支那事変特別税法施行規則
法令番号: 勅令第200号
公布年月日: 昭和13年4月1日
法令の形式: 勅令

審議経過

朕支那事變特別稅法施行規則ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十三年三月三十一日
內閣總理大臣　公爵　近衞文麿
大藏大臣　賀屋興宣
勅令第二百號
支那事變特別稅法施行規則
第一條　稅務署長支那事變特別稅法第七條第一項ノ規定ニ依リ所得金額ヲ決定セントスル場合ニ於テハ其ノ所得金額ノ調査書ヲ所得調査委員會ニ送付スベシ
第二條　稅務署長支那事變特別稅法第七條第一項ノ規定ニ依リ所得金額ヲ決定シタルトキハ之ヲ納稅義務者ニ通知スベシ
第三條　支那事變特別稅法第十四條又ハ第十七條ノ規定ニ依リ配當金又ハ利子金額ノ支拂者利益配當稅又ハ公債及社債利子稅ヲ徵收シタルトキハ翌月十日迄ニ拂込書及計算書ヲ添ヘ之ヲ最寄ノ日本銀行ノ本店、支店又ハ代理店ニ拂込ムベシ
第四條　支那事變特別稅法第二十條第二號ノ規定ニ依リ陸海軍ノ團體トシテノ乘車船ニシテ通行稅ヲ課セザルモノヲ定ムルコト左ノ如シ
一　鐵道軍事供用令ニ依ル乘車
二　軍事上ノ必要ニ依リ貸切ノ契約ニテ爲ス乘船
第五條　左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ニ於テハ乘車船區間ノ粁程ハ各其ノ定ムル所ニ依リ之ヲ計算ス
一　往復乘車船ノ契約ヲ爲シタル場合ニ於テハ乘車船區間ノ粁程ハ往復各別ニ之ヲ計算ス
二　廻遊乘車船ノ契約ヲ爲シタル場合ニ於テハ乘車船區間ノ粁程ハ各區間每ニ之ヲ計算ス
三　均一制又ハ區間制ニ依リ運賃ヲ定メタル區間ヲ乘車船スル契約ヲ爲シタル場合ニ於テハ該乘車船契約ニ依リ乘車船シ得ベキ區間中最モ短キモノニ依リ乘車船區間ノ粁程ヲ計算ス
第六條　汽車、電車、乘合自動車又ハ汽船ニシテ其ノ等級ヲ一等、ニ等及三等ニ分タザルモノニ付テハ支那事變特別稅法第十九條第一項、第五項及第二十條第一號ノ等級ハ等級ヲ分タザルモノニ在リテハ三等、二等級ニ分チタルモノニ在リテハ二等及三等、一等ノ上又ハ三等ノ下ニ更ニ等級ヲ設ケタルモノニ在リテハ一等又ハ三等トス
第七條　乘客定員數ノ定ナキ車船ニ付貸切乘車船ノ契約ヲ爲シタル場合ニ於テハ支那事變特別稅法第十九條第六項ノ乘客定員數ハ運賃計算ノ基準ト爲リタル人員ニ依ル
第八條　支那事變特別稅法第二十三條第一項ノ納期限ハ鐵道省ニ付テハ翌月二十日トス
第九條　支那事變特別稅法第二十三條第一項ノ運輸業者通行稅ヲ徵收シタルトキハ納期限迄ニ拂込書及計算書ヲ添ヘ之ヲ最寄ノ日本銀行ノ本店、支店又ハ代埋店ニ拂込ムベシ
前項ノ計算書ハ鐵道省ニ在リテハ其ノ添附ヲ省略スルコトヲ得
第十條　汽車、電車、乘合自動車又ハ汽船ニ依ル運輸業ヲ營マントスル者ハ左ノ事項ヲ記載シタル申吿書ヲ營業所所轄稅務署ニ提出スベシ
一　住所及氏名又ハ名稱
二　營業所ノ所在地及其ノ名稱
三　運輸業ノ種類（汽車、電車、乘合自動車又ハ汽船ニ依ル運輸業ノ區別）
四　線路、路線又ハ航路ノ名稱、起終點ノ地名及粁程
五　汽車、電車、乘合自動車又ハ汽船ノ等級區分
六　乘車船券ノ種類
第十一條　運輸業者ニ代リテ乘車船券ヲ販賣セントスル者ハ其ノ住所及氏名又ハ名稱、販賣場ノ所在地竝ニ運輸業者ノ住所及氏名又ハ名稱ヲ記載シタル申吿書ヲ販賣場所轄稅務署ニ提出スベシ
第十二條　稅務署長ハ必要アリト認ムルトキハ運輸業者ニ左ノ事項ヲ申吿セシムルコトヲ得
一　停車場、停留所又ハ乘船場ノ名稱及其ノ所在地
二　停車場、停留所又ハ乘船場間ノ粁程
三　運賃ヲ粁制ニ依リ定メタルトキハ一粁當運賃、區間制ニ依リ定メタルトキハ各區間及其ノ運賃、均一制ニ依リ定メタルトキハ均一運賃
四　囘數、定期、團體又ハ貸切ノ乘車船ニ付特別ノ運賃ヲ定メタルトキハ其ノ運賃
五　運輸業者ニ代リテ乘車船券ヲ販賣スル者ノ住所及氏名又ハ名稱竝ニ其ノ販賣場ノ所在地
六　連帶運輸ヲ爲ス運輸業者ノ住所及氏名又ハ名稱竝ニ連帶運輸ヲ爲ス線路、路線又ハ航路ノ名稱、其ノ停車場、停留所又ハ乘船場ノ名稱及該停車場、停留所又ハ乘船場間ノ粁程
第十三條　前三條ノ規定ニ依リ申吿シタル事項ニ異動ヲ生ジタルトキハ其ノ都度所轄稅務署ニ申吿スベシ
第十四條　運輸業者又ハ運輸業者ニ代リテ乘車船券ヲ販賣スル者ノ業ヲ相續又ハ合併ニ因リ承繼シタル者ハ其ノ旨ヲ所轄稅務署ニ申吿スベシ
第十五條　運輸業者又ハ運輸業者ニ代リテ乘車船券ヲ販賣スル者其ノ業ヲ廢止セントスルトキハ其ノ旨ヲ所轄稅務署ニ申吿スベシ
第十六條　運輸業者又ハ運輸業者ニ代リテ乘車船券ヲ販賣スル者ハ每日左ノ事項ヲ帳簿ニ記載スベシ
一　稅率ノ區別ニ從ヒ通行稅ヲ課セラレタル者ノ人員及稅額
二　支那事變特別稅法第二十條各號ノ區別ニ從ヒ通行稅ヲ課セラレザル者ノ人員
第十七條　第十條乃至前條ノ規定ハ鐵道省ニ付テハ之ヲ適用セズ
第十八條　支那事變特別稅法第二十六條ニ揭グル第一種第三號ノ場所ヲ定ムルコト左ノ如シ
一　博覽會場
二　展覽會場
三　遊園地
第十九條　支那事變特別稅法第二十六條ニ規定スル第一種ノ場所ノ入場料ハ左ノ各號ノ規定ニ依リ之ヲ算定ス
一　入場料ハ觀覽料、座席料、仲錢、下足料、敷物料其ノ他名義ノ何タルヲ問ハズ入場スル者ガ入場ノ爲ニ支拂フベキ金額ノ合計額
二　地方競馬場ノ入場料ハ前號ノ規定ニ拘ラズ入場ノ爲ニ支拂フベキ金額ヲ其ノ入場券ニ添附セラレタル優勝馬投票券ノ投票證引換券ノ票數ニテ除シテ得タル金額
支那事變特別稅法第二十六條ニ規定スル第二種ノ場所ノ入場料ハ舞踏料、競技料、會費其ノ他名義ノ何タルヲ問ハズ入場スル者ガ設備ヲ利用スル爲ニ支拂フベキ金額ニ依ル
第二十條　支那事變特別稅法第二十九條ニ規定スル收益ノ總額ハ入場料總額ヨリ其ノ入場料ヲ得ルニ直接必要ナル經費ヲ控除シタル金額ニ依ル
第二十一條　入場料又ハ收益ノ總額ヲ左ノ目的ニ充ツル場合ニ於テハ支那事變特別稅法第二十九條ノ規定ニ依リ入場稅ヲ免除ス
一　軍人ノ慰恤竝ニ支那事變ノ爲ニ從軍シタル軍人及軍屬ノ家族又ハ遺族ノ慰問其ノ他ノ軍事援護
二　兵器、艦船其ノ他ノ國防金品ノ獻納
第二十二條　第一種ノ催物（第一種ノ場所ニ於ケル演劇、活動寫眞、演藝、觀物、競馬其ノ他ノ催物ヲ謂フ以下同ジ）若ハ設備ノ主催者若ハ經營者又ハ第二種ノ場所ノ經營者支那事變特別稅法第二十九條ノ規定ニ依リ入場稅ノ免除ヲ受ケントスルトキハ七日前ニ左ノ事項ヲ具シ第一種又ハ第二種ノ場所ノ所轄稅務署ニ申請シ承認ヲ受クベシ
一　期間
二　入場料又ハ收益ノ總額ヲ支出スベキ事業又ハ目的
三　入場料
四　收入支出ノ槪算書
