(鉱業法中改正法律)
法令番号: 法律第百二號
公布年月日: 昭和15年4月8日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル鑛業法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十五年四月六日
內閣總理大臣 米內光政
拓務大臣 小磯國昭
厚生大臣 吉田茂
商工大臣 藤原銀次郞
法律第百二號
鑛業法中左ノ通改正ス
第二條第一項中「石膏及重晶石」ヲ「石膏、重晶石、明礬石、螢石及石綿」ニ、同條第二項中「含油層ト密接ノ關係アル可燃質天然瓦斯」ヲ「炭化水素ヲ主成分トスル天然瓦斯」ニ改ム
第七條第一項中「其ノ屆出ナキトキハ鑛山監督局長之ヲ指定ス」ヲ「代表者ヲ變更シタルトキ亦同シ」ニ改メ同條同項ノ次ニ左ノ二項ヲ加フ
鑛山監督局長必要アリト認メタルトキハ共同鑛業出願人又ハ共同鑛業權者ニ代表者ノ變更ヲ命スルコトヲ得
第一項前段ノ規定ニ依リ屆出ヲ爲サス又ハ前項ノ規定ニ依ル命令ニ從ハサルトキハ鑛山監督局長ハ代表者ヲ指定ス
第八條中「勞役者」ヲ「勞働者」ニ改ム
第十條第一項中「竝要塞地帶第一區內」ヲ削リ同條第二項中「竝要塞地帶第二區及第三區內」ヲ「、要塞地帶第一區及第二區內竝陸軍輸送港域第一區內」ニ改ム
第十二條ノ二 主務大臣及鑛山監督局長ハ鑛業權者ニ對シ鑛業ニ關シ必要ナル報吿ヲ爲サシメ又ハ當該官吏ヲシテ事業場、事務所其ノ他必要ナル場所ニ臨檢シ業務ノ狀況若ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ當該官吏ヲシテ臨檢檢査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス證票ヲ携帶セシムヘシ
第十八條第一項中「二箇年」ヲ「四箇年」ニ改ム
第二十條中「相續、」ノ下ニ「死亡ニ因ル共同鑛業權者ノ脫退、」ヲ加フ
第二十四條第二項中「六十日以內」ヲ「三十日以內」ニ、同條第三項中「仍試掘ヲ要スルモノト認メタル場合」ヲ「試掘ヲ要スルモノト認メタル場合(第二十九條ノ二ノ場合ヲ除ク)」ニ改ム
第二十五條第二項中「六十日以內」ヲ「三十日以內」ニ改ム
第二十九條ノ二 採掘出願地出願ノ當時其ノ出願人ノ同種ノ鑛物ノ試掘鑛區ト重複スル場合ニ於テ其ノ重複スル部分仍試掘ヲ要スルモノト認メタルトキハ其ノ部分ニ付テハ其ノ出願ヲ許可セス
第二十九條ノ三 試掘權其ノ存續期間滿了前消滅シ又ハ試掘鑛區ノ減少アリタル場合ニ於テ其ノ試掘權ノ殘存スヘカリシ期間又ハ殘存スル期間內(其ノ期間六十日ヲ超ユルトキハ試掘權ノ消滅又ハ試掘鑛區ノ減少ノ日ヨリ六十日以內)ニ同種ノ鑛物ニ付鑛業ノ出願ヲ爲シタルトキハ舊試掘鑛區又ハ減少部分ニ該當スル部分ニ付テハ其ノ出願ヲ許可セス
前項ノ試掘權ノ消滅又ハ試掘鑛區ノ減少ハ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ公示ス
第三十一條 鑛業出願地他人ノ異種ノ鑛物ノ鑛區ト重複スル場合ニ於テ他人ノ鑛業ニ妨害アリト認メタルトキハ其ノ妨害アリト認メタル部分ニ付テハ其ノ出願ヲ許可セス
第三十三條第三項中「、第三十一條第二項」ヲ削ル
第三十三條ノ二ヲ削ル
