第一條 左ニ揭グル日本船舶(漁船ヲ除ク)ニ乘組ム命令ヲ以テ定ムル船員(以下小形船舶乘組員ト稱ス)ハ小形船舶乘組員手帳ヲ受有スルコトヲ要ス
本法ニ定ムルモノヲ除クノ外小形船舶乘組員手帳ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二條 小形船舶乘組員ハ其ノ雇傭契約ノ成立、終了、更新又ハ變更アリタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ小形船舶乘組員手帳ヲ管海官廳ニ提出シテ其ノ證明ヲ受クルコトヲ要ス
前項ノ規定ハ命令ノ定ムル所ニ依リ雇傭契約ニ依ラズシテ乘組ム小形船舶乘組員ニ之ヲ準用ス
第三條 小形船舶乘組員、小形船舶乘組員タラントスル者、船舶所有者又ハ船長ハ小形船舶乘組員手帳ニ關シ必要アルトキハ小形船舶乘組員又ハ小形船舶乘組員タラントスル者ノ戶籍ニ關シ戶籍事務ヲ管掌スル者又ハ其ノ代理者ニ對シ無償ニテ證明ヲ求ムルコトヲ得
第四條 管海官廳必要アリト認ムルトキハ船舶所有者又ハ小形船舶乘組員手帳ノ交付ヲ受ケタル者ニ出頭ヲ求メ又ハ其ノ者ヨリ報吿ヲ徵スルコトヲ得
第五條 本法及本法ニ基キテ發スル命令中船舶所有者ニ關スル規定ハ船舶共有ノ場合ニ在リテ船舶管理人ヲ置キタルトキハ船舶管理人ニ、船舶貸借ノ場合ニ在リテハ船舶借入人ニ之ヲ適用ス
第六條 本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ依リ管海官廳ノ行フベキ事務ニ付テハ主務大臣ハ市町村長、町村制ヲ施行セザル地ニ在リテハ之ニ準ズル者ヲシテ之ヲ行ハシムルコトヲ得
第七條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ六月以下ノ懲役又ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
一 詐欺其ノ他ノ不正行爲ヲ以テ小形船舶乘組員手帳ノ交付ヲ受ケタル者
三 詐欺其ノ他ノ不正行爲ヲ以テ第二條ノ規定ニ依ル證明ヲ受ケタル者
第八條 第四條ノ規定ニ違反シ出頭ニ應ゼズ又ハ報吿ヲ怠リ若ハ虛僞ノ報吿ヲ爲シタル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
第九條 船舶所有者ハ其ノ代理人、戶主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ其ノ業務ニ關シ前條ノ違反行爲ヲ爲シタルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第十條 第八條ノ罰則ハ船舶所有者ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第十一條 國又ハ北海道、府縣、市町村其ノ他之ニ準ズベキモノノ所有ニ屬スル船舶ニ乘組ム小形船舶乘組員ニ付テハ命令ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコトヲ得
本法及本法ニ基キテ發スル命令中船舶所有者ニ適用スベキ罰則ハ國又ハ北海道、府縣、市町村其ノ他之ニ準ズベキモノニハ之ヲ適用セズ