前項ノ承認ヲ受ケタル者其ノ開催若ハ經營ヲ終了シタルトキハ直ニ證憑書類ヲ添ヘ收入支出ノ計算書ヲ提出スベシ
第二十三條　支那事變特別稅法第三十條ノ規定ニ依リ第一種ノ催物若ハ設備ノ主催者若ハ經營者又ハ第二種ノ場所ノ經營者入場稅ヲ徵收シタルトキハ翌月十日迄ニ拂込書及計算書ヲ添ヘ之ヲ最寄ノ日本銀行ノ本店、支店又ハ代理店ニ拂込ムベシ但シ常時開設ニ非ザルモノニ在リテハ左ノ場合ヲ除クノ外終了後直ニ之ヲ拂込ムベシ
一　開催又ハ經營ノ期間ガ一月以上ニ亘ル場合
二　開催期日一月前ヨリ入場券ヲ發賣スル場合
第二十四條　第一種ノ催物若ハ設備ヲ開催若ハ經營シ又ハ第二種ノ場所ヲ經營セントスル者ハ第一種又ハ第二種ノ場所每ニ左ノ事項ヲ記載シタル申吿書ヲ所轄稅務署ニ提出スベシ
一　主催者又ハ經營者ノ住所及氏名又ハ名稱
二　第一種又ハ第二種ノ場所ノ所在地及其ノ名稱
三　催物又ハ設備ノ種類
四　各等級別觀客定員及入場料
五　入場券發賣ノ方法
六　第一種又ハ第二種ノ場所ノ構造其ノ他設備ノ槪要
七　開設ノ年月日及開催又ハ經營ノ期間
第二十五條　第一種ノ催物若ハ設備ノ主催若ハ經營又ハ第二種ノ場所ノ經營ニシテ常時開設スル者其ノ催物又ハ經營ヲ一月以上休止セントスルトキハ其ノ時期ヲ定メ所轄稅務署ニ申吿スベシ
第二十六條　第一種ノ催物若ハ設備ノ主催者若ハ經營者又ハ第二種ノ場所ノ經營者前二條ノ規定ニ依リ申吿シタル事項ニ異動ヲ生ジタルトキハ其ノ都度所轄稅務署ニ申吿スベシ
第二十七條　第一種ノ催物若ハ設備ノ主催若ハ經營又ハ第二種ノ場所ノ經營ヲ相續又ハ合併ニ因リ承繼シタル者ハ其ノ旨ヲ所轄稅務署ニ申吿スベシ
第二十八條　第一種ノ催物若ハ設備ノ主催若ハ經營又ハ第二種ノ場所ノ經營ヲ廢止セントスルトキハ其ノ旨ヲ所轄稅務署ニ申吿スベシ
第二十九條　第一種ノ催物若ハ設備ノ主催者若ハ經營者又ハ第二種ノ場所ノ經營者第一種又ハ第二種ノ場所ヲ移轉セントスルトキハ移轉ノ事實ヲ具シ第二十四條及前條ノ規定ニ準ジ申吿ヲ爲スベシ
第三十條　第一種ノ催物若ハ設備ノ主催者若ハ經營者ハ入場料領收ノ際入場券ヲ發行スベシ但シ稅務署長ノ承認ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第三十一條　第一種ノ催物若ハ設備ノ主催者若ハ經營者又ハ第二種ノ場所ノ經營者ハ每日左ノ事項ヲ帳簿ニ記載スベシ
一　入場シタル人員
二　入場券ノ受入及拂出
三　入場料ノ總額
四　入場稅額
第三十二條　支那事變特別稅法第三十六條ノ規定ニ依リ運動競技ノ主催者特別入場稅ヲ徵收シタルトキハ競技終了後直ニ拂込書及計算書ヲ添ヘ之ヲ最寄ノ日本銀行ノ本店、支店又ハ代理店ニ拂込ムベシ但シ左ノ場合ハ翌月十日迄ニ之ヲ拂込ムベシ
一　開催ノ期間ガ一月以上ニ亘ル場合
二　開催期日一月前ヨリ入場券ヲ發賣スル場合
第三十三條　第十九條第一項第一號、第二十條乃至第二十二條、第二十四條乃至第二十六條、第二十八條、第三十條及第三十一條ノ規定ハ特別入場稅ニ付之ヲ準用ス
第三十四條　支那事變特別稅法第三十八條ノ規定ニ依リ物品稅ヲ課スベキ物品ハ別表ニ定ムル所ニ依ル
別表ニ於テ貴金屬トハ金、銀、白金及此等ヲ主タル材料トスル合金ヲ謂フ
別表ニ於テ貴石、半貴石、眞珠、金又ハ白金ヲ用ヒタル製品トハ其ノ用ヒタル貴石、半貴石、眞珠、金又ハ白金ノ價格（二種以上ノモノヲ用ヒタルモノニ付テハ其ノ價格ヲ合算ス）ガ三圓以上ノモノヲ謂フ
第三十五條　支那事變特別稅法第三十八條ニ揭グル第一種ノ物品中第十四號ニ揭グルモノニ付物品稅ヲ課スベキ場合ハ一囘ノ賣買總金額ガ一萬圓ヲ超ユル場合ニ限ル但シ强制競賣ノ場合ハ物品稅ヲ課セズ
第三十六條　支那事變特別稅法第三十八條ニ揭グル第一種ノ物品ノ小賣業ヲ營マントスル者ハ販賣場及販賣スベキ物品ヲ定メ其ノ住所及氏名又ハ名稱ヲ記載シタル申吿書ヲ販賣場所轄稅務署ニ提出スベシ
第三十七條　支那事變特別稅法第三十八條ニ揭グル第二種ノ物品又ハ燐寸ヲ製造セントスル者ハ製造場及製造スベキ物品ヲ定メ其ノ住所及氏名又ハ名稱ヲ記載シタル申吿書ヲ製造場所轄稅務署ニ提出スベシ
第三十八條　第一種ノ物品ノ小賣業者又ハ第二種ノ物品若ハ燐寸ノ製造者一月以上販賣又ハ製造ヲ休止セントスルトキハ其ノ時期ヲ定メ所轄稅務署ニ申吿スベシ
第三十九條　稅務署長ハ必要ト認ムルトキハ第二種ノ物品又ハ燐寸ノ製造者ニ製造場ノ圖面及製造用ノ機械器具ノ目錄ヲ提出セシムルコトヲ得
第四十條　第三十六條乃至第三十八條ノ規定ニ依リ申吿シタル事項又ハ前條ノ規定ニ依リ提出シタル圖面若ハ目錄ニ記載シタル事項ニ異動ヲ生ジタルトキハ其ノ都度所轄稅務署ニ申吿スベシ
第四十一條　第一種ノ物品ノ小賣業又ハ第二種ノ物品若ハ燐寸ノ製造業ヲ相續シタル者ハ其ノ旨ヲ所轄稅務署ニ申吿スベシ
第一種ノ物品ノ小賣業又ハ第二種ノ物品若ハ燐寸ノ製造業ヲ讓受ケタル者ハ讓渡人ト連署シテ所轄稅務署ニ申吿スベシ
合併後存續スル法人又ハ合併ニ因リ設立シタル法人ガ合併ニ因リテ消滅シタル法人ノ第一種ノ物品ノ小賣業又ハ第二種ノ物品若ハ燐寸ノ製造業ヲ承繼シタルトキハ合併後存續スル法人又ハ合併ニ因リテ設立シタル法人ハ其ノ旨ヲ所轄稅務署ニ申吿スベシ
第四十二條　第一種ノ物品ノ小賣業又ハ第二種ノ物品若ハ燐寸ノ製造ヲ廢止セントスルトキハ其ノ旨ヲ所轄稅務署ニ申吿スベシ
第四十三條　第一種ノ物品ノ小賣業者又ハ第二種ノ物品若ハ燐寸ノ製造者販賣場又ハ製造場ヲ移轉セントスルトキハ移轉ノ事實ヲ具シ第三十六條又ハ第三十七條及前條ノ規定ニ準ジ申吿ヲ爲スベシ
第四十四條　第一種又ハ第二種ノ物品ニシテ通常容器ト共ニ販賣セラルルモノノ價格ハ其ノ容器ノ價格ヲ加ヘタル金額ニ依ル
第四十五條　保稅地域ヨリ引取ラルル第一種又ハ第二種ノ物品ニシテ引取人ヨリ稅金ヲ徵收スルモノノ價格ハ輸入ノ際ニ於ケル到着價格ニ當該物品ニ課セラルベキ關稅ニ相當スル金額ヲ加ヘタル金額ニ依ル
第四十六條　燐寸ノ本數ハ軸木ノ本數ニ依ル但シ二個以上ノ點火裝置ヲ附シタルモノニ付テハ其ノ點火裝置ノ個數ニ依ル
第四十七條　第一種ノ物品ノ販賣者又ハ製造者ガ第一種ノ物品ヲ保稅地域ヨリ引取ル場合ニ於テハ物品稅ハ之ヲ徵收セズ
前項ノ場合ニ於テハ販賣場又ハ製造場ノ所轄稅務署ヨリ交付ヲ受ケタル販賣者又ハ製造者タルコトヲ證明スベキ書類ヲ所轄稅關ニ提出スベシ
第一項ノ場合ニ於テハ支那事變特別稅法第四十五條第二項ノ規定ニ依ル申吿書ノ提出ヲ要セズ
第四十八條　物品稅ノ免除ヲ受ケズシテ輸出シタル物品ヲ再輸入シ之ヲ保稅地域ヨリ引取ル場合ニ於テハ物品稅ヲ徵收セズ
前條第三項ノ規定ハ前項ノ場合ニ付之ヲ準用ス
