関東州船員保険令
法令番号: 勅令第六十七號
公布年月日: 昭和15年2月23日
法令の形式: 勅令
朕關東州船員保險令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十五年二月二十二日
內閣總理大臣 米內光政
勅令第六十七號
關東州船員保險令
第一條 關東州ニ於ケル船員保險ニ關シテハ本令ニ定ムルモノヲ除クノ外船員保險法ニ依ル但シ同法第七條、第十六條、第五章及第七章ノ規定ハ此ノ限ニ在ラズ
船員保險法中民法トアルハ關東州裁判事務取扱令ニ於テ依ルコトヲ定メタル民法、國稅徵收法トアルハ明治四十年勅令第五十六號ニ於テ準用スルコトヲ定メタル國稅徵收法、船員法トアルハ關東州船員令ニ於テ依ルコトヲ定メタル船員法、勅令トアルハ關東局令、主務大臣トアルハ滿洲國駐箚特命全權大使、市町村又ハ北海道、府縣、市町村トアルハ市又ハ會、市町村稅トアルハ市會稅トス
第二條 保險給付ニ關スル決定ニ不服アル者ハ關東州船員保險審査會ニ審査ヲ請求シ其ノ決定ニ不服アルトキハ關東法院ニ訴ヲ提起スルコトヲ得
前項ノ審査ノ請求ハ時效ノ中斷ニ關シテハ之ヲ裁判上ノ請求ト看做ス
第三條 保險料其ノ他本令ニ依ル徵收金ノ賦課若ハ徵收ノ處分又ハ船員保險法第十二條ノ規定ニ依ル處分ニ不服アル者ハ大使ニ裁決ヲ申請スルコトヲ得
大使前項ノ規定ニ依ル徵收金ノ賦課又ハ徵收ノ處分ニ關スル裁決ノ申請ヲ受ケタルトキハ關東州船員保險審査會ノ審査ヲ經テ裁決ヲ爲スベシ
第四條 關東州船員保險審査會ハ大使ノ監督ニ屬シ前二條ノ審査ヲ爲ス
第五條 關東州船員保險審査會ハ會長及委員ヲ以テ之ヲ組織ス
會長ハ關東局管理部長ヲ以テ之ニ充ツ
委員ハ左ニ揭グル者ヲ以テ之ニ充ツ大使之ヲ命ズ
一 官吏、公吏又ハ學識經驗アル者 三人
二 被保險者ヲ雇傭スル船舶所有者 三人
三 被保險者側ヲ代表シ得ル者 三人
前項ニ於テ被保險者ヲ雇傭スル船舶所有者トアルハ船舶所有者ガ國ナル場合ニ於テハ關係官吏トシ公共團體ナル場合ニ於テハ關係官公吏、其ノ他ノ法人ナル場合ニ於テハ業務ヲ執行スル社員若ハ役員又ハ支配人トス
主トシテ船員保險ノ事務ニ從事スル官吏ハ委員タルコトヲ得ズ
委員ノ任期ハ官吏又ハ公吏トシテ委員タル者ヲ除クノ外三年トス但シ特別ノ事由アル場合ニ於テハ任期中之ヲ解任スルコトヲ妨ゲズ
第六條 本令ニ規定スルモノノ外關東州船員保險審査會ニ關シ必要ナル事項ハ大使之ヲ定ム
第七條 第二條第一項ノ審査ノ請求若ハ訴ノ提起又ハ第三條第一項ノ裁決ノ申請ハ處分又ハ決定ノ通知ヲ受ケタル日ヨリ三十日以內ニ之ヲ爲スベシ此ノ場合ニ於テ審査ノ請求ニ付テハ宥恕スベキ事由アリト認ムルトキハ期限經過後ニ於テモ仍之ヲ受理スルコトヲ得ルモノトシ訴ノ提起ニ付テハ關東州裁判事務取扱令ニ於テ依ルコトヲ定メタル民事訴訟法第百五十八條第二項及第百五十九條ノ規定ヲ準用ス
第八條 船員保險法ニ依ル被保險者タリシ者ガ被保險者ト爲リタル場合又ハ被保險者タリシ者ガ船員保險法ニ依ル被保險者ト爲リタル場合ノ保險給付ニ關シテハ大使別段ノ定ヲ爲スコトヲ得
附 則
本令ハ昭和十五年三月一日ヨリ之ヲ施行ス但シ保險給付及費用ノ負擔ニ關スル規定ハ船員保險法中保險給付及費用ノ負擔ニ關スル規定ノ內地ニ於ケル施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
保險給付及費用ノ負擔ニ關スル規定施行ノ日前十五年間ニ於テ船員保險法ノ被保險者ト爲ルベキ資格ヲ有スル船員トシテ船舶ニ乘組ミタル者ノ其ノ乘組ミタル期間ハ其ノ者ガ被保險者ト爲リタルトキハ之ヲ同日前十五年間ニ於テ被保險者ト爲ルベキ資格ヲ有スル船員トシテ船員ニ乘組ミタル期間ト看做シ船員保險法附則第二項ノ規定ヲ適用ス
