルトキハ職權ヲ以テ淸算人ヲ解任スルコトヲ得
第五十一條 淸算人ハ就職ノ後遲滯ナク組合財產ノ現況ヲ調査シ財產目錄及貸借對照表ヲ作リ之ヲ總會ニ提出シテ其ノ承認ヲ求ムルコトヲ要ス
第五十二條 淸算人ハ組合債務ヲ辨濟スルニ非ザレバ組合員ニ對シ組合財產ヲ分配スルコトヲ得ズ
第五十三條 淸算事務ガ終リタルトキハ淸算人ハ遲滯ナク決算報吿書ヲ作リ之ヲ總會ニ提出シテ其ノ承認ヲ求ムルコトヲ要ス
第五十四條 民法第七十三條及第七十八條乃至第八十三條竝ニ非訟事件手續法第三十五條第二項、第三十六條、第三十七條ノ二、第百三十五條ノ二十五第二項第三項、第百三十六條第一項、第百三十七條及第百三十八條ノ規定ハ鹽業組合ノ淸算ニ之ヲ準用ス
第六章 監督
第五十五條 地方專賣局長ハ鹽業組合ニ對シ事業又ハ財產ノ狀況ニ關シ報吿ヲ爲サシメ、檢査ヲ爲シ、事業ノ計畫若ハ其ノ執行方法又ハ收支豫算若ハ經費ノ分賦收入方法ノ變更ヲ命ジ其ノ他監督上必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第五十六條 鹽業組合ノ事業若ハ財產ノ狀況ニ依リ其ノ事業ノ繼續ヲ困難ナリト認ムルトキ又ハ鹽業組合ノ行爲ガ法令、定款若ハ地方專賣局長ノ命令ニ違反シ其ノ他公益ヲ害スルノ虞アルトキハ地方專賣局長ハ左ノ處分ヲ爲スコトヲ得
一 總會ノ決議ノ取消
二 役員ノ解任
三 事業ノ停止
大藏大臣鹽業組合ニ付前項ノ事由アリト認ムルトキハ解散ノ處分ヲ爲スコトヲ得
第七章 登記
第五十七條 鹽業組合ノ設立ノ登記ハ出資ノ第一囘ノ拂込アリタル日ヨリ二週間以內ニ主タル事務所ノ所在地ニ於テ之ヲ爲スコトヲ要ス
設立ノ登記ニハ左ノ事項ヲ揭グルコトヲ要ス
一 目的
二 名稱
三 地區
四 事務所
五 出資ノ總口數及拂込ミタル出資ノ總額
六 出資一口ノ金額及其ノ拂込ノ方法
七 鹽專賣法第十七條ノ八第三項但書ノ鹽業組合ニ在リテハ各組合員ノ氏名、住所及保證金額
八 役員ノ氏名及住所
九 理事ノ代表權ニ制限ヲ加ヘタルトキハ其ノ制限
十 公吿ノ方法
鹽業組合ハ設立ノ登記ヲ爲シタル後二週間以內ニ從タル事務所ノ所在地ニ於テ前項ニ揭グル事項ヲ登記スルコトヲ要ス
第五十八條 鹽業組合ノ成立後從タル事務所ヲ設ケタルトキハ主タル事務所ノ所在地ニ於テハ二週間以內ニ從タル事務所ヲ設ケタルコトヲ登記シ其ノ從タル事務所ノ所在地ニ於テハ三週間以內ニ前條第二項ニ揭グル事項ヲ登記シ他ノ從タル事務所ノ所在地ニ於テハ同期間內ニ其ノ從タル事務所ヲ設ケタルコトヲ登記スルコトヲ要ス
主タル事務所又ハ從タル事務所ノ所在地ヲ管轄スル登記所ノ管轄區域內ニ於テ新ニ從タル事務所ヲ設ケタルトキハ其ノ從タル事務所ヲ設ケタルコトヲ登記スルヲ以テ足ル
第五十九條 鹽業組合ガ主タル事務所ヲ移轉シタルトキハ舊所在地ニ於テハ二週間以內ニ移轉ノ登記ヲ爲シ新所在地ニ於テハ三週間以內ニ第五十七條第二項ニ揭グル事項ヲ登記シ從タル事務所ヲ移轉シタルトキハ舊所在地ニ於テハ三週間以內ニ移轉ノ登記ヲ爲シ新所在地ニ於テハ四週間以內ニ同項ニ揭グル事項ヲ登記スルコトヲ要ス
同一ノ登記所ノ管轄區域內ニ於テ主タル事務所又ハ從タル事務所ヲ移轉シタルトキハ其ノ移轉ノ登記ヲ爲スヲ以テ足ル
第六十條 第五十七條第二項ニ揭グル事項中ニ變更ヲ生ジタルトキハ主タル事務所ノ所在地ニ於テハ二週間、從タル事務所ノ所在地ニ於テハ三週間以內ニ變更ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
第五十七條第二項第五號及第七號ニ揭グル事項ノ變更ノ登記ハ前項ノ規定ニ拘ラズ每事業年度末日ノ現在ニ依リ事業年度終了後主タル事務所ノ所在地ニ於テハ四週間、從タル事務所ノ所在地ニ於テハ五週間以內ニ之ヲ爲スコトヲ得但シ第三十四條及第三十九條第一項ノ場合ニ於ケル第五十七條第二項第七號ニ揭グル事項ノ變更ノ登記ニ付テハ定款ノ定アル場合ニ限ル
第六十一條 鹽業組合ガ解散シタルトキハ合併及破產ノ場合ヲ除クノ外主タル事務所ノ所在地ニ於テハ二週間、從タル事務所ノ所在地ニ於テハ三週間以內ニ解散ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
第六十二條 鹽業組合ガ合併ヲ爲シタルトキハ主タル事務所ノ所在地ニ於テハ二週間、從タル事務所ノ所在地ニ於テハ三週間以內ニ合併後存續スル鹽業組合ニ付テハ變更ノ登記、合併ニ因リテ消滅スル鹽業組合ニ付テハ解散ノ登記、合併ニ因リテ設立シタル鹽業組合ニ付テハ第五十七條第二項ニ揭グル事項ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
第六十三條 鹽業組合ハ淸算人就職ノ日ヨリ主タル事務所ノ所在地ニ於テハ二週間、從タル事務所ノ所在地ニ於テハ三週間以內ニ淸算人ノ氏名及住所ヲ登記スルコトヲ要ス
第六十條第一項ノ規定ハ前項ノ登記ニ之ヲ準用ス
第六十四條 鹽業組合ノ淸算ガ結了シタルトキハ淸算結了ノ日ヨリ主タル事務所ノ所在地ニ於テハ二週間、從タル事務所ノ所在地ニ於テハ三週間以內ニ淸算結了ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
