軍需品工場事業場検査令
法令番号: 勅令第七百七號
公布年月日: 昭和14年10月18日
法令の形式: 勅令
朕軍需品工場事業場檢査令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十四年十月十六日
內閣總理大臣 阿部信行
陸軍大臣 畑俊六
海軍大臣 吉田善吾
勅令第七百七號
軍需品工場事業場檢査令
第一條 軍需品調達ノ適正ヲ圖ル爲軍需品又ハ其ノ原料若ハ材料ニ關シ國家總動員法(昭和十三年勅令第三百十七號ニ於テ依ル場合ヲ含ム)第十九條ノ規定ニ基キ原價計算ヲ爲サシメ又ハ同法第三十一條ノ規定ニ基キ報吿ヲ徵シ若ハ檢査ヲ爲サシムルハ本令ノ定ムル所ニ依ル
第二條 本令ニ於テ軍需品ト稱スルハ軍ノ命令又ハ契約ニ基キ生產又ハ修理ヲ爲ス兵器其ノ他ノ軍用ニ供スル物資ヲ謂フ但シ第四條ノ規定ニ依リ原價ニ關シ計算ヲ爲サシメ又ハ第五條ノ規定ニ依リ經理若ハ原價ニ關シ報吿ヲ徵シ若ハ檢査ヲ爲サシムル軍需品ハ左ニ揭グルモノニ限ル
一 軍機保護ノ必要アル物資
二 軍用規格ノ定アル物資
三 軍ニ於テ生產又ハ修理ヲ指導スル物資
四 軍用ニ供スル物資ニシテ其ノ生產額ガ當該工場事業場ニ於ケル生產額ノ過半ヲ占ムルモノ
五 前各號ニ揭グルモノノ外軍事上特ニ必要アル物資
前項第五號ニ揭グル物資ノ範圍ハ陸軍大臣又ハ海軍大臣內閣總理大臣ニ協議シテ之ヲ定ム
第三條 本令ニ於テ工場事業場ト稱スルハ左ニ揭グルモノヲ謂フ
一 軍ノ命令又ハ契約ニ基キ軍需品又ハ其ノ原料若ハ材料ノ生產又ハ修理ヲ爲ス工場又ハ事業場
二 前號ノ工場又ハ事業場ニ於テ軍ノ命令又ハ契約ニ基キ生產又ハ修理ヲ爲ス軍需品ノ原料又ハ材料ノ生產又ハ修理ヲ爲ス工場又ハ事業場
三 前二號ニ規定スル生產又ハ修理ノ下請ヲ爲ス工場又ハ事業場
第四條 陸軍大臣又ハ海軍大臣必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ工場事業場ノ事業主ニ對シ軍需品又ハ其ノ原料若ハ材料ノ原價ニ關シ計算ヲ爲サシムルコトヲ得
第五條 陸軍大臣又ハ海軍大臣軍需品ノ調達ニ關シ必要アリト認ムルトキハ軍需品又ハ其ノ原料若ハ材料ノ生產又ハ修理、之ニ伴フ業務又ハ經理又ハ軍需品又ハ其ノ原料若ハ材料ノ原價ニ關シ工場事業場ノ事業主ヨリ報吿ヲ徵シ又ハ當該官吏ヲシテ工場事業場其ノ他必要ナル場所ニ臨檢シ業務ノ狀況又ハ帳簿書類、當該工場事業場ニ於テ生產又ハ修理ヲ爲ス軍需品、其ノ原料又ハ材料其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコトヲ得
第六條 陸軍大臣又ハ海軍大臣必要アリト認ムルトキハ前條ニ規定スル職權ノ一部ヲ所轄官衙(陸海軍ノ學校ヲ含ム)ノ長ヲシテ行ハシムルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ當該官衙ノ長ハ陸軍大臣又ハ海軍大臣ノ定ムル所ニ依リ前項ノ規定ニ依ル職權ヲ其ノ所屬官衙ノ長ヲシテ行ハシムルコトヲ得
第七條 前二條ノ規定ニ依リ當該官吏ヲシテ臨檢檢査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス證票ヲ携帶セシムベシ