第三十四條第二項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ試掘權者其ノ鑛區ニ付採掘ノ出願ヲ爲シタル場合ニ於テ其ノ試掘權消滅後更ニ試掘ノ出願ヲ爲シタルトキハ此ノ限ニ在ラス
第三十七條第一項中「第二十五條第一項、」ヲ「第二十四條第一項、第二十五條第一項、」ニ、同條第二項中「第二十五條第一項」ヲ「第二十四條第一項又ハ第二十五條第一項」ニ、「六十日以內」ヲ「三十日以內」ニ、「採掘權」ヲ「鑛業權」ニ改ム
第三十八條第二項中「六十日以內」ヲ「三十日以內」ニ改ム
第四十一條中「第七十二條」ヲ「第四十三條ノ三、第七十二條」ニ改ム
第四十三條ノ二 異種ノ鑛物ノ鑛區重複スルトキハ其ノ重複スル部分ニ付鑛業權ノ設定又ハ增區ニ因ル變更ノ登錄ヲ得タル日ノ後ナル者ハ其ノ先ナル者ノ承諾ヲ受クルニ非サレハ其ノ部分ニ於テ鑛業ヲ爲スコトヲ得ス但シ鑛業權ノ設定又ハ增區ニ因ル變更ノ登錄ヲ得タル日ノ先ナル者ハ正當ノ理由ナクシテ其ノ承諾ヲ拒ムコトヲ得ス
異種ノ鑛物ノ鑛區重複スル場合ニ於テ其ノ重複スル部分ニ付鑛業權ノ設定又ハ增區ニ因ル變更ノ登錄ヲ得タル日同日ナルトキハ鑛業權者ハ其ノ部分ニ於ケル鑛業ニ付協議ヲ爲スヘシ
試掘權者試掘權存續期間中同種ノ鑛物ニ付採掘ノ出願ヲ爲シ其ノ許可ヲ得タルトキハ前二項ノ規定ノ適用ニ付テハ採掘鑛區ノ中舊試掘鑛區ニ該當スル部分ニ限リ試掘權ノ設定又ハ增區ニ因ル變更ノ登錄ノ日ヲ以テ夫々ノ部分ニ付採掘權ノ設定又ハ增區ニ因ル變更ノ登錄ノ日ト看做ス
鑛區ノ合併又ハ分割アリタルトキハ第一項及第二項ノ規定ノ適用ニ付テハ合併又ハ分割ニ因リ消滅シタル採掘權ノ設定又ハ增區ニ因ル變更ノ登錄ノ日ヲ以テ夫々ノ部分ニ付合併又ハ分割ニ因ル採掘權設定ノ登錄ノ日ト看做ス
第四十三條ノ三 鑛區他人ノ異種ノ鑛物ノ鑛區ト重複スル場合ニ於テ其ノ重複スル部分ニ於ケル鑛業他人ノ鑛業ニ妨害アリト認メタルトキハ主務大臣ハ鑛業權者ニ其ノ妨害ノ排除又ハ鑛業ノ停止ヲ命スルコトヲ得
第四十四條第一項ヲ左ノ如ク改ム
採掘權者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ施業案ヲ定メ鑛山監督局長ノ認可ヲ受クヘシ之ヲ變更セムトスルトキ亦同シ
第四十五條第二項ヲ削ル
第七十四條第一項中「一箇年間」ヲ「五箇年間」ニ改ム
第七十五條 採掘權者ハ鑛夫ノ雇傭及就業ニ關スル規則ヲ定メ鑛山監督局長ノ許可ヲ受クヘシ之ヲ變更セムトスルトキ亦同シ
第七十九條中「勞役」ヲ「勞働」ニ改ム
第九十條第一項中「第十一條又ハ第三十六條」ヲ「第十一條、第三十六條又ハ第四十三條ノ二第一項」ニ改ム
第九十二條ニ左ノ一項ヲ加フ
第一項及第二項ノ規定ハ第四十三條ノ二第二項ノ協議調ハス又ハ協議ヲ爲スコト能ハサル場合ニ之ヲ準用ス
第九十四條 鑛業權ヲ有セスシテ鑛物ヲ掘採シタル者又ハ詐僞ノ行爲ヲ以テ鑛業權ヲ得タル者ハ二年以下ノ懲役又ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス
過失ニ因リ鑛區外ニ侵掘シタル者ハ二千圓以下ノ罰金ニ處ス
第九十五條中「旣ニ之ヲ讓渡シ又ハ消費シタルトキハ其ノ代金ヲ追徵ス」ヲ「若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收スルコト能ハサルトキハ其ノ價額ヲ追徵ス」ニ改ム