第六十五條 鹽業組合ノ登記ニ付テハ其ノ事務所ノ所在地ヲ管轄スル區裁判所又ハ其ノ出張所ヲ以テ管轄登記所トス
各登記所ニ鹽業組合登記簿ヲ備フ
第六十六條 鹽業組合ノ設立ノ登記ハ組合長ノ申請ニ因リテ之ヲ爲ス
前項ノ登記ノ申請書ニハ定款、出資ノ總口數ヲ證スル書面、出資ノ第一囘ノ拂込アリタルコトヲ證スル書面及役員ノ選任ヲ證スル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
第六十七條 第五十七條第三項ノ規定ニ依ル登記ハ組合長ノ申請ニ因リテ之ヲ爲ス
第六十八條 鹽業組合ノ事務所ノ新設又ハ事務所ノ移轉其ノ他第五十七條第二項ニ揭グル事項ノ變更ノ登記ハ組合長又ハ淸算人ノ申請ニ因リテ之ヲ爲ス
前項ノ登記ノ申請書ニハ事務所ノ新設又ハ登記事項ノ變更ヲ證スル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
第六十九條 鹽專賣法第十七條ノ八第三項但書ノ鹽業組合ノ設立ノ登記ヲ申請スル場合ニ於テハ第五十七條第二項第七號ニ揭グル事項ヲ記載シタル組合原簿ヲ提出スルコトヲ要ス
第五十七條第三項ノ規定ニ依ル登記、新設シタル從タル事務所ノ所在地ニ於テ爲ス第五十八條第一項ノ規定ニ依ル登記又ハ新所在地ニ於テ爲ス第五十九條第一項ノ規定ニ依ル登記ヲ申請スル場合亦前項ニ同ジ但シ第五十八條第二項又ハ第五十九條第二項ノ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
前二項ノ場合ニ於テハ組合原簿ニ記載シタル事項ハ之ヲ登記ノ申請書ニ揭グルコトヲ要セズ
第一項及前項ノ規定ハ鹽專賣法第十七條ノ八第三項但書ノ鹽業組合ニ非ザル鹽業組合ガ同項但書ノ鹽業組合ト爲リタルニ因リ變更ノ登記ヲ申請スル場合ニ之ヲ準用ス
第七十條 鹽專賣法第十七條ノ八第三項但書ノ鹽業組合ガ組合員ノ加入ニ因リ變更ノ登記ヲ申請スル場合ニ於テハ當該組合員ニ付第五十七條第二項第七號ニ揭グル事項ヲ記載シタル組合原簿ヲ提出スルコトヲ要ス
前條第三項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第七十一條 登記所ノ受理シタル組合原簿ハ之ヲ登記簿ノ一部ト看做シ其ノ組合原簿ノ記載ハ之ヲ登記ト看做ス
第七十二條 鹽業組合ノ解散ノ登記ハ第三項ニ規定スル場合ヲ除クノ外組合長ノ申請ニ因リテ之ヲ爲ス
前項ノ登記ノ申請書ニハ解散ノ事由ヲ證スル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
鹽業組合ガ大藏大臣ノ解散ノ處分ニ因リテ解散シタルトキハ解散ノ登記ハ大藏大臣ノ囑託ニ因リテ之ヲ爲ス
第七十三條 第六十三條ノ規定ニ依ル登記ハ淸算人ノ申請ニ因リテ之ヲ爲ス
第六十三條第一項ノ規定ニ依ル登記ノ申請書ニハ組合長ガ淸算人タラザル場合ニ於テハ申請人ノ資格ヲ證スル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
第六十三條第二項ノ規定ニ依ル登記ノ申請書ニハ登記事項ノ變更ヲ證スル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
第七十四條 鹽業組合ノ淸算結了ノ登記ハ淸算人ノ申請ニ因リ之ヲ爲ス
前項ノ登記ノ申請書ニハ淸算人ガ第五十三條ノ規定ニ依リ決算報吿書ノ承認ヲ得タルコトヲ證スル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
第七十五條 登記スベキ事項ニシテ地方專賣局長ノ認可ヲ要スルモノハ其ノ認可書ノ到達シタル時ヨリ登記ノ期間ヲ起算ス
第七十六條 登記シタル事項ハ裁判所ニ於テ遲滯ナク之ヲ公吿スルコトヲ要ス但シ組合原簿ニ記載シタル事項ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第七十七條 非訟事件手續法第百四十二條乃至第百五十一條ノ六及第百五十四條乃至第百五十七條ノ規定ハ本令ニ依ル登記ニ之ヲ準用ス
第八章 鹽業組合聯合會及鹽業組合中央會
第七十八條 鹽業組合ガ鹽業組合聯合會ヲ設立シ又ハ之ニ加入スルニハ鹽專賣法第十七條ノ十三第四項ニ於テ準用スル同法第十七條ノ四第一項ノ規定ニ依ル設立又ハ加入ノ命令ニ依ル場合ヲ除クノ外總會ノ決議アルコトヲ要ス
第十四條第四項ノ規定ハ前項ノ決議ニ之ヲ準用ス
第七十九條 鹽業組合聯合會ニ役員トシテ會長一人、理事二人以上及監事一人以上ヲ置ク
鹽業組合聯合會ニハ前項ノ役員ノ外定款ノ定ムル所ニ依リ副會長一人ヲ置クコトヲ得
第八十條 會長ハ鹽業組合聯合會ヲ代表シ其ノ業務ヲ總理ス
副會長ハ定款ノ定ムル所ニ依リ鹽業組合聯合會ヲ代表シ會長ヲ輔佐シテ鹽業組合聯合會ノ業務ヲ掌理シ會長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ會長缺員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
