食糧管理法樺太適用特例
法令番号: 勅令第五百九十三號
公布年月日: 昭和17年6月24日
法令の形式: 勅令
朕食糧管理法樺太適用特例ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十七年六月二十三日
內閣總理大臣 東條英機
農林大臣兼拓務大臣 井野碩哉
勅令第五百九十三號
食糧管理法樺太適用特例
第一條 食糧管理法第三條(米穀、大麥、稞麥又ハ小麥ノ略稱ニ關スル部分ヲ除ク)、第四條乃至第八條、第十一條第三項、第三十五條第一號第二號及第五十二條竝ニ第五十一條ニ於テ準用スル同法第四十八條第二項第三項ノ規定ハ之ヲ樺太ニ適用セズ
食糧管理法第三十二條第一項、第三十三條及第三十七條ノ規定ハ同法第三條及第八條ノ規定ニ關係アル範圍內ニ於テ之ヲ樺太ニ適用セズ
食糧管理法第十一條第二項中政府ニ賣渡スベシトアルハ樺太ニ設立セラルル地方食糧營團(以下樺太食糧營團ト稱ス)ニ賣渡スベシトス
第二條 食糧管理法施行令第二條乃至第十一條、第十六條、第十七條、第十九條第一項、第二十三條、第二十四條、第二十七條、第二十九條、第三十九條、第四十條及第四十三條ノ規定ハ之ヲ樺太ニ適用セズ
食糧管理法施行令第十二條第一項第三項及第十八條第一項中農林大臣トアリ同令第十九條第二項第三項、第二十條第一項及第四十一條中地方長官トアルハ樺太廳長官トシ同令第十四條第一號中內地トアルハ樺太トス
第三條 主要食糧ノ生產者又ハ土地ニ付權利ヲ有シ小作料トシテ之ヲ受クル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ生產シ又ハ小作料トシテ受ケタル主要食糧ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノヲ販賣組合ニ賣渡シ又ハ販賣ノ委託ヲ爲スベシ
販賣組合前項ノ規定ニ依リ主要食糧ヲ買受ケ又ハ販賣ノ委託ヲ受ケタルトキハ其ノ主要食糧ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノヲ販賣組合聯合會ニ賣渡シ又ハ販賣ノ委託ヲ爲スベシ
前二項ノ場合ニ於テ樺太廳長官ハ販賣組合又ハ販賣組合聯合會ニ對シ主要食糧ノ買受又ハ販賣ノ受託ニ關シ必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
販賣組合聯合會第二項ノ規定ニ依リ主要食糧ヲ買受ケ又ハ販賣ノ委託ヲ受ケタルトキハ其ノ主要食糧ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノヲ樺太食糧營團ニ賣渡スベシ
第四條 精米若ハ精麥ノ設備又ハ小麥粉ノ製造ノ設備ノ新設、擴張又ハ改良ヲ爲サントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ樺太廳長官ノ許可ヲ受クベシ
第五條 食糧管理法第十一條第一項ノ規定ニ依ル許可ハ樺太廳長官之ヲ行フ
前項ノ許可ハ左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ニ於テハ之ヲ受クルコトヲ要セズ
一 樺太食糧營團ガ米麥ヲ輸出若ハ移出シ又ハ輸入若ハ移入スルトキ
二 船用品タル米麥又ハ命令ヲ以テ定ムル旅客ノ携帶品タル米麥、標本米麥其ノ他之ニ準ズベキモノヲ輸出若ハ移出シ又ハ輸入若ハ移入スルトキ
