重要物資管理営団法
法令番号: 法律第六十九號
公布年月日: 昭和17年2月24日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル重要物資管理營團法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十七年二月二十三日
內閣總理大臣 東條英機
厚生大臣 小泉親彥
大藏大臣 賀屋興宣
商工大臣 岸信介
內務大臣 湯澤三千男
法律第六十九號
重要物資管理營團法
第一章 總則
第一條 重要物資管理營團ハ臨時ニ際シ重要物資ノ貯藏確保及增强シ竝ニ貯藏重要物資ノ利用ヲ有效且適正ナラシムルコトヲ目的トス
重要物資管理營團ハ法人トス
本法ノ重要物資ノ範圍ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二條 重要物資管理營團ハ主タル事務所ヲ東京市ニ置ク
重要物資管理營團ハ政府ノ認可ヲ受ケ必要ノ地ニ從タル事務所ヲ設置スルコトヲ得
第三條 重要物質管理營團ノ資本金ハ二千萬圓トス
第四條 政府ハ二千萬圓ヲ重要物資管理營團ニ出資スベシ
前項ノ出資ハ國債證券ヲ交付シテ之ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ交付スル國債證券ノ交付價格ハ時價ヲ參酌シテ大藏大臣之ヲ定ム
第五條 重要物資管理營團ハ定款ヲ以テ左ノ事項ヲ規定スベシ
一 目的
二 名稱
三 事務所ノ所在地
四 資本金額及資產ニ關スル事項
五 役員ニ關スル事項
六 業務及其ノ執行ニ關スル事項
七 會計ニ關スル事項
八 公吿ノ方法
定款ハ政府ノ認可ヲ受ケ之ヲ變更スルコトヲ得
第六條 重要物資管理營團ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ登記ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ハ登記ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ對抗スルコトヲ得ズ
第七條 重要物資管理營團ニハ所得稅、法人稅及營業稅ヲ課セズ
北海道、府縣、市町村其ノ他之ニ準ズベキモノハ重要物資管理營團ノ事業ニ對シテハ地方稅ヲ課スルコトヲ得ズ但シ特別ノ事情ニ基キ內務大臣及大藏大臣ノ認可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第八條 重要物資管理營團ニ付解散ヲ必要トスル事由發生シタル場合ニ於テ其ノ處置ニ關シテハ別ニ法律ヲ以テ之ヲ定ム
第九條 重要物資管理營團ニ非ザル者ハ重要物資管理營團又ハ之ニ類似スル名稱ヲ用フルコトヲ得ズ
第十條 民法第四十四條、第五十條、第五十四條及第五十七條竝ニ非訟事件手續法第三十五條第一項ノ規定ハ重要物資管理營團ニ之ヲ準用ス
第二章 役員
第十一條 重要物資管理營團ニ理事長副理事長各一人、理事三人以上及監事二人以上ヲ置ク
理事長ハ重要物資管理營團ヲ代表シ其ノ業務ヲ總理ス
副理事長ハ定款ノ定ムル所ニ依リ重要物資管理營團ヲ代表シ理事長ヲ輔佐シテ重要物資管理營團ノ業務ヲ掌理ス
副理事長ハ理事長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ理事長缺員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
理事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ重要物資管理營團ヲ代表シ理事長及副理事長ヲ輔佐シテ重要物資管理營團ノ業務ヲ掌理ス
理事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ理事長及副理事長共ニ事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ理事長及副理事長共ニ缺員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
監事ハ重要物資管理營團ノ業務ヲ監査ス
第十二條 理事長、副理事長、理事及監事ハ政府之ヲ命ズ
理事長、副理事長及理事ノ任期ハ三年、監事ノ任期ハ二年トス
第十三條 理事長、副理事長及理事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ從タル事務所ノ業務ニ關シ一切ノ裁判上又ハ裁判外ノ行爲ヲ爲ス權限ヲ有スル代理人ヲ選任スルコトヲ得