理事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ鹽業組合聯合會ヲ代表シ會長及副會長ヲ輔佐シテ鹽業組合聯合會ノ業務ヲ掌理シ會長及副會長共ニ事故アルトキハ會長ノ職務ヲ代理シ會長及副會長共ニ缺員ノトキハ會長ノ職務ヲ行フ
監事ハ鹽業組合聯合會ノ業務及財產ノ狀況ヲ監査ス
第八十一條 第一條乃至第十一條、第十四條乃至第二十四條及第二十六條乃至第七十七條ノ規定ハ鹽業組合聯合會ニ之ヲ準用ス但シ第十四條第二項及第十六條中組合長及理事トアルハ會長、副會長及理事、第十七條中組合長若ハ理事トアルハ會長、副會長若ハ理事、第五十七條第二項第九號中理事トアルハ副會長又ハ理事トス
第八十二條 鹽業組合中央會ニ役員トシテ會長一人、副會長二人以內、理事三人以上及監事二人以上ヲ置ク
第八十三條 第一條乃至第十一條、第十四條乃至第二十四條、第二十六條乃至第四十六條、第五十條乃至第六十一條、第六十三條乃至第七十八條及第八十條ノ規定ハ鹽業組合中央會ニ之ヲ準用ス但シ地方專賣局長トアルハ專賣局長官、第十四條第二項及第十六條中組合長及理事トアルハ會長、副會長及理事、第十七條中組合長若ハ理事トアルハ會長、副會長若ハ理事、第五十七條第二項第九號中理事トアルハ副會長又ハ理事トス
附 則
第八十四條 本令ハ昭和十八年法律第三十二號施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第八十五條 昭和十八年法律第三十二號附則第二條第一項ノ規定ニ依リ產業組合、工業組合又ハ工業小組合(以下旣存組合ト總稱ス)ガ鹽業組合ト爲リタル際現ニ當該旣存組合ノ定款ノ定ムル所ニ依リ選任セラレタル組合長又ハ理事長アルトキハ之ヲ當該鹽業組合ノ組合長ト看做ス
第八十六條 旣存組合ガ鹽業組合ト爲リタル際現ニ當該旣存組合ノ理事又ハ監事タル者ハ前條ノ規定ニ依リ組合長ト看做サレタル者ヲ除クノ外夫々之ヲ當該鹽業組合ノ理事又ハ監事ト看做ス
第八十七條 前二條ノ規定ニ依ル鹽業組合ノ役員ノ任期ハ第十四條第二項ノ規定ニ拘ラズ昭和十八年十月三十一日迄トス
第八十八條 旣存組合ガ鹽業組合ト爲リタルトキハ組合長ハ遲滯ナク總會ノ決議ヲ經テ定款、鹽業組合ト爲リタル日ノ屬スル事業年度ノ收支豫算及經費ヲ組合員ニ分賦スル鹽業組合ニ在リテハ同事業年度ニ於ケル其ノ經費ノ分賦收入方法ヲ定メ地方專賣局長ノ認可ヲ受クルコトヲ要ス
前項ノ認可アル迄ハ鹽業組合ト爲リタル旣存組合ノ定款、收支豫算又ハ經費ノ分賦收入方法ヲ夫々當該鹽業組合ノ定款、收支豫算又ハ經費ノ分賦收入方法ト看做ス
第八十九條 鹽業組合ト爲リタル旣存組合ニ付本令施行前產業組合法又ハ工業組合法ニ依リ產業組合登記簿又ハ工業組合登記簿若ハ工業小組合登記簿ニ登記セラレタル事項ハ本令施行ノ日ニ於テ之ヲ本令ニ依リ鹽業組合登記簿ニ登記セラレタルモノト看做ス
第九十條 前條ノ產業組合登記簿、工業組合登記簿又ハ工業小組合登記簿ニ登記セラレタル事項ニ關シ本令施行後最初ニ登記ヲ爲シタルトキハ登記官吏ハ職權ヲ以テ其ノ登記簿ノ登記ヲ鹽業組合登記簿ニ移スベシ
第九十一條 鹽專賣法第十七條ノ八第三項但書ノ鹽業組合ト爲リタル旣存組合ガ第五十七條第二項第七號ニ揭グル事項ニ關シ本令施行後最初ニ登記ヲ申請スル場合ニ於テハ第六十九條第一項及第二項ノ規定ニ準ジ組合原簿ヲ提出スルコトヲ要ス
第六十九條第三項及第七十一條ノ規定ハ前項ノ組合原簿ヲ提出シタル場合ニ之ヲ準用ス
朕塩業組合令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年四月二十七日
内閣総理大臣 東条英機
大蔵大臣 賀屋興宣
勅令第四百二号
塩業組合令
第一章 総則
第一条 塩専売法第十七条ノ三第一項又ハ第十七条ノ四ノ規定ニ依リ設立スル塩業組合ハ其ノ名称中ニ塩業組合ナル文字ヲ用フルコトヲ要ス
塩業組合ニ非ザルモノハ其ノ名称中ニ塩業組合タルコトヲ示スベキ文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第二条 塩業組合ガ其ノ組合員ニ対シテ為ス通知又ハ催告ハ組合員名簿ニ記載シタル其ノ者ノ住所ニ、其ノ者ガ別ニ其ノ住所又ハ通知若ハ催告ヲ受クベキ場所ヲ塩業組合ニ通知シタルトキハ其ノ住所又ハ場所ニ宛ツルヲ以テ足ル
前項ノ通知又ハ催告ハ通常其ノ到達スベカリシ時ニ到達シタルモノト看做ス
第三条 民法第四十四条第一項及第五十条ノ規定ハ塩業組合ニ之ヲ準用ス
第二章 設立
第四条 塩業組合ヲ設立セントスルトキハ組合員タルベキ者発起人ト為リ予メ地区及組合員タル資格ヲ定メ其ノ地区内ニ於テ組合員タル資格ヲ有スル者ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ得テ創立総会ヲ招集シ定款、塩業組合設立当時ノ収支予算其ノ他必要ナル事項ヲ定メ役員ヲ選任シ地方専売局長ノ認可ヲ受クルコトヲ要ス