第四十九條　支那事變特別稅法第四十五條第一項ノ規定ニ依ル申吿書ハ所轄稅務署ニ之ヲ提出スベシ
前項ノ申吿書ノ提出ナキトキ又ハ稅務署長其ノ申吿ヲ不相當ト認メタルトキハ稅務署長ハ其ノ課稅標準額ヲ決定スベシ
前二項ノ規定ハ支那事變特別稅法第四十五條第二項ノ規定ニ依ル申吿ニ付之ヲ準用ス
第五十條　第一種ノ物品ノ小賣業者又ハ第二種ノ物品ノ製造者返還ヲ受ケ又ハ戾入シタル物品ニ付支那事變特別稅法第四十六條第一項ノ規定ニ依ル控除ヲ受ケントスルトキハ當該物品ニ付物品稅ヲ納付シ又ハ其ノ徵收ノ猶豫ヲ受ケタルコトヲ證明スベキ書類及返還又ハ戾入ノ事實ヲ證明スベキ書類ヲ呈示シテ當該物品ノ品名、數量及價格ニ付所轄稅務署ノ承認ヲ受クベシ
第五十一條　支那事變特別稅法第三十八條ニ揭グル第三種ノ物品ノ製造者戾入又ハ移入シタル物品ニ付同法第四十六條第二項ノ規定ノ適用ヲ受ケントスルトキハ當該物品ニ付物品稅ヲ納付シ又ハ其ノ徵收ノ猶豫ヲ受ケタルコトヲ證明スベキ書類及戾入又ハ移入ノ事實ヲ證明スベキ書類ヲ呈示シテ當該物品ノ品名及數量ニ付所轄稅務署ノ承認ヲ受クベシ
第五十二條　擔保物ノ種類ハ金錢又ハ國債ニ限ル
擔保トシテ金錢又ハ無記名國債證券ヲ提供スルトキハ之ヲ供託シ其ノ供託受領證ヲ所轄稅務署ニ提出スベシ
擔保トシテ登錄國債ヲ提供スルトキハ擔保ノ登錄ヲ受ケ其ノ登錄濟通知書ヲ所轄稅務署ニ提出スベシ乙種國債登錄簿ニ登錄シタルモノニ在リテハ尙記名國債證券ヲ供託シ其ノ供託受領證ヲ提出スベシ
擔保トシテ提供シタル國債ノ償還ヲ受クルニ至リタルトキハ稅務署長ハ擔保提供者ヲシテ之ニ代ルベキ擔保ヲ提供セシムベシ
第五十三條　支那事變特別稅法第四十七條第二項ノ規定ニ依リ擔保ヲ提供シタル者期限內ニ稅金ヲ納付セザルトキハ擔保ヲ以テ之ニ充ツ但シ擔保物國債ナルトキハ之ヲ公賣ニ付シ稅金及公賣ノ費用ニ充テ不足金アルトキハ之ヲ追徵シ殘金アルトキハ之ヲ還付ス
第五十四條　支那事變特別稅法第四十八條第一項ノ規定ニ依リ第二種ノ物品又ハ燐寸ヲ製造場ヨリ移出セントスル者ハ其ノ旨ヲ所轄稅務署ニ申請シ承認ヲ受クベシ
第五十五條　前條ノ承認ヲ受ケ製造場ヨリ移出シタル第二種ノ物品又ハ燐寸ヲ移出先タル製造場又ハ藏置場ニ移入シタルトキハ移出先ノ營業者ハ其ノ旨ヲ所轄稅務署ニ申吿スベシ
第五十六條　支那事變特別稅法第四十九條第一項ノ規定ニ依リ第二種ノ物品又ハ葡萄酒ヲ製造場ヨリ移出セントスル者ハ其ノ旨ヲ所轄稅務署ニ申請シ承認ヲ受クベシ
前條ノ規定ハ前項ノ物品ヲ其ノ移出先ニ移入シタル場合ニ付之ヲ準用ス
第五十七條　支那事變特別稅法第四十九條第一項ノ規定ニ依リ物品稅ノ免除ヲ受ケタル物品ニ付其ノ用途ヲ變更セントスルトキハ其ノ旨ヲ所轄稅務署ニ申請シ承認ヲ受クベシ
第五十八條　支那事變特別稅法第五十條第一項第三號ノ規定ニ依リ物品稅ヲ免除スル物品ヲ定ムルコト左ノ如シ
一　醫療用ニ供スルモノ但シ第三種ノ物品ヲ除ク
二　機械用又ハ工業用ニ供スルモノ但シ第三種ノ物品ヲ除ク
三　神社、寺院、祠宇、佛堂、敎會所及說敎所ニ於テ式典用又ハ禮拜用ニ供スルモノ但シ第三種ノ物品ヲ除ク
四　敎育用ニ供スルモノ但シ中等學校又ハ小學校ニ於テ使用スル寫眞機、映寫機、寫眞用フィルム、蓄音器、蓄音器用レコード、ピアノ、オルガン、箏、三絃、ラヂオ聽取機及擴聲器ニ限ル
五　軍用ニ供スルモノ但シ陸海軍ノ購入ニ係ル皮革製又ハ金屬製ノ鞄及トランク、靴、毛皮、毛皮製品、第一種第二十三號ノ皮革製品、メリヤス、メリヤス製品、寫眞機、寫眞機部分品、寫眞用乾板、寫眞用フィルム、寫眞用感光紙、雙眼鏡、隻眼鏡、銃、銃部分品竝ニ藥莢及彈丸ニ限ル
六　通信用ニ供スルモノ但シ無線電信又ハ無線電話（放送無線電話ヲ除ク）ノ用ニ供スルラヂオ聽取機及受信用眞空管ニ限ル
第五十九條　第一種ノ物品ノ小賣業者又ハ第二種若ハ第三種ノ物品ノ製造者支那事變特別稅法第五十條及前條ノ規定ニ依リ物品稅ノ免除ヲ受ケントスルトキハ第一種ノ物品ヲ引渡シ又ハ第二種若ハ第三種ノ物品ヲ製造場ヨリ移出スル際其ノ旨ヲ所轄稅務署ニ申請シ承認ヲ受クベシ
第六十條　支那事變特別稅法第五十條第一項第一號ノ物品ニ付輸出ノ證明ヲ爲サントスルトキハ輸出免狀又ハ之ニ代ルベキ書類ヲ所轄稅務署ニ提出スベシ
第六十一條　支那事變特別稅法第四十八條第三項、第四十九條第二項及第五十條第二項ノ期間ハ稅務署長之ヲ指定ス
第六十二條　支那事變特別稅法第四十八條第三項但書、第四十九條第二項及第五十條第二項ノ規定ニ依リ承認ヲ受ケントスル者ハ事由ヲ具シ第五十四條、第五十六條第一項又ハ第五十九條第一項ノ稅務署ニ申請スベシ
前項ノ場合ニ於テ滅失シタル場所ガ前項ノ稅務署ノ管轄外ナルトキハ最寄稅務署ニ滅失ノ事實ヲ申吿シテ證明書ノ下付ヲ受ケ前項ノ申請ノ際之ヲ提出スベシ
第六十三條　第五十四條乃至第五十七條及第五十九條乃至前條ノ規定ハ支那事變特別稅法第四十八條乃至第五十條ノ規定ノ適用ヲ受ケ保稅地域ヨリ引取ラルル第一種、第二種又ハ第三種ノ物品ニ付之ヲ準用ス
第六十四條　第一種、第二種又ハ第三種ノ物品ノ販賣者ハ少クトモ左ノ事項ヲ帳簿ニ記載スベシ
一　受入レタル物品ノ品名、數量、價格及受入ノ日竝ニ其ノ引渡人ノ住所及氏名又ハ名稱
二　販賣シタル物品ノ品名、數量、價格及販賣ノ日竝ニ其ノ買受人ノ住所及氏名又ハ名稱
小賣ノ場合ニ於テハ前項第二號ノ買受人ノ住所及氏名又ハ名稱ノ記載ヲ要セズ但シ所轄稅務署監督上必要アリト認メ其ノ記載ヲ命ジタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第六十五條　第一種、第二種又ハ第三種ノ物品ノ製造者ハ少クトモ左ノ事項ヲ帳簿ニ記載スベシ
一　受入レタル材料ノ種類、數量及受入ノ日竝ニ其ノ引渡人ノ住所及氏名又ハ名稱
二　使用シタル材料ノ種類、數量及使用ノ日
三　製造シタル物品ノ品名、數量及製造ノ日
四　販賣シ又ハ移出シタル物品ノ品名、數量、價格及販賣又ハ移出ノ日竝ニ其ノ買受人又ハ引取人ノ住所及氏名又ハ名稱
前條第二項ノ規定ハ前項第四號ニ揭グル事項ノ記載ニ付之ヲ準用ス
第六十六條　販賣場ヲ有セズシテ第一種ノ物品ノ小賣業ヲ營ム者ニ在リテハ其ノ住所、住所ナキトキハ居所ヲ以テ販賣場ト看做ス
第六十七條　本令中稅務署ニ屬スル事務ハ保稅地域ヨリ引取ラルル物品ニ關シテハ稅關之ヲ行フ
第六十八條　收稅官吏支那事變特別稅法第五十四條第一項ノ規定ニ依リ帳簿書類ヲ檢査スルトキハ檢査章ヲ携帶スベシ