第十四條 理事長、副理事長及理事ハ他ノ職業ニ從事スルコトヲ得ズ但シ政府ノ認可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第十五條 重要物資管理營團ニ評議員若干人ヲ置キ政府之ヲ命ズ
評議員ハ業務經營ニ關スル重要ナル事項ニ付理事長ノ諮問ニ應ジ必要アルトキハ之ニ對シ意見ヲ述ブルコトヲ得
評議員ハ名譽職トシ其ノ任期ハ二年トス
第三章 業務
第十六條 重要物資管理營團ハ左ノ業務ヲ行フ
一 重要物資ノ保有
二 重要物資ノ買入、輸入及賣渡
三 其ノ他重要物資管理營團ノ目的達成上必要ナル事業
重要物資管理營團ハ前項第一號及第二號ノ業務ニ付テハ政府ノ定ムル計畫ニ依リテ之ヲ行フベシ
重要物資管理營團第一項第三號ノ業務ヲ行ハントスルトキハ政府ノ認可ヲ受クベシ
第十七條 重要物資管理營團必要アリト認ムルトキハ業務ニ關シ重要物資ヲ所有又ハ保管スル者ニ對シ其ノ所有又ハ保管ノ狀況ニ關シ報吿ヲ爲サシムルコトヲ得
重要物資管理營團必要アリト認ムルトキハ政府ノ認可ヲ受ケ役員又ハ使用人ヲシテ前項ニ揭グル者ノ業務ニ關スル帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコトヲ得
重要物資管理營團前項ノ規定ニ依リ役員又ハ使用人ヲシテ檢査セシムル場合ニ於テハ前項ノ規定ニ依ル認可アリタルコトヲ證スル書面及其ノ身分ヲ示ス證票ヲ携帶セシムベシ
第十八條 重要物資管理營團ハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ認可ヲ受ケ物資ノ生產、輸出、輸入、販賣又ハ保管ヲ業トスル者ニ對シ重要物資管理營團ノ所有スル重要物資ノ保管ヲ爲サシムルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ保管ニ要シタル費用ハ重要物資管理營團ノ負擔トス
第四章 會計
第十九條 重要物資管理營團ノ事業年度ハ每年四月ヨリ翌年三月迄トス
第二十條 重要物資管理營團ハ設立ノ時及每事業年度ノ初ニ於テ財產目錄、貸借對照表及損益計算書ヲ作成シ定款ト共ニ之ヲ各事務所ニ備置クコトヲ要ス
第五章 監督
第二十一條 重要物資管理營團ハ政府之ヲ監督ス
第二十二條 重要物資管理營團ハ政府ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ剩餘金ノ處分ヲ爲スコトヲ得ズ
第二十三條 重要物資管理營團ハ業務開始ノ際業務ノ方法ヲ定メ政府ノ認可ヲ受クベシ之ヲ變更セントスルトキ亦同ジ
第二十四條 政府ハ重要物資管理營團ニ對シ業務及財產ノ狀況ニ關シ報吿ヲ爲サシメ、檢査ヲ爲シ其ノ他監督上必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第二十五條 役員ガ法令、定款若ハ政府ノ命令ニ違反シ又ハ公益ヲ害スル行爲ヲ爲シタルトキハ政府ハ之ヲ解任スルコトヲ得
第六章 罰則
第二十六條 重要物資管理營團ノ理事長、副理事長、理事、監事又ハ使用人其ノ職務ニ關シ賄賂ヲ收受シ又ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ二年以下ノ懲役又ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス因テ不正ノ行爲ヲ爲シ又ハ相當ノ行爲ヲ爲サザルトキハ五年以下ノ懲役又ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ場合ニ於テ收受シタル賄賂ハ之ヲ沒收ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收スルコト能ハザルトキハ其ノ價額ヲ追徵ス
第二十七條 前條第一項ニ揭グル者ニ賄賂ヲ交付、提供又ハ約束シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキハ其ノ刑ヲ減輕又ハ免除スルコトヲ得
第二十八條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
一 第十七條第一項ノ規定ニ依ル報吿ヲ爲サズ又ハ虛僞ノ報吿ヲ爲シタル者
二 第十七條第二項ノ規定ニ依ル檢査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者
三 正當ノ事由ナクシテ第十八條第一項ノ規定ニ依ル保管ヲ爲サザル者
