第一條 關東州ニ於ケル船員保險ニ關シテハ本令ニ定ムルモノヲ除クノ外船員保險法ニ依ル但シ同法第七條、第十六條、第五章及第七章ノ規定ハ此ノ限ニ在ラズ
船員保險法中民法トアルハ關東州裁判事務取扱令ニ於テ依ルコトヲ定メタル民法、國稅徵收法トアルハ明治四十年勅令第五十六號ニ於テ準用スルコトヲ定メタル國稅徵收法、船員法トアルハ關東州船員令ニ於テ依ルコトヲ定メタル船員法、勅令トアルハ關東局令、主務大臣トアルハ滿洲國駐箚特命全權大使、市町村又ハ北海道、府縣、市町村トアルハ市又ハ會、市町村稅トアルハ市會稅トス
第二條 保險給付ニ關スル決定ニ不服アル者ハ關東州船員保險審査會ニ審査ヲ請求シ其ノ決定ニ不服アルトキハ關東法院ニ訴ヲ提起スルコトヲ得
前項ノ審査ノ請求ハ時效ノ中斷ニ關シテハ之ヲ裁判上ノ請求ト看做ス
第三條 保險料其ノ他本令ニ依ル徵收金ノ賦課若ハ徵收ノ處分又ハ船員保險法第十二條ノ規定ニ依ル處分ニ不服アル者ハ大使ニ裁決ヲ申請スルコトヲ得
大使前項ノ規定ニ依ル徵收金ノ賦課又ハ徵收ノ處分ニ關スル裁決ノ申請ヲ受ケタルトキハ關東州船員保險審査會ノ審査ヲ經テ裁決ヲ爲スベシ
第四條 關東州船員保險審査會ハ大使ノ監督ニ屬シ前二條ノ審査ヲ爲ス
第五條 關東州船員保險審査會ハ會長及委員ヲ以テ之ヲ組織ス
前項ニ於テ被保險者ヲ雇傭スル船舶所有者トアルハ船舶所有者ガ國ナル場合ニ於テハ關係官吏トシ公共團體ナル場合ニ於テハ關係官公吏、其ノ他ノ法人ナル場合ニ於テハ業務ヲ執行スル社員若ハ役員又ハ支配人トス
主トシテ船員保險ノ事務ニ從事スル官吏ハ委員タルコトヲ得ズ
委員ノ任期ハ官吏又ハ公吏トシテ委員タル者ヲ除クノ外三年トス但シ特別ノ事由アル場合ニ於テハ任期中之ヲ解任スルコトヲ妨ゲズ
第六條 本令ニ規定スルモノノ外關東州船員保險審査會ニ關シ必要ナル事項ハ大使之ヲ定ム
第七條 第二條第一項ノ審査ノ請求若ハ訴ノ提起又ハ第三條第一項ノ裁決ノ申請ハ處分又ハ決定ノ通知ヲ受ケタル日ヨリ三十日以內ニ之ヲ爲スベシ此ノ場合ニ於テ審査ノ請求ニ付テハ宥恕スベキ事由アリト認ムルトキハ期限經過後ニ於テモ仍之ヲ受理スルコトヲ得ルモノトシ訴ノ提起ニ付テハ關東州裁判事務取扱令ニ於テ依ルコトヲ定メタル民事訴訟法第百五十八條第二項及第百五十九條ノ規定ヲ準用ス
第八條 船員保險法ニ依ル被保險者タリシ者ガ被保險者ト爲リタル場合又ハ被保險者タリシ者ガ船員保險法ニ依ル被保險者ト爲リタル場合ノ保險給付ニ關シテハ大使別段ノ定ヲ爲スコトヲ得