第九十六條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ一年以下ノ懲役又ハ二千圓以下ノ罰金ニ處ス
一 第十條第三項、第十一條本文、第四十三條ノ二第一項本文又ハ第四十四條ノ規定ニ違反シタル者
二 第四十三條ノ三、第四十五條、第七十二條、第七十三條第一項又ハ第七十四條第一項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
三 第七十一條ノ規定ニ基キテ發スル命令又ハ之ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタル者
四 第七十三條第二項ノ規定ニ基キテ管理者ノ職務ニ關シ發スル命令又ハ之ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタル者
第九十七條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
一 第四十六條乃至第四十八條ノ規定ニ違反シタル者
二 第七十四條ノ四第三項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
三 第七十五條乃至第七十八條ノ規定ニ違反シタル者
四 第七十九條又ハ第八十條ノ規定ニ基キテ發スル命令ニ違反シタル者
第九十八條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
一 第十二條ノ二ノ規定ニ依ル報吿ヲ怠リ又ハ虛僞ノ報吿ヲ爲シタル者
二 第十二條ノ二ノ規定ニ依ル檢査ヲ拒ミ、妨ケ又ハ忌避シタル者
三 第五十三條第一項ノ許可ヲ受ケスシテ障碍物ヲ除却シタル者
第九十九條 削除
第百條 削除
第百二條 削除
第百三條 本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ノ罰則ハ其ノ者カ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
第百四條第一項中「鑛業權者」ヲ「法人又ハ人」ニ、「本法ヲ犯シタルトキハ」ヲ「本法ノ違反行爲ヲ爲シタルトキハ」ニ、「本法ノ處罰」ヲ「其ノ處罰」ニ改ム
第百五條中「禁錮又ハ拘留」ヲ「懲役」ニ改ム
第百六條 削除
附 則
第一條 本法施行ノ期日ハ第十條ノ改正規定中要塞地帶ニ關スル部分、同條ノ改正規定中陸軍輸送港域ニ關スル部分及其ノ他ノ規定ニ付各別ニ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二條 本法(第十條ノ改正規定ヲ除ク以下之ニ同ジ)施行ノ際現ニ炭化水素ヲ主成分トスル天然瓦斯(含油層ト密接ノ關係アル可燃質天然瓦斯ヲ除ク以下之ニ同ジ)ヲ掘採スル者アル場合ニ於テ其ノ掘採區域他人ノ鑛區ト重複シ且其ノ鑛業權ノ目的石油ナルトキハ當該鑛業權者ハ附則第三條及同第六條ノ定ムル所ニ從ヒ其ノ權利ヲ制限セラル