第六條 米麥以外ノ主要食糧ノ輸出又ハ移出ハ命令ヲ以テ指定スル期間樺太廳長官ノ許可ヲ受クルニ非ザレバ之ヲ爲スコトヲ得ズ但シ命令ヲ以テ定ムル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第七條 米麥以外ノ主要食糧ヲ輸入又ハ移入シタル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ輸入又ハ移入シタル米麥以外ノ主要食糧ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノヲ樺太食糧營團ニ賣渡スベシ
第八條 左ニ揭グル事項ハ食糧管理法施行令第十九條ノ規定ニ拘ラズ拓務大臣農林大臣ニ協議シテ之ヲ行フ
一 食糧管理法第十五條第三項ノ規定ニ依リ樺太ニ於ケル從タル事務所ノ設置ヲ認可スルコト
二 食糧管理法第二十條ノ規定ニ依リ樺太ニ於ケル業務ニ關シ主要食糧ノ配給上必要ナル事業ヲ行フベキコトヲ命ジ其ノ他公益上必要ナル命令ヲ爲スコト
三 食糧管理法第二十一條第一項ノ規定ニ依リ樺太ニ於ケル業務ニ關シ倉荷證券ノ發行ヲ許可スルコト
四 食糧管理法第二十三條第一項ノ規定ニ依リ樺太ニ於ケル業務ニ關シ必要ナル事項ヲ指示スルコトヲ認可スルコト
五 食糧管理法第二十三條第二項ノ規定ニ依リ前號ノ認可ニ係ル指示ニ從フベキコトヲ命ズルコト
六 食糧管理法第三十條ニ於テ準用スル農地開發法第三十九條ノ規定ニ依リ樺太ニ於ケル業務ニ關シ報吿ヲ爲サシメ、檢査ヲ爲シ其ノ他監督上必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコト
附 則
第九條 本令ハ昭和十七年七月一日ヨリ之ヲ施行ス
第十條 第一條第三項中樺太ニ設立セラルル地方食糧營團(以下樺太食糧營團ト稱ス)トアリ第三條第四項、第五條第二項第一號及第七條中樺太食糧營團トアルハ樺太食糧營團成立ノ日迄ハ樺太糧穀株式會社トス
第十一條 食糧管理法第五十一條ニ於テ準用スル同法第四十七條第二項ノ規定ニ依リ解散ヲ命ズルコトヲ得ル法人ハ樺太糧穀株式會社トス
朕食糧管理法樺太適用特例ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十七年六月二十三日
内閣総理大臣 東条英機
農林大臣兼拓務大臣 井野碩哉
勅令第五百九十三号
食糧管理法樺太適用特例
第一条 食糧管理法第三条(米穀、大麦、稞麦又ハ小麦ノ略称ニ関スル部分ヲ除ク)、第四条乃至第八条、第十一条第三項、第三十五条第一号第二号及第五十二条並ニ第五十一条ニ於テ準用スル同法第四十八条第二項第三項ノ規定ハ之ヲ樺太ニ適用セズ
食糧管理法第三十二条第一項、第三十三条及第三十七条ノ規定ハ同法第三条及第八条ノ規定ニ関係アル範囲内ニ於テ之ヲ樺太ニ適用セズ
食糧管理法第十一条第二項中政府ニ売渡スベシトアルハ樺太ニ設立セラルル地方食糧営団(以下樺太食糧営団ト称ス)ニ売渡スベシトス
第二条 食糧管理法施行令第二条乃至第十一条、第十六条、第十七条、第十九条第一項、第二十三条、第二十四条、第二十七条、第二十九条、第三十九条、第四十条及第四十三条ノ規定ハ之ヲ樺太ニ適用セズ
食糧管理法施行令第十二条第一項第三項及第十八条第一項中農林大臣トアリ同令第十九条第二項第三項、第二十条第一項及第四十一条中地方長官トアルハ樺太庁長官トシ同令第十四条第一号中内地トアルハ樺太トス
第三条 主要食糧ノ生産者又ハ土地ニ付権利ヲ有シ小作料トシテ之ヲ受クル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ生産シ又ハ小作料トシテ受ケタル主要食糧ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノヲ販売組合ニ売渡シ又ハ販売ノ委託ヲ為スベシ
