第一條 管長又ハ敎團統理者ハ敎規、宗制又ハ敎團規則ノ定ムル所ニ依リ住職、敎會主管者、其ノ代務者及敎師ノ任免其ノ他ノ進退ヲ行フ
第二條 管長、敎團統理者又ハ其ノ代務者ハ敎派、宗派又ハ敎團每ニ一人トス
管長、敎團統理者又ハ其ノ代務者ハ敎師タル者ヲ以テ之ニ充ツベシ但シ敎規、宗制又ハ敎團規則ニ於テ世襲ヲ定メタル場合ノ管長又ハ敎團統理者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第三條 前條ノ規定ハ住職、敎會主管者及其ノ代務者ニ付之ヲ準用ス
第四條 寺院又ハ法人タル敎會ノ所有スル財產ニシテ左ニ揭グルモノニ付テハ寺院財產臺帳又ハ敎會財產臺帳(以下單ニ財產臺帳ト稱ス)ニ登錄ヲ受クルコトヲ要ス
二 公債、社債、株式其ノ他之ニ準ズベキモノニシテ基本財產ヲ構成スルモノ
前項第二號ノ基本財產ハ寺院規則又ハ敎會規則ノ定ムル所ニ依ル
第五條 登錄ハ寺院又ハ敎會ノ所在地ヲ管轄スル地方長官ニ於テ當該寺院又ハ敎會ノ住職又ハ敎會主管者ノ申請ニ因リ之ヲ行フ
第八條 登錄セラレタル事項ニ變更ヲ生ジ又ハ其ノ事項ガ消滅シタルトキハ遲滯ナク變更又ハ抹消ノ登錄ヲ申請スルコトヲ要ス
第九條 寺院又ハ敎會解散シタルトキハ遲滯ナク抹消ノ登錄ヲ申請スルコトヲ要ス
前項ノ抹消ノ登錄ハ合併以外ノ場合ニ在リテハ淸算人ニ於テ、合併ノ場合ニ在リテハ合併後存續シ又ハ合併ニ因リテ設立シタル寺院又ハ敎會ノ住職又ハ敎會主管者ニ於テ之ヲ申請スベシ
設立認可ノ取消ニ因リテ解散シタル寺院又ハ敎會ニ關シテハ地方長官ハ職權ニ依リ抹消ノ登錄ヲ爲スコトヲ得
第十條 登錄申請者登錄ニ錯誤又ハ遺漏アルコトヲ發見シタルトキハ遲滯ナク登錄ノ更正ヲ申請スベシ
地方長官登錄ニ錯誤又ハ遺漏アルコトヲ發見シタルトキハ其ノ旨ヲ登錄申請者ニ通知スベシ
第十一條 寺院又ハ敎會他ノ道府縣ノ區域ニ移轉シタルトキハ遲滯ナク新所在地ニ於テハ舊所在地ニ於テ登錄ヲ受ケタル財產ノ登錄ヲ、舊所在地ニ於テハ抹消ノ登錄ヲ申請スルコトヲ要ス
第十二條 財產臺帳ノ閱覽ヲ請求セントスル者ハ一囘ニ付、其ノ謄本又ハ抄本ノ交付ヲ請求セントスル者ハ一枚ニ付手數料十五錢ヲ納付スベシ
第十三條 地方長官ハ請求ニ因リ登錄事項ニ變更ナキコト又ハ或事項ノ登錄ナキコトノ證明ヲ爲スベシ
第十四條 地方長官ハ正當ノ理由アル場合ニ限リ前二條ノ請求ヲ拒ムコトヲ得此ノ場合ニ於テハ書面ヲ以テ其ノ旨ヲ請求者ニ吿知スルコトヲ要ス
第十五條 寺院又ハ敎會ノ用ニ供スル土地ニシテ左ノ各號ノ一ニ該當スルモノハ當該寺院ノ境內地又ハ敎會ノ構內地トス
一 堂宇、會堂其ノ他寺院又ハ敎會ニ必要ナル工作物ノ敷地
二 寺院又ハ敎會ニ於テ儀式又ハ行事ヲ行フニ必要ナル土地
四 歷史、古記等ニ依リ寺院又ハ敎會ト密接ノ緣故アル土地
五 庭園其ノ他寺院又ハ敎會ノ風致ノ維持又ハ災害ノ防止ニ必要ナル土地
第十六條 境內地若ハ構內地ノ區域ヲ變更セントスルトキ又ハ境內地若ハ構內地ノ著シキ模樣替ヲ爲サントスルトキハ住職又ハ敎會主管者ニ於テ左ノ事項ヲ具シ地方長官ノ認可ヲ受クルコトヲ要ス第二號乃至第四號ノ事項ヲ變更セントスルトキ亦同ジ
五 別ニ土地所有者アルトキハ其ノ氏名又ハ名稱及住所
前項第二號及第三號ノ事項ニ付テハ境內地又ハ構內地ノ地形、面積、建物ノ配置、附近ノ狀況等ヲ示ス圖面ヲ添附シ別ニ土地所有者アルトキハ其ノ同意書ヲ添附スベシ
第十七條 境內地又ハ構內地ハ寺院又ハ敎會ノ目的以外ノ用ニ之ヲ供スルコトヲ得ズ但シ公益ノ爲ニスル使用又ハ其ノ用途ヲ妨ゲザル限度ノ使用ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第十八條 前條但書ノ規定ニ依リ境內地又ハ構內地ヲ寺院又ハ敎會ノ目的以外ノ用ニ供セントスルトキハ住職又ハ敎會主管者ニ於テ左ノ事項ヲ具シ地方長官ノ認可ヲ受クルコトヲ要ス其ノ事項ヲ變更セントスルトキ亦同ジ
