関東州北支事件特別税令
法令番号: 勅令第四百五十八號
公布年月日: 昭和12年8月27日
法令の形式: 勅令
朕關東州北支事件特別稅令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十二年八月二十六日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
勅令第四百五十八號
關東州北支事件特別稅令
第一條 北支事件特別稅ハ之ヲ左ノ五種トス
一 所得特別稅
二 臨時利得特別稅
三 利益配當特別稅
四 公債及社債利子特別稅
五 物品特別稅
第二條 所得特別稅ハ所得稅ヲ納ムル者ニ之ヲ課ス
第三條 第一種所得稅ヲ納ムル者ノ所得特別稅ハ法人ノ本令施行後一年內ニ終了スル各事業年度ノ所得(淸算所得ヲ除ク)ニ付之ヲ賦課シ其ノ所得ニ對スル第一種所得稅額ノ百分ノ十ニ相當スル金額ヲ以テ其ノ稅額トス
第四條 第二種所得稅ヲ納ムル者ノ所得特別稅ハ本令施行後一年內ニ支拂ヲ受クル第二種所得(國債ノ利子ヲ除ク)ニ付之ヲ賦課シ其ノ所得ニ對スル第二種所得稅額ノ百分ノ五ニ相當スル金額ヲ以テ其ノ稅額トス
第五條 第三種所得稅ヲ納ムル者ノ所得特別稅ハ昭和十二年分第三種所得ニ付之ヲ賦課シ其ノ所得ニ對スル第三種所得稅額ノ百分ノ七・五ニ相當スル金額ヲ以テ其ノ稅額トス
第六條 第一種所得稅ヲ納ムル者ノ所得特別稅ハ事業年度每ニ之ヲ徵收ス
第二種所得稅ヲ納ムル者ノ所得特別稅ハ第二種所得金額支拂ノ際支拂者ニ於テ徵收シ翌月十日迄ニ之ヲ政府ニ納ムベシ
第三種所得稅ヲ納ムル者ノ所得特別稅ハ其ノ稅額ヲ二分シ左ノ二期ニ於テ之ヲ徵收ス
第一期 昭和十二年十二月一日ヨリ二十八日限
第二期 昭和十三年二月一日ヨリ末日限
第七條 臨時利得特別稅ハ臨時利得稅ヲ納ムル者ニ之ヲ課ス
第八條 臨時利得特別稅ハ法人ノ本令施行後一年內ニ終了スル各事業年度ノ利得ニ付之ヲ賦課シ其ノ利得ニ對スル臨時利得稅額ノ百分ノ十五ニ相當スル金額ヲ以テ其ノ稅額トス
第九條 臨時利得特別稅ハ事業年度每ニ之ヲ徵收ス
第十條 利益配當特別稅ハ關東州ニ本店ヲ有スル法人ヨリ利益ノ配當ヲ受クル者ニ之ヲ課ス
關東州所得稅令其ノ他ノ法令ニ依リ第二種所得稅ヲ課セラレザル者ニハ利益配當特別稅ヲ課セズ
第十一條 利益配當特別稅ハ本令施行後一年內ニ前條ノ法人ヨリ支拂ヲ受クル利益ノ配當ニ付之ヲ賦課シ配當金中配當率年七分ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額ノ百分ノ十ニ相當スル金額ヲ以テ其ノ稅額トス
第十二條 利益配當特別稅ハ配當金支拂ノ際支拂者ニ於テ徵收シ翌月十日迄ニ之ヲ政府ニ納ムベシ
第十三條 公債及社債利子特別稅ハ關東州ニ於テ公債又ハ社債ノ利子ノ支拂ヲ受クル者ニ之ヲ課ス
