第十條 市會議員ハ其ノ被選擧權アル者ニ就キ選擧人之ヲ選擧ス
議員ノ定數ハ總選擧ヲ行フ場合ニ非ザレバ之ヲ增減セズ但シ著シク人口ノ增減アリタル場合ニ於テ樺太廳長官ノ許可ヲ得タルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第十一條 市公民ハ總テ選擧權ヲ有ス但シ公民權停止中ノ者又ハ第八條ノ規定ニ該當スル者ハ此ノ限ニ在ラズ
第十二條 必要アルトキハ市ハ區劃ヲ定メテ投票分會ヲ設クルコトヲ得
選擧事務ニ關係アル官吏及市ノ有給吏員ハ其ノ關係區域內ニ於テ被選擧權ヲ有セズ
市ノ有給ノ吏員敎員其ノ他ノ職員ニシテ在職中ノモノハ其ノ市ノ市會議員ト相兼ヌルコトヲ得ズ
第十四條 市會議員ノ任期ハ四年トシ總選擧ノ日ヨリ之ヲ起算ス
議員ノ定數ニ異動ヲ生ジタル爲解任ヲ要スル者アルトキハ市長抽籤シテ之ヲ定ム但シ缺員アルトキハ其ノ缺員ヲ以テ之ニ充ツベシ
前項但書ノ場合ニ於テ缺員ノ數解任ヲ要スル者ノ數ニ滿タザルトキハ其ノ不足ノ員數ニ付市長抽籤シテ解任スベキ者ヲ定メ缺員ノ數解任ヲ要スル者ノ數ヲ超ユルトキハ解任ヲ要スル者ニ充ツベキ缺員ハ最モ先ニ缺員ト爲リタル者ヨリ順次之ニ充テ缺員ト爲リタル時同ジキトキハ市長抽籤シテ之ヲ定ム
議員ノ定數ニ異動ヲ生ジタル爲新ニ選擧セラレタル議員ハ總選擧ニ依リ選擧セラレタル議員ノ任期滿了ノ日迄在任ス
第十五條 市會議員中缺員ヲ生ジタルトキハ其ノ缺員ト爲リタル議員ガ選擧ノ期日ヨリ一年以內ニ缺員ト爲リタル者ナル場合ニ於テ第三十七條第一項但書ノ得票者ニシテ當選者ト爲ラザリシモノアルトキ又ハ選擧ノ期日ヨリ一年經過後ニ於テ缺員ト爲リタル者ナル場合ニ於テ第三十七條第二項ノ規定ノ適用ヲ受ケタル得票者ニシテ當選者ト爲ラザリシモノアルトキハ直ニ選擧會ヲ開キ其ノ者ノ中ニ就キ當選者ヲ定ムベシ此ノ場合ニ於テハ第四十一條第四項及第五項ノ規定ヲ準用ス
前項ノ規定ノ適用ヲ受クル者ナク若ハ前項ノ規定ノ適用ニ依リ當選者ヲ定ムルモ仍其ノ缺員ガ議員ノ定數ノ六分ノ一ヲ超ユルニ至リタルトキ又ハ市長若ハ市會ニ於テ必要ト認ムルトキハ補缺選擧ヲ行フベシ
第十六條 市長ハ選擧ノ期日前六十日目ノ現在ニ依リ選擧人名簿ヲ調製スベシ
選擧人ノ年齡ハ選擧人名簿確定ノ期日ニ依リ之ヲ算定ス
選擧人名簿ニハ選擧人ノ氏名、住所及生年月日等ヲ記載スベシ
第十七條 市長ハ選擧ノ期日前四十日目ヨリ十五日間市役所又ハ其ノ指定シタル場所ニ於テ選擧人名簿ヲ關係者ノ縱覽ニ供スベシ
市長ハ縱覽開始ノ日前三日目迄ニ縱覽ノ場所ヲ吿示スベシ
第十八條 選擧人名簿ニ關シ關係者ニ於テ異議アルトキハ縱覽期間內ニ之ヲ市長ニ申立ツルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ市長ハ其ノ申立ヲ受ケタル日ヨリ十四日以內ニ之ヲ決定シ名簿ノ修正ヲ要スルトキハ直ニ之ヲ修正スベシ