前項ノ同意ヲ得ルコト能ハザルトキト雖モ特別ノ事由アル場合ニ於テハ地方専売局長ノ許可ヲ得テ創立総会ヲ招集スルコトヲ得
前二項ノ創立総会ニ於ケル決議及役員ノ選任ハ設立同意者ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ以テ之ヲ為ス
第五条 地方専売局長ハ必要アリト認ムルトキハ塩専売法第十七条ノ三第一項ニ掲グル者ニ対シ塩業組合ノ設立ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル塩業組合ノ設立ノ命令アリタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ創立総会ヲ招集シ定款、塩業組合設立当時ノ収支予算其ノ他必要ナル事項ヲ定メ役員ヲ選任シ地方専売局長ノ認可ヲ受クルコトヲ要ス
前項ノ創立総会ニ於ケル決議及役員ノ選任ハ出席者ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ以テ之ヲ為ス
第六条 前条第一項ノ規定ニ依リ塩業組合ノ設立ヲ命ゼラレタル者地方専売局長ノ指定スル期限迄ニ設立ノ認可ヲ申請セザルトキハ地方専売局長ハ定款ノ作成、組合長其ノ他ノ役員ノ任命其ノ他設立ニ関シ必要ナル処分ヲ為スコトヲ得
第七条 前条ノ組合長ハ遅滞ナク創立総会ヲ招集シ塩業組合設立当時ノ収支予算其ノ他必要ナル事項ヲ定メ地方専売局長ノ認可ヲ受クルコトヲ要ス
第五条第三項ノ規定ハ前項ノ創立総会ニ於ケル決議ニ之ヲ準用ス
第八条 創立総会ニ於テハ代理人ヲ以テ其ノ議決権ヲ行フコトヲ得
前項ノ代理人ハ設立同意者又ハ設立ノ命令ヲ受ケタル者ナルコトヲ要ス
第九条 塩業組合ノ定款ニハ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
一 目的
二 名称
三 地区
四 事務所ノ所在地
五 役員及会議ニ関スル事項
六 組合員ニ関スル事項
七 出資一口ノ金額及其ノ払込ノ方法
八 事業及其ノ執行ニ関スル事項
九 会計ニ関スル事項
十 公告ノ方法
第十条 出資一口ノ金額ハ均一ナルコトヲ要ス
第十一条 第四条第一項、第五条第二項又ハ第七条第一項ノ認可アリタルトキハ組合長ハ遅滞ナク出資ノ第一回ノ払込ヲ為サシムルコトヲ要ス
第三章 管理
第十二条 塩業組合ニ役員トシテ組合長一人、理事二人以上及監事一人以上ヲ置ク
第十三条 組合長ハ塩業組合ヲ代表シ其ノ業務ヲ総理ス
理事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ塩業組合ヲ代表シ組合長ヲ輔佐シテ塩業組合ノ業務ヲ掌理シ組合長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ組合長欠員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
監事ハ塩業組合ノ業務及財産ノ状況ヲ監査ス
第十四条 役員ハ第四条第一項、第五条第二項及第六条ニ規定スル場合ヲ除クノ外総会ノ決議ヲ以テ之ヲ選任ス
組合長及理事ノ任期ハ三年、監事ノ任期ハ二年トス但シ定款ニ別段ノ定アルトキハ此ノ限ニ在ラズ
役員ハ其ノ任期中ト雖モ総会ノ決議ヲ以テ之ヲ解任スルコトヲ得
第一項及前項ノ決議ハ総組合員ノ半数以上出席シ其ノ議決権ノ三分ノ二以上ヲ以テ之ヲ為ス
役員ノ選任及解任ハ地方専売局長ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
第十五条 組合長ハ定款及総会ノ決議録ヲ各事務所ニ、組合員名簿ヲ主タル事務所ニ備置クコトヲ要ス
前項ノ組合員名簿ニハ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
一 各組合員ノ氏名及住所
二 各組合員ノ出資口数
三 各組合員ノ払込ミタル金額
四 塩専売法第十七条ノ八第三項但書ノ塩業組合ニ在リテハ各組合員ノ保証金額
組合員及塩業組合ノ債権者ハ第一項ニ掲グル書類ノ閲覧ヲ求ムルコトヲ得
第十六条 組合長及理事ハ監事ノ承認ヲ得タルトキニ限リ自己又ハ第三者ノ為ニ塩業組合ト取引ヲ為スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ民法第百八条ノ規定ヲ適用セズ
第十七条 塩業組合ガ組合長若ハ理事ニ対シ又ハ組合長若ハ理事ガ塩業組合ニ対シ訴ヲ提起スル場合ニ於テハ其ノ訴ニ付テハ監事塩業組合ヲ代表ス但シ総会ハ他人ヲシテ之ヲ代表セシムルコトヲ得
第十八条 組合長ハ毎事業年度一回通常総会ヲ招集スルコトヲ要ス
組合長ハ必要アリト認ムルトキハ何時ニテモ臨時総会ヲ招集スルコトヲ得
第十九条 組合員ハ総組合員ノ五分ノ一以上ノ同意ヲ得テ会議ノ目的タル事項及招集ノ理由ヲ記載シタル書面ヲ組合長ニ提出シテ総会ノ招集ヲ請求スルコトヲ得
