第一條 本法ニ於テ重要機械ト稱スルハ勅令ヲ以テ定ムル機械、機械部分品(部分品ノ半成品ヲ含ム)及器具ヲ謂ヒ重要機械製造事業ト稱スルハ重要機械ノ製造又ハ組立ヲ爲ス事業ヲ謂フ
第二條 重要機械製造事業ヲ營マントスル者ハ政府ノ許可ヲ受クベシ但シ命令ヲ以テ定ムル重要機械製造事業ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
本法ニ定ムルモノノ外前項ノ許可ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第三條 前條ノ許可ヲ受ケタル者(重要機械製造事業者)ハ政府ノ指定スル期間內ニ其ノ事業ヲ開始スベシ
政府ハ正當ノ事由アリト認ムル場合ニ限リ前項ノ期間ノ延長ヲ許可スルコトヲ得
重要機械製造事業者前二項ノ期間內ニ其ノ事業ヲ開始セザルトキハ前條ノ許可ハ其ノ效力ヲ失フ
第四條 勅令ヲ以テ指定スル重要機械製造事業(指定重要機械製造事業)ヲ營ム重要機械製造事業者政府ノ認可ヲ受ケ本法施行後五年以內ニ於テ政府ノ指定スル期間內ニ命令ノ定ムル規模以上ノ設備ヲ新設シ又ハ增設シタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ設備完成ノ年及其ノ翌年ヨリ五年間其ノ新設シ又ハ增設シタル設備ヲ以テ營ム指定重要機械製造事業ニ付所得稅又ハ所得ニ對スル法人稅及營業稅ヲ免除ス
前項ノ事業ヨリ生ズル所得又ハ純益ガ法人ニ在リテハ各事業年度、個人ニ在リテハ各年ノ資本金額ニ對シ年百分ノ十ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユルトキハ其ノ超過額ニ相當スル所得又ハ純益ニ付テハ前項ノ規定ヲ適用セズ但シ設備完成ノ年及其ノ翌年ヨリ三年間其ノ新設シ又ハ增設シタル設備ヲ以テ營ム指定重要機械製造事業ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第一項ノ重要機械製造事業者其ノ設備完成前其ノ一部ヲ以テ指定重要機械製造事業ヲ營ム場合ニ於テモ其ノ事業ニ付所得稅又ハ所得ニ對スル法人稅及營業稅ヲ免除ス但シ同項ノ規定ニ依ル期間內ニ設備ヲ完成セザルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第五條 北海道、府縣及市町村其ノ他之ニ準ズベキモノハ前條ノ規定ニ依リ所得稅又ハ所得ニ對スル法人稅及營業稅ヲ免除セラレタル重要機械製造事業者ニハ同條第二項ノ規定ニ依リ賦課セラレタル營業稅ノ附加稅ヲ除クノ外其ノ免除セラレタル事業ニ對シ課稅スルコトヲ得ズ但シ特別ノ事情ニ基キ政府ノ認可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第六條 第四條ノ規定ニ依リ所得稅又ハ所得ニ對スル法人稅及營業稅ノ免除ヲ受クベキ事業ヲ繼續スル者又ハ其ノ事業ヲ繼續スルモノト認ムベキ事實アル者ハ前事業者ガ同條ノ規定ニ依ル所得稅又ハ所得ニ對スル法人稅及營業稅免除期間內ニ在ルトキハ其ノ期間ヲ承繼ス
第七條 指定重要機械製造事業ヲ營ム重要機械製造事業者其ノ事業ノ爲必要ナル機械又ハ器具ヲ政府ノ認可ヲ受ケ輸入スルトキハ本法施行ノ日ヨリ五年間命令ノ定ムル所ニ依リ輸入稅ヲ免除ス
第八條 重要機械製造事業者ノ營ム重要機械製造事業ニシテ勅令ヲ以テ定ムルモノハ土地收用法第二條ノ土地ヲ收用又ハ使用スルコトヲ得ル事業トシ同法ヲ適用ス
第九條 重要機械製造事業者タル株式會社ハ政府ノ認可ヲ受ケ其ノ事業ニ屬スル設備ノ費用ニ充ツル爲商法第二百九十七條ノ規定ニ依ル制限ヲ超エテ社債ヲ募集スルコトヲ得但シ社債ノ總額ハ拂込ミタル株金額ノ二倍ヲ超ユルコトヲ得ズ
最終ノ貸借對照表ニ依リ會社ニ現存スル純財產額ガ拂込ミタル株金額ニ滿タザルトキハ前項ノ規定ヲ適用セズ
第一項ノ規定ニ依リ募集スル社債ニ付テハ工場抵當法ニ依リ會社ノ事業ニ屬スルモノヲ抵當ト爲スコトヲ要ス但シ特別ノ事情アル場合ニ於テ政府其ノ必要ナシト認メタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第十條 重要機械又ハ其ノ部分品ノ輸入ガ重要機械製造事業ノ確立ヲ妨グルノ虞アルトキハ政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ期間ヲ定メ重要機械又ハ其ノ部分品ノ輸入ヲ制限スルコトヲ得