前項ノ決定ニ不服アル者ハ樺太廳長官ニ訴願シ其ノ裁決ニ不服アル者ハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
市長前項ノ規定ニ依ル樺太廳長官ノ裁決ニ不服アルトキハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第一項ノ規定ニ依リ決定ヲ爲シタルトキハ市長ハ直ニ其ノ要領ヲ吿示スベシ同項ノ規定ニ依リ名簿ヲ修正シタルトキ亦同ジ
第十九條 選擧人名簿ハ選擧ノ期日前三日目ヲ以テ確定ス
選擧人名簿ハ其ノ確定シタル日ヨリ一年以內ニ於テ行フ選擧ニ之ヲ用フ但シ市ノ廢置分合又ハ境界變更アリタル場合ニ於テ樺太廳長官ノ指定スルモノハ此ノ限ニ在ラズ
前條第二項又ハ第三項ノ裁決確定シ又ハ判決アリタルニ依リ名簿ノ修正ヲ要スル場合ニ於テハ其ノ名簿確定前ナルトキハ直ニ之ヲ修正シ其ノ名簿確定後ナルトキハ選擧ヲ終リタル後次ノ選擧ノ期日前四日目迄ニ之ヲ修正シ且其ノ要領ヲ吿示スベシ
投票分會ヲ設クル場合ニ於テ必要アルトキハ市長ハ確定名簿ニ依リ分會ノ區劃每ニ名簿ノ抄本ヲ調製スベシ
第二十條 第十八條ノ場合ニ於テ決定若ハ裁決確定シ又ハ判決アリタルニ依リ選擧人名簿無效ト爲リタルトキハ更ニ名簿ヲ調製スベシ
前二項ノ規定ニ依ル名簿ノ調製、縱覽、確定及異議ノ決定ニ關スル期日及期間ハ樺太廳長官ノ定ムル所ニ依ル
選擧人名簿調製後ニ於テ選擧ノ期日ヲ變更スルコトアルモ其ノ名簿ヲ用ヒ縱覽、修正、確定及異議ノ決定ニ關スル期日及期間ハ前選擧期日ニ依リ之ヲ算定ス
第二十一條 市長ハ選擧ノ期日前二十日目迄ニ選擧會場(投票分會場ヲ含ム以下之ニ同ジ)、投票ノ日時及選擧スベキ議員數ヲ吿示スベシ投票分會ヲ設クル場合ニ於テハ併セテ其ノ區劃ヲ吿示スベシ
天災事變等ノ爲投票ヲ行フコト能ハザルトキ又ハ更ニ投票ヲ行フノ必要アルトキハ市長ハ其ノ投票ヲ行フベキ選擧會又ハ投票分會ノミニ付更ニ期日ヲ定メ投票ヲ行ハシムベシ此ノ場合ニ於テ選擧會場及投票ノ日時ハ選擧ノ期日前五日目迄ニ之ヲ吿示スベシ
第二十二條 市長ハ選擧長ト爲リ選擧會ヲ開閉シ其ノ取締ニ任ズ
投票分會ハ市長ノ指名シタル吏員投票分會長ト爲リ之ヲ開閉シ其ノ取締ニ任ズ
第二十三條 議員候補者ハ選擧人名簿ニ登錄セラレタル者ノ中ヨリ本人ノ承諾ヲ得テ選擧立會人タルベキ者一人ヲ定メ選擧ノ期日前二日目迄ニ市長ニ屆出ヅルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ屆出アリタル者(議員候補者死亡シ又ハ議員候補者タルコトヲ辭シタルトキハ其ノ屆出ニ係ル者ヲ除ク)十人ヲ超エザルトキハ直ニ其ノ者ヲ以テ選擧立會人トシ十人ヲ超ユルトキハ市長ハ其ノ者ノ中ニ就キ抽籤ニ依リ選擧立會人十人ヲ定ムベシ
前項ノ抽籤ハ選擧ノ期日ノ前日之ヲ行フ第一項ノ屆出ヲ爲シタル議員候補者ハ之ニ立會フコトヲ得
前項ノ抽籤ヲ行フベキ場所及日時ハ市長ニ於テ豫メ之ヲ吿示スベシ
第二項ノ規定ニ依リ選擧立會人定マリタルトキハ市長ハ直ニ之ヲ本人ニ通知シ選擧ニ立會ハシムベシ