第十九條 寺院ノ境內建物又ハ敎會ノ構內建物ヲ新築シ、改築シ、增築シ若ハ除却セントスルトキ又ハ其ノ著シキ模樣替ヲ爲サントスルトキハ住職又ハ敎會主管者ニ於テ左ノ事項ヲ具シ地方長官ノ認可ヲ受クルコトヲ要ス第三號乃至第六號ノ事項ヲ變更セントスルトキ亦同ジ
七 別ニ建物所有者アルトキハ其ノ氏名又ハ名稱及住所
前項第七號ニ該當スル場合ニ於テハ建物所有者ノ同意書ヲ添附スベシ
第二十條 境內建物又ハ構內建物ノ用途ヲ變更セントスルトキハ住職又ハ敎會主管者ニ於テ其ノ理由ヲ具シ地方長官ノ認可ヲ受クルコトヲ要ス
第二十一條 第十七條及第十八條ノ規定ハ境內建物及構內建物ニ付之ヲ準用ス
第二十二條 第十九條ノ規定ハ境內地又ハ構內地ニ於ケル碑表及形像ニ付之ヲ準用ス
第二十三條 左ノ場合ニ於テハ地方長官ハ認可ヲ取消シ又ハ境內地、構內地、工作物其ノ他ノ物件ニ付改造、除却、原狀囘復其ノ他必要ナル措置ヲ命ズルコトヲ得
一 第十六條、第十七條若ハ第十八條(第二十一條ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)又ハ第十九條(前條ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ違反シタルトキ
二 前號ニ揭グル規定ニ依ル認可ノ條件ニ違反シタルトキ
第二十四條 地方長官特ニ必要アリト認ムルトキハ住職又ハ敎會主管者ニ對シ境內地若ハ構內地又ハ境內建物、構內建物其ノ他ノ工作物ノ管理ニ關シ必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
住職又ハ敎會主管者前項ノ規定ニ依ル處分ニ從ハザルトキハ地方長官ハ當該境內地若ハ構內地又ハ境內建物、構內建物其ノ他ノ工作物ノ使用ヲ制限シ若ハ禁止シ又ハ除却ヲ命ズルコトヲ得
第二十五條 境內建物又ハ構內建物火災其ノ他ノ災害ニ因リテ滅失シタルトキハ住職又ハ敎會主管者ニ於テ其ノ顚末ヲ具シ遲滯ナク其ノ旨ヲ地方長官ニ屆出ヅベシ
第二十六條 法人タル宗敎團體合併ヲ爲サントスルトキハ財產目錄ヲ作成シ其ノ債權者ニ對シ異議アラバ一定ノ期間內ニ之ヲ述ブベキ旨ヲ公吿シ且知レタル債權者ニハ各別ニ之ヲ催吿スルコトヲ要ス但シ其ノ期間ハ一月ヲ下ルコトヲ得ズ
債權者前項ノ期間內ニ異議ヲ述ベタルトキハ宗敎團體ハ之ニ辨濟ヲ爲シ若ハ相當ノ擔保ヲ供シ又ハ之ニ辨濟ヲ受ケシムルコトヲ目的トシテ信託會社ニ相當ノ財產ヲ信託スルコトヲ要ス
民法施行法第二十六條ノ規定ハ第一項ノ公吿ニ付之ヲ準用ス
第二十八條 合併後存續シ又ハ合併ニ因リテ設立シタル法人タル宗敎團體ハ合併ニ因リテ解散シタル法人タル宗敎團體ノ權利義務ヲ承繼ス
第二十九條 解散シタル法人タル敎派、宗派又ハ敎團ノ殘餘財產ノ處分ハ合併ノ場合ヲ除クノ外敎規、宗制又ハ敎團規則ノ定ムル所ニ依ル其ノ定ナキトキハ淸算人ニ於テ文部大臣ノ認可ヲ受ケ他ノ宗敎團體又ハ公益事業ノ爲ニ之ヲ處分スルコトヲ得
第三十條 敎派、宗派又ハ敎團解散シタルトキハ合併ノ場合ヲ除クノ外之ニ屬シタル寺院及敎會ハ二年內ニ他ノ敎派、宗派又ハ敎團ニ屬スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ總代ノ同意ヲ得其ノ敎派、宗派又ハ敎團ノ管長又ハ敎團統理者ノ承認ヲ經、地方長官ノ認可ヲ受クルコトヲ要ス
前項ノ期間內ニ他ノ敎派、宗派又ハ敎團ニ屬セザル寺院及敎會ハ前項ノ期間ノ滿了ノ時ニ於テ解散シタルモノト看做ス
第三十一條 敎派、宗派又ハ敎團ノ淸算終了シタルトキハ淸算人ハ遲滯ナク計算ヲ爲シ文部大臣ノ承認ヲ受クルコトヲ要ス
第三十二條 第二十九條及前條ノ規定ハ寺院又ハ法人タル敎會ガ解散シタル場合ニ付之ヲ準用ス但シ文部大臣トアルハ地方長官トス
第三十三條 市町村長ハ寺院總代名簿及敎會總代名簿ヲ調製シ住職又ハ敎會主管者ノ屆出ニ基キテ之ニ寺院又ハ敎會ノ名稱竝ニ總代ノ氏名、住所、職業、生年月日及選任解任ノ年月日ヲ記載シ其ノ他名簿ニ關シ必要ナル事務ヲ處理スベシ