従業者雇入制限令
法令番号: 勅令第百二十六號
公布年月日: 昭和14年3月31日
法令の形式: 勅令
朕從業者雇入制限令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十四年三月三十日
內閣總理大臣 男爵 平沼騏一郞
拓務大臣 八田嘉明
厚生大臣 廣瀨久忠
勅令第百二十六號
從業者雇入制限令
第一條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者(以下從業者ト稱ス)ノ國家總動員法第六條ノ規定ニ基ク雇入制限ハ本令ノ定ムル所ニ依ル
一 年齡十六年以上五十年未滿ノ男子ニシテ引續キ三月以上他人ニ雇傭セラレテ厚生大臣ノ指定スル職業ニ從事スルモノ
二 年齡十六年以上五十年未滿ノ男子ニシテ引續キ三月以上他人ニ雇傭セラレテ前號ノ職業ニ從事シ本令施行後ニ於テ其ノ雇傭ヲ終了シ且其ノ雇傭ヲ終了シタル日ヨリ厚生大臣ノ指定スル學校卒業者タル者ニ在リテハ一年、其ノ他ノ者ニ在リテハ六月ヲ經過セザルモノ
三 引續キ三月以上工場事業場技能者養成令ノ養成工(以下養成工ト稱ス)タル者
四 引續キ三月以上養成工タリシ者ニシテ養成工タラザルニ至リタル日ヨリ六月ヲ經過セザルモノ
第二條 工場又ハ事業場ニ於テ使用スル爲從業者ヲ雇入レントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ前條第一號又ハ第三號ニ該當スル者ノ雇入ニ付テハ其ノ者ガ現ニ就業スル地ノ所轄職業紹介所長ノ、前條第二號ニ該當スル者ノ雇入ニ付テハ其ノ者ガ雇傭終了ニ至ル迄前條第一號ノ職業ニ從事シタル地ノ所轄職業紹介所長ノ、前條第四號ニ該當スル者ノ雇入ニ付テハ其ノ者ガ養成工タラザルニ至ル迄就業シタル地ノ所轄職業紹介所長ノ認可ヲ受クベシ前條第一號ノ職業ニ從事セシムル爲從業者ヲ雇入レントスル者亦同ジ
第三條 職業紹介所長前條ノ認可ノ申請ニ付不正又ハ虛僞ノ事實アリト認ムルトキハ認可ヲ取消スコトヲ得
第四條 第二條ノ認可ニ關シ必要アル場合ニ於テハ同條ノ職業紹介所長及雇入ニ依リ從業者ノ就業スベキ地ノ所轄職業紹介所長ハ國家總動員法第三十一條ノ規定ニ基キ關係人ヨリ報吿ヲ徵シ又ハ當該官吏ヲシテ關係ノ工場、事業場若ハ事務所ニ臨檢セシメ業務ノ狀況若ハ帳簿書類ヲ檢査セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ當該官吏ヲシテ臨檢檢査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス證票ヲ携帶セシムベシ
第五條 本令ハ市町村其ノ他之ニ準ズベキモノニ於テ從業者ヲ吏員トシテ採用スル場合ニ之ヲ準用ス
第六條 本令ハ國又ハ道府縣ニ於ケル從業者ノ雇入ニハ之ヲ適用セズ
第七條 本令中厚生大臣トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮總督、臺灣ニ在リテハ臺灣總督、樺太ニ在リテハ樺太廳長官、南洋群島ニ在リテハ南洋廳長官トシ職業紹介所長トアルハ朝鮮ニ在リテハ府尹、郡守又ハ島司、臺灣ニ在リテハ市尹又ハ郡守(澎湖廳ニ在リテハ廳長)、樺太ニ在リテハ樺太廳支廳長、南洋群島ニ在リテハ南洋廳支廳長トシ道府縣トアルハ朝鮮ニ在リテハ道、臺灣ニ在リテハ州又ハ廳、南洋群島ニ在リテハ南洋群島地方費トス
附 則
本令ハ昭和十四年四月二十日ヨリ之ヲ施行ス但シ朝鮮、臺灣、樺太及南洋群島ニ在リテハ昭和十四年八月一日ヨリ之ヲ施行ス
朕従業者雇入制限令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十四年三月三十日
内閣総理大臣 男爵 平沼騏一郎
拓務大臣 八田嘉明
厚生大臣 広瀬久忠
勅令第百二十六号
従業者雇入制限令
第一条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者(以下従業者ト称ス)ノ国家総動員法第六条ノ規定ニ基ク雇入制限ハ本令ノ定ムル所ニ依ル
一 年齢十六年以上五十年未満ノ男子ニシテ引続キ三月以上他人ニ雇傭セラレテ厚生大臣ノ指定スル職業ニ従事スルモノ
二 年齢十六年以上五十年未満ノ男子ニシテ引続キ三月以上他人ニ雇傭セラレテ前号ノ職業ニ従事シ本令施行後ニ於テ其ノ雇傭ヲ終了シ且其ノ雇傭ヲ終了シタル日ヨリ厚生大臣ノ指定スル学校卒業者タル者ニ在リテハ一年、其ノ他ノ者ニ在リテハ六月ヲ経過セザルモノ
三 引続キ三月以上工場事業場技能者養成令ノ養成工(以下養成工ト称ス)タル者
四 引続キ三月以上養成工タリシ者ニシテ養成工タラザルニ至リタル日ヨリ六月ヲ経過セザルモノ
第二条 工場又ハ事業場ニ於テ使用スル為従業者ヲ雇入レントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ前条第一号又ハ第三号ニ該当スル者ノ雇入ニ付テハ其ノ者ガ現ニ就業スル地ノ所轄職業紹介所長ノ、前条第二号ニ該当スル者ノ雇入ニ付テハ其ノ者ガ雇傭終了ニ至ル迄前条第一号ノ職業ニ従事シタル地ノ所轄職業紹介所長ノ、前条第四号ニ該当スル者ノ雇入ニ付テハ其ノ者ガ養成工タラザルニ至ル迄就業シタル地ノ所轄職業紹介所長ノ認可ヲ受クベシ前条第一号ノ職業ニ従事セシムル為従業者ヲ雇入レントスル者亦同ジ
第三条 職業紹介所長前条ノ認可ノ申請ニ付不正又ハ虚偽ノ事実アリト認ムルトキハ認可ヲ取消スコトヲ得
第四条 第二条ノ認可ニ関シ必要アル場合ニ於テハ同条ノ職業紹介所長及雇入ニ依リ従業者ノ就業スベキ地ノ所轄職業紹介所長ハ国家総動員法第三十一条ノ規定ニ基キ関係人ヨリ報告ヲ徴シ又ハ当該官吏ヲシテ関係ノ工場、事業場若ハ事務所ニ臨検セシメ業務ノ状況若ハ帳簿書類ヲ検査セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ当該官吏ヲシテ臨検検査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス証票ヲ携帯セシムベシ
第五条 本令ハ市町村其ノ他之ニ準ズベキモノニ於テ従業者ヲ吏員トシテ採用スル場合ニ之ヲ準用ス
第六条 本令ハ国又ハ道府県ニ於ケル従業者ノ雇入ニハ之ヲ適用セズ
第七条 本令中厚生大臣トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮総督、台湾ニ在リテハ台湾総督、樺太ニ在リテハ樺太庁長官、南洋群島ニ在リテハ南洋庁長官トシ職業紹介所長トアルハ朝鮮ニ在リテハ府尹、郡守又ハ島司、台湾ニ在リテハ市尹又ハ郡守(澎湖庁ニ在リテハ庁長)、樺太ニ在リテハ樺太庁支庁長、南洋群島ニ在リテハ南洋庁支庁長トシ道府県トアルハ朝鮮ニ在リテハ道、台湾ニ在リテハ州又ハ庁、南洋群島ニ在リテハ南洋群島地方費トス
附 則
本令ハ昭和十四年四月二十日ヨリ之ヲ施行ス但シ朝鮮、台湾、樺太及南洋群島ニ在リテハ昭和十四年八月一日ヨリ之ヲ施行ス