議員候補者死亡シ又ハ議員候補者タルコトヲ辭シタルトキハ其ノ屆出ニ係ル選擧立會人ハ其ノ職ヲ失フ
第二項ノ規定ニ依ル選擧立會人三人ニ達セザルトキ若ハ三人ニ達セザルニ至リタルトキ又ハ選擧立會人ニシテ參會スルモノ選擧會ヲ開クベキ時刻ニ至リ三人ニ達セザルトキ若ハ其ノ後三人ニ達セザルニ至リタルトキハ市長ハ選擧人名簿ニ登錄セラレタル者ノ中ヨリ三人ニ達スル迄ノ選擧立會人ヲ選任シ直ニ之ヲ本人ニ通知シ選擧ニ立會ハシムベシ
前八項ノ規定ハ投票立會人ニ之ヲ準用ス但シ選擧人名簿ニ登錄セラレタル者トアルハ投票分會ノ區劃內ニ於ケル選擧人名簿ニ登錄セラレタル者トス
第二十四條 選擧人ニ非ザル者ハ選擧會場ニ入ルコトヲ得ズ但シ選擧會場ノ事務ニ從事スル者、選擧會場ヲ監視スル職權ヲ有スル者又ハ警察官吏ハ此ノ限ニ在ラズ
選擧會場ニ於テ演說討論ヲ爲シ若ハ喧擾ニ涉リ又ハ投票ニ關シ協議若ハ勸誘ヲ爲シ其ノ他選擧會場ノ秩序ヲ紊ル者アルトキハ選擧長又ハ投票分會長ハ之ヲ制止シ命ニ從ハザルトキハ之ヲ選擧會場外ニ退出セシムベシ
前項ノ規定ニ依リ退出セシメラレタル者ハ最後ニ至リ投票ヲ爲スコトヲ得但シ選擧長又ハ投票分會長會場ノ秩序ヲ紊ルノ虞ナシト認ムル場合ニ於テ投票ヲ爲サシムルヲ妨ゲズ
第二十六條 確定名簿ニ登錄セラレザル者ハ投票ヲ爲スコトヲ得ズ但シ選擧人名簿ニ登錄セラルベキ確定裁決書又ハ判決書ヲ所持シ選擧ノ當日選擧會場ニ到ル者ハ此ノ限ニ在ラズ
確定名簿ニ登錄セラレタル者選擧人名簿ニ登錄セラルルコトヲ得ザル者ナルトキハ投票ヲ爲スコトヲ得ズ選擧ノ當日選擧權ヲ有セザル者ナルトキ亦同ジ
第二十七條 選擧人ハ選擧ノ當日投票時間內ニ自ラ選擧會場ニ到リ選擧人名簿又ハ其ノ抄本ノ對照ヲ經テ投票ヲ爲スベシ
投票時間內ニ選擧會場ニ入リタル選擧人ハ其ノ時間ヲ過グルモ投票ヲ爲スコトヲ得
選擧人ハ選擧會場ニ於テ投票用紙ニ自ラ議員候補者一人ノ氏名ヲ記載シテ投函スベシ
投票ニ關スル記載ニ付テハ樺太廳長官ノ定ムル點字ハ之ヲ文字ト看做ス
自ラ議員候補者ノ氏名ヲ書スルコト能ハザル者ハ投票ヲ爲スコトヲ得ズ
投票分會ニ於テ爲シタル投票ハ投票分會長少クトモ一人ノ投票立會人ト共ニ投票函ノ儘之ヲ選擧長ニ送致スベシ
第二十八條 投票ノ拒否ハ選擧立會人又ハ投票立會人ノ意見ヲ聽キ選擧長又ハ投票分會長之ヲ決定スベシ
投票分會ニ於テ投票拒否ノ決定ヲ受ケタル選擧人不服アルトキハ投票分會長ハ假ニ投票ヲ爲サシムベシ
前項ノ投票ハ選擧人ヲシテ之ヲ封筒ニ入レ封緘シ表面ニ自ラ其ノ氏名ヲ記載シ投函セシムベシ
投票立會人ニ於テ異議アル選擧人ニ對シテモ亦前二項ニ同ジ
第二十九條 選擧人ニシテ左ニ揭グル事由ニ因リ選擧ノ當日投票時間內ニ自ラ選擧會場ニ到リ投票ヲ爲シ能ハザルベキコトヲ證スルモノノ投票ニ關シテハ第二十六條第一項但書、第二十七條第一項及第三項竝ニ前條ノ規定ニ拘ラズ樺太廳長官ハ特別ノ規定ヲ設クルコトヲ得
一 湖川、港灣ノミヲ航行スル船