第二十九條 人又ハ法人ノ代理人、戶主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ其ノ人又ハ法人ノ業務ニ關シ前條第一號又ハ第三號ノ違反行爲ヲ爲シタルトキハ其ノ人又ハ法人ハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第三十條 第二十八條第一號及第三號ノ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第三十一條 左ノ場合ニ於テハ重要物資管理營團ノ理事長、副理事長、理事又ハ監事ヲ千圓以下ノ過料ニ處ス
一 本法ニ依リ政府ノ認可ヲ受クベキ場合ニ於テ其ノ認可ヲ受ケザルトキ
二 本法ニ規定セザル業務ヲ營ミタルトキ
三 第十六條第二項ノ規定ニ違反シ政府ノ定ムル計畫ニ依ラズシテ業務ヲ行ヒタルトキ
四 政府ノ監督上ノ命令又ハ處分ニ違反シタルトキ
第三十二條 左ノ場合ニ於テハ重要物資管理營團ノ理事長、副理事長、理事又ハ監事ヲ五百圓以下ノ過料ニ處ス
一 本法又ハ本法ニ基キテ發スル勅令ニ違反シ登記ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正ノ登記ヲ爲シタルトキ
二 第二十條ノ規定ニ違反シ書類ヲ備置カザルトキ又ハ其ノ書類ニ記載スベキ事項ヲ記載セズ若ハ不正ノ記載ヲ爲シタルトキ
第三十三條 第九條ノ規定ニ違反シ重要物資管理營團又ハ之ニ類似スル名稱ヲ用ヒタル者ハ五百圓以下ノ過料ニ處ス
附 則
第三十四條 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十五條 政府ハ設立委員ヲ命ジ重要物資管理營團ノ設立ニ關スル事務ヲ處理セシム
第三十六條 設立委員ハ定款ヲ作成シ政府ノ認可ヲ受クベシ
第三十七條 定款ニ付政府ノ認可アリタルトキハ設立委員ハ遲滯ナク出資ノ第一囘ノ拂込ヲ禀請スベシ
第三十八條 出資ノ第一囘ノ拂込アリタルトキハ設立委員ハ遲滯ナク其ノ事務ヲ重要物資管理營團理事長ニ引繼グベシ
理事長前項ノ事務ノ引繼ヲ受ケタルトキハ理事長、副理事長、理事及監事ノ全員ハ設立ノ登記ヲ爲スベシ
重要物資管理營團ハ設立ノ登記ヲ爲スニ因リテ成立ス
第三十九條 登錄稅法中左ノ通改正ス
第十九條第七號中「產業設備營團、」ノ下ニ「重要物資管理營團、」ヲ、「產業設備營團法、」ノ下ニ「重要物資管理營團法、」ヲ加フ
第四十條 印紙稅法中左ノ通改正ス
第五條第六號ノ五ノ次ニ左ノ一號ヲ加フ
六ノ六 重要物資管理營團ノ重要物資管理營團法第十六條第一項第一號及第二號ノ業務ニ關スル證書帳簿
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル重要物資管理営団法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十七年二月二十三日
内閣総理大臣 東条英機
厚生大臣 小泉親彦
大蔵大臣 賀屋興宣
商工大臣 岸信介
内務大臣 湯沢三千男
法律第六十九号
重要物資管理営団法
第一章 総則
第一条 重要物資管理営団ハ臨時ニ際シ重要物資ノ貯蔵確保及増強シ並ニ貯蔵重要物資ノ利用ヲ有効且適正ナラシムルコトヲ目的トス
重要物資管理営団ハ法人トス
本法ノ重要物資ノ範囲ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二条 重要物資管理営団ハ主タル事務所ヲ東京市ニ置ク
重要物資管理営団ハ政府ノ認可ヲ受ケ必要ノ地ニ従タル事務所ヲ設置スルコトヲ得
第三条 重要物質管理営団ノ資本金ハ二千万円トス
第四条 政府ハ二千万円ヲ重要物資管理営団ニ出資スベシ
前項ノ出資ハ国債証券ヲ交付シテ之ヲ為スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ交付スル国債証券ノ交付価格ハ時価ヲ参酌シテ大蔵大臣之ヲ定ム
第五条 重要物資管理営団ハ定款ヲ以テ左ノ事項ヲ規定スベシ
一 目的
二 名称
三 事務所ノ所在地
四 資本金額及資産ニ関スル事項
五 役員ニ関スル事項
六 業務及其ノ執行ニ関スル事項
七 会計ニ関スル事項
八 公告ノ方法
定款ハ政府ノ認可ヲ受ケ之ヲ変更スルコトヲ得
第六条 重要物資管理営団ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ登記ヲ為スコトヲ要ス
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ハ登記ノ後ニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ対抗スルコトヲ得ズ
第七条 重要物資管理営団ニハ所得税、法人税及営業税ヲ課セズ
北海道、府県、市町村其ノ他之ニ準ズベキモノハ重要物資管理営団ノ事業ニ対シテハ地方税ヲ課スルコトヲ得ズ但シ特別ノ事情ニ基キ内務大臣及大蔵大臣ノ認可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第八条 重要物資管理営団ニ付解散ヲ必要トスル事由発生シタル場合ニ於テ其ノ処置ニ関シテハ別ニ法律ヲ以テ之ヲ定ム