收稅官吏支那事變特別稅法第五十四條第二項ノ規定ニ依リ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査スルトキハ檢査章ヲ携帶スベシ
第六十九條　支那事變特別稅法第六十二條第二項ノ交付金ハ大藏大臣ノ定ムル所ニ依リ定額ヲ以テ之ヲ交付ス
附　則
第七十條　本令ハ支那事變特別稅法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第七十一條　北支事件特別稅法施行規則ハ之ヲ廢止ス
支那事變特別稅法第六十五條第二項ニ規定スル北支事件特別稅ニ關シテハ仍從前ノ規定ニ依ル
第七十二條　支那事變特別稅法第六十八條ノ規定ニ依リ砂糖消費稅ノ徵收猶豫期間ヲ定ムルコト左ノ如シ
四月一日ヨリ同月十日迄ニ徵收ヲ猶豫スルモノ　昭和十三年七月三十一日迄
四月十一日ヨリ同月二十日迄ニ徵收ヲ猶豫スルモノ　同年八月三十一日迄
四月二十一日ヨリ同月三十日迄ニ徵收ヲ猶豫スルモノ　同年九月三十日迄
五月一日ヨリ同月十日迄ニ徵收ヲ猶豫スルモノ　同年十月三十一日迄
五月十一日ヨリ同月二十日迄ニ徵收ヲ猶豫スルモノ　同年十一月三十日迄
五月二十一日ヨリ同月三十一日迄ニ徵收ヲ猶豫スルモノ　同年十二月三十一日迄
六月一日ヨリ同月十日迄ニ徵收ヲ猶豫スルモノ　昭和十四年一月三十一日迄
六月十一日ヨリ同月二十日迄ニ徵收ヲ猶豫スルモノ　同年二月二十八日迄
六月二十一日ヨリ同月三十日迄ニ徵收ヲ猶豫スルモノ　同年三月三十一日迄
第七十三條　支那事變特別稅法第六十九條第一項又ハ第七十一條第一項若ハ第二項ノ規定ニ依リ課スベキ砂糖消費稅又ハ物品稅ハ其ノ稅額百圓以下ナルトキハ昭和十三年五月三十一日限、稅額百圓ヲ超ユルトキハ左ノ區分ニ依リ各月ニ等分シ其ノ月末日限之ヲ徵收ス
稅額百圓ヲ超ユルトキ　昭和十三年五月及六月
稅額千圓ヲ超ユルトキ　同年五月乃至七月
稅額二千圓ヲ超ユルトキ　同年五月乃至八月
稅額五千圓ヲ超ユルトキ　同年五月乃至九月
第七十四條　支那事變特別稅法第六十九條第二項又ハ第七十一條第三項ノ規定ニ依ル申吿ハ砂糖、糖蜜若ハ糖水又ハ第二種若ハ第三種ノ物品ノ所在地所轄稅務署ニ之ヲ爲スベシ
第七十五條　支那事變特別稅法第七十條第一項ノ規定ニ依リ政府ニ申吿セントスル者ハ第十條又ハ第十一條ノ規定ニ準ジテ作成シタル申吿書ニ同法施行前ヨリ引續キ汽車、電車、乘合自動車又ハ汽船ニ依ル運輸業ヲ營ミ又ハ運輸業者ニ代リテ乘車船券ヲ販賣スルコトノ事實ヲ併セ記載シ之ヲ所轄稅務署ニ提出スベシ
支那事變特別稅法第七十條第二項ノ規定ニ依リ政府ニ申吿セントスル者ハ第一種又ハ第二種ノ場所每ニ第二十四條ノ規定ニ準ジテ作成シタル申吿書ニ同法施行前ヨリ引續キ第一種ノ催物若ハ設備、第二種ノ場所又ハ運動競技ヲ開催若ハ經營スルコトノ事實ヲ併セ記載シ之ヲ所轄稅務署ニ提出スベシ
支那事變特別稅法第七十條第三項ノ規定ニ依リ政府ニ申吿セントスル者ハ第三十六條又ハ第三十七條ノ規定ニ準ジテ作成シタル申吿書ニ同法施行前ヨリ引續キ第一種ノ物品ノ小實業ヲ營ミ又ハ第二種ノ物品若ハ燐寸ヲ製造スルコトノ事實ヲ併セ記載シ之ヲ所轄稅務署ニ提出スベシ
（別表）
課稅物品表
【表】
第二種
甲類
一　寫眞機、寫眞引伸機、映寫機、同部分品及附屬品
イ　寫眞機但シ航空機用ノモノ及顯微鏡用ノモノヲ除ク
ロ　寫眞引伸機
ハ　映寫機
ニ　寫眞機部分品及附屬品
レンズ（シャッター附ノモノヲ含ム）、暗函（蛇腹ノ有無ヲ別タズ）、シャッター、フィルムバックホルダー、取枠、ファインダー、三脚臺、カラーフィルター、セルフタイマー、露出計、距離計及寫眞機用又ハ三脚臺用ケース
ホ　寫眞引伸機部分品
暗函、コンデンサー、レンズ及支持臺
ヘ　映寫機部分及附屬品
コンデンサー、レンズ、フィルムリール、ランプハウス、映寫機用ランプ、ヘッドマシン、映寫機用モーター、發聲裝置、フィルム卷取機、カラースクリーン及映寫機用ケース
二　寫眞用ノ乾板、フィルム及感光紙
イ　寫眞用乾板但シ航空機用ノモノ及エックス線用ノモノヲ除ク
ロ　寫眞用フィルム但シ航空機用ノモノ及エックス線用ノモノヲ除ク
ハ　寫眞用感光紙
三　蓄音器及同部分品
イ　蓄音器（ラヂオ聽取裝置ヲ附シタルモノヲ含ム）
ロ　蓄音器部分品
蓄音器匣、サウンドボックス、移動腕金、ピックアップ、蓄音器用モーター、囘轉盤、動力用ゼンマイ及蓄音器用針
四　蓄音器用レコード但シ六吋以下ノ紙製ノモノヲ除ク
五　樂器、同部分品及附屬品
イ　樂器
ピアノ、オルガン、アコーディオン、ハーモニカ、ヴァイオリン、ヴィオラ、セロ、コントラバス、マンドリン、マンドラ、マンドリラ、マンドセロ、マンドローネ、ギター、ギタローネ、バラライカ、ウクレレ、バンジョー、フリュート、ピッコロ、クラリネット、オーボ、バズーン、コルネット、トランペット、トロンボーン、アルト、バリトン、チューバ、サクソフォーン、スザフォーン、ホルン、バイブラフォーン、木琴、鐵琴、ハープ、リラ、箏、三絃、琵琶、明笛及尺八
ロ　樂器部分品及附屬品
絃樂器用ノ絃、弓又ハ撥及樂器用ケース
六　雙眼鏡及隻眼鏡
七　銃及同部分品
イ　銃
獵銃、拳銃及空氣銃
ロ　銃部分品
銃身及銃床
八　藥莢（裝藥シタルモノヲ含ム）及彈丸但シ獵銃、拳銃又ハ空氣銃用ノモノニ限ル
九　ゴルフ用具、同部分品及附屬品
イ　ゴルフクラブ及ゴルフボール
ロ　ゴルフクラブノヘッド及シャフト
ハ　ゴルフクラブ用バッグ
十　娛樂用ノモーターボート、スカール及ヨット
十一　撞球用具
撞球臺、キュー、球及チョーク
十二　ネオン管及同變壓器
十三　喫煙用ライター
乙類
十四　ラヂオ聽取機及同部分品
イ　ラヂオ聽取機但シ眞空管ヲ使用セザルモノ及大藏大臣ノ指定スルモノヲ除ク
ロ　ラヂオ聽取機部分品
ラヂオ聽取機匣、トランスフォーマー、チョークコイル、コンデンサー及シャシー
十五　受信用眞空管及擴聲器
イ　受信用眞空管
ロ　擴聲器
十六　扇風機及同部分品
イ　扇風機
ロ　扇風機部分品
扇風機用ノ羽根及モーター
十七　煖房用ノ電氣、瓦斯又ハ礦油ストーブ
十八　冷藏器及同部分品
イ　冷藏器
ロ　冷藏器部分品
冷藏器用冷凍機
十九　金庫及鋼鐵製家具
イ　金庫（手提金庫ヲ含ム）
ロ　鋼鐵製家具
簞笥、棚類、箱類、机及卓子類、椅子及腰掛類
二十　乘用自動車但シ普通乘用自動車ニシテ輪距二百八十九糎ヲ超ユルモノニ限ル
二十一　化粧品
香水、香紙、香袋、白粉、紅、化粧墨、クリーム、化粧下、化粧水、化粧粉、頭髮用ノ香水、油及煉油、整髮料、シャンプー、染毛料、養毛料、洗粉、美爪料、脫毛料、脂取料
第三種
一　燐寸
