第一條 國民優生法第二條ノ優生手術ハ生殖腺ヲ除去スルコトナクシテ精子ノ精管ヲ通過シ又ハ卵子ノ卵管ヲ通過スルコトヲ終身不能ナラシムルコトヲ目的トスル手術トシ其ノ術式ハ厚生大臣之ヲ定ム
第二條 中央優生審査會ハ厚生大臣、地方優生審査會ハ地方長官ノ監督ニ屬シ國民優生法ノ定ムル所ニ依リ其ノ權限ニ屬セシメタル事項ヲ調査審議ス
地方優生審査會ハ道府縣每ニ之ヲ置キ道府縣ノ名ヲ冠ス
第四條 中央優生審査會及地方優生審査會ハ會長及委員ヲ以テ之ヲ組織ス
第五條 中央優生審査會ノ委員ハ二十人以內トシ地方優生審査會ノ委員ハ十人以內トス
特別ノ事項ヲ調査審議スル爲必要アルトキハ臨時委員ヲ置クコトヲ得
第六條 會長、委員及臨時委員ハ關係各廳高等官及學識經驗アル者ノ中ヨリ中央優生審査會ニ在リテハ厚生大臣ノ奏請ニ依リ內閣ニ於テ之ヲ命ジ地方優生審査會ニ在リテハ厚生大臣之ヲ命ズ
會長事故アルトキハ中央優生審査會ニ在リテハ厚生大臣ノ指名スル委員、地方優生審査會ニ在リテハ地方長官ノ指名スル委員其ノ職務ヲ代理ス
第八條 中央優生審査會及地方優生審査會ニ幹事ヲ置ク
中央優生審査會ノ幹事ハ厚生大臣ノ奏請ニ依リ內閣ニ於テ之ヲ命ジ地方優生審査會ノ幹事ハ厚生大臣之ヲ命ズ
第九條 中央優生審査會及地方優生審査會ニ書記ヲ置ク
中央優生審査會ノ書記ハ厚生大臣、地方優生審査會ノ書記ハ地方長官之ヲ命ズ
第十條 中央優生審査會又ハ地方優生審査會ハ國民優生法第八條第二項又ハ第十條第二項ノ規定ニ依リ厚生大臣又ハ地方長官ヨリ其ノ意見ヲ徵セラレタルトキハ文書ヲ以テ答申スベシ
第十一條 優生手術ヲ受クルコトヲ得ル者國民優生法第十一條第二項ノ規定ニ依リ中央優生審査會又ハ地方優生審査會ニ出頭シタルトキハ之ニ對シ命令ノ定ムル所ニ依リ旅費ヲ給スルコトヲ得
第十二條 國民優生法第八條ノ決定竝ニ同法第十條ノ却下、取消及決定ハ文書ヲ以テ之ヲ爲スベシ
厚生大臣優生手術ヲ行フベキモノト認ムル旨ノ決定ヲ爲シタル場合ニ於テハ厚生大臣、地方長官優生手術ヲ行フベキモノト認ムル旨ノ決定ヲ爲シタル場合ニ於テハ地方長官優生手術ヲ受クル者又ハ其ノ父母若ハ配偶者ニシテ其ノ申請ヲ爲スコトヲ得ルモノ若ハ其ノ申請ニ付同意ヲ得ルコトヲ要ストセラレタルモノガ優生手術ニ關スル費用ノ全部又ハ一部ヲ負擔スル資力ヲ有スト認ムルトキハ前項ノ規定ニ拘ラズ其ノ者ヲシテ其ノ費用ノ全部又ハ一部ヲ負擔セシムルコトヲ得但シ國民優生法第六條ノ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第十四條 前條ノ優生手術ニ關スル費用ハ左ノ各號ニ揭グル費用トス
一 優生手術ヲ受クル者ノ旅費及附添人ヲ必要トスル場合ハ其ノ附添人ノ旅費