第三條 本法施行ノ際現ニ明礬石、螢石、石綿又ハ炭化水素ヲ主成分トスル天然瓦斯ヲ掘採スル者又ハ其ノ承繼人ハ本法施行ノ日ヨリ六月間從前ノ例ニ依リ其ノ掘採ヲ繼續スルコトヲ得其ノ期間內ニ當該掘採者又ハ其ノ承繼人明礬石、螢石、石綿又ハ炭化水素ヲ主成分トスル天然瓦斯ヲ掘採スル爲出願ヲ爲シタル場合ニ於テ許可ノ登錄ノ日又ハ不許可ノ指令ノ日迄亦同ジ
第四條 前條ニ揭グル者本法施行ノ日ヨリ六月以內ニ明礬石、螢石、石綿又ハ炭化水素ヲ主成分トスル天然瓦斯ヲ掘採スル爲出願ヲ爲シタルトキハ其ノ掘採區域ヲ限リ第九條第三項、第二十八條、第二十九條及第三十三條ノ規定竝ニ第九條第二項ノ鑛區面積ニ關スル規定ニ拘ラズ之ヲ許可ス
第五條 前條ノ規定ニ依ル試掘權ヲ有スル者試掘權存續期間中同種ノ鑛物ニ付採掘ノ出願ヲ爲シタルトキハ其ノ試掘鑛區ト重複スル部分ニ付テハ第九條第三項及第二十九條ノ規定竝ニ第九條第二項ノ鑛區面積ニ關スル規定ニ拘ラズ之ヲ許可ス
第六條 前二條ノ規定ニ依ル石油ヲ目的トスル鑛業權ヲ有スル者ハ其ノ鑛區他人ノ鑛區ト重複シ且其ノ鑛業權ノ目的石油ナルトキハ其ノ重複スル部分ニ於テハ炭化水素ヲ主成分トスル天然瓦斯ノミヲ掘採シ及之ヲ取得スル權利ヲ有ス
第七條 本法施行ノ際現ニ契約又ハ慣習ニ依リ明礬石、螢石、石綿又ハ炭化水素ヲ主成分トスル天然瓦斯ヲ掘採スル者ヨリ代償ヲ受クル土地所有者ハ附則第四條又ハ同第五條ノ規定ニ依リ許可ヲ受ケタル者ニ對シ右ノ鑛物ノ掘採ニ付相當ノ補償金ヲ請求スルコトヲ得
砂鑛法第十三條及第十五條ノ規定ハ前項ノ補償金ニ之ヲ準用ス
第八條 試掘鑛區附則第四條又ハ同第五條ノ規定ニ依ル鑛區ト重複シ且同種ノ鑛物ナル場合ニ於テ其ノ試掘權者試掘權存續期間中同種ノ鑛物ニ付採掘ノ出願ヲ爲シタルトキハ其ノ試掘鑛區ト重複スル部分ニ付テハ第九條第三項及第二十九條ノ規定ニ拘ラズ之ヲ許可ス
第九條 砂鑛法第五條ノ規定ハ附則第四條又ハ同第五條ノ規定ニ依ル鑛區他人ノ鑛區ト重複シ且同種ノ鑛物ナル場合ニ之ヲ準用ス
第十條 本法施行ノ際現ニ存スル試掘權ノ存續期間ハ本法施行ノ日ヨリ四年トス但シ主務大臣已ムコトヲ得ザル事由アリト認ムルトキハ石油ヲ目的トスル試掘權ニ付テハ四年以內、石油以外ノ鑛物ヲ目的トスル試掘權ニ付テハ二年以內之ヲ延長スルコトヲ得
第十一條 本法施行前第二十四條第一項、第二十五條第一項(第三十七條第一項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)又ハ第三十八條第一項ノ規定ニ依ル命令アリタル場合ニ於テハ從前ノ第二十四條第二項、第二十五條第二項、第三十七條第二項又ハ第三十八條第二項ノ規定ヲ適用ス
第十二條 本法施行前ニ爲シタル採掘出願ノ出願地出願ノ當時其ノ出願人ノ同種ノ鑛物ノ試掘鑛區ト重複スル場合ニ於テ其ノ重複スル部分仍試掘ヲ要スルモノト認ムルトキハ第二十九條ノ二ノ規定ニ拘ラズ仍從前ノ例ニ依ル
本法施行ニ爲シタル鑛業ノ出願ニシテ其ノ出願地他人ノ異種ノ鑛物ノ鑛區ト重複スルモノニ付テハ仍從前ノ第三十一條ノ規定ヲ適用ス
本法施行前從前ノ第三十三條ノ二第一項ノ規定ニ依リ爲シタル鑛業ノ出願ニ付テハ仍同條ノ規定ヲ適用ス
本法施行前十日以內ニ試掘權ノ存續期間滿了シタル場合ニ於テハ仍從前ノ第三十三條ノ二ノ規定ヲ適用ス
第十三條 本法施行前從前ノ第四十四條第一項ノ規定ニ依リ差出シタル施業案ハ同條同項ノ改正規定ニ依リ認可ヲ受ケタルモノト看做ス