附 則
本令ハ昭和十四年十月二十日ヨリ之ヲ施行ス
朕軍需品工場事業場検査令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十四年十月十六日
内閣総理大臣 阿部信行
陸軍大臣 畑俊六
海軍大臣 吉田善吾
勅令第七百七号
軍需品工場事業場検査令
第一条 軍需品調達ノ適正ヲ図ル為軍需品又ハ其ノ原料若ハ材料ニ関シ国家総動員法(昭和十三年勅令第三百十七号ニ於テ依ル場合ヲ含ム)第十九条ノ規定ニ基キ原価計算ヲ為サシメ又ハ同法第三十一条ノ規定ニ基キ報告ヲ徴シ若ハ検査ヲ為サシムルハ本令ノ定ムル所ニ依ル
第二条 本令ニ於テ軍需品ト称スルハ軍ノ命令又ハ契約ニ基キ生産又ハ修理ヲ為ス兵器其ノ他ノ軍用ニ供スル物資ヲ謂フ但シ第四条ノ規定ニ依リ原価ニ関シ計算ヲ為サシメ又ハ第五条ノ規定ニ依リ経理若ハ原価ニ関シ報告ヲ徴シ若ハ検査ヲ為サシムル軍需品ハ左ニ掲グルモノニ限ル
一 軍機保護ノ必要アル物資
二 軍用規格ノ定アル物資
三 軍ニ於テ生産又ハ修理ヲ指導スル物資
四 軍用ニ供スル物資ニシテ其ノ生産額ガ当該工場事業場ニ於ケル生産額ノ過半ヲ占ムルモノ
五 前各号ニ掲グルモノノ外軍事上特ニ必要アル物資
前項第五号ニ掲グル物資ノ範囲ハ陸軍大臣又ハ海軍大臣内閣総理大臣ニ協議シテ之ヲ定ム
第三条 本令ニ於テ工場事業場ト称スルハ左ニ掲グルモノヲ謂フ
一 軍ノ命令又ハ契約ニ基キ軍需品又ハ其ノ原料若ハ材料ノ生産又ハ修理ヲ為ス工場又ハ事業場
二 前号ノ工場又ハ事業場ニ於テ軍ノ命令又ハ契約ニ基キ生産又ハ修理ヲ為ス軍需品ノ原料又ハ材料ノ生産又ハ修理ヲ為ス工場又ハ事業場
三 前二号ニ規定スル生産又ハ修理ノ下請ヲ為ス工場又ハ事業場
第四条 陸軍大臣又ハ海軍大臣必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ工場事業場ノ事業主ニ対シ軍需品又ハ其ノ原料若ハ材料ノ原価ニ関シ計算ヲ為サシムルコトヲ得
第五条 陸軍大臣又ハ海軍大臣軍需品ノ調達ニ関シ必要アリト認ムルトキハ軍需品又ハ其ノ原料若ハ材料ノ生産又ハ修理、之ニ伴フ業務又ハ経理又ハ軍需品又ハ其ノ原料若ハ材料ノ原価ニ関シ工場事業場ノ事業主ヨリ報告ヲ徴シ又ハ当該官吏ヲシテ工場事業場其ノ他必要ナル場所ニ臨検シ業務ノ状況又ハ帳簿書類、当該工場事業場ニ於テ生産又ハ修理ヲ為ス軍需品、其ノ原料又ハ材料其ノ他ノ物件ヲ検査セシムルコトヲ得
第六条 陸軍大臣又ハ海軍大臣必要アリト認ムルトキハ前条ニ規定スル職権ノ一部ヲ所轄官衙(陸海軍ノ学校ヲ含ム)ノ長ヲシテ行ハシムルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ当該官衙ノ長ハ陸軍大臣又ハ海軍大臣ノ定ムル所ニ依リ前項ノ規定ニ依ル職権ヲ其ノ所属官衙ノ長ヲシテ行ハシムルコトヲ得
第七条 前二条ノ規定ニ依リ当該官吏ヲシテ臨検検査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス証票ヲ携帯セシムベシ
附 則
本令ハ昭和十四年十月二十日ヨリ之ヲ施行ス