第九条 重要物資管理営団ニ非ザル者ハ重要物資管理営団又ハ之ニ類似スル名称ヲ用フルコトヲ得ズ
第十条 民法第四十四条、第五十条、第五十四条及第五十七条並ニ非訟事件手続法第三十五条第一項ノ規定ハ重要物資管理営団ニ之ヲ準用ス
第二章 役員
第十一条 重要物資管理営団ニ理事長副理事長各一人、理事三人以上及監事二人以上ヲ置ク
理事長ハ重要物資管理営団ヲ代表シ其ノ業務ヲ総理ス
副理事長ハ定款ノ定ムル所ニ依リ重要物資管理営団ヲ代表シ理事長ヲ輔佐シテ重要物資管理営団ノ業務ヲ掌理ス
副理事長ハ理事長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ理事長欠員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
理事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ重要物資管理営団ヲ代表シ理事長及副理事長ヲ輔佐シテ重要物資管理営団ノ業務ヲ掌理ス
理事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ理事長及副理事長共ニ事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ理事長及副理事長共ニ欠員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
監事ハ重要物資管理営団ノ業務ヲ監査ス
第十二条 理事長、副理事長、理事及監事ハ政府之ヲ命ズ
理事長、副理事長及理事ノ任期ハ三年、監事ノ任期ハ二年トス
第十三条 理事長、副理事長及理事ハ定款ノ定ムル所ニ依リ従タル事務所ノ業務ニ関シ一切ノ裁判上又ハ裁判外ノ行為ヲ為ス権限ヲ有スル代理人ヲ選任スルコトヲ得
第十四条 理事長、副理事長及理事ハ他ノ職業ニ従事スルコトヲ得ズ但シ政府ノ認可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第十五条 重要物資管理営団ニ評議員若干人ヲ置キ政府之ヲ命ズ
評議員ハ業務経営ニ関スル重要ナル事項ニ付理事長ノ諮問ニ応ジ必要アルトキハ之ニ対シ意見ヲ述ブルコトヲ得
評議員ハ名誉職トシ其ノ任期ハ二年トス
第三章 業務
第十六条 重要物資管理営団ハ左ノ業務ヲ行フ
一 重要物資ノ保有
二 重要物資ノ買入、輸入及売渡
三 其ノ他重要物資管理営団ノ目的達成上必要ナル事業
重要物資管理営団ハ前項第一号及第二号ノ業務ニ付テハ政府ノ定ムル計画ニ依リテ之ヲ行フベシ
重要物資管理営団第一項第三号ノ業務ヲ行ハントスルトキハ政府ノ認可ヲ受クベシ
第十七条 重要物資管理営団必要アリト認ムルトキハ業務ニ関シ重要物資ヲ所有又ハ保管スル者ニ対シ其ノ所有又ハ保管ノ状況ニ関シ報告ヲ為サシムルコトヲ得
重要物資管理営団必要アリト認ムルトキハ政府ノ認可ヲ受ケ役員又ハ使用人ヲシテ前項ニ掲グル者ノ業務ニ関スル帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ検査セシムルコトヲ得
重要物資管理営団前項ノ規定ニ依リ役員又ハ使用人ヲシテ検査セシムル場合ニ於テハ前項ノ規定ニ依ル認可アリタルコトヲ証スル書面及其ノ身分ヲ示ス証票ヲ携帯セシムベシ
第十八条 重要物資管理営団ハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ認可ヲ受ケ物資ノ生産、輸出、輸入、販売又ハ保管ヲ業トスル者ニ対シ重要物資管理営団ノ所有スル重要物資ノ保管ヲ為サシムルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ保管ニ要シタル費用ハ重要物資管理営団ノ負担トス
第四章 会計
第十九条 重要物資管理営団ノ事業年度ハ毎年四月ヨリ翌年三月迄トス
第二十条 重要物資管理営団ハ設立ノ時及毎事業年度ノ初ニ於テ財産目録、貸借対照表及損益計算書ヲ作成シ定款ト共ニ之ヲ各事務所ニ備置クコトヲ要ス
第五章 監督
第二十一条 重要物資管理営団ハ政府之ヲ監督ス
第二十二条 重要物資管理営団ハ政府ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ剰余金ノ処分ヲ為スコトヲ得ズ
第二十三条 重要物資管理営団ハ業務開始ノ際業務ノ方法ヲ定メ政府ノ認可ヲ受クベシ之ヲ変更セントスルトキ亦同ジ