關東州所得稅令其ノ他ノ法令ニ依リ第二種所得稅ヲ課セラレザル者ニハ公債及社債利子特別稅ヲ課セズ
第十四條 公債及社債利子特別稅ハ本令施行後一年內ニ支拂ヲ受クル公債又ハ社債ノ利子ニ付之ヲ賦課シ利子金額中國債ニ在リテハ利率年四分、國債以外ノ公債及社債ニ在リテハ利率年四分五厘ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額ノ百分ノ十ニ相當スル金額ヲ以テ其ノ稅額トス
第十五條 公債及社債利子特別稅ハ利子金額支拂ノ際支拂者ニ於テ徵收シ翌月十日迄ニ之ヲ政府ニ納ムベシ
第十六條 第六條第二項、第十二條又ハ前條ノ規定ニ依リ徵收スベキ稅金ヲ徵收セザルトキ又ハ其ノ徵收シタル稅金ヲ納付セザルトキハ國稅徵收ノ例ニ依リ之ヲ支拂者ヨリ徵收ス
第十七條 關東州所得稅令第十條及第十一條ノ規定ハ第一種所得稅ヲ納ムル者ノ所得特別稅及臨時利得特別稅ニ付之ヲ準用ス
關東州所得稅令第五十五條及第五十六條ノ規定ハ第三種所得稅ヲ納ムル者ノ所得特別稅ニ付之ヲ準用ス
第十八條 利益配當特別稅ヲ課セラルル利益ノ配當又ハ公債及社債利子特別稅ヲ課セラルル公債又ハ社債ノ利子ニ付所得稅(第一種所得稅ヲ除ク)ヲ課スル場合ニ於テハ其ノ利益配當金額又ハ利子金額ヨリ利益配當特別稅又ハ公債及社債利子特別稅相當額ヲ控除シタル殘額ヲ以テ其ノ配當金額又ハ利子金額ト看做ス
第十九條 關東州所得稅令第五十八條ノ規定ハ所得特別稅、臨時利得特別稅及利益配當特別稅ニ關シ之ヲ準用ス
第二十條 物品特別稅ハ左ニ揭グル物品ニシテ滿洲國駐箚特命全權大使ノ定ムルモノニ之ヲ課ス
第一種
一 貴石若ハ半貴石又ハ之ヲ用ヒタル製品
二 眞珠又ハ眞珠ヲ用ヒタル製品
三 貴金屬製品又ハ貴金屬ヲ用ヒタル製品
四 鼈甲製品
五 珊瑚製品
第二種
一 寫眞機、寫眞引伸機、映寫機、同部分品及附屬品
二 寫眞用乾板、フィルム及感光紙
三 蓄音器及同部分品
四 蓄音器用レコード
五 樂器及同部分品
第二十一條 物品特別稅ノ稅率ハ價格百分ノ二十トス
前項ノ價格ハ第一種ノ物品ニ付テハ小賣業者ノ販賣價格、第二種ノ物品ニ付テハ製造場ヨリ移出スルトキノ價格トス但シ保稅地域又ハ郵便局ヨリ引取ラルル物品ニシテ引取人ヨリ稅金ヲ徵收スルモノニ付テハ引取ノ際ニ於ケル價格トス
保稅地域トハ政府ニ於テ課稅物件ヲ藏置シ得ベキ場所トシテ指定シ又ハ特許シタル場所ヲ謂フ
第二十二條 物品特別稅ハ第一種ノ物品ニ付テハ小賣業者ヨリ、第二種ノ物品ニ付テハ製造者ヨリ之ヲ徵收ス但シ保稅地域又ハ郵便局ヨリ引取ラルル物品ニ付テハ大使ノ定ムル場合ヲ除クノ外引取人ヨリ之ヲ徵收ス
