関東州船舶製造等統制令
法令番号: 勅令第六百三十六號
公布年月日: 昭和15年9月26日
法令の形式: 勅令
朕關東州船舶製造等統制令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十五年九月二十五日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
勅令第六百三十六號
關東州船舶製造等統制令
第一條 關東州國家總動員令ニ於テ依ルコトヲ定メタル國家總動員法(以下單ニ國家總動員法ト稱ス)第八條ノ規定ニ基ク船舶ノ製造、修繕及使用ニ關スル命令ハ本令ノ定ムル所ニ依ル
第二條 船舶ノ製造ヲ爲サントスル者ハ滿洲國駐箚特命全權大使ノ定ムル所ニ依リ當該船舶ノ製造ニ付其ノ許可ヲ受クベシ
第三條 本令施行地外ニ船舶ノ製造ノ註文ヲ爲サントスル者ハ大使ノ定ムル所ニ依リ其ノ旨ヲ大使ニ屆出ヅベシ
第四條 大使ハ船舶所有者又ハ造船業者ニ對シ船舶ノ修繕範圍ノ制限又ハ修繕期間ノ短縮ニ關シ必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第五條 大使ハ船舶所有者又ハ運航業者ニ對シ船舶ノ貸借(期間傭船ヲ含ム以下同ジ)又ハ船舶ノ運航ノ委託ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ命令アリタル場合ニ於テハ賃貸料、運航手數料其ノ他ノ事項ニ關シ當事者間ニ於テ協議スベシ協議調ハズ又ハ協議ヲ爲スコト能ハザルトキハ大使ノ裁定スル所ニ依ルベシ
第六條 帝國臣民又ハ帝國法人ニシテ關東州、內地、朝鮮又ハ臺灣ニ行ハルル法令ニ依ル日本船舶ニ非ザル船舶ヲ借受ケ(期間傭船ヲ含ム)又ハ其ノ運航委託ヲ受ケントスル者ハ大使ノ定ムル所ニ依リ其ノ許可ヲ受クベシ
第七條 大使ハ航路若ハ區域ヲ指定シ若ハ一般的ニ船舶ヲ指定シテ航海ヲ禁止シ若ハ制限シ又ハ一般的ニ人若ハ物ヲ指定シテ其ノ運送ヲ禁止シ若ハ制限スルコトヲ得但シ他ノ法令ニ基キテ爲サルル別段ノ處分ノ效力ヲ妨ゲズ
第八條 大使ハ船舶荷役ノ圓滑ヲ圖ル爲必要アリト認ムルトキハ運送取扱業者、荷役請負業者、荷送人又ハ荷受人ニ對シ運送品ノ船積又ハ陸揚ニ關シ其ノ方法又ハ順位ノ變更其ノ他必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第九條 國家總動員法第二十七條ノ規定ニ基キ補償スベキ損失ハ第五條ノ規定ニ依ル處分ニ因ル通常生ズベキ損失トス
損失ノ補償ヲ請求セントスル者ハ第五條ノ規定ニ依リ命ゼラレタル貸借又ハ委託ノ期間終了後之ヲ請求スベシ但シ大使ノ定ムル所ニ依リ別段ノ時期ニ之ヲ請求スルコトヲ得
第十條 大使ハ國家總動員法第三十一條ノ規定ニ基キ船舶ノ製造、修繕及使用ニ關シ必要ナル報吿ヲ徵シ又ハ當該官吏ヲシテ船舶、事業場、事務所、倉庫其ノ他ノ場所ニ臨檢シ業務ノ狀況若ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ當該官吏ヲシテ臨檢檢査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス證票ヲ携帶セシムベシ
第十一條 本令及本令ニ基キテ發スル命令中船舶所有者ニ關スル規定ハ船舶共有ノ場合ニ在リテ船舶管理人ヲ置キタルトキハ船舶管理人ニ之ヲ適用ス
第十二條 大使第二條又ハ第五條乃至第七條ノ規定ニ依ル處分ヲ爲サントスルトキハ其ノ重要ナルモノニ付豫メ遞信大臣ニ議スベシ
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