第十一條 重要機械又ハ其ノ部分品ノ輸入ニ因リ重要機械ノ市價ノ低落ヲ來シ重要機械製造事業ノ確立ヲ妨グルノ虞アルトキハ政府ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ關稅調査委員會ノ議ヲ經テ期間ヲ定メ重要機械又ハ其ノ部分品ニ對シ關稅定率法別表輸入稅表ニ定ムル輸入稅ノ外其ノ物品ノ價格ノ五割ニ相當スル金額以下ノ輸入稅ヲ課スルコトヲ得
第十二條 重要機械製造事業者其ノ設備ヲ增設シ又ハ變更セントスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ許可ヲ受クベシ
第十三條 重要機械製造事業者其ノ事業ノ全部又ハ一部ヲ讓渡シ、廢止シ又ハ休止セントスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ許可ヲ受クベシ
重要機械製造事業者タル法人ノ合併又ハ解散ノ決議ハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第十四條 重要機械製造事業者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ事業計畫ヲ定メ政府ニ之ヲ屆出デ又ハ政府ノ認可ヲ受クベシ之ヲ變更セントスルトキ亦同ジ
政府必要アリト認ムルトキハ事業計畫ノ變更ヲ命ズルコトヲ得
第十五條 重要機械製造事業者ト他ノ重要機械製造事業者又ハ第二條第一項但書ノ規定ニ該當スル重要機械製造事業ヲ營ム者トノ間ニ重要機械ノ製造又ハ販賣ニ關シ命令ノ定ムル協定成立シタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ政府ニ屆出ヅベシ其ノ變更又ハ廢止アリタルトキ亦同ジ
政府公益上必要アリト認ムルトキハ前項ノ協定ノ變更又ハ取消ヲ命ズルコトヲ得
第十六條 政府ハ重要機械製造事業者ニ對シ業務及財產ノ狀況ニ關シ報吿ヲ爲サシムルコトヲ得
政府ハ重要機械製造事業者ニ對シ業務及會計ニ關シ監督上必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
政府監督上必要アリト認ムルトキハ當該官吏ヲシテ重要機械製造事業者ノ事務所、營業所、工場、倉庫其ノ他ノ場所ニ臨檢シ業務若ハ財產ノ狀況又ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス證票ヲ携帶セシムベシ
第十七條 政府公益上必要アリト認ムルトキハ重要機械製造事業者ニ對シ重要機械ノ販賣價格若ハ販賣條件ノ變更ヲ命ジ又ハ重要機械ノ需要供給ヲ調節スル爲必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第十八條 政府重要機械製造事業ノ發達ヲ圖ル爲又ハ軍事上特ニ必要アリト認ムルトキハ重要機械製造事業者ニ對シ重要機械又ハ其ノ部分品ニ付硏究、試作其ノ他製造ニ關スル命令ヲ爲シ又ハ設備ノ擴張、改良、變更若ハ工場ノ移轉ヲ命ズルコトヲ得
第十九條 政府軍事上必要アリト認ムルトキハ重要機械製造事業者ニ對シ特殊設備ノ施設其ノ他軍事上必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第二十條 前二條ノ規定ニ依リ爲シタル命令ニ因リ生ジタル損失ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ政府之ヲ補償ス
前項ノ補償ヲ伴フベキ命令ハ之ニ因リ要スベキ補償金ノ總額ガ帝國議會ノ協贊ヲ經タル金額ヲ超エザル範圍內ニ於テ之ヲ爲スコトヲ要ス
第二十一條 政府重要機械製造事業ノ發達ヲ圖ル爲特ニ必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ重要機械製造事業者ニ對シ重要機械ノ製造若ハ販賣ニ關シ協定ノ設定ヲ命ジ又ハ協定ノ加盟者若ハ其ノ協定ニ加盟セザル重要機械製造事業者ニ對シ其ノ協定ノ全部若ハ一部ニ依ルベキコトヲ命ズルコトヲ得
第二十二條 政府重要機械製造事業ノ發達ヲ圖ル爲特ニ必要アリト認ムルトキハ重要機械製造事業者ニ對シ重要機械ノ製造ニ關スル技術又ハ硏究ニ付他ノ重要機械製造事業者ニ對スル協力ヲ爲シ又ハ他ノ重要機械製造事業者ヨリ協力ヲ受クルコトヲ命ズルコトヲ得