第二十四条 政府ハ重要物資管理営団ニ対シ業務及財産ノ状況ニ関シ報告ヲ為サシメ、検査ヲ為シ其ノ他監督上必要ナル命令ヲ発シ又ハ処分ヲ為スコトヲ得
第二十五条 役員ガ法令、定款若ハ政府ノ命令ニ違反シ又ハ公益ヲ害スル行為ヲ為シタルトキハ政府ハ之ヲ解任スルコトヲ得
第六章 罰則
第二十六条 重要物資管理営団ノ理事長、副理事長、理事、監事又ハ使用人其ノ職務ニ関シ賄賂ヲ収受シ又ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ二年以下ノ懲役又ハ三千円以下ノ罰金ニ処ス因テ不正ノ行為ヲ為シ又ハ相当ノ行為ヲ為サザルトキハ五年以下ノ懲役又ハ五千円以下ノ罰金ニ処ス
前項ノ場合ニ於テ収受シタル賄賂ハ之ヲ没収ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ没収スルコト能ハザルトキハ其ノ価額ヲ追徴ス
第二十七条 前条第一項ニ掲グル者ニ賄賂ヲ交付、提供又ハ約束シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ五百円以下ノ罰金ニ処ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキハ其ノ刑ヲ減軽又ハ免除スルコトヲ得
第二十八条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ五百円以下ノ罰金ニ処ス
一 第十七条第一項ノ規定ニ依ル報告ヲ為サズ又ハ虚偽ノ報告ヲ為シタル者
二 第十七条第二項ノ規定ニ依ル検査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者
三 正当ノ事由ナクシテ第十八条第一項ノ規定ニ依ル保管ヲ為サザル者
第二十九条 人又ハ法人ノ代理人、戸主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ従業者ガ其ノ人又ハ法人ノ業務ニ関シ前条第一号又ハ第三号ノ違反行為ヲ為シタルトキハ其ノ人又ハ法人ハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ処罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第三十条 第二十八条第一号及第三号ノ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治産者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ営業ニ関シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第三十一条 左ノ場合ニ於テハ重要物資管理営団ノ理事長、副理事長、理事又ハ監事ヲ千円以下ノ過料ニ処ス
一 本法ニ依リ政府ノ認可ヲ受クベキ場合ニ於テ其ノ認可ヲ受ケザルトキ
二 本法ニ規定セザル業務ヲ営ミタルトキ
三 第十六条第二項ノ規定ニ違反シ政府ノ定ムル計画ニ依ラズシテ業務ヲ行ヒタルトキ
四 政府ノ監督上ノ命令又ハ処分ニ違反シタルトキ
第三十二条 左ノ場合ニ於テハ重要物資管理営団ノ理事長、副理事長、理事又ハ監事ヲ五百円以下ノ過料ニ処ス
一 本法又ハ本法ニ基キテ発スル勅令ニ違反シ登記ヲ為スコトヲ怠リ又ハ不正ノ登記ヲ為シタルトキ
二 第二十条ノ規定ニ違反シ書類ヲ備置カザルトキ又ハ其ノ書類ニ記載スベキ事項ヲ記載セズ若ハ不正ノ記載ヲ為シタルトキ
第三十三条 第九条ノ規定ニ違反シ重要物資管理営団又ハ之ニ類似スル名称ヲ用ヒタル者ハ五百円以下ノ過料ニ処ス
附 則
第三十四条 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十五条 政府ハ設立委員ヲ命ジ重要物資管理営団ノ設立ニ関スル事務ヲ処理セシム
第三十六条 設立委員ハ定款ヲ作成シ政府ノ認可ヲ受クベシ
第三十七条 定款ニ付政府ノ認可アリタルトキハ設立委員ハ遅滞ナク出資ノ第一回ノ払込ヲ禀請スベシ
第三十八条 出資ノ第一回ノ払込アリタルトキハ設立委員ハ遅滞ナク其ノ事務ヲ重要物資管理営団理事長ニ引継グベシ
理事長前項ノ事務ノ引継ヲ受ケタルトキハ理事長、副理事長、理事及監事ノ全員ハ設立ノ登記ヲ為スベシ
重要物資管理営団ハ設立ノ登記ヲ為スニ因リテ成立ス
第三十九条 登録税法中左ノ通改正ス
第十九条第七号中「産業設備営団、」ノ下ニ「重要物資管理営団、」ヲ、「産業設備営団法、」ノ下ニ「重要物資管理営団法、」ヲ加フ
第四十条 印紙税法中左ノ通改正ス
第五条第六号ノ五ノ次ニ左ノ一号ヲ加フ
六ノ六 重要物資管理営団ノ重要物資管理営団法第十六条第一項第一号及第二号ノ業務ニ関スル証書帳簿