第十四條 本法施行前從前ノ罰則ヲ適用スベカリシ行爲ニ付テハ仍從前ノ例ニ依ル
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル鉱業法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十五年四月六日
内閣総理大臣 米内光政
拓務大臣 小磯国昭
厚生大臣 吉田茂
商工大臣 藤原銀次郎
法律第百二号
鉱業法中左ノ通改正ス
第二条第一項中「石膏及重晶石」ヲ「石膏、重晶石、明礬石、蛍石及石綿」ニ、同条第二項中「含油層ト密接ノ関係アル可燃質天然瓦斯」ヲ「炭化水素ヲ主成分トスル天然瓦斯」ニ改ム
第七条第一項中「其ノ届出ナキトキハ鉱山監督局長之ヲ指定ス」ヲ「代表者ヲ変更シタルトキ亦同シ」ニ改メ同条同項ノ次ニ左ノ二項ヲ加フ
鉱山監督局長必要アリト認メタルトキハ共同鉱業出願人又ハ共同鉱業権者ニ代表者ノ変更ヲ命スルコトヲ得
第一項前段ノ規定ニ依リ届出ヲ為サス又ハ前項ノ規定ニ依ル命令ニ従ハサルトキハ鉱山監督局長ハ代表者ヲ指定ス
第八条中「労役者」ヲ「労働者」ニ改ム
第十条第一項中「並要塞地帯第一区内」ヲ削リ同条第二項中「並要塞地帯第二区及第三区内」ヲ「、要塞地帯第一区及第二区内並陸軍輸送港域第一区内」ニ改ム
第十二条ノ二 主務大臣及鉱山監督局長ハ鉱業権者ニ対シ鉱業ニ関シ必要ナル報告ヲ為サシメ又ハ当該官吏ヲシテ事業場、事務所其ノ他必要ナル場所ニ臨検シ業務ノ状況若ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ検査セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ当該官吏ヲシテ臨検検査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス証票ヲ携帯セシムヘシ
第十八条第一項中「二箇年」ヲ「四箇年」ニ改ム
第二十条中「相続、」ノ下ニ「死亡ニ因ル共同鉱業権者ノ脱退、」ヲ加フ
第二十四条第二項中「六十日以内」ヲ「三十日以内」ニ、同条第三項中「仍試掘ヲ要スルモノト認メタル場合」ヲ「試掘ヲ要スルモノト認メタル場合(第二十九条ノ二ノ場合ヲ除ク)」ニ改ム
第二十五条第二項中「六十日以内」ヲ「三十日以内」ニ改ム
第二十九条ノ二 採掘出願地出願ノ当時其ノ出願人ノ同種ノ鉱物ノ試掘鉱区ト重複スル場合ニ於テ其ノ重複スル部分仍試掘ヲ要スルモノト認メタルトキハ其ノ部分ニ付テハ其ノ出願ヲ許可セス
第二十九条ノ三 試掘権其ノ存続期間満了前消滅シ又ハ試掘鉱区ノ減少アリタル場合ニ於テ其ノ試掘権ノ残存スヘカリシ期間又ハ残存スル期間内(其ノ期間六十日ヲ超ユルトキハ試掘権ノ消滅又ハ試掘鉱区ノ減少ノ日ヨリ六十日以内)ニ同種ノ鉱物ニ付鉱業ノ出願ヲ為シタルトキハ旧試掘鉱区又ハ減少部分ニ該当スル部分ニ付テハ其ノ出願ヲ許可セス
前項ノ試掘権ノ消滅又ハ試掘鉱区ノ減少ハ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ公示ス
第三十一条 鉱業出願地他人ノ異種ノ鉱物ノ鉱区ト重複スル場合ニ於テ他人ノ鉱業ニ妨害アリト認メタルトキハ其ノ妨害アリト認メタル部分ニ付テハ其ノ出願ヲ許可セス