第二十三條 政府重要機械製造事業ノ發達ヲ圖ル爲特ニ必要アリト認ムルトキハ重要機械ノ製造ニ必要ナル見本機械若ハ圖面ヲ所有シ若ハ所持スル者ニ對シ重要機械製造事業者ニ之ヲ利用セシメ又ハ重要機械製造事業者ニ對シ之ヲ利用スルコトヲ命ズルコトヲ得但シ特許又ハ登錄實用新案ニ係ルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第二十四條 前二條ノ規定ニ依ル命令アリタル場合ニ於テ費用ノ負擔又ハ對價ニ付關係者間ニ於テ協議ヲ爲スコト能ハズ又ハ協議調ハザルトキハ政府之ヲ裁定ス
第二十五條 政府重要機械製造事業ノ發達ヲ圖ル爲特ニ必要アリト認ムルトキハ重要機械製造事業者ニ對シ他ノ重要機械製造事業者ニ事業ヲ讓渡シ又ハ他ノ重要機械製造事業者ヨリ事業ヲ讓受クベキコトヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル命令アリタル場合ニ於テ讓渡ノ條件ニ付關係者間ニ於テ協議ヲ爲スコト能ハズ又ハ協議調ハザルトキハ政府之ヲ裁定ス
第二十六條 政府重要機械製造事業ノ發達ヲ圖ル爲特ニ必要アリト認ムルトキハ重要機械ノ製造ニ必要ナル機械又ハ器具ヲ所有シ又ハ所持スル者ニ對シ其ノ讓渡又ハ賃貸ニ付命令ノ定ムル所ニ依リ重要機械製造事業者ト協議ヲ爲スベキコトヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル命令アリタル場合ニ於テ關係者間ニ於テ協議ヲ爲サズ若ハ爲スコト能ハズ又ハ協議調ハザルトキハ政府ハ當該事項ニ付必要ナル決定ヲ爲スコトヲ得
第二十七條 重要機械製造事業者ハ前條ノ規定ニ依リ讓受ケ又ハ借受ケタル機械又ハ器具ヲ政府ノ指定スル重要機械ノ製造以外ノ用途ニ使用スルコトヲ得ズ但シ政府ノ許可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第二十八條 第二十四條若ハ第二十五條ノ規定ニ依ル裁定又ハ第二十六條ノ規定ニ依ル決定アリタル場合ニ於テ費用ノ負擔、對價、讓渡價格又ハ賃貸料ニ付不服アル者ハ其ノ裁定又ハ決定ノ通知ヲ受ケタル日(裁定又ハ決定ノ通知ヲ受ケザル者ニ付テハ其ノ公示ノ日)ヨリ三十日以內ニ通常裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第二十九條 第二十二條乃至前條ニ定ムルモノノ外裁定及決定、重要機械ノ製造ニ關スル技術又ハ硏究ノ協力、重要機械ノ製造ニ必要ナル見本機械又ハ圖面ノ利用、重要機械製造事業者間ノ事業ノ讓渡又ハ讓受竝ニ重要機械ノ製造ニ必要ナル機械又ハ器具ノ讓渡又ハ賃貸ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十條 政府重要機械製造事業ノ發達ヲ圖ル爲特ニ必要アリト認ムルトキハ重要機械製造事業者ニ對シ其ノ供給ヲ受クル部分品ノ種類若ハ數量又ハ供給者ニ付必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第三十一條 政府ハ重要機械製造事業者ニ對シ重要機械ノ製造ニ政府ノ指定スル設計、原料若ハ材料又ハ部分品若ハ附屬品ヲ使用スベキコトヲ命ジ又ハ其ノ使用ヲ制限スルコトヲ得
第三十二條 政府ハ重要機械又ハ其ノ部分品若ハ附屬品ニ付其ノ規格ヲ定ムルコトヲ得
重要機械製造事業者ハ前項ノ規定ニ依リ規格ノ定マリタルモノニ付テハ命令ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外規格ニ適合スルモノニ非ザレバ之ヲ製造シ又ハ重要機械ノ製造ニ使用スルコトヲ得ズ
第三十三條 政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ重要機械製造事業者ニ對シ其ノ事業ニ屬スル設備ノ償却ヲ爲スベキコトヲ命ジ又ハ試驗若ハ硏究ノ目的其ノ他命令ヲ以テ定ムル目的ニ充ツル爲特別ノ積立金ノ積立ヲ命ズルコトヲ得
第三十四條 政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ重要機械ノ試驗、硏究又ハ試作ヲ爲ス者ニ對シ豫算ノ範圍內ニ於テ奬勵金ヲ交付スルコトヲ得
第三十五條 重要機械製造事業者本法若ハ本法ニ基キテ發スル命令又ハ之ニ基キテ爲ス處分ニ違反シ又ハ公益ヲ害スル行爲ヲ爲シタルトキハ政府ハ其ノ業務ヲ停止シ若ハ制限シ、第二條ノ許可ヲ取消シ又ハ法人ノ役員ノ解任ヲ爲スコトヲ得
第三十六條 第十五條乃至第十七條、第三十一條、第三十二條及前條ノ規定ハ第二條第一項但書ノ規定ニ該當スル重要機械製造事業ヲ營ム者ニ之ヲ準用ス