第二十三條 前條但書ノ規定ニ依リ引取人ヨリ稅金ヲ徵收スベキ場合ニ於テハ大使ノ定ムル所ニ依リ物品特別稅ヲ納付セズシテ當該物品ヲ保稅地域ヨリ他ノ保稅地域ニ運送スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ當該物品ガ政府ノ指定シタル期間內ニ運送先ニ到著セザルトキハ保稅地域ヨリ搬出シタルトキ引取リタルモノト看做シ運送申吿者ヨリ物品特別稅ヲ徵收ス但シ災害ニ因リ滅失シ又ハ當該官吏ノ承認ヲ得テ廢棄シタル物品ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第二十四條 第一種ノ物品ノ小賣業者ハ每月其ノ販賣シタル物品ニ付、第二種ノ物品ノ製造者ハ每月其ノ製造場ヨリ移出シタル物品ニ付其ノ品名每ニ數量及價格ヲ記載シタル申吿書ヲ翌月十日迄ニ政府ニ提出スベシ
第一種又ハ第二種ノ物品ヲ保稅地域ヨリ引取ル者ハ大使ノ定ムル場合ヲ除クノ外引取ノ際其ノ物品ニ付前項ニ準ズル申吿書ヲ政府ニ提出スベシ
申吿書ノ提出ナキトキ又ハ政府ニ於テ申吿ヲ不相當ト認メタルトキハ政府ハ其ノ課稅標準額ヲ決定ス
第二十五條 物品特別稅ハ每月分ヲ翌月末日迄ニ納付スベシ但シ第二十二條但書ノ場合ニ於テハ引取ノ際之ヲ納付スベシ
第二十六條 左ニ揭グル物品ニ付テハ大使ノ定ムル所ニ依リ物品特別稅ヲ免除ス
一 關東州外ニ輸出スルモノ
二 第一種又ハ第二種ノ物品ノ製造ノ用ニ供スルモノ
三 其ノ他大使ノ定ムル用途ニ供スルモノ
第二十七條 第一種ノ物品ノ小賣業ヲ營マントスル者又ハ第二種ノ物品ヲ製造セントスル者ハ大使ノ定ムル所ニ依リ政府ニ申吿スベシ其ノ小賣業又ハ製造ヲ廢止セントスルトキ亦同ジ
第二十八條 第一種又ハ第二種ノ物品ノ製造者又ハ販賣者ハ大使ノ定ムル所ニ依リ其ノ製造、貯藏又ハ販賣ニ關スル事實ヲ帳簿ニ記載スベシ
第一種ノ物品ノ小賣業者又ハ第二種ノ物品ノ製造者ハ大使ノ定ムル所ニ依リ其ノ製造又ハ販賣ニ關シ必要ナル事項ヲ政府ニ申吿スベシ
第二十九條 稅務官吏ハ第一種又ハ第二種ノ物品ノ製造者又ハ販賣者ニ對シ質問ヲ爲シ又ハ左ニ揭グル物件ニ付檢査ヲ爲シ若ハ監督上必要ノ處分ヲ爲スコトヲ得
一 第一種又ハ第二種ノ物品ニシテ製造者又ハ販賣者ノ所持スルモノ
二 第一種又ハ第二種ノ物品ノ製造、貯藏又ハ販賣ニ關スル一切ノ帳簿書類
三 第一種又ハ第二種ノ物品ノ製造、貯藏又ハ販賣上必要ナル建築物、機械、器具、材料其ノ他ノ物件
第三十條 市、會其ノ他ノ公共團體ハ北支事件特別稅ニ付附加稅ヲ課スルコトヲ得ズ
第三十一條 大使ハ本令ニ定ムルモノノ外北支事件特別稅ニ關シ必要ナル規定ヲ設クルコトヲ得
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
物品特別稅ニ關スル規定ハ昭和十三年三月三十一日以前ニ於テ物品特別稅ヲ課セラルベキ販賣、製造場ヨリノ移出又ハ保稅地域若ハ郵便局ヨリノ引取ヲ爲シタル第一種又ハ第二種ノ物品ニ付之ヲ適用ス