前項ノ請求アリタル後二週間以内ニ組合長ガ正当ノ事由ナクシテ総会招集ノ手続ヲ為サザルトキハ請求ヲ為シタル組合員ハ地方専売局長ノ許可ヲ得テ其ノ招集ヲ為スコトヲ得
第二十条 総会ノ決議ハ本令又ハ定款ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外出席シタル組合員ノ議決権ノ過半数ヲ以テ之ヲ為ス
組合員ハ代理人ヲ以テ其ノ議決権ヲ行フコトヲ得
第二十一条 組合員ハ総会ニ於テ各一個ノ議決権ヲ有ス但シ定款ノ定ムル所ニ依リ一人ニ付二個以上ノ議決権ヲ有セシムルコトヲ得
第二十二条 塩業組合ノ収支予算及経費ヲ組合員ニ分賦スル塩業組合ニ在リテハ其ノ経費ノ分賦収入方法ハ総会ノ決議ヲ経ルコトヲ要ス
第十四条第五項ノ規定ハ前項ノ決議ニ之ヲ準用ス
第二十三条 定款ノ変更ヲ為スニハ総会ノ決議アルコトヲ要ス
第十四条第四項及第五項ノ規定ハ前項ノ決議ニ之ヲ準用ス
第二十四条 民法第六十二条、第六十四条及第六十六条ノ規定ハ塩業組合ニ之ヲ準用ス
第二十五条 塩業組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ総会ニ代ルベキ総代会ヲ設クルコトヲ得
総会ニ関スル規定ハ前項ノ総代会ニ之ヲ準用ス
第一項ノ総代会ニ於テハ左ノ事項ノ決議ヲ為スコトヲ得ズ
一 塩専売法第十七条ノ八第三項但書ノ塩業組合ニ非ザル塩業組合ガ同項但書ノ塩業組合ト為ルコト
二 組合員ノ保証金額ノ増加
三 解散
四 合併
第二十六条 塩業組合ノ事業年度ハ四月ヨリ翌年三月迄トス
第二十七条 組合長ハ通常総会ノ会日ヨリ一週間前ニ財産目録、貸借対照表、事業報告書、損益計算書及剰余金処分案ヲ監事ニ提出シ且之ヲ主タル事務所ニ備置クコトヲ要ス
組合員及塩業組合ノ債権者ハ前項ニ掲グル書類ノ閲覧ヲ求ムルコトヲ得
第二十八条 組合長ハ前条第一項ニ掲グル書類及監事ノ意見書ヲ通常総会ニ提出シテ其ノ承認ヲ求ムルコトヲ要ス
第二十九条 塩業組合ハ出資総額ニ相当スル金額ニ達スル迄ハ毎事業年度ノ剰余金ノ十分ノ一以上ヲ準備金トシテ積立ツルコトヲ要ス
前項ノ準備金ハ出資ノ欠損ノ填補ニ充ツル場合ヲ除クノ外之ヲ使用スルコトヲ得ズ
第三十条 塩業組合剰余金ヲ処分セントスルトキハ地方専売局長ノ認可ヲ受クルコトヲ要ス
第三十一条 塩業組合ハ組合員ノ持分ヲ取得シ又ハ質権ノ目的トシテ之ヲ受クルコトヲ得ズ
第三十二条 塩業組合ガ出資一口ノ金額ノ減少ノ決議ヲ為シタルトキハ其ノ決議ノ日ヨリ二週間以内ニ財産目録及貸借対照表ヲ作ルコトヲ要ス
塩業組合ハ前項ノ期間内ニ其ノ債権者ニ対シ異議アラバ一定ノ期間内ニ之ヲ述ブベキ旨ヲ公告シ且知レタル債権者ニハ各別ニ之ヲ催告スルコトヲ要ス但シ其ノ期間ハ一月ヲ下ルコトヲ得ズ
第三十三条 債権者ガ前条第二項ノ期間内ニ異議ヲ述ベザリシトキハ出資一口ノ金額ノ減少ヲ承認シタルモノト看做ス
債権者ガ異議ヲ述ベタルトキハ塩業組合ハ弁済ヲ為シ若ハ相当ノ担保ヲ供シ又ハ債権者ニ弁済ヲ受ケシムルコトヲ目的トシテ信託会社若ハ信託業務ヲ営ム銀行ニ相当ノ財産ヲ信託スルコトヲ要ス
第三十四条 前二条ノ規定ハ塩専売法第十七条ノ八第三項但書ノ塩業組合ガ同項但書ノ塩業組合ニ非ザル塩業組合ト為リ又ハ組合員ノ保証金額ヲ減少スル場合ニ之ヲ準用ス
第四章 組合員
第三十五条 地方専売局長ハ必要アリト認ムルトキハ塩専売法第十七条ノ三第一項ニ掲グル者ニ対シ塩業組合ニ加入スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第三十六条 組合員タル資格ヲ有スル者塩業組合ニ加入セントスルトキハ塩業組合ハ正当ノ事由ナクシテ其ノ加入ヲ拒ムコトヲ得ズ
第三十七条 組合員ハ其ノ払込ムベキ出資額ニ付相殺ヲ以テ塩業組合ニ対抗スルコトヲ得ズ
第三十八条 組合員ハ塩業組合ノ承諾アルニ非ザレバ其ノ持分ヲ譲渡スコトヲ得ズ
第三十九条 組合員ハ左ノ事由ニ因リテ脱退ス
一 組合員タル資格ノ喪失
二 死亡
三 破産
四 除名
五 法人ノ解散
組合員ノ死亡ニ因リ家督相続開始シタルトキハ其ノ家督相続人之ニ代リテ組合員ト為ル但シ其ノ家督相続人ガ組合員タル資格ヲ取得セザル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第四十条 除名ノ事由ハ定款ヲ以テ之ヲ定ム
除名ハ総会ノ決議ニ依ル但シ除名シタル組合員ニ其ノ旨ヲ通知スルニ非ザレバ之ヲ以テ其ノ組合員ニ対抗スルコトヲ得ズ
第十四条第四項ノ規定ハ前項ノ決議ニ之ヲ準用ス
第四十一条 脱退シタル組合員ハ定款ノ定ムル所ニ依リ其ノ持分ノ払戻ヲ請求スルコトヲ得
前項ノ払戻ノ額ハ脱退シタル事業年度ノ終ニ於ケル組合財産ニ依リテ之ヲ定ム
第四十二条 前条第二項ノ規定ニ依リ持分ノ計算ヲ為スニ当リ組合財産ヲ以テ組合債務ヲ完済スルニ足ラザルトキハ塩業組合ハ脱退シタル組合員ニ対シ其ノ負担ニ帰スベキ損失額ノ払込ヲ請求スルコトヲ得
第四十三条 前二条ノ請求権ハ二年間之ヲ行ハザルトキハ時効ニ因リテ消滅ス