第三十三条第三項中「、第三十一条第二項」ヲ削ル
第三十三条ノ二ヲ削ル
第三十四条第二項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ試掘権者其ノ鉱区ニ付採掘ノ出願ヲ為シタル場合ニ於テ其ノ試掘権消滅後更ニ試掘ノ出願ヲ為シタルトキハ此ノ限ニ在ラス
第三十七条第一項中「第二十五条第一項、」ヲ「第二十四条第一項、第二十五条第一項、」ニ、同条第二項中「第二十五条第一項」ヲ「第二十四条第一項又ハ第二十五条第一項」ニ、「六十日以内」ヲ「三十日以内」ニ、「採掘権」ヲ「鉱業権」ニ改ム
第三十八条第二項中「六十日以内」ヲ「三十日以内」ニ改ム
第四十一条中「第七十二条」ヲ「第四十三条ノ三、第七十二条」ニ改ム
第四十三条ノ二 異種ノ鉱物ノ鉱区重複スルトキハ其ノ重複スル部分ニ付鉱業権ノ設定又ハ増区ニ因ル変更ノ登録ヲ得タル日ノ後ナル者ハ其ノ先ナル者ノ承諾ヲ受クルニ非サレハ其ノ部分ニ於テ鉱業ヲ為スコトヲ得ス但シ鉱業権ノ設定又ハ増区ニ因ル変更ノ登録ヲ得タル日ノ先ナル者ハ正当ノ理由ナクシテ其ノ承諾ヲ拒ムコトヲ得ス
異種ノ鉱物ノ鉱区重複スル場合ニ於テ其ノ重複スル部分ニ付鉱業権ノ設定又ハ増区ニ因ル変更ノ登録ヲ得タル日同日ナルトキハ鉱業権者ハ其ノ部分ニ於ケル鉱業ニ付協議ヲ為スヘシ
試掘権者試掘権存続期間中同種ノ鉱物ニ付採掘ノ出願ヲ為シ其ノ許可ヲ得タルトキハ前二項ノ規定ノ適用ニ付テハ採掘鉱区ノ中旧試掘鉱区ニ該当スル部分ニ限リ試掘権ノ設定又ハ増区ニ因ル変更ノ登録ノ日ヲ以テ夫々ノ部分ニ付採掘権ノ設定又ハ増区ニ因ル変更ノ登録ノ日ト看做ス
鉱区ノ合併又ハ分割アリタルトキハ第一項及第二項ノ規定ノ適用ニ付テハ合併又ハ分割ニ因リ消滅シタル採掘権ノ設定又ハ増区ニ因ル変更ノ登録ノ日ヲ以テ夫々ノ部分ニ付合併又ハ分割ニ因ル採掘権設定ノ登録ノ日ト看做ス
第四十三条ノ三 鉱区他人ノ異種ノ鉱物ノ鉱区ト重複スル場合ニ於テ其ノ重複スル部分ニ於ケル鉱業他人ノ鉱業ニ妨害アリト認メタルトキハ主務大臣ハ鉱業権者ニ其ノ妨害ノ排除又ハ鉱業ノ停止ヲ命スルコトヲ得
第四十四条第一項ヲ左ノ如ク改ム
採掘権者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ施業案ヲ定メ鉱山監督局長ノ認可ヲ受クヘシ之ヲ変更セムトスルトキ亦同シ
第四十五条第二項ヲ削ル
第七十四条第一項中「一箇年間」ヲ「五箇年間」ニ改ム
第七十五条 採掘権者ハ鉱夫ノ雇傭及就業ニ関スル規則ヲ定メ鉱山監督局長ノ許可ヲ受クヘシ之ヲ変更セムトスルトキ亦同シ
第七十九条中「労役」ヲ「労働」ニ改ム
第九十条第一項中「第十一条又ハ第三十六条」ヲ「第十一条、第三十六条又ハ第四十三条ノ二第一項」ニ改ム
第九十二条ニ左ノ一項ヲ加フ
第一項及第二項ノ規定ハ第四十三条ノ二第二項ノ協議調ハス又ハ協議ヲ為スコト能ハサル場合ニ之ヲ準用ス
第九十四条 鉱業権ヲ有セスシテ鉱物ヲ掘採シタル者又ハ詐偽ノ行為ヲ以テ鉱業権ヲ得タル者ハ二年以下ノ懲役又ハ三千円以下ノ罰金ニ処ス
過失ニ因リ鉱区外ニ侵掘シタル者ハ二千円以下ノ罰金ニ処ス
第九十五条中「既ニ之ヲ譲渡シ又ハ消費シタルトキハ其ノ代金ヲ追徴ス」ヲ「若シ其ノ全部又ハ一部ヲ没収スルコト能ハサルトキハ其ノ価額ヲ追徴ス」ニ改ム