本令施行前ヨリ引續キ第一種ノ物品ノ小賣業ヲ營ム者又ハ第二種ノ物品ノ製造ヲ爲ス者本令施行後一月內ニ其ノ旨ヲ政府ニ申吿スルトキハ本令施行ノ日ニ於テ本令ニ依リ申吿シタルモノト看做ス
朕関東州北支事件特別税令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十二年八月二十六日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
勅令第四百五十八号
関東州北支事件特別税令
第一条 北支事件特別税ハ之ヲ左ノ五種トス
一 所得特別税
二 臨時利得特別税
三 利益配当特別税
四 公債及社債利子特別税
五 物品特別税
第二条 所得特別税ハ所得税ヲ納ムル者ニ之ヲ課ス
第三条 第一種所得税ヲ納ムル者ノ所得特別税ハ法人ノ本令施行後一年内ニ終了スル各事業年度ノ所得(清算所得ヲ除ク)ニ付之ヲ賦課シ其ノ所得ニ対スル第一種所得税額ノ百分ノ十ニ相当スル金額ヲ以テ其ノ税額トス
第四条 第二種所得税ヲ納ムル者ノ所得特別税ハ本令施行後一年内ニ支払ヲ受クル第二種所得(国債ノ利子ヲ除ク)ニ付之ヲ賦課シ其ノ所得ニ対スル第二種所得税額ノ百分ノ五ニ相当スル金額ヲ以テ其ノ税額トス
第五条 第三種所得税ヲ納ムル者ノ所得特別税ハ昭和十二年分第三種所得ニ付之ヲ賦課シ其ノ所得ニ対スル第三種所得税額ノ百分ノ七・五ニ相当スル金額ヲ以テ其ノ税額トス
第六条 第一種所得税ヲ納ムル者ノ所得特別税ハ事業年度毎ニ之ヲ徴収ス
第二種所得税ヲ納ムル者ノ所得特別税ハ第二種所得金額支払ノ際支払者ニ於テ徴収シ翌月十日迄ニ之ヲ政府ニ納ムベシ
第三種所得税ヲ納ムル者ノ所得特別税ハ其ノ税額ヲ二分シ左ノ二期ニ於テ之ヲ徴収ス
第一期 昭和十二年十二月一日ヨリ二十八日限
第二期 昭和十三年二月一日ヨリ末日限
第七条 臨時利得特別税ハ臨時利得税ヲ納ムル者ニ之ヲ課ス
第八条 臨時利得特別税ハ法人ノ本令施行後一年内ニ終了スル各事業年度ノ利得ニ付之ヲ賦課シ其ノ利得ニ対スル臨時利得税額ノ百分ノ十五ニ相当スル金額ヲ以テ其ノ税額トス
第九条 臨時利得特別税ハ事業年度毎ニ之ヲ徴収ス
第十条 利益配当特別税ハ関東州ニ本店ヲ有スル法人ヨリ利益ノ配当ヲ受クル者ニ之ヲ課ス
関東州所得税令其ノ他ノ法令ニ依リ第二種所得税ヲ課セラレザル者ニハ利益配当特別税ヲ課セズ
第十一条 利益配当特別税ハ本令施行後一年内ニ前条ノ法人ヨリ支払ヲ受クル利益ノ配当ニ付之ヲ賦課シ配当金中配当率年七分ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額ノ百分ノ十ニ相当スル金額ヲ以テ其ノ税額トス
第十二条 利益配当特別税ハ配当金支払ノ際支払者ニ於テ徴収シ翌月十日迄ニ之ヲ政府ニ納ムベシ
第十三条 公債及社債利子特別税ハ関東州ニ於テ公債又ハ社債ノ利子ノ支払ヲ受クル者ニ之ヲ課ス
関東州所得税令其ノ他ノ法令ニ依リ第二種所得税ヲ課セラレザル者ニハ公債及社債利子特別税ヲ課セズ