販売組合前項ノ規定ニ依リ主要食糧ヲ買受ケ又ハ販売ノ委託ヲ受ケタルトキハ其ノ主要食糧ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノヲ販売組合連合会ニ売渡シ又ハ販売ノ委託ヲ為スベシ
前二項ノ場合ニ於テ樺太庁長官ハ販売組合又ハ販売組合連合会ニ対シ主要食糧ノ買受又ハ販売ノ受託ニ関シ必要ナル命令ヲ為スコトヲ得
販売組合連合会第二項ノ規定ニ依リ主要食糧ヲ買受ケ又ハ販売ノ委託ヲ受ケタルトキハ其ノ主要食糧ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノヲ樺太食糧営団ニ売渡スベシ
第四条 精米若ハ精麦ノ設備又ハ小麦粉ノ製造ノ設備ノ新設、拡張又ハ改良ヲ為サントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ樺太庁長官ノ許可ヲ受クベシ
第五条 食糧管理法第十一条第一項ノ規定ニ依ル許可ハ樺太庁長官之ヲ行フ
前項ノ許可ハ左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニ於テハ之ヲ受クルコトヲ要セズ
一 樺太食糧営団ガ米麦ヲ輸出若ハ移出シ又ハ輸入若ハ移入スルトキ
二 船用品タル米麦又ハ命令ヲ以テ定ムル旅客ノ携帯品タル米麦、標本米麦其ノ他之ニ準ズベキモノヲ輸出若ハ移出シ又ハ輸入若ハ移入スルトキ
第六条 米麦以外ノ主要食糧ノ輸出又ハ移出ハ命令ヲ以テ指定スル期間樺太庁長官ノ許可ヲ受クルニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ但シ命令ヲ以テ定ムル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第七条 米麦以外ノ主要食糧ヲ輸入又ハ移入シタル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ輸入又ハ移入シタル米麦以外ノ主要食糧ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノヲ樺太食糧営団ニ売渡スベシ
第八条 左ニ掲グル事項ハ食糧管理法施行令第十九条ノ規定ニ拘ラズ拓務大臣農林大臣ニ協議シテ之ヲ行フ
一 食糧管理法第十五条第三項ノ規定ニ依リ樺太ニ於ケル従タル事務所ノ設置ヲ認可スルコト
二 食糧管理法第二十条ノ規定ニ依リ樺太ニ於ケル業務ニ関シ主要食糧ノ配給上必要ナル事業ヲ行フベキコトヲ命ジ其ノ他公益上必要ナル命令ヲ為スコト
三 食糧管理法第二十一条第一項ノ規定ニ依リ樺太ニ於ケル業務ニ関シ倉荷証券ノ発行ヲ許可スルコト
四 食糧管理法第二十三条第一項ノ規定ニ依リ樺太ニ於ケル業務ニ関シ必要ナル事項ヲ指示スルコトヲ認可スルコト
五 食糧管理法第二十三条第二項ノ規定ニ依リ前号ノ認可ニ係ル指示ニ従フベキコトヲ命ズルコト
六 食糧管理法第三十条ニ於テ準用スル農地開発法第三十九条ノ規定ニ依リ樺太ニ於ケル業務ニ関シ報告ヲ為サシメ、検査ヲ為シ其ノ他監督上必要ナル命令ヲ発シ又ハ処分ヲ為スコト
附 則
第九条 本令ハ昭和十七年七月一日ヨリ之ヲ施行ス
第十条 第一条第三項中樺太ニ設立セラルル地方食糧営団(以下樺太食糧営団ト称ス)トアリ第三条第四項、第五条第二項第一号及第七条中樺太食糧営団トアルハ樺太食糧営団成立ノ日迄ハ樺太糧穀株式会社トス
第十一条 食糧管理法第五十一条ニ於テ準用スル同法第四十七条第二項ノ規定ニ依リ解散ヲ命ズルコトヲ得ル法人ハ樺太糧穀株式会社トス