第二十五條、第二十八條及第二十九條ノ規定ハ第二條第一項但書ノ規定ニ該當スル重要機械製造事業ヲ營ム者ト他ノ重要機械製造事業者又ハ第二條第一項但書ノ規定ニ該當スル重要機械製造事業ヲ營ム者トノ間ニ於ケル事業ノ讓渡又ハ讓受ニ之ヲ準用ス
第三十七條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
一 第二條ノ規定ニ違反シ許可ヲ受ケズシテ重要機械製造事業ヲ營ミタル者
二 第十條ノ規定ニ依ル制限ニ違反シテ重要機械又ハ其ノ部分品ノ輸入ヲ爲シタル者
三 附則第二項又ハ第三項ニ揭グル者ニシテ同項ノ規定ニ依ル範圍ヲ超エテ重要機械製造事業ヲ營ミタルモノ
第三十八條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス
一 第十二條ノ規定ニ違反シテ設備ヲ增設シ又ハ變更シタル者
二 第十三條第一項ノ規定ニ違反シテ事業ヲ讓渡シ、廢止シ又ハ休止シタル者
三 第十四條第一項ノ規定ニ違反シテ認可ヲ受ケザル事業計畫ヲ實施シ又ハ事業計畫ノ屆出ヲ爲サズ若ハ屆出デタル事業計畫ヲ實施セザル者
四 第十四條第二項ノ規定ニ依ル變更命令ニ違反シテ事業計畫ヲ實施シタル者
五 第十五條第二項(第三十六條ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)、第十七條(第三十六條ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)、第十八條、第十九條、第二十一條乃至第二十三條又ハ第三十條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
六 第二十七條ノ規定ニ違反シテ機械又ハ器具ヲ使用シタル者
七 第三十一條(第三十六條ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依ル命令又ハ制限ニ違反シタル者
八 第三十二條第二項(第三十六條ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ違反シテ規格ニ適合セザルモノヲ製造シ又ハ重要機械ノ製造ニ使用シタル者
第三十九條 第十六條第二項(第三十六條ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)ノ命令又ハ處分ニ違反シタル者ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第四十條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
一 第十六條第一項(第三十六條ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依ル報吿ヲ爲サズ又ハ虛僞ノ報吿ヲ爲シタル者
二 第十六條第三項(第三十六條ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依ル當該官吏ノ臨檢檢査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シ又ハ其ノ質問ニ對シ答辯ヲ爲サズ若ハ虛僞ノ陳述ヲ爲シタル者
第四十一條 營業者ハ其ノ代理人、戶主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ其ノ業務ニ關シ第三十七條乃至第三十九條又ハ前條第一號ノ違反行爲ヲ爲シタルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第四十二條 第三十七條乃至第三十九條及第四十條第一號ノ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第四十三條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ五百圓以下ノ過料ニ處ス
一 第十五條第一項(第三十六條ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ違反シテ命令ノ定ムル協定又ハ其ノ變更若ハ廢止ニ付屆出ヲ爲サザル者
二 第三十三條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シテ積立ヲ爲サザル者