朕関東州船員保険令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十五年二月二十二日
内閣総理大臣 米内光政
勅令第六十七号
関東州船員保険令
第一条 関東州ニ於ケル船員保険ニ関シテハ本令ニ定ムルモノヲ除クノ外船員保険法ニ依ル但シ同法第七条、第十六条、第五章及第七章ノ規定ハ此ノ限ニ在ラズ
船員保険法中民法トアルハ関東州裁判事務取扱令ニ於テ依ルコトヲ定メタル民法、国税徴収法トアルハ明治四十年勅令第五十六号ニ於テ準用スルコトヲ定メタル国税徴収法、船員法トアルハ関東州船員令ニ於テ依ルコトヲ定メタル船員法、勅令トアルハ関東局令、主務大臣トアルハ満洲国駐箚特命全権大使、市町村又ハ北海道、府県、市町村トアルハ市又ハ会、市町村税トアルハ市会税トス
第二条 保険給付ニ関スル決定ニ不服アル者ハ関東州船員保険審査会ニ審査ヲ請求シ其ノ決定ニ不服アルトキハ関東法院ニ訴ヲ提起スルコトヲ得
前項ノ審査ノ請求ハ時効ノ中断ニ関シテハ之ヲ裁判上ノ請求ト看做ス
第三条 保険料其ノ他本令ニ依ル徴収金ノ賦課若ハ徴収ノ処分又ハ船員保険法第十二条ノ規定ニ依ル処分ニ不服アル者ハ大使ニ裁決ヲ申請スルコトヲ得
大使前項ノ規定ニ依ル徴収金ノ賦課又ハ徴収ノ処分ニ関スル裁決ノ申請ヲ受ケタルトキハ関東州船員保険審査会ノ審査ヲ経テ裁決ヲ為スベシ
第四条 関東州船員保険審査会ハ大使ノ監督ニ属シ前二条ノ審査ヲ為ス
第五条 関東州船員保険審査会ハ会長及委員ヲ以テ之ヲ組織ス
会長ハ関東局管理部長ヲ以テ之ニ充ツ
委員ハ左ニ掲グル者ヲ以テ之ニ充ツ大使之ヲ命ズ
一 官吏、公吏又ハ学識経験アル者 三人
二 被保険者ヲ雇傭スル船舶所有者 三人
三 被保険者側ヲ代表シ得ル者 三人
前項ニ於テ被保険者ヲ雇傭スル船舶所有者トアルハ船舶所有者ガ国ナル場合ニ於テハ関係官吏トシ公共団体ナル場合ニ於テハ関係官公吏、其ノ他ノ法人ナル場合ニ於テハ業務ヲ執行スル社員若ハ役員又ハ支配人トス
主トシテ船員保険ノ事務ニ従事スル官吏ハ委員タルコトヲ得ズ
委員ノ任期ハ官吏又ハ公吏トシテ委員タル者ヲ除クノ外三年トス但シ特別ノ事由アル場合ニ於テハ任期中之ヲ解任スルコトヲ妨ゲズ
第六条 本令ニ規定スルモノノ外関東州船員保険審査会ニ関シ必要ナル事項ハ大使之ヲ定ム
第七条 第二条第一項ノ審査ノ請求若ハ訴ノ提起又ハ第三条第一項ノ裁決ノ申請ハ処分又ハ決定ノ通知ヲ受ケタル日ヨリ三十日以内ニ之ヲ為スベシ此ノ場合ニ於テ審査ノ請求ニ付テハ宥恕スベキ事由アリト認ムルトキハ期限経過後ニ於テモ仍之ヲ受理スルコトヲ得ルモノトシ訴ノ提起ニ付テハ関東州裁判事務取扱令ニ於テ依ルコトヲ定メタル民事訴訟法第百五十八条第二項及第百五十九条ノ規定ヲ準用ス
第八条 船員保険法ニ依ル被保険者タリシ者ガ被保険者ト為リタル場合又ハ被保険者タリシ者ガ船員保険法ニ依ル被保険者ト為リタル場合ノ保険給付ニ関シテハ大使別段ノ定ヲ為スコトヲ得
附 則
本令ハ昭和十五年三月一日ヨリ之ヲ施行ス但シ保険給付及費用ノ負担ニ関スル規定ハ船員保険法中保険給付及費用ノ負担ニ関スル規定ノ内地ニ於ケル施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
保険給付及費用ノ負担ニ関スル規定施行ノ日前十五年間ニ於テ船員保険法ノ被保険者ト為ルベキ資格ヲ有スル船員トシテ船舶ニ乗組ミタル者ノ其ノ乗組ミタル期間ハ其ノ者ガ被保険者ト為リタルトキハ之ヲ同日前十五年間ニ於テ被保険者ト為ルベキ資格ヲ有スル船員トシテ船員ニ乗組ミタル期間ト看做シ船員保険法附則第二項ノ規定ヲ適用ス