第九十六条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ一年以下ノ懲役又ハ二千円以下ノ罰金ニ処ス
一 第十条第三項、第十一条本文、第四十三条ノ二第一項本文又ハ第四十四条ノ規定ニ違反シタル者
二 第四十三条ノ三、第四十五条、第七十二条、第七十三条第一項又ハ第七十四条第一項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
三 第七十一条ノ規定ニ基キテ発スル命令又ハ之ニ基キテ為ス処分ニ違反シタル者
四 第七十三条第二項ノ規定ニ基キテ管理者ノ職務ニ関シ発スル命令又ハ之ニ基キテ為ス処分ニ違反シタル者
第九十七条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ千円以下ノ罰金ニ処ス
一 第四十六条乃至第四十八条ノ規定ニ違反シタル者
二 第七十四条ノ四第三項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
三 第七十五条乃至第七十八条ノ規定ニ違反シタル者
四 第七十九条又ハ第八十条ノ規定ニ基キテ発スル命令ニ違反シタル者
第九十八条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ五百円以下ノ罰金ニ処ス
一 第十二条ノ二ノ規定ニ依ル報告ヲ怠リ又ハ虚偽ノ報告ヲ為シタル者
二 第十二条ノ二ノ規定ニ依ル検査ヲ拒ミ、妨ケ又ハ忌避シタル者
三 第五十三条第一項ノ許可ヲ受ケスシテ障碍物ヲ除却シタル者
第九十九条 削除
第百条 削除
第百二条 削除
第百三条 本法又ハ本法ニ基キテ発スル命令ノ罰則ハ其ノ者カ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治産者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ営業ニ関シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
第百四条第一項中「鉱業権者」ヲ「法人又ハ人」ニ、「本法ヲ犯シタルトキハ」ヲ「本法ノ違反行為ヲ為シタルトキハ」ニ、「本法ノ処罰」ヲ「其ノ処罰」ニ改ム
第百五条中「禁錮又ハ拘留」ヲ「懲役」ニ改ム
第百六条 削除
附 則
第一条 本法施行ノ期日ハ第十条ノ改正規定中要塞地帯ニ関スル部分、同条ノ改正規定中陸軍輸送港域ニ関スル部分及其ノ他ノ規定ニ付各別ニ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二条 本法(第十条ノ改正規定ヲ除ク以下之ニ同ジ)施行ノ際現ニ炭化水素ヲ主成分トスル天然瓦斯(含油層ト密接ノ関係アル可燃質天然瓦斯ヲ除ク以下之ニ同ジ)ヲ掘採スル者アル場合ニ於テ其ノ掘採区域他人ノ鉱区ト重複シ且其ノ鉱業権ノ目的石油ナルトキハ当該鉱業権者ハ附則第三条及同第六条ノ定ムル所ニ従ヒ其ノ権利ヲ制限セラル
第三条 本法施行ノ際現ニ明礬石、蛍石、石綿又ハ炭化水素ヲ主成分トスル天然瓦斯ヲ掘採スル者又ハ其ノ承継人ハ本法施行ノ日ヨリ六月間従前ノ例ニ依リ其ノ掘採ヲ継続スルコトヲ得其ノ期間内ニ当該掘採者又ハ其ノ承継人明礬石、蛍石、石綿又ハ炭化水素ヲ主成分トスル天然瓦斯ヲ掘採スル為出願ヲ為シタル場合ニ於テ許可ノ登録ノ日又ハ不許可ノ指令ノ日迄亦同ジ