第十四条 公債及社債利子特別税ハ本令施行後一年内ニ支払ヲ受クル公債又ハ社債ノ利子ニ付之ヲ賦課シ利子金額中国債ニ在リテハ利率年四分、国債以外ノ公債及社債ニ在リテハ利率年四分五厘ノ割合ヲ以テ算出シタル金額ヲ超ユル金額ノ百分ノ十ニ相当スル金額ヲ以テ其ノ税額トス
第十五条 公債及社債利子特別税ハ利子金額支払ノ際支払者ニ於テ徴収シ翌月十日迄ニ之ヲ政府ニ納ムベシ
第十六条 第六条第二項、第十二条又ハ前条ノ規定ニ依リ徴収スベキ税金ヲ徴収セザルトキ又ハ其ノ徴収シタル税金ヲ納付セザルトキハ国税徴収ノ例ニ依リ之ヲ支払者ヨリ徴収ス
第十七条 関東州所得税令第十条及第十一条ノ規定ハ第一種所得税ヲ納ムル者ノ所得特別税及臨時利得特別税ニ付之ヲ準用ス
関東州所得税令第五十五条及第五十六条ノ規定ハ第三種所得税ヲ納ムル者ノ所得特別税ニ付之ヲ準用ス
第十八条 利益配当特別税ヲ課セラルル利益ノ配当又ハ公債及社債利子特別税ヲ課セラルル公債又ハ社債ノ利子ニ付所得税(第一種所得税ヲ除ク)ヲ課スル場合ニ於テハ其ノ利益配当金額又ハ利子金額ヨリ利益配当特別税又ハ公債及社債利子特別税相当額ヲ控除シタル残額ヲ以テ其ノ配当金額又ハ利子金額ト看做ス
第十九条 関東州所得税令第五十八条ノ規定ハ所得特別税、臨時利得特別税及利益配当特別税ニ関シ之ヲ準用ス
第二十条 物品特別税ハ左ニ掲グル物品ニシテ満洲国駐箚特命全権大使ノ定ムルモノニ之ヲ課ス
第一種
一 貴石若ハ半貴石又ハ之ヲ用ヒタル製品
二 真珠又ハ真珠ヲ用ヒタル製品
三 貴金属製品又ハ貴金属ヲ用ヒタル製品
四 鼈甲製品
五 珊瑚製品
第二種
一 写真機、写真引伸機、映写機、同部分品及附属品
二 写真用乾板、フィルム及感光紙
三 蓄音器及同部分品
四 蓄音器用レコード
五 楽器及同部分品
第二十一条 物品特別税ノ税率ハ価格百分ノ二十トス
前項ノ価格ハ第一種ノ物品ニ付テハ小売業者ノ販売価格、第二種ノ物品ニ付テハ製造場ヨリ移出スルトキノ価格トス但シ保税地域又ハ郵便局ヨリ引取ラルル物品ニシテ引取人ヨリ税金ヲ徴収スルモノニ付テハ引取ノ際ニ於ケル価格トス
保税地域トハ政府ニ於テ課税物件ヲ蔵置シ得ベキ場所トシテ指定シ又ハ特許シタル場所ヲ謂フ
第二十二条 物品特別税ハ第一種ノ物品ニ付テハ小売業者ヨリ、第二種ノ物品ニ付テハ製造者ヨリ之ヲ徴収ス但シ保税地域又ハ郵便局ヨリ引取ラルル物品ニ付テハ大使ノ定ムル場合ヲ除クノ外引取人ヨリ之ヲ徴収ス