第四十四条 塩専売法第十七条ノ八第三項但書ノ塩業組合ニ在リテハ脱退シタル組合員ハ主タル事務所ノ所在地ニ於テ脱退ノ登記ヲ為ス前ニ生ジタル組合債務ニ付責任ヲ負フ
前項ノ責任ハ前項ノ登記後二年以内ニ請求又ハ請求ノ予告ヲ為サザル債権者ニ対シテハ登記後二年ヲ経過シタルトキ消滅ス
前二項ノ規定ハ持分ヲ譲渡シタル組合員ニ之ヲ準用ス
第四十五条 組合員ハ其ノ有スル製塩地面積ノ減少其ノ他已ムヲ得ザル事由アルトキハ定款ノ定ムル所ニ依リ塩業組合ノ承諾ヲ得テ其ノ出資口数又ハ保証金額ヲ減少スルコトヲ得
第十四条第五項ノ規定ハ前項ノ出資口数又ハ保証金額ノ減少ニ、第四十一条乃至第四十三条ノ規定ハ前項ノ出資口数ノ減少ニ、前条第一項及第二項ノ規定ハ前項ノ保証金額ノ減少ニ之ヲ準用ス
第五章 解散及清算
第四十六条 塩業組合ハ左ノ事由ニ因リテ解散ス
一 総会ノ決議
二 合併
三 組合員ガ一人ト為リタルコト
四 破産
五 大蔵大臣ノ解散ノ処分
第十四条第四項及第五項ノ規定ハ解散及合併ノ決議ニ之ヲ準用ス
第四十七条 合併ニ因リテ塩業組合ヲ設立スル場合ニ於テハ定款ノ作成其ノ他設立ニ関スル行為ハ各塩業組合ノ総会ニ於テ選任シタル者共同シテ之ヲ為スコトヲ要ス
第十四条第四項ノ規定ハ前項ノ選任ニ之ヲ準用ス
第四十八条 第三十二条及第三十三条ノ規定ハ合併ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四十九条 合併後存続スル塩業組合又ハ合併ニ因リテ設立シタル塩業組合ハ合併ニ因リテ消滅シタル塩業組合ノ権利義務ヲ承継ス
第五十条 塩業組合ガ解散シタルトキハ合併及破産ノ場合ヲ除クノ外組合長清算人ト為ル
前項ノ規定ニ依リテ清算人タル者ナキトキハ裁判所ハ利害関係人ノ申請ニ因リ又ハ職権ヲ以テ清算人ヲ選任ス
裁判所ハ必要アリト認ムルトキハ職権ヲ以テ清算人ヲ解任スルコトヲ得
第五十一条 清算人ハ就職ノ後遅滞ナク組合財産ノ現況ヲ調査シ財産目録及貸借対照表ヲ作リ之ヲ総会ニ提出シテ其ノ承認ヲ求ムルコトヲ要ス
第五十二条 清算人ハ組合債務ヲ弁済スルニ非ザレバ組合員ニ対シ組合財産ヲ分配スルコトヲ得ズ
第五十三条 清算事務ガ終リタルトキハ清算人ハ遅滞ナク決算報告書ヲ作リ之ヲ総会ニ提出シテ其ノ承認ヲ求ムルコトヲ要ス
第五十四条 民法第七十三条及第七十八条乃至第八十三条並ニ非訟事件手続法第三十五条第二項、第三十六条、第三十七条ノ二、第百三十五条ノ二十五第二項第三項、第百三十六条第一項、第百三十七条及第百三十八条ノ規定ハ塩業組合ノ清算ニ之ヲ準用ス
第六章 監督
第五十五条 地方専売局長ハ塩業組合ニ対シ事業又ハ財産ノ状況ニ関シ報告ヲ為サシメ、検査ヲ為シ、事業ノ計画若ハ其ノ執行方法又ハ収支予算若ハ経費ノ分賦収入方法ノ変更ヲ命ジ其ノ他監督上必要ナル命令ヲ発シ又ハ処分ヲ為スコトヲ得
第五十六条 塩業組合ノ事業若ハ財産ノ状況ニ依リ其ノ事業ノ継続ヲ困難ナリト認ムルトキ又ハ塩業組合ノ行為ガ法令、定款若ハ地方専売局長ノ命令ニ違反シ其ノ他公益ヲ害スルノ虞アルトキハ地方専売局長ハ左ノ処分ヲ為スコトヲ得
一 総会ノ決議ノ取消
二 役員ノ解任
三 事業ノ停止
大蔵大臣塩業組合ニ付前項ノ事由アリト認ムルトキハ解散ノ処分ヲ為スコトヲ得
第七章 登記
第五十七条 塩業組合ノ設立ノ登記ハ出資ノ第一回ノ払込アリタル日ヨリ二週間以内ニ主タル事務所ノ所在地ニ於テ之ヲ為スコトヲ要ス
設立ノ登記ニハ左ノ事項ヲ掲グルコトヲ要ス
一 目的
二 名称
三 地区
四 事務所
五 出資ノ総口数及払込ミタル出資ノ総額
六 出資一口ノ金額及其ノ払込ノ方法
七 塩専売法第十七条ノ八第三項但書ノ塩業組合ニ在リテハ各組合員ノ氏名、住所及保証金額
八 役員ノ氏名及住所
九 理事ノ代表権ニ制限ヲ加ヘタルトキハ其ノ制限
十 公告ノ方法
塩業組合ハ設立ノ登記ヲ為シタル後二週間以内ニ従タル事務所ノ所在地ニ於テ前項ニ掲グル事項ヲ登記スルコトヲ要ス
第五十八条 塩業組合ノ成立後従タル事務所ヲ設ケタルトキハ主タル事務所ノ所在地ニ於テハ二週間以内ニ従タル事務所ヲ設ケタルコトヲ登記シ其ノ従タル事務所ノ所在地ニ於テハ三週間以内ニ前条第二項ニ掲グル事項ヲ登記シ他ノ従タル事務所ノ所在地ニ於テハ同期間内ニ其ノ従タル事務所ヲ設ケタルコトヲ登記スルコトヲ要ス
主タル事務所又ハ従タル事務所ノ所在地ヲ管轄スル登記所ノ管轄区域内ニ於テ新ニ従タル事務所ヲ設ケタルトキハ其ノ従タル事務所ヲ設ケタルコトヲ登記スルヲ以テ足ル
第五十九条 塩業組合ガ主タル事務所ヲ移転シタルトキハ旧所在地ニ於テハ二週間以内ニ移転ノ登記ヲ為シ新所在地ニ於テハ三週間以内ニ第五十七条第二項ニ掲グル事項ヲ登記シ従タル事務所ヲ移転シタルトキハ旧所在地ニ於テハ三週間以内ニ移転ノ登記ヲ為シ新所在地ニ於テハ四週間以内ニ同項ニ掲グル事項ヲ登記スルコトヲ要ス
同一ノ登記所ノ管轄区域内ニ於テ主タル事務所又ハ従タル事務所ヲ移転シタルトキハ其ノ移転ノ登記ヲ為スヲ以テ足ル
