第一條 軍需工業動員法第二條ノ規定ニ依ル工場及事業場竝ニ其ノ附屬設備(以下工場事業場ト稱ス)ノ管理ニ付テハ本令ノ定ムル所ニ依ル
第二條 主務大臣工場事業場ヲ管理セントスルトキハ內閣總理大臣ニ協議スベシ
第三條 管理ハ主務大臣ノ發スル管理令書送達ノ時ヨリ開始ス但シ管理令書ヲ以テ別段ノ定ヲ爲シタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
管理令書ノ送達ハ管理スベキ工場事業場ノ事業主ニ對シ之ヲ爲ス但シ已ムヲ得ザル場合ニ於テハ工場事業場ノ長其ノ他之ニ準ズル者ニ對シ之ヲ爲スコトヲ得
第五條 第二條及第三條ノ規定ハ管理ノ範圍ヲ變更シ又ハ管理ヲ廢止スル場合ニ之ヲ準用ス
第三條第二項ノ規定ハ前條第三號乃至第五號ノ事項ニ變更アリタル場合ニ之ヲ準用ス
第六條 主務大臣ハ其ノ管理ニ係ル工場事業場ニ於ケル軍需品又ハ軍需品ノ生產若ハ修理ニ要スル原料、燃料、電力若ハ動力ノ生產、修理又ハ發生ニ關シ當該工場事業場ノ業務ニ付事業主ヲ指揮監督ス
第七條 主務大臣ハ其ノ管理ニ係ル工場事業場ニ付監理官ヲ置キ當該工場事業場ノ業務ノ監督ニ從事セシム
第八條 管理ニ係ル工場事業場ノ事業主當該工場事業場ノ經營ヲ廢止シ又ハ休止セントスルトキハ主務大臣ノ許可ヲ受クベシ
第九條 管理ニ係ル工場事業場ノ事業主ハ本令又ハ本令ニ依ル命令ノ適用ニ付事業主ニ代ルベキ事業管理人ヲ選任スルコトヲ得
主務大臣必要アリト認ムルトキハ事業主ニ對シ事業管理人ノ選任ヲ命ズルコトヲ得
事業主左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ニ於テハ事業管理人ヲ選任スルコトヲ要ス
二 營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有セザル未成年者又ハ禁治產者ナルトキ
事業管理人ノ選任及解任ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第二項及第三項ノ場合ニ於テ事業主事業管理人ヲ選任セズ又ハ選任スルコト能ハザルトキハ主務大臣ハ工場事業場ノ經營ニ付權限ヲ有スル者ノ中ヨリ事業管理人ヲ選任スルコトヲ得
第十條 事業管理人ガ本令又ハ本令ニ依ル命令ニ違反シタルトキハ主務大臣ハ之ヲ解任スルコトヲ得
第十一條 工場事業場ノ管理ニ因リ生ジタル損害ノ補償ヲ請求セントスル者ハ管理廢止ノ後命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ請求スベシ但シ主務大臣ノ定ムル所ニ依リ每事業年度ノ終リタル後又ハ損害ノ生ジタル都度之ヲ請求スルコトヲ得
第十二條 管理ニ係ル工場事業場ノ經營ヲ承繼スル者ハ本令又ハ本令ニ依ル命令ニ基ク前者ノ權利義務ヲ承繼ス
第十三條 主務大臣ハ本令ニ依ル管理ニ係ル工場事業場ニ對スル職權ノ一部ヲ所轄官衙ノ長ヲシテ行ハシムルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ當該官衙ノ長ハ主務大臣ノ定ムル所ニ依リ前項ノ規定ニ依ル職權ヲ其ノ所屬官衙ノ長ヲシテ行ハシムルコトヲ得
第十四條 本令中主務大臣トアルハ軍機保護上其ノ他軍事上特ニ必要アル工場事業場ニ付テハ陸軍大臣又ハ海軍大臣トス
前項ノ場合ヲ除クノ外本令中主務大臣トアルハ朝鮮、臺灣、關東州及南滿洲鐵道附屬地又ハ樺太ニ在リテハ各朝鮮總督、臺灣總督、滿洲國駐箚特命全權大使又ハ樺太廳長官トス