朕関東州船舶製造等統制令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十五年九月二十五日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
勅令第六百三十六号
関東州船舶製造等統制令
第一条 関東州国家総動員令ニ於テ依ルコトヲ定メタル国家総動員法(以下単ニ国家総動員法ト称ス)第八条ノ規定ニ基ク船舶ノ製造、修繕及使用ニ関スル命令ハ本令ノ定ムル所ニ依ル
第二条 船舶ノ製造ヲ為サントスル者ハ満洲国駐箚特命全権大使ノ定ムル所ニ依リ当該船舶ノ製造ニ付其ノ許可ヲ受クベシ
第三条 本令施行地外ニ船舶ノ製造ノ註文ヲ為サントスル者ハ大使ノ定ムル所ニ依リ其ノ旨ヲ大使ニ届出ヅベシ
第四条 大使ハ船舶所有者又ハ造船業者ニ対シ船舶ノ修繕範囲ノ制限又ハ修繕期間ノ短縮ニ関シ必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第五条 大使ハ船舶所有者又ハ運航業者ニ対シ船舶ノ貸借(期間傭船ヲ含ム以下同ジ)又ハ船舶ノ運航ノ委託ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ命令アリタル場合ニ於テハ賃貸料、運航手数料其ノ他ノ事項ニ関シ当事者間ニ於テ協議スベシ協議調ハズ又ハ協議ヲ為スコト能ハザルトキハ大使ノ裁定スル所ニ依ルベシ
第六条 帝国臣民又ハ帝国法人ニシテ関東州、内地、朝鮮又ハ台湾ニ行ハルル法令ニ依ル日本船舶ニ非ザル船舶ヲ借受ケ(期間傭船ヲ含ム)又ハ其ノ運航委託ヲ受ケントスル者ハ大使ノ定ムル所ニ依リ其ノ許可ヲ受クベシ
第七条 大使ハ航路若ハ区域ヲ指定シ若ハ一般的ニ船舶ヲ指定シテ航海ヲ禁止シ若ハ制限シ又ハ一般的ニ人若ハ物ヲ指定シテ其ノ運送ヲ禁止シ若ハ制限スルコトヲ得但シ他ノ法令ニ基キテ為サルル別段ノ処分ノ効力ヲ妨ゲズ
第八条 大使ハ船舶荷役ノ円滑ヲ図ル為必要アリト認ムルトキハ運送取扱業者、荷役請負業者、荷送人又ハ荷受人ニ対シ運送品ノ船積又ハ陸揚ニ関シ其ノ方法又ハ順位ノ変更其ノ他必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第九条 国家総動員法第二十七条ノ規定ニ基キ補償スベキ損失ハ第五条ノ規定ニ依ル処分ニ因ル通常生ズベキ損失トス
損失ノ補償ヲ請求セントスル者ハ第五条ノ規定ニ依リ命ゼラレタル貸借又ハ委託ノ期間終了後之ヲ請求スベシ但シ大使ノ定ムル所ニ依リ別段ノ時期ニ之ヲ請求スルコトヲ得
第十条 大使ハ国家総動員法第三十一条ノ規定ニ基キ船舶ノ製造、修繕及使用ニ関シ必要ナル報告ヲ徴シ又ハ当該官吏ヲシテ船舶、事業場、事務所、倉庫其ノ他ノ場所ニ臨検シ業務ノ状況若ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ検査セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ当該官吏ヲシテ臨検検査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス証票ヲ携帯セシムベシ
第十一条 本令及本令ニ基キテ発スル命令中船舶所有者ニ関スル規定ハ船舶共有ノ場合ニ在リテ船舶管理人ヲ置キタルトキハ船舶管理人ニ之ヲ適用ス
第十二条 大使第二条又ハ第五条乃至第七条ノ規定ニ依ル処分ヲ為サントスルトキハ其ノ重要ナルモノニ付予メ逓信大臣ニ議スベシ
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス