海運統制令
法令番号: 勅令第三十八號
公布年月日: 昭和15年2月1日
法令の形式: 勅令
朕海運統制令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十五年一月三十一日
內閣總理大臣 米內光政
大藏大臣 櫻內幸雄
拓務大臣 小磯國昭
遞信大臣 勝正憲
勅令第三十八號
海運統制令
第一條 國家總動員法(昭和十三年勅令第三百十七號ニ於テ依ル場合ヲ含ム)第八條ノ規定ニ基ク船舶ノ製造、修繕及使用ニ關スル命令竝ニ同法第十九條ノ規定ニ基ク船舶ノ價格、水上ノ運送賃及船舶ノ賃貸料(期間傭船料ヲ含ム以下同ジ)ニ關スル命令ハ價格等統制令(第七條ヲ除ク)ニ依ルノ外本令ノ定ムル所ニ依ル
第二條 船舶ノ製造ヲ爲サントスル者及外國ニ船舶ノ製造ノ注文ヲ爲サントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ當該船舶ノ製造ニ付遞信大臣ノ許可ヲ受クベシ
第三條 遞信大臣ハ船舶所有者又ハ造船業者ニ對シ船舶ノ修繕範圍ノ制限又ハ修繕期間ノ短縮ニ關シ必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得但シ工場事業場管理令第六條ノ規定ニ依ル指揮監督ヲ妨ゲズ
第四條 遞信大臣ハ船舶所有者又ハ運航業者ニ對シ船舶ノ貸借(期間傭船ヲ含ム以下同ジ)又ハ船舶ノ運航ノ委託ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ命令アリタル場合ニ於テハ賃貸料、運航手數料其ノ他ノ事項ニ關シ當事者間ニ於テ協議スベシ協議調ハズ又ハ協議ヲ爲スコト能ハザルトキハ遞信大臣ノ裁定スル所ニ依ルベシ
第五條 帝國臣民又ハ帝國法人ニシテ日本船舶(外地ニ行ハルル命令ニ依ル日本船舶ヲ含ム)ニ非ザル船舶ヲ借受ケ(期間傭船ヲ含ム)又ハ其ノ運航ノ委託ヲ受ケントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ遞信大臣ノ許可ヲ受クベシ
第六條 遞信大臣ハ航路若ハ區域ヲ指定シ若ハ一般的ニ船舶ヲ指定シテ航海ヲ禁止シ若ハ制限シ又ハ一般的ニ人若ハ物ヲ指定シテ其ノ運送ヲ禁止シ若ハ制限スルコトヲ得但シ他ノ法令ニ基キテ爲サルル別段ノ處分ノ效力ヲ妨ゲズ
第七條 遞信大臣ハ船舶荷役ノ圓滑ヲ圖ル爲必要アリト認ムルトキハ運送取扱業者、荷役請負業者、荷送人又ハ荷受人ニ對シ運送品ノ船積又ハ陸揚ニ關シ其ノ方法又ハ順位ノ變更其ノ他必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第八條 價格等統制令第六條ニ規定スル場合ヲ除クノ外遞信大臣船舶ノ價格、水上ノ運送賃又ハ船舶ノ賃貸料ノ額ヲ指定シタルトキハ同令第二條乃至第四條ノ規定ニ拘ラズ其ノ額ヲ超エテ之ヲ契約シ、支拂ヒ又ハ受領スルコトヲ得ズ但シ命令ノ定ムル所ニ依リ支拂者又ハ受領者ニ於テ遞信大臣ノ許可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ指定ハ指定實施ノ際現ニ存スル契約ニシテ其ノ際左ノ各號ノ一ニ該當スルモノニ對シテハ影響ヲ及ボスコトナシ
一 船舶ノ製造價格ニ付テハ造船者ガ製造ニ著手シタルモノ
二 船舶ノ賣買價格ニ付テハ買主ガ船舶ノ引渡ヲ受ケタルモノ
三 水上ノ運送賃ニ付テハ運送人ガ目的物ノ引渡ヲ受ケタルモノ
四 船舶ノ賃貸料ニ付テハ賃借人ガ履行遲滯ニ在ルモノ
第九條 船舶所有者、運航業者又ハ造船業者ノ組合其ノ他之ニ準ズルモノニシテ遞信大臣ノ指定スルモノ船舶ノ價格、水上ノ運送賃又ハ船舶ノ賃貸料ノ額ヲ定メ遞信大臣ノ認可ヲ受ケタルトキハ其ノ組合其ノ他之ニ準ズルモノ及其ノ構成員(構成員ガ組合其ノ他之ニ準ズルモノナル場合ハ其ノ構成員ヲモ含ム、第二項ノ場合亦同ジ)ニ對シテハ其ノ額ヲ以テ前條ノ規定ニ依リ指定セラレタル額ト看做ス
遞信大臣必要アリト認ムルトキハ前項ニ規定スル組合其ノ他之ニ準ズルモノノ地區內ニ於テ其ノ構成員タル資格ヲ有スル者ニシテ其ノ構成員ニ非ザルモノニ對シテモ前項ノ規定ニ依ル額ヲ以テ前條ノ規定ニ依リ指定セラレタル額ト爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル處分アリタル場合ニ於テ第一項ノ規定ニ依ル額ノ變更アリタルトキハ前項ノ額ハ當該變更額ニ變更セラレタルモノトス
第一項ノ規定ニ依ル認可又ハ第二項ノ規定ニ依ル處分ハ此等ノ處分實施ノ際現ニ存スル契約ニシテ其ノ際前條第二項各號ノ一ニ該當スルモノニ對シテハ影響ヲ及ボスコトナシ
第十條 支拂條件、引渡條件其ノ他ノ契約條件ノ變更(價格等統制令第六條ニ規定スル他ノ法令ニ依ルモノ及他ノ法令ニ基ク行政官廳ノ決定、命令、許可、認可其ノ他ノ處分アリタルモノヲ除ク)ニシテ支拂者ニ不利益ト爲ルモノハ其ノ限度ニ於テ之ヲ船舶ノ價格、水上ノ運送賃又ハ船舶ノ賃貸料ノ額ノ引上ト看做ス
第十一條 何等ノ名義ヲ以テスルヲ問ハズ第八條ノ規定ニ依ル禁止ヲ免ルル行爲ヲ爲スコトヲ得ズ
第十二條 第八條乃至前條ノ規定ハ左ニ揭グルモノニハ之ヲ適用セズ
一 營利ヲ目的トシテ契約ヲ爲スニ非ザル契約當事者但シ當該契約ヲ爲スコトガ業務ニ非ザル場合ニ限ル
二 關東州、滿洲及支那以外ノ地ト本令施行地トノ間ニ於ケル船舶ノ輸出入取引ノ價格及兩地域間ニ於ケル水上運送ノ運送賃(遞信大臣ノ吿示スルモノヲ除ク)
三 其ノ他命令ヲ以テ定ムル價格、運送賃及賃貸料
第十三條 遞信大臣ハ命令ノ定ムル所ニ依リ水上ノ運送賃又ハ船舶ノ賃貸料ニ付公示ヲ命ズルコトヲ得
第十四條 國家總動員法第二十七條ノ規定ニ基キ補償スベキ損失ハ第四條ノ規定ニ依ル處分ニ因ル通常生ズベキ損失トス
損失ノ補償ヲ請求セントスル者ハ第四條ノ規定ニ依リ命ゼラレタル貸借又ハ委託ノ期間終了後之ヲ請求スベシ但シ命令ノ定ムル所ニ依リ別段ノ時期ニ之ヲ請求スルコトヲ得
第十五條 遞信大臣ハ國家總動員法第三十一條ノ規定ニ基キ船舶ノ製造、修繕、使用、價格若ハ賃貸料又ハ水上ノ運送賃ニ關シ必要ナル報吿ヲ徵シ又ハ當該官吏ヲシテ船舶、事業場、事務所、倉庫其ノ他ノ場所ニ臨檢シ業務ノ狀況若ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ當該官吏ヲシテ臨檢檢査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス證票ヲ携帶セシムベシ
第十六條 本令及本令ニ基キテ發スル命令中船舶所有者ニ關スル規定ハ船舶共有ノ場合ニ在リテ船舶管理人ヲ置キタルトキハ船舶管理人ニ之ヲ適用ス
第十七條 遞信大臣ハ本令ニ定ムル職權ノ一部ヲ遞信局長又ハ地方長官(東京府ニ於テハ水上ノ運送賃ニ在リテハ知事及警視總監)ニ委任スルコトヲ得
第十八條 本令中遞信大臣トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮總督、臺灣ニ在リテハ臺灣總督、樺太ニ在リテハ樺太廳長官、南洋群島ニ在リテハ南洋廳長官トシ遞信局長又ハ地方長官トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮總督府遞信局長又ハ道知事、臺灣ニ在リテハ臺灣總督府交通局總長又ハ州知事若ハ廳長トス
朝鮮總督、臺灣總督、樺太廳長官又ハ南洋廳長官第二條、第四條乃至第六條、第八條又ハ第九條ノ規定ニ依ル處分ヲ爲サントスルトキハ其ノ重要ナルモノニ付豫メ遞信大臣ニ議スベシ
第十九條 本令ハ總噸數二十噸未滿ノ漁船ノ賣買價格及賃貸料ニ付テハ之ヲ適用セズ
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス但シ朝鮮、臺灣、樺太及南洋群島ニ在リテハ昭和十五年二月十五日ヨリ之ヲ施行ス
朕海運統制令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十五年一月三十一日
内閣総理大臣 米内光政
大蔵大臣 桜内幸雄
拓務大臣 小磯国昭
逓信大臣 勝正憲
勅令第三十八号
海運統制令
第一条 国家総動員法(昭和十三年勅令第三百十七号ニ於テ依ル場合ヲ含ム)第八条ノ規定ニ基ク船舶ノ製造、修繕及使用ニ関スル命令並ニ同法第十九条ノ規定ニ基ク船舶ノ価格、水上ノ運送賃及船舶ノ賃貸料(期間傭船料ヲ含ム以下同ジ)ニ関スル命令ハ価格等統制令(第七条ヲ除ク)ニ依ルノ外本令ノ定ムル所ニ依ル
第二条 船舶ノ製造ヲ為サントスル者及外国ニ船舶ノ製造ノ注文ヲ為サントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ当該船舶ノ製造ニ付逓信大臣ノ許可ヲ受クベシ
第三条 逓信大臣ハ船舶所有者又ハ造船業者ニ対シ船舶ノ修繕範囲ノ制限又ハ修繕期間ノ短縮ニ関シ必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得但シ工場事業場管理令第六条ノ規定ニ依ル指揮監督ヲ妨ゲズ
第四条 逓信大臣ハ船舶所有者又ハ運航業者ニ対シ船舶ノ貸借(期間傭船ヲ含ム以下同ジ)又ハ船舶ノ運航ノ委託ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ命令アリタル場合ニ於テハ賃貸料、運航手数料其ノ他ノ事項ニ関シ当事者間ニ於テ協議スベシ協議調ハズ又ハ協議ヲ為スコト能ハザルトキハ逓信大臣ノ裁定スル所ニ依ルベシ
第五条 帝国臣民又ハ帝国法人ニシテ日本船舶(外地ニ行ハルル命令ニ依ル日本船舶ヲ含ム)ニ非ザル船舶ヲ借受ケ(期間傭船ヲ含ム)又ハ其ノ運航ノ委託ヲ受ケントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ逓信大臣ノ許可ヲ受クベシ
第六条 逓信大臣ハ航路若ハ区域ヲ指定シ若ハ一般的ニ船舶ヲ指定シテ航海ヲ禁止シ若ハ制限シ又ハ一般的ニ人若ハ物ヲ指定シテ其ノ運送ヲ禁止シ若ハ制限スルコトヲ得但シ他ノ法令ニ基キテ為サルル別段ノ処分ノ効力ヲ妨ゲズ
第七条 逓信大臣ハ船舶荷役ノ円滑ヲ図ル為必要アリト認ムルトキハ運送取扱業者、荷役請負業者、荷送人又ハ荷受人ニ対シ運送品ノ船積又ハ陸揚ニ関シ其ノ方法又ハ順位ノ変更其ノ他必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第八条 価格等統制令第六条ニ規定スル場合ヲ除クノ外逓信大臣船舶ノ価格、水上ノ運送賃又ハ船舶ノ賃貸料ノ額ヲ指定シタルトキハ同令第二条乃至第四条ノ規定ニ拘ラズ其ノ額ヲ超エテ之ヲ契約シ、支払ヒ又ハ受領スルコトヲ得ズ但シ命令ノ定ムル所ニ依リ支払者又ハ受領者ニ於テ逓信大臣ノ許可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ指定ハ指定実施ノ際現ニ存スル契約ニシテ其ノ際左ノ各号ノ一ニ該当スルモノニ対シテハ影響ヲ及ボスコトナシ
一 船舶ノ製造価格ニ付テハ造船者ガ製造ニ著手シタルモノ
二 船舶ノ売買価格ニ付テハ買主ガ船舶ノ引渡ヲ受ケタルモノ
三 水上ノ運送賃ニ付テハ運送人ガ目的物ノ引渡ヲ受ケタルモノ
四 船舶ノ賃貸料ニ付テハ賃借人ガ履行遅滞ニ在ルモノ
第九条 船舶所有者、運航業者又ハ造船業者ノ組合其ノ他之ニ準ズルモノニシテ逓信大臣ノ指定スルモノ船舶ノ価格、水上ノ運送賃又ハ船舶ノ賃貸料ノ額ヲ定メ逓信大臣ノ認可ヲ受ケタルトキハ其ノ組合其ノ他之ニ準ズルモノ及其ノ構成員(構成員ガ組合其ノ他之ニ準ズルモノナル場合ハ其ノ構成員ヲモ含ム、第二項ノ場合亦同ジ)ニ対シテハ其ノ額ヲ以テ前条ノ規定ニ依リ指定セラレタル額ト看做ス
逓信大臣必要アリト認ムルトキハ前項ニ規定スル組合其ノ他之ニ準ズルモノノ地区内ニ於テ其ノ構成員タル資格ヲ有スル者ニシテ其ノ構成員ニ非ザルモノニ対シテモ前項ノ規定ニ依ル額ヲ以テ前条ノ規定ニ依リ指定セラレタル額ト為スコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル処分アリタル場合ニ於テ第一項ノ規定ニ依ル額ノ変更アリタルトキハ前項ノ額ハ当該変更額ニ変更セラレタルモノトス
第一項ノ規定ニ依ル認可又ハ第二項ノ規定ニ依ル処分ハ此等ノ処分実施ノ際現ニ存スル契約ニシテ其ノ際前条第二項各号ノ一ニ該当スルモノニ対シテハ影響ヲ及ボスコトナシ
第十条 支払条件、引渡条件其ノ他ノ契約条件ノ変更(価格等統制令第六条ニ規定スル他ノ法令ニ依ルモノ及他ノ法令ニ基ク行政官庁ノ決定、命令、許可、認可其ノ他ノ処分アリタルモノヲ除ク)ニシテ支払者ニ不利益ト為ルモノハ其ノ限度ニ於テ之ヲ船舶ノ価格、水上ノ運送賃又ハ船舶ノ賃貸料ノ額ノ引上ト看做ス
第十一条 何等ノ名義ヲ以テスルヲ問ハズ第八条ノ規定ニ依ル禁止ヲ免ルル行為ヲ為スコトヲ得ズ
第十二条 第八条乃至前条ノ規定ハ左ニ掲グルモノニハ之ヲ適用セズ
一 営利ヲ目的トシテ契約ヲ為スニ非ザル契約当事者但シ当該契約ヲ為スコトガ業務ニ非ザル場合ニ限ル
二 関東州、満洲及支那以外ノ地ト本令施行地トノ間ニ於ケル船舶ノ輸出入取引ノ価格及両地域間ニ於ケル水上運送ノ運送賃(逓信大臣ノ告示スルモノヲ除ク)
三 其ノ他命令ヲ以テ定ムル価格、運送賃及賃貸料
第十三条 逓信大臣ハ命令ノ定ムル所ニ依リ水上ノ運送賃又ハ船舶ノ賃貸料ニ付公示ヲ命ズルコトヲ得
第十四条 国家総動員法第二十七条ノ規定ニ基キ補償スベキ損失ハ第四条ノ規定ニ依ル処分ニ因ル通常生ズベキ損失トス
損失ノ補償ヲ請求セントスル者ハ第四条ノ規定ニ依リ命ゼラレタル貸借又ハ委託ノ期間終了後之ヲ請求スベシ但シ命令ノ定ムル所ニ依リ別段ノ時期ニ之ヲ請求スルコトヲ得
第十五条 逓信大臣ハ国家総動員法第三十一条ノ規定ニ基キ船舶ノ製造、修繕、使用、価格若ハ賃貸料又ハ水上ノ運送賃ニ関シ必要ナル報告ヲ徴シ又ハ当該官吏ヲシテ船舶、事業場、事務所、倉庫其ノ他ノ場所ニ臨検シ業務ノ状況若ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ検査セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ当該官吏ヲシテ臨検検査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス証票ヲ携帯セシムベシ
第十六条 本令及本令ニ基キテ発スル命令中船舶所有者ニ関スル規定ハ船舶共有ノ場合ニ在リテ船舶管理人ヲ置キタルトキハ船舶管理人ニ之ヲ適用ス
第十七条 逓信大臣ハ本令ニ定ムル職権ノ一部ヲ逓信局長又ハ地方長官(東京府ニ於テハ水上ノ運送賃ニ在リテハ知事及警視総監)ニ委任スルコトヲ得
第十八条 本令中逓信大臣トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮総督、台湾ニ在リテハ台湾総督、樺太ニ在リテハ樺太庁長官、南洋群島ニ在リテハ南洋庁長官トシ逓信局長又ハ地方長官トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮総督府逓信局長又ハ道知事、台湾ニ在リテハ台湾総督府交通局総長又ハ州知事若ハ庁長トス
朝鮮総督、台湾総督、樺太庁長官又ハ南洋庁長官第二条、第四条乃至第六条、第八条又ハ第九条ノ規定ニ依ル処分ヲ為サントスルトキハ其ノ重要ナルモノニ付予メ逓信大臣ニ議スベシ
第十九条 本令ハ総噸数二十噸未満ノ漁船ノ売買価格及賃貸料ニ付テハ之ヲ適用セズ
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス但シ朝鮮、台湾、樺太及南洋群島ニ在リテハ昭和十五年二月十五日ヨリ之ヲ施行ス