第六十条 第五十七条第二項ニ掲グル事項中ニ変更ヲ生ジタルトキハ主タル事務所ノ所在地ニ於テハ二週間、従タル事務所ノ所在地ニ於テハ三週間以内ニ変更ノ登記ヲ為スコトヲ要ス
第五十七条第二項第五号及第七号ニ掲グル事項ノ変更ノ登記ハ前項ノ規定ニ拘ラズ毎事業年度末日ノ現在ニ依リ事業年度終了後主タル事務所ノ所在地ニ於テハ四週間、従タル事務所ノ所在地ニ於テハ五週間以内ニ之ヲ為スコトヲ得但シ第三十四条及第三十九条第一項ノ場合ニ於ケル第五十七条第二項第七号ニ掲グル事項ノ変更ノ登記ニ付テハ定款ノ定アル場合ニ限ル
第六十一条 塩業組合ガ解散シタルトキハ合併及破産ノ場合ヲ除クノ外主タル事務所ノ所在地ニ於テハ二週間、従タル事務所ノ所在地ニ於テハ三週間以内ニ解散ノ登記ヲ為スコトヲ要ス
第六十二条 塩業組合ガ合併ヲ為シタルトキハ主タル事務所ノ所在地ニ於テハ二週間、従タル事務所ノ所在地ニ於テハ三週間以内ニ合併後存続スル塩業組合ニ付テハ変更ノ登記、合併ニ因リテ消滅スル塩業組合ニ付テハ解散ノ登記、合併ニ因リテ設立シタル塩業組合ニ付テハ第五十七条第二項ニ掲グル事項ノ登記ヲ為スコトヲ要ス
第六十三条 塩業組合ハ清算人就職ノ日ヨリ主タル事務所ノ所在地ニ於テハ二週間、従タル事務所ノ所在地ニ於テハ三週間以内ニ清算人ノ氏名及住所ヲ登記スルコトヲ要ス
第六十条第一項ノ規定ハ前項ノ登記ニ之ヲ準用ス
第六十四条 塩業組合ノ清算ガ結了シタルトキハ清算結了ノ日ヨリ主タル事務所ノ所在地ニ於テハ二週間、従タル事務所ノ所在地ニ於テハ三週間以内ニ清算結了ノ登記ヲ為スコトヲ要ス
第六十五条 塩業組合ノ登記ニ付テハ其ノ事務所ノ所在地ヲ管轄スル区裁判所又ハ其ノ出張所ヲ以テ管轄登記所トス
各登記所ニ塩業組合登記簿ヲ備フ
第六十六条 塩業組合ノ設立ノ登記ハ組合長ノ申請ニ因リテ之ヲ為ス
前項ノ登記ノ申請書ニハ定款、出資ノ総口数ヲ証スル書面、出資ノ第一回ノ払込アリタルコトヲ証スル書面及役員ノ選任ヲ証スル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
第六十七条 第五十七条第三項ノ規定ニ依ル登記ハ組合長ノ申請ニ因リテ之ヲ為ス
第六十八条 塩業組合ノ事務所ノ新設又ハ事務所ノ移転其ノ他第五十七条第二項ニ掲グル事項ノ変更ノ登記ハ組合長又ハ清算人ノ申請ニ因リテ之ヲ為ス
前項ノ登記ノ申請書ニハ事務所ノ新設又ハ登記事項ノ変更ヲ証スル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
第六十九条 塩専売法第十七条ノ八第三項但書ノ塩業組合ノ設立ノ登記ヲ申請スル場合ニ於テハ第五十七条第二項第七号ニ掲グル事項ヲ記載シタル組合原簿ヲ提出スルコトヲ要ス
第五十七条第三項ノ規定ニ依ル登記、新設シタル従タル事務所ノ所在地ニ於テ為ス第五十八条第一項ノ規定ニ依ル登記又ハ新所在地ニ於テ為ス第五十九条第一項ノ規定ニ依ル登記ヲ申請スル場合亦前項ニ同ジ但シ第五十八条第二項又ハ第五十九条第二項ノ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
前二項ノ場合ニ於テハ組合原簿ニ記載シタル事項ハ之ヲ登記ノ申請書ニ掲グルコトヲ要セズ
第一項及前項ノ規定ハ塩専売法第十七条ノ八第三項但書ノ塩業組合ニ非ザル塩業組合ガ同項但書ノ塩業組合ト為リタルニ因リ変更ノ登記ヲ申請スル場合ニ之ヲ準用ス
第七十条 塩専売法第十七条ノ八第三項但書ノ塩業組合ガ組合員ノ加入ニ因リ変更ノ登記ヲ申請スル場合ニ於テハ当該組合員ニ付第五十七条第二項第七号ニ掲グル事項ヲ記載シタル組合原簿ヲ提出スルコトヲ要ス
前条第三項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第七十一条 登記所ノ受理シタル組合原簿ハ之ヲ登記簿ノ一部ト看做シ其ノ組合原簿ノ記載ハ之ヲ登記ト看做ス
第七十二条 塩業組合ノ解散ノ登記ハ第三項ニ規定スル場合ヲ除クノ外組合長ノ申請ニ因リテ之ヲ為ス
前項ノ登記ノ申請書ニハ解散ノ事由ヲ証スル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
塩業組合ガ大蔵大臣ノ解散ノ処分ニ因リテ解散シタルトキハ解散ノ登記ハ大蔵大臣ノ嘱託ニ因リテ之ヲ為ス
第七十三条 第六十三条ノ規定ニ依ル登記ハ清算人ノ申請ニ因リテ之ヲ為ス
第六十三条第一項ノ規定ニ依ル登記ノ申請書ニハ組合長ガ清算人タラザル場合ニ於テハ申請人ノ資格ヲ証スル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
第六十三条第二項ノ規定ニ依ル登記ノ申請書ニハ登記事項ノ変更ヲ証スル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
第七十四条 塩業組合ノ清算結了ノ登記ハ清算人ノ申請ニ因リ之ヲ為ス
前項ノ登記ノ申請書ニハ清算人ガ第五十三条ノ規定ニ依リ決算報告書ノ承認ヲ得タルコトヲ証スル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