第四条 前条ニ掲グル者本法施行ノ日ヨリ六月以内ニ明礬石、蛍石、石綿又ハ炭化水素ヲ主成分トスル天然瓦斯ヲ掘採スル為出願ヲ為シタルトキハ其ノ掘採区域ヲ限リ第九条第三項、第二十八条、第二十九条及第三十三条ノ規定並ニ第九条第二項ノ鉱区面積ニ関スル規定ニ拘ラズ之ヲ許可ス
第五条 前条ノ規定ニ依ル試掘権ヲ有スル者試掘権存続期間中同種ノ鉱物ニ付採掘ノ出願ヲ為シタルトキハ其ノ試掘鉱区ト重複スル部分ニ付テハ第九条第三項及第二十九条ノ規定並ニ第九条第二項ノ鉱区面積ニ関スル規定ニ拘ラズ之ヲ許可ス
第六条 前二条ノ規定ニ依ル石油ヲ目的トスル鉱業権ヲ有スル者ハ其ノ鉱区他人ノ鉱区ト重複シ且其ノ鉱業権ノ目的石油ナルトキハ其ノ重複スル部分ニ於テハ炭化水素ヲ主成分トスル天然瓦斯ノミヲ掘採シ及之ヲ取得スル権利ヲ有ス
第七条 本法施行ノ際現ニ契約又ハ慣習ニ依リ明礬石、蛍石、石綿又ハ炭化水素ヲ主成分トスル天然瓦斯ヲ掘採スル者ヨリ代償ヲ受クル土地所有者ハ附則第四条又ハ同第五条ノ規定ニ依リ許可ヲ受ケタル者ニ対シ右ノ鉱物ノ掘採ニ付相当ノ補償金ヲ請求スルコトヲ得
砂鉱法第十三条及第十五条ノ規定ハ前項ノ補償金ニ之ヲ準用ス
第八条 試掘鉱区附則第四条又ハ同第五条ノ規定ニ依ル鉱区ト重複シ且同種ノ鉱物ナル場合ニ於テ其ノ試掘権者試掘権存続期間中同種ノ鉱物ニ付採掘ノ出願ヲ為シタルトキハ其ノ試掘鉱区ト重複スル部分ニ付テハ第九条第三項及第二十九条ノ規定ニ拘ラズ之ヲ許可ス
第九条 砂鉱法第五条ノ規定ハ附則第四条又ハ同第五条ノ規定ニ依ル鉱区他人ノ鉱区ト重複シ且同種ノ鉱物ナル場合ニ之ヲ準用ス
第十条 本法施行ノ際現ニ存スル試掘権ノ存続期間ハ本法施行ノ日ヨリ四年トス但シ主務大臣已ムコトヲ得ザル事由アリト認ムルトキハ石油ヲ目的トスル試掘権ニ付テハ四年以内、石油以外ノ鉱物ヲ目的トスル試掘権ニ付テハ二年以内之ヲ延長スルコトヲ得
第十一条 本法施行前第二十四条第一項、第二十五条第一項(第三十七条第一項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)又ハ第三十八条第一項ノ規定ニ依ル命令アリタル場合ニ於テハ従前ノ第二十四条第二項、第二十五条第二項、第三十七条第二項又ハ第三十八条第二項ノ規定ヲ適用ス
第十二条 本法施行前ニ為シタル採掘出願ノ出願地出願ノ当時其ノ出願人ノ同種ノ鉱物ノ試掘鉱区ト重複スル場合ニ於テ其ノ重複スル部分仍試掘ヲ要スルモノト認ムルトキハ第二十九条ノ二ノ規定ニ拘ラズ仍従前ノ例ニ依ル
本法施行ニ為シタル鉱業ノ出願ニシテ其ノ出願地他人ノ異種ノ鉱物ノ鉱区ト重複スルモノニ付テハ仍従前ノ第三十一条ノ規定ヲ適用ス
本法施行前従前ノ第三十三条ノ二第一項ノ規定ニ依リ為シタル鉱業ノ出願ニ付テハ仍同条ノ規定ヲ適用ス
本法施行前十日以内ニ試掘権ノ存続期間満了シタル場合ニ於テハ仍従前ノ第三十三条ノ二ノ規定ヲ適用ス
第十三条 本法施行前従前ノ第四十四条第一項ノ規定ニ依リ差出シタル施業案ハ同条同項ノ改正規定ニ依リ認可ヲ受ケタルモノト看做ス
第十四条 本法施行前従前ノ罰則ヲ適用スベカリシ行為ニ付テハ仍従前ノ例ニ依ル