二　酒類但シ濁酒及果實酒（酒精及酒精含有飮料稅法第三條ノ三ニ規定スルモノ）ヲ除ク
朕支那事変特別税法施行規則ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十三年三月三十一日
内閣総理大臣　公爵　近衛文麿
大蔵大臣　賀屋興宣
勅令第二百号
支那事変特別税法施行規則
第一条　税務署長支那事変特別税法第七条第一項ノ規定ニ依リ所得金額ヲ決定セントスル場合ニ於テハ其ノ所得金額ノ調査書ヲ所得調査委員会ニ送付スベシ
第二条　税務署長支那事変特別税法第七条第一項ノ規定ニ依リ所得金額ヲ決定シタルトキハ之ヲ納税義務者ニ通知スベシ
第三条　支那事変特別税法第十四条又ハ第十七条ノ規定ニ依リ配当金又ハ利子金額ノ支払者利益配当税又ハ公債及社債利子税ヲ徴収シタルトキハ翌月十日迄ニ払込書及計算書ヲ添ヘ之ヲ最寄ノ日本銀行ノ本店、支店又ハ代理店ニ払込ムベシ
第四条　支那事変特別税法第二十条第二号ノ規定ニ依リ陸海軍ノ団体トシテノ乗車船ニシテ通行税ヲ課セザルモノヲ定ムルコト左ノ如シ
一　鉄道軍事供用令ニ依ル乗車
二　軍事上ノ必要ニ依リ貸切ノ契約ニテ為ス乗船
第五条　左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニ於テハ乗車船区間ノ粁程ハ各其ノ定ムル所ニ依リ之ヲ計算ス
一　往復乗車船ノ契約ヲ為シタル場合ニ於テハ乗車船区間ノ粁程ハ往復各別ニ之ヲ計算ス
二　廻遊乗車船ノ契約ヲ為シタル場合ニ於テハ乗車船区間ノ粁程ハ各区間毎ニ之ヲ計算ス
三　均一制又ハ区間制ニ依リ運賃ヲ定メタル区間ヲ乗車船スル契約ヲ為シタル場合ニ於テハ該乗車船契約ニ依リ乗車船シ得ベキ区間中最モ短キモノニ依リ乗車船区間ノ粁程ヲ計算ス
第六条　汽車、電車、乗合自動車又ハ汽船ニシテ其ノ等級ヲ一等、ニ等及三等ニ分タザルモノニ付テハ支那事変特別税法第十九条第一項、第五項及第二十条第一号ノ等級ハ等級ヲ分タザルモノニ在リテハ三等、二等級ニ分チタルモノニ在リテハ二等及三等、一等ノ上又ハ三等ノ下ニ更ニ等級ヲ設ケタルモノニ在リテハ一等又ハ三等トス
第七条　乗客定員数ノ定ナキ車船ニ付貸切乗車船ノ契約ヲ為シタル場合ニ於テハ支那事変特別税法第十九条第六項ノ乗客定員数ハ運賃計算ノ基準ト為リタル人員ニ依ル
第八条　支那事変特別税法第二十三条第一項ノ納期限ハ鉄道省ニ付テハ翌月二十日トス
第九条　支那事変特別税法第二十三条第一項ノ運輸業者通行税ヲ徴収シタルトキハ納期限迄ニ払込書及計算書ヲ添ヘ之ヲ最寄ノ日本銀行ノ本店、支店又ハ代埋店ニ払込ムベシ
前項ノ計算書ハ鉄道省ニ在リテハ其ノ添附ヲ省略スルコトヲ得
第十条　汽車、電車、乗合自動車又ハ汽船ニ依ル運輸業ヲ営マントスル者ハ左ノ事項ヲ記載シタル申告書ヲ営業所所轄税務署ニ提出スベシ
一　住所及氏名又ハ名称
二　営業所ノ所在地及其ノ名称
三　運輸業ノ種類（汽車、電車、乗合自動車又ハ汽船ニ依ル運輸業ノ区別）
四　線路、路線又ハ航路ノ名称、起終点ノ地名及粁程
五　汽車、電車、乗合自動車又ハ汽船ノ等級区分
六　乗車船券ノ種類
第十一条　運輸業者ニ代リテ乗車船券ヲ販売セントスル者ハ其ノ住所及氏名又ハ名称、販売場ノ所在地並ニ運輸業者ノ住所及氏名又ハ名称ヲ記載シタル申告書ヲ販売場所轄税務署ニ提出スベシ
第十二条　税務署長ハ必要アリト認ムルトキハ運輸業者ニ左ノ事項ヲ申告セシムルコトヲ得
一　停車場、停留所又ハ乗船場ノ名称及其ノ所在地
二　停車場、停留所又ハ乗船場間ノ粁程
三　運賃ヲ粁制ニ依リ定メタルトキハ一粁当運賃、区間制ニ依リ定メタルトキハ各区間及其ノ運賃、均一制ニ依リ定メタルトキハ均一運賃
四　回数、定期、団体又ハ貸切ノ乗車船ニ付特別ノ運賃ヲ定メタルトキハ其ノ運賃
五　運輸業者ニ代リテ乗車船券ヲ販売スル者ノ住所及氏名又ハ名称並ニ其ノ販売場ノ所在地
六　連帯運輸ヲ為ス運輸業者ノ住所及氏名又ハ名称並ニ連帯運輸ヲ為ス線路、路線又ハ航路ノ名称、其ノ停車場、停留所又ハ乗船場ノ名称及該停車場、停留所又ハ乗船場間ノ粁程
第十三条　前三条ノ規定ニ依リ申告シタル事項ニ異動ヲ生ジタルトキハ其ノ都度所轄税務署ニ申告スベシ
第十四条　運輸業者又ハ運輸業者ニ代リテ乗車船券ヲ販売スル者ノ業ヲ相続又ハ合併ニ因リ承継シタル者ハ其ノ旨ヲ所轄税務署ニ申告スベシ
第十五条　運輸業者又ハ運輸業者ニ代リテ乗車船券ヲ販売スル者其ノ業ヲ廃止セントスルトキハ其ノ旨ヲ所轄税務署ニ申告スベシ
第十六条　運輸業者又ハ運輸業者ニ代リテ乗車船券ヲ販売スル者ハ毎日左ノ事項ヲ帳簿ニ記載スベシ
一　税率ノ区別ニ従ヒ通行税ヲ課セラレタル者ノ人員及税額
二　支那事変特別税法第二十条各号ノ区別ニ従ヒ通行税ヲ課セラレザル者ノ人員
第十七条　第十条乃至前条ノ規定ハ鉄道省ニ付テハ之ヲ適用セズ
第十八条　支那事変特別税法第二十六条ニ掲グル第一種第三号ノ場所ヲ定ムルコト左ノ如シ
一　博覧会場
二　展覧会場
三　遊園地
第十九条　支那事変特別税法第二十六条ニ規定スル第一種ノ場所ノ入場料ハ左ノ各号ノ規定ニ依リ之ヲ算定ス
一　入場料ハ観覧料、座席料、仲銭、下足料、敷物料其ノ他名義ノ何タルヲ問ハズ入場スル者ガ入場ノ為ニ支払フベキ金額ノ合計額
二　地方競馬場ノ入場料ハ前号ノ規定ニ拘ラズ入場ノ為ニ支払フベキ金額ヲ其ノ入場券ニ添附セラレタル優勝馬投票券ノ投票証引換券ノ票数ニテ除シテ得タル金額
支那事変特別税法第二十六条ニ規定スル第二種ノ場所ノ入場料ハ舞踏料、競技料、会費其ノ他名義ノ何タルヲ問ハズ入場スル者ガ設備ヲ利用スル為ニ支払フベキ金額ニ依ル
第二十条　支那事変特別税法第二十九条ニ規定スル収益ノ総額ハ入場料総額ヨリ其ノ入場料ヲ得ルニ直接必要ナル経費ヲ控除シタル金額ニ依ル
第二十一条　入場料又ハ収益ノ総額ヲ左ノ目的ニ充ツル場合ニ於テハ支那事変特別税法第二十九条ノ規定ニ依リ入場税ヲ免除ス
一　軍人ノ慰恤並ニ支那事変ノ為ニ従軍シタル軍人及軍属ノ家族又ハ遺族ノ慰問其ノ他ノ軍事援護
二　兵器、艦船其ノ他ノ国防金品ノ献納
第二十二条　第一種ノ催物（第一種ノ場所ニ於ケル演劇、活動写真、演芸、観物、競馬其ノ他ノ催物ヲ謂フ以下同ジ）若ハ設備ノ主催者若ハ経営者又ハ第二種ノ場所ノ経営者支那事変特別税法第二十九条ノ規定ニ依リ入場税ノ免除ヲ受ケントスルトキハ七日前ニ左ノ事項ヲ具シ第一種又ハ第二種ノ場所ノ所轄税務署ニ申請シ承認ヲ受クベシ
一　期間
二　入場料又ハ収益ノ総額ヲ支出スベキ事業又ハ目的
三　入場料
四　収入支出ノ概算書
前項ノ承認ヲ受ケタル者其ノ開催若ハ経営ヲ終了シタルトキハ直ニ証憑書類ヲ添ヘ収入支出ノ計算書ヲ提出スベシ