第七十五条 登記スベキ事項ニシテ地方専売局長ノ認可ヲ要スルモノハ其ノ認可書ノ到達シタル時ヨリ登記ノ期間ヲ起算ス
第七十六条 登記シタル事項ハ裁判所ニ於テ遅滞ナク之ヲ公告スルコトヲ要ス但シ組合原簿ニ記載シタル事項ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第七十七条 非訟事件手続法第百四十二条乃至第百五十一条ノ六及第百五十四条乃至第百五十七条ノ規定ハ本令ニ依ル登記ニ之ヲ準用ス
第八章 塩業組合連合会及塩業組合中央会
第七十八条 塩業組合ガ塩業組合連合会ヲ設立シ又ハ之ニ加入スルニハ塩専売法第十七条ノ十三第四項ニ於テ準用スル同法第十七条ノ四第一項ノ規定ニ依ル設立又ハ加入ノ命令ニ依ル場合ヲ除クノ外総会ノ決議アルコトヲ要ス
第十四条第四項ノ規定ハ前項ノ決議ニ之ヲ準用ス
第七十九条 塩業組合連合会ニ役員トシテ会長一人、理事二人以上及監事一人以上ヲ置ク
塩業組合連合会ニハ前項ノ役員ノ外定款ノ定ムル所ニ依リ副会長一人ヲ置クコトヲ得
第八十条 会長ハ塩業組合連合会ヲ代表シ其ノ業務ヲ総理ス
副会長ハ定款ノ定ムル所ニ依リ塩業組合連合会ヲ代表シ会長ヲ輔佐シテ塩業組合連合会ノ業務ヲ掌理シ会長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ会長欠員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
理事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ塩業組合連合会ヲ代表シ会長及副会長ヲ輔佐シテ塩業組合連合会ノ業務ヲ掌理シ会長及副会長共ニ事故アルトキハ会長ノ職務ヲ代理シ会長及副会長共ニ欠員ノトキハ会長ノ職務ヲ行フ
監事ハ塩業組合連合会ノ業務及財産ノ状況ヲ監査ス
第八十一条 第一条乃至第十一条、第十四条乃至第二十四条及第二十六条乃至第七十七条ノ規定ハ塩業組合連合会ニ之ヲ準用ス但シ第十四条第二項及第十六条中組合長及理事トアルハ会長、副会長及理事、第十七条中組合長若ハ理事トアルハ会長、副会長若ハ理事、第五十七条第二項第九号中理事トアルハ副会長又ハ理事トス
第八十二条 塩業組合中央会ニ役員トシテ会長一人、副会長二人以内、理事三人以上及監事二人以上ヲ置ク
第八十三条 第一条乃至第十一条、第十四条乃至第二十四条、第二十六条乃至第四十六条、第五十条乃至第六十一条、第六十三条乃至第七十八条及第八十条ノ規定ハ塩業組合中央会ニ之ヲ準用ス但シ地方専売局長トアルハ専売局長官、第十四条第二項及第十六条中組合長及理事トアルハ会長、副会長及理事、第十七条中組合長若ハ理事トアルハ会長、副会長若ハ理事、第五十七条第二項第九号中理事トアルハ副会長又ハ理事トス
附 則
第八十四条 本令ハ昭和十八年法律第三十二号施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第八十五条 昭和十八年法律第三十二号附則第二条第一項ノ規定ニ依リ産業組合、工業組合又ハ工業小組合(以下既存組合ト総称ス)ガ塩業組合ト為リタル際現ニ当該既存組合ノ定款ノ定ムル所ニ依リ選任セラレタル組合長又ハ理事長アルトキハ之ヲ当該塩業組合ノ組合長ト看做ス
第八十六条 既存組合ガ塩業組合ト為リタル際現ニ当該既存組合ノ理事又ハ監事タル者ハ前条ノ規定ニ依リ組合長ト看做サレタル者ヲ除クノ外夫々之ヲ当該塩業組合ノ理事又ハ監事ト看做ス
第八十七条 前二条ノ規定ニ依ル塩業組合ノ役員ノ任期ハ第十四条第二項ノ規定ニ拘ラズ昭和十八年十月三十一日迄トス
第八十八条 既存組合ガ塩業組合ト為リタルトキハ組合長ハ遅滞ナク総会ノ決議ヲ経テ定款、塩業組合ト為リタル日ノ属スル事業年度ノ収支予算及経費ヲ組合員ニ分賦スル塩業組合ニ在リテハ同事業年度ニ於ケル其ノ経費ノ分賦収入方法ヲ定メ地方専売局長ノ認可ヲ受クルコトヲ要ス
前項ノ認可アル迄ハ塩業組合ト為リタル既存組合ノ定款、収支予算又ハ経費ノ分賦収入方法ヲ夫々当該塩業組合ノ定款、収支予算又ハ経費ノ分賦収入方法ト看做ス
第八十九条 塩業組合ト為リタル既存組合ニ付本令施行前産業組合法又ハ工業組合法ニ依リ産業組合登記簿又ハ工業組合登記簿若ハ工業小組合登記簿ニ登記セラレタル事項ハ本令施行ノ日ニ於テ之ヲ本令ニ依リ塩業組合登記簿ニ登記セラレタルモノト看做ス
第九十条 前条ノ産業組合登記簿、工業組合登記簿又ハ工業小組合登記簿ニ登記セラレタル事項ニ関シ本令施行後最初ニ登記ヲ為シタルトキハ登記官吏ハ職権ヲ以テ其ノ登記簿ノ登記ヲ塩業組合登記簿ニ移スベシ
第九十一条 塩専売法第十七条ノ八第三項但書ノ塩業組合ト為リタル既存組合ガ第五十七条第二項第七号ニ掲グル事項ニ関シ本令施行後最初ニ登記ヲ申請スル場合ニ於テハ第六十九条第一項及第二項ノ規定ニ準ジ組合原簿ヲ提出スルコトヲ要ス
第六十九条第三項及第七十一条ノ規定ハ前項ノ組合原簿ヲ提出シタル場合ニ之ヲ準用ス