第一條 軍需品調達ノ適正ヲ圖ル爲軍需品又ハ其ノ原料若ハ材料ニ關シ國家總動員法(昭和十三年勅令第三百十七號ニ於テ依ル場合ヲ含ム)第十九條ノ規定ニ基キ原價計算ヲ爲サシメ又ハ同法第三十一條ノ規定ニ基キ報吿ヲ徵シ若ハ檢査ヲ爲サシムルハ本令ノ定ムル所ニ依ル
第二條 本令ニ於テ軍需品ト稱スルハ軍ノ命令又ハ契約ニ基キ生產又ハ修理ヲ爲ス兵器其ノ他ノ軍用ニ供スル物資ヲ謂フ但シ第四條ノ規定ニ依リ原價ニ關シ計算ヲ爲サシメ又ハ第五條ノ規定ニ依リ經理若ハ原價ニ關シ報吿ヲ徵シ若ハ檢査ヲ爲サシムル軍需品ハ左ニ揭グルモノニ限ル
四 軍用ニ供スル物資ニシテ其ノ生產額ガ當該工場事業場ニ於ケル生產額ノ過半ヲ占ムルモノ
前項第五號ニ揭グル物資ノ範圍ハ陸軍大臣又ハ海軍大臣內閣總理大臣ニ協議シテ之ヲ定ム
第三條 本令ニ於テ工場事業場ト稱スルハ左ニ揭グルモノヲ謂フ
一 軍ノ命令又ハ契約ニ基キ軍需品又ハ其ノ原料若ハ材料ノ生產又ハ修理ヲ爲ス工場又ハ事業場
二 前號ノ工場又ハ事業場ニ於テ軍ノ命令又ハ契約ニ基キ生產又ハ修理ヲ爲ス軍需品ノ原料又ハ材料ノ生產又ハ修理ヲ爲ス工場又ハ事業場
三 前二號ニ規定スル生產又ハ修理ノ下請ヲ爲ス工場又ハ事業場
第四條 陸軍大臣又ハ海軍大臣必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ工場事業場ノ事業主ニ對シ軍需品又ハ其ノ原料若ハ材料ノ原價ニ關シ計算ヲ爲サシムルコトヲ得
第五條 陸軍大臣又ハ海軍大臣軍需品ノ調達ニ關シ必要アリト認ムルトキハ軍需品又ハ其ノ原料若ハ材料ノ生產又ハ修理、之ニ伴フ業務又ハ經理又ハ軍需品又ハ其ノ原料若ハ材料ノ原價ニ關シ工場事業場ノ事業主ヨリ報吿ヲ徵シ又ハ當該官吏ヲシテ工場事業場其ノ他必要ナル場所ニ臨檢シ業務ノ狀況又ハ帳簿書類、當該工場事業場ニ於テ生產又ハ修理ヲ爲ス軍需品、其ノ原料又ハ材料其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコトヲ得
第六條 陸軍大臣又ハ海軍大臣必要アリト認ムルトキハ前條ニ規定スル職權ノ一部ヲ所轄官衙(陸海軍ノ學校ヲ含ム)ノ長ヲシテ行ハシムルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ當該官衙ノ長ハ陸軍大臣又ハ海軍大臣ノ定ムル所ニ依リ前項ノ規定ニ依ル職權ヲ其ノ所屬官衙ノ長ヲシテ行ハシムルコトヲ得
第七條 前二條ノ規定ニ依リ當該官吏ヲシテ臨檢檢査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス證票ヲ携帶セシムベシ