第二十三条 前条但書ノ規定ニ依リ引取人ヨリ税金ヲ徴収スベキ場合ニ於テハ大使ノ定ムル所ニ依リ物品特別税ヲ納付セズシテ当該物品ヲ保税地域ヨリ他ノ保税地域ニ運送スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ当該物品ガ政府ノ指定シタル期間内ニ運送先ニ到著セザルトキハ保税地域ヨリ搬出シタルトキ引取リタルモノト看做シ運送申告者ヨリ物品特別税ヲ徴収ス但シ災害ニ因リ滅失シ又ハ当該官吏ノ承認ヲ得テ廃棄シタル物品ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第二十四条 第一種ノ物品ノ小売業者ハ毎月其ノ販売シタル物品ニ付、第二種ノ物品ノ製造者ハ毎月其ノ製造場ヨリ移出シタル物品ニ付其ノ品名毎ニ数量及価格ヲ記載シタル申告書ヲ翌月十日迄ニ政府ニ提出スベシ
第一種又ハ第二種ノ物品ヲ保税地域ヨリ引取ル者ハ大使ノ定ムル場合ヲ除クノ外引取ノ際其ノ物品ニ付前項ニ準ズル申告書ヲ政府ニ提出スベシ
申告書ノ提出ナキトキ又ハ政府ニ於テ申告ヲ不相当ト認メタルトキハ政府ハ其ノ課税標準額ヲ決定ス
第二十五条 物品特別税ハ毎月分ヲ翌月末日迄ニ納付スベシ但シ第二十二条但書ノ場合ニ於テハ引取ノ際之ヲ納付スベシ
第二十六条 左ニ掲グル物品ニ付テハ大使ノ定ムル所ニ依リ物品特別税ヲ免除ス
一 関東州外ニ輸出スルモノ
二 第一種又ハ第二種ノ物品ノ製造ノ用ニ供スルモノ
三 其ノ他大使ノ定ムル用途ニ供スルモノ
第二十七条 第一種ノ物品ノ小売業ヲ営マントスル者又ハ第二種ノ物品ヲ製造セントスル者ハ大使ノ定ムル所ニ依リ政府ニ申告スベシ其ノ小売業又ハ製造ヲ廃止セントスルトキ亦同ジ
第二十八条 第一種又ハ第二種ノ物品ノ製造者又ハ販売者ハ大使ノ定ムル所ニ依リ其ノ製造、貯蔵又ハ販売ニ関スル事実ヲ帳簿ニ記載スベシ
第一種ノ物品ノ小売業者又ハ第二種ノ物品ノ製造者ハ大使ノ定ムル所ニ依リ其ノ製造又ハ販売ニ関シ必要ナル事項ヲ政府ニ申告スベシ
第二十九条 税務官吏ハ第一種又ハ第二種ノ物品ノ製造者又ハ販売者ニ対シ質問ヲ為シ又ハ左ニ掲グル物件ニ付検査ヲ為シ若ハ監督上必要ノ処分ヲ為スコトヲ得
一 第一種又ハ第二種ノ物品ニシテ製造者又ハ販売者ノ所持スルモノ
二 第一種又ハ第二種ノ物品ノ製造、貯蔵又ハ販売ニ関スル一切ノ帳簿書類
三 第一種又ハ第二種ノ物品ノ製造、貯蔵又ハ販売上必要ナル建築物、機械、器具、材料其ノ他ノ物件
第三十条 市、会其ノ他ノ公共団体ハ北支事件特別税ニ付附加税ヲ課スルコトヲ得ズ
第三十一条 大使ハ本令ニ定ムルモノノ外北支事件特別税ニ関シ必要ナル規定ヲ設クルコトヲ得
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
物品特別税ニ関スル規定ハ昭和十三年三月三十一日以前ニ於テ物品特別税ヲ課セラルベキ販売、製造場ヨリノ移出又ハ保税地域若ハ郵便局ヨリノ引取ヲ為シタル第一種又ハ第二種ノ物品ニ付之ヲ適用ス
本令施行前ヨリ引続キ第一種ノ物品ノ小売業ヲ営ム者又ハ第二種ノ物品ノ製造ヲ為ス者本令施行後一月内ニ其ノ旨ヲ政府ニ申告スルトキハ本令施行ノ日ニ於テ本令ニ依リ申告シタルモノト看做ス