第二十三条　支那事変特別税法第三十条ノ規定ニ依リ第一種ノ催物若ハ設備ノ主催者若ハ経営者又ハ第二種ノ場所ノ経営者入場税ヲ徴収シタルトキハ翌月十日迄ニ払込書及計算書ヲ添ヘ之ヲ最寄ノ日本銀行ノ本店、支店又ハ代理店ニ払込ムベシ但シ常時開設ニ非ザルモノニ在リテハ左ノ場合ヲ除クノ外終了後直ニ之ヲ払込ムベシ
一　開催又ハ経営ノ期間ガ一月以上ニ亘ル場合
二　開催期日一月前ヨリ入場券ヲ発売スル場合
第二十四条　第一種ノ催物若ハ設備ヲ開催若ハ経営シ又ハ第二種ノ場所ヲ経営セントスル者ハ第一種又ハ第二種ノ場所毎ニ左ノ事項ヲ記載シタル申告書ヲ所轄税務署ニ提出スベシ
一　主催者又ハ経営者ノ住所及氏名又ハ名称
二　第一種又ハ第二種ノ場所ノ所在地及其ノ名称
三　催物又ハ設備ノ種類
四　各等級別観客定員及入場料
五　入場券発売ノ方法
六　第一種又ハ第二種ノ場所ノ構造其ノ他設備ノ概要
七　開設ノ年月日及開催又ハ経営ノ期間
第二十五条　第一種ノ催物若ハ設備ノ主催若ハ経営又ハ第二種ノ場所ノ経営ニシテ常時開設スル者其ノ催物又ハ経営ヲ一月以上休止セントスルトキハ其ノ時期ヲ定メ所轄税務署ニ申告スベシ
第二十六条　第一種ノ催物若ハ設備ノ主催者若ハ経営者又ハ第二種ノ場所ノ経営者前二条ノ規定ニ依リ申告シタル事項ニ異動ヲ生ジタルトキハ其ノ都度所轄税務署ニ申告スベシ
第二十七条　第一種ノ催物若ハ設備ノ主催若ハ経営又ハ第二種ノ場所ノ経営ヲ相続又ハ合併ニ因リ承継シタル者ハ其ノ旨ヲ所轄税務署ニ申告スベシ
第二十八条　第一種ノ催物若ハ設備ノ主催若ハ経営又ハ第二種ノ場所ノ経営ヲ廃止セントスルトキハ其ノ旨ヲ所轄税務署ニ申告スベシ
第二十九条　第一種ノ催物若ハ設備ノ主催者若ハ経営者又ハ第二種ノ場所ノ経営者第一種又ハ第二種ノ場所ヲ移転セントスルトキハ移転ノ事実ヲ具シ第二十四条及前条ノ規定ニ準ジ申告ヲ為スベシ
第三十条　第一種ノ催物若ハ設備ノ主催者若ハ経営者ハ入場料領収ノ際入場券ヲ発行スベシ但シ税務署長ノ承認ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第三十一条　第一種ノ催物若ハ設備ノ主催者若ハ経営者又ハ第二種ノ場所ノ経営者ハ毎日左ノ事項ヲ帳簿ニ記載スベシ
一　入場シタル人員
二　入場券ノ受入及払出
三　入場料ノ総額
四　入場税額
第三十二条　支那事変特別税法第三十六条ノ規定ニ依リ運動競技ノ主催者特別入場税ヲ徴収シタルトキハ競技終了後直ニ払込書及計算書ヲ添ヘ之ヲ最寄ノ日本銀行ノ本店、支店又ハ代理店ニ払込ムベシ但シ左ノ場合ハ翌月十日迄ニ之ヲ払込ムベシ
一　開催ノ期間ガ一月以上ニ亘ル場合
二　開催期日一月前ヨリ入場券ヲ発売スル場合
第三十三条　第十九条第一項第一号、第二十条乃至第二十二条、第二十四条乃至第二十六条、第二十八条、第三十条及第三十一条ノ規定ハ特別入場税ニ付之ヲ準用ス
第三十四条　支那事変特別税法第三十八条ノ規定ニ依リ物品税ヲ課スベキ物品ハ別表ニ定ムル所ニ依ル
別表ニ於テ貴金属トハ金、銀、白金及此等ヲ主タル材料トスル合金ヲ謂フ
別表ニ於テ貴石、半貴石、真珠、金又ハ白金ヲ用ヒタル製品トハ其ノ用ヒタル貴石、半貴石、真珠、金又ハ白金ノ価格（二種以上ノモノヲ用ヒタルモノニ付テハ其ノ価格ヲ合算ス）ガ三円以上ノモノヲ謂フ
第三十五条　支那事変特別税法第三十八条ニ掲グル第一種ノ物品中第十四号ニ掲グルモノニ付物品税ヲ課スベキ場合ハ一回ノ売買総金額ガ一万円ヲ超ユル場合ニ限ル但シ強制競売ノ場合ハ物品税ヲ課セズ
第三十六条　支那事変特別税法第三十八条ニ掲グル第一種ノ物品ノ小売業ヲ営マントスル者ハ販売場及販売スベキ物品ヲ定メ其ノ住所及氏名又ハ名称ヲ記載シタル申告書ヲ販売場所轄税務署ニ提出スベシ
第三十七条　支那事変特別税法第三十八条ニ掲グル第二種ノ物品又ハ燐寸ヲ製造セントスル者ハ製造場及製造スベキ物品ヲ定メ其ノ住所及氏名又ハ名称ヲ記載シタル申告書ヲ製造場所轄税務署ニ提出スベシ
第三十八条　第一種ノ物品ノ小売業者又ハ第二種ノ物品若ハ燐寸ノ製造者一月以上販売又ハ製造ヲ休止セントスルトキハ其ノ時期ヲ定メ所轄税務署ニ申告スベシ
第三十九条　税務署長ハ必要ト認ムルトキハ第二種ノ物品又ハ燐寸ノ製造者ニ製造場ノ図面及製造用ノ機械器具ノ目録ヲ提出セシムルコトヲ得
第四十条　第三十六条乃至第三十八条ノ規定ニ依リ申告シタル事項又ハ前条ノ規定ニ依リ提出シタル図面若ハ目録ニ記載シタル事項ニ異動ヲ生ジタルトキハ其ノ都度所轄税務署ニ申告スベシ
第四十一条　第一種ノ物品ノ小売業又ハ第二種ノ物品若ハ燐寸ノ製造業ヲ相続シタル者ハ其ノ旨ヲ所轄税務署ニ申告スベシ
第一種ノ物品ノ小売業又ハ第二種ノ物品若ハ燐寸ノ製造業ヲ譲受ケタル者ハ譲渡人ト連署シテ所轄税務署ニ申告スベシ
合併後存続スル法人又ハ合併ニ因リ設立シタル法人ガ合併ニ因リテ消滅シタル法人ノ第一種ノ物品ノ小売業又ハ第二種ノ物品若ハ燐寸ノ製造業ヲ承継シタルトキハ合併後存続スル法人又ハ合併ニ因リテ設立シタル法人ハ其ノ旨ヲ所轄税務署ニ申告スベシ
第四十二条　第一種ノ物品ノ小売業又ハ第二種ノ物品若ハ燐寸ノ製造ヲ廃止セントスルトキハ其ノ旨ヲ所轄税務署ニ申告スベシ
第四十三条　第一種ノ物品ノ小売業者又ハ第二種ノ物品若ハ燐寸ノ製造者販売場又ハ製造場ヲ移転セントスルトキハ移転ノ事実ヲ具シ第三十六条又ハ第三十七条及前条ノ規定ニ準ジ申告ヲ為スベシ
第四十四条　第一種又ハ第二種ノ物品ニシテ通常容器ト共ニ販売セラルルモノノ価格ハ其ノ容器ノ価格ヲ加ヘタル金額ニ依ル
第四十五条　保税地域ヨリ引取ラルル第一種又ハ第二種ノ物品ニシテ引取人ヨリ税金ヲ徴収スルモノノ価格ハ輸入ノ際ニ於ケル到着価格ニ当該物品ニ課セラルベキ関税ニ相当スル金額ヲ加ヘタル金額ニ依ル
第四十六条　燐寸ノ本数ハ軸木ノ本数ニ依ル但シ二個以上ノ点火装置ヲ附シタルモノニ付テハ其ノ点火装置ノ個数ニ依ル
第四十七条　第一種ノ物品ノ販売者又ハ製造者ガ第一種ノ物品ヲ保税地域ヨリ引取ル場合ニ於テハ物品税ハ之ヲ徴収セズ
前項ノ場合ニ於テハ販売場又ハ製造場ノ所轄税務署ヨリ交付ヲ受ケタル販売者又ハ製造者タルコトヲ証明スベキ書類ヲ所轄税関ニ提出スベシ
第一項ノ場合ニ於テハ支那事変特別税法第四十五条第二項ノ規定ニ依ル申告書ノ提出ヲ要セズ
第四十八条　物品税ノ免除ヲ受ケズシテ輸出シタル物品ヲ再輸入シ之ヲ保税地域ヨリ引取ル場合ニ於テハ物品税ヲ徴収セズ
前条第三項ノ規定ハ前項ノ場合ニ付之ヲ準用ス
第四十九条　支那事変特別税法第四十五条第一項ノ規定ニ依ル申告書ハ所轄税務署ニ之ヲ提出スベシ
前項ノ申告書ノ提出ナキトキ又ハ税務署長其ノ申告ヲ不相当ト認メタルトキハ税務署長ハ其ノ課税標準額ヲ決定スベシ
前二項ノ規定ハ支那事変特別税法第四十五条第二項ノ規定ニ依ル申告ニ付之ヲ準用ス
第五十条　第一種ノ物品ノ小売業者又ハ第二種ノ物品ノ製造者返還ヲ受ケ又ハ戻入シタル物品ニ付支那事変特別税法第四十六条第一項ノ規定ニ依ル控除ヲ受ケントスルトキハ当該物品ニ付物品税ヲ納付シ又ハ其ノ徴収ノ猶予ヲ受ケタルコトヲ証明スベキ書類及返還又ハ戻入ノ事実ヲ証明スベキ書類ヲ呈示シテ当該物品ノ品名、数量及価格ニ付所轄税務署ノ承認ヲ受クベシ
第五十一条　支那事変特別税法第三十八条ニ掲グル第三種ノ物品ノ製造者戻入又ハ移入シタル物品ニ付同法第四十六条第二項ノ規定ノ適用ヲ受ケントスルトキハ当該物品ニ付物品税ヲ納付シ又ハ其ノ徴収ノ猶予ヲ受ケタルコトヲ証明スベキ書類及戻入又ハ移入ノ事実ヲ証明スベキ書類ヲ呈示シテ当該物品ノ品名及数量ニ付所轄税務署ノ承認ヲ受クベシ
第五十二条　担保物ノ種類ハ金銭又ハ国債ニ限ル
担保トシテ金銭又ハ無記名国債証券ヲ提供スルトキハ之ヲ供託シ其ノ供託受領証ヲ所轄税務署ニ提出スベシ
担保トシテ登録国債ヲ提供スルトキハ担保ノ登録ヲ受ケ其ノ登録済通知書ヲ所轄税務署ニ提出スベシ乙種国債登録簿ニ登録シタルモノニ在リテハ尚記名国債証券ヲ供託シ其ノ供託受領証ヲ提出スベシ
担保トシテ提供シタル国債ノ償還ヲ受クルニ至リタルトキハ税務署長ハ担保提供者ヲシテ之ニ代ルベキ担保ヲ提供セシムベシ
第五十三条　支那事変特別税法第四十七条第二項ノ規定ニ依リ担保ヲ提供シタル者期限内ニ税金ヲ納付セザルトキハ担保ヲ以テ之ニ充ツ但シ担保物国債ナルトキハ之ヲ公売ニ付シ税金及公売ノ費用ニ充テ不足金アルトキハ之ヲ追徴シ残金アルトキハ之ヲ還付ス
第五十四条　支那事変特別税法第四十八条第一項ノ規定ニ依リ第二種ノ物品又ハ燐寸ヲ製造場ヨリ移出セントスル者ハ其ノ旨ヲ所轄税務署ニ申請シ承認ヲ受クベシ
第五十五条　前条ノ承認ヲ受ケ製造場ヨリ移出シタル第二種ノ物品又ハ燐寸ヲ移出先タル製造場又ハ蔵置場ニ移入シタルトキハ移出先ノ営業者ハ其ノ旨ヲ所轄税務署ニ申告スベシ
第五十六条　支那事変特別税法第四十九条第一項ノ規定ニ依リ第二種ノ物品又ハ葡萄酒ヲ製造場ヨリ移出セントスル者ハ其ノ旨ヲ所轄税務署ニ申請シ承認ヲ受クベシ
前条ノ規定ハ前項ノ物品ヲ其ノ移出先ニ移入シタル場合ニ付之ヲ準用ス
第五十七条　支那事変特別税法第四十九条第一項ノ規定ニ依リ物品税ノ免除ヲ受ケタル物品ニ付其ノ用途ヲ変更セントスルトキハ其ノ旨ヲ所轄税務署ニ申請シ承認ヲ受クベシ
第五十八条　支那事変特別税法第五十条第一項第三号ノ規定ニ依リ物品税ヲ免除スル物品ヲ定ムルコト左ノ如シ
一　医療用ニ供スルモノ但シ第三種ノ物品ヲ除ク
二　機械用又ハ工業用ニ供スルモノ但シ第三種ノ物品ヲ除ク
三　神社、寺院、祠宇、仏堂、教会所及説教所ニ於テ式典用又ハ礼拝用ニ供スルモノ但シ第三種ノ物品ヲ除ク
四　教育用ニ供スルモノ但シ中等学校又ハ小学校ニ於テ使用スル写真機、映写機、写真用フィルム、蓄音器、蓄音器用レコード、ピアノ、オルガン、箏、三絃、ラヂオ聴取機及拡声器ニ限ル
五　軍用ニ供スルモノ但シ陸海軍ノ購入ニ係ル皮革製又ハ金属製ノ鞄及トランク、靴、毛皮、毛皮製品、第一種第二十三号ノ皮革製品、メリヤス、メリヤス製品、写真機、写真機部分品、写真用乾板、写真用フィルム、写真用感光紙、双眼鏡、隻眼鏡、銃、銃部分品並ニ薬莢及弾丸ニ限ル
六　通信用ニ供スルモノ但シ無線電信又ハ無線電話（放送無線電話ヲ除ク）ノ用ニ供スルラヂオ聴取機及受信用真空管ニ限ル
第五十九条　第一種ノ物品ノ小売業者又ハ第二種若ハ第三種ノ物品ノ製造者支那事変特別税法第五十条及前条ノ規定ニ依リ物品税ノ免除ヲ受ケントスルトキハ第一種ノ物品ヲ引渡シ又ハ第二種若ハ第三種ノ物品ヲ製造場ヨリ移出スル際其ノ旨ヲ所轄税務署ニ申請シ承認ヲ受クベシ
第六十条　支那事変特別税法第五十条第一項第一号ノ物品ニ付輸出ノ証明ヲ為サントスルトキハ輸出免状又ハ之ニ代ルベキ書類ヲ所轄税務署ニ提出スベシ
第六十一条　支那事変特別税法第四十八条第三項、第四十九条第二項及第五十条第二項ノ期間ハ税務署長之ヲ指定ス
第六十二条　支那事変特別税法第四十八条第三項但書、第四十九条第二項及第五十条第二項ノ規定ニ依リ承認ヲ受ケントスル者ハ事由ヲ具シ第五十四条、第五十六条第一項又ハ第五十九条第一項ノ税務署ニ申請スベシ
前項ノ場合ニ於テ滅失シタル場所ガ前項ノ税務署ノ管轄外ナルトキハ最寄税務署ニ滅失ノ事実ヲ申告シテ証明書ノ下付ヲ受ケ前項ノ申請ノ際之ヲ提出スベシ
第六十三条　第五十四条乃至第五十七条及第五十九条乃至前条ノ規定ハ支那事変特別税法第四十八条乃至第五十条ノ規定ノ適用ヲ受ケ保税地域ヨリ引取ラルル第一種、第二種又ハ第三種ノ物品ニ付之ヲ準用ス
第六十四条　第一種、第二種又ハ第三種ノ物品ノ販売者ハ少クトモ左ノ事項ヲ帳簿ニ記載スベシ
一　受入レタル物品ノ品名、数量、価格及受入ノ日並ニ其ノ引渡人ノ住所及氏名又ハ名称
二　販売シタル物品ノ品名、数量、価格及販売ノ日並ニ其ノ買受人ノ住所及氏名又ハ名称
小売ノ場合ニ於テハ前項第二号ノ買受人ノ住所及氏名又ハ名称ノ記載ヲ要セズ但シ所轄税務署監督上必要アリト認メ其ノ記載ヲ命ジタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第六十五条　第一種、第二種又ハ第三種ノ物品ノ製造者ハ少クトモ左ノ事項ヲ帳簿ニ記載スベシ
一　受入レタル材料ノ種類、数量及受入ノ日並ニ其ノ引渡人ノ住所及氏名又ハ名称
二　使用シタル材料ノ種類、数量及使用ノ日
三　製造シタル物品ノ品名、数量及製造ノ日
四　販売シ又ハ移出シタル物品ノ品名、数量、価格及販売又ハ移出ノ日並ニ其ノ買受人又ハ引取人ノ住所及氏名又ハ名称
前条第二項ノ規定ハ前項第四号ニ掲グル事項ノ記載ニ付之ヲ準用ス
第六十六条　販売場ヲ有セズシテ第一種ノ物品ノ小売業ヲ営ム者ニ在リテハ其ノ住所、住所ナキトキハ居所ヲ以テ販売場ト看做ス
第六十七条　本令中税務署ニ属スル事務ハ保税地域ヨリ引取ラルル物品ニ関シテハ税関之ヲ行フ
第六十八条　収税官吏支那事変特別税法第五十四条第一項ノ規定ニ依リ帳簿書類ヲ検査スルトキハ検査章ヲ携帯スベシ
収税官吏支那事変特別税法第五十四条第二項ノ規定ニ依リ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ検査スルトキハ検査章ヲ携帯スベシ
第六十九条　支那事変特別税法第六十二条第二項ノ交付金ハ大蔵大臣ノ定ムル所ニ依リ定額ヲ以テ之ヲ交付ス
附　則
第七十条　本令ハ支那事変特別税法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第七十一条　北支事件特別税法施行規則ハ之ヲ廃止ス
支那事変特別税法第六十五条第二項ニ規定スル北支事件特別税ニ関シテハ仍従前ノ規定ニ依ル
第七十二条　支那事変特別税法第六十八条ノ規定ニ依リ砂糖消費税ノ徴収猶予期間ヲ定ムルコト左ノ如シ
四月一日ヨリ同月十日迄ニ徴収ヲ猶予スルモノ　昭和十三年七月三十一日迄
四月十一日ヨリ同月二十日迄ニ徴収ヲ猶予スルモノ　同年八月三十一日迄
四月二十一日ヨリ同月三十日迄ニ徴収ヲ猶予スルモノ　同年九月三十日迄
五月一日ヨリ同月十日迄ニ徴収ヲ猶予スルモノ　同年十月三十一日迄
五月十一日ヨリ同月二十日迄ニ徴収ヲ猶予スルモノ　同年十一月三十日迄
五月二十一日ヨリ同月三十一日迄ニ徴収ヲ猶予スルモノ　同年十二月三十一日迄
六月一日ヨリ同月十日迄ニ徴収ヲ猶予スルモノ　昭和十四年一月三十一日迄
六月十一日ヨリ同月二十日迄ニ徴収ヲ猶予スルモノ　同年二月二十八日迄
六月二十一日ヨリ同月三十日迄ニ徴収ヲ猶予スルモノ　同年三月三十一日迄
第七十三条　支那事変特別税法第六十九条第一項又ハ第七十一条第一項若ハ第二項ノ規定ニ依リ課スベキ砂糖消費税又ハ物品税ハ其ノ税額百円以下ナルトキハ昭和十三年五月三十一日限、税額百円ヲ超ユルトキハ左ノ区分ニ依リ各月ニ等分シ其ノ月末日限之ヲ徴収ス
税額百円ヲ超ユルトキ　昭和十三年五月及六月
税額千円ヲ超ユルトキ　同年五月乃至七月
税額二千円ヲ超ユルトキ　同年五月乃至八月
税額五千円ヲ超ユルトキ　同年五月乃至九月
第七十四条　支那事変特別税法第六十九条第二項又ハ第七十一条第三項ノ規定ニ依ル申告ハ砂糖、糖蜜若ハ糖水又ハ第二種若ハ第三種ノ物品ノ所在地所轄税務署ニ之ヲ為スベシ
第七十五条　支那事変特別税法第七十条第一項ノ規定ニ依リ政府ニ申告セントスル者ハ第十条又ハ第十一条ノ規定ニ準ジテ作成シタル申告書ニ同法施行前ヨリ引続キ汽車、電車、乗合自動車又ハ汽船ニ依ル運輸業ヲ営ミ又ハ運輸業者ニ代リテ乗車船券ヲ販売スルコトノ事実ヲ併セ記載シ之ヲ所轄税務署ニ提出スベシ
支那事変特別税法第七十条第二項ノ規定ニ依リ政府ニ申告セントスル者ハ第一種又ハ第二種ノ場所毎ニ第二十四条ノ規定ニ準ジテ作成シタル申告書ニ同法施行前ヨリ引続キ第一種ノ催物若ハ設備、第二種ノ場所又ハ運動競技ヲ開催若ハ経営スルコトノ事実ヲ併セ記載シ之ヲ所轄税務署ニ提出スベシ
支那事変特別税法第七十条第三項ノ規定ニ依リ政府ニ申告セントスル者ハ第三十六条又ハ第三十七条ノ規定ニ準ジテ作成シタル申告書ニ同法施行前ヨリ引続キ第一種ノ物品ノ小実業ヲ営ミ又ハ第二種ノ物品若ハ燐寸ヲ製造スルコトノ事実ヲ併セ記載シ之ヲ所轄税務署ニ提出スベシ
（別表）
課税物品表
【表】
第二種
甲類
一　写真機、写真引伸機、映写機、同部分品及附属品
イ　写真機但シ航空機用ノモノ及顕微鏡用ノモノヲ除ク
ロ　写真引伸機
ハ　映写機
ニ　写真機部分品及附属品
レンズ（シャッター附ノモノヲ含ム）、暗函（蛇腹ノ有無ヲ別タズ）、シャッター、フィルムバックホルダー、取枠、ファインダー、三脚台、カラーフィルター、セルフタイマー、露出計、距離計及写真機用又ハ三脚台用ケース
ホ　写真引伸機部分品
暗函、コンデンサー、レンズ及支持台
ヘ　映写機部分及附属品
コンデンサー、レンズ、フィルムリール、ランプハウス、映写機用ランプ、ヘッドマシン、映写機用モーター、発声装置、フィルム巻取機、カラースクリーン及映写機用ケース
二　写真用ノ乾板、フィルム及感光紙
イ　写真用乾板但シ航空機用ノモノ及エックス線用ノモノヲ除ク
ロ　写真用フィルム但シ航空機用ノモノ及エックス線用ノモノヲ除ク
ハ　写真用感光紙
三　蓄音器及同部分品
イ　蓄音器（ラヂオ聴取装置ヲ附シタルモノヲ含ム）
ロ　蓄音器部分品
蓄音器匣、サウンドボックス、移動腕金、ピックアップ、蓄音器用モーター、回転盤、動力用ゼンマイ及蓄音器用針
四　蓄音器用レコード但シ六吋以下ノ紙製ノモノヲ除ク
五　楽器、同部分品及附属品
イ　楽器
ピアノ、オルガン、アコーディオン、ハーモニカ、ヴァイオリン、ヴィオラ、セロ、コントラバス、マンドリン、マンドラ、マンドリラ、マンドセロ、マンドローネ、ギター、ギタローネ、バラライカ、ウクレレ、バンジョー、フリュート、ピッコロ、クラリネット、オーボ、バズーン、コルネット、トランペット、トロンボーン、アルト、バリトン、チューバ、サクソフォーン、スザフォーン、ホルン、バイブラフォーン、木琴、鉄琴、ハープ、リラ、箏、三絃、琵琶、明笛及尺八
ロ　楽器部分品及附属品
絃楽器用ノ絃、弓又ハ撥及楽器用ケース
六　双眼鏡及隻眼鏡
七　銃及同部分品
イ　銃
猟銃、拳銃及空気銃
ロ　銃部分品
銃身及銃床
八　薬莢（装薬シタルモノヲ含ム）及弾丸但シ猟銃、拳銃又ハ空気銃用ノモノニ限ル
九　ゴルフ用具、同部分品及附属品
イ　ゴルフクラブ及ゴルフボール
ロ　ゴルフクラブノヘッド及シャフト
ハ　ゴルフクラブ用バッグ
十　娯楽用ノモーターボート、スカール及ヨット
十一　撞球用具
撞球台、キュー、球及チョーク
十二　ネオン管及同変圧器
十三　喫煙用ライター
乙類
十四　ラヂオ聴取機及同部分品
イ　ラヂオ聴取機但シ真空管ヲ使用セザルモノ及大蔵大臣ノ指定スルモノヲ除ク
ロ　ラヂオ聴取機部分品
ラヂオ聴取機匣、トランスフォーマー、チョークコイル、コンデンサー及シャシー
十五　受信用真空管及拡声器
イ　受信用真空管
ロ　拡声器
十六　扇風機及同部分品
イ　扇風機
ロ　扇風機部分品
扇風機用ノ羽根及モーター
十七　煖房用ノ電気、瓦斯又ハ礦油ストーブ
十八　冷蔵器及同部分品
イ　冷蔵器
ロ　冷蔵器部分品
冷蔵器用冷凍機
十九　金庫及鋼鉄製家具
イ　金庫（手提金庫ヲ含ム）
ロ　鋼鉄製家具
簞笥、棚類、箱類、机及卓子類、椅子及腰掛類
二十　乗用自動車但シ普通乗用自動車ニシテ輪距二百八十九糎ヲ超ユルモノニ限ル
二十一　化粧品
香水、香紙、香袋、白粉、紅、化粧墨、クリーム、化粧下、化粧水、化粧粉、頭髪用ノ香水、油及煉油、整髪料、シャンプー、染毛料、養毛料、洗粉、美爪料、脱毛料、脂取料
第三種
一　燐寸
二　酒類但シ濁酒及果実酒（酒精及酒精含有飲料税法第三条ノ三ニ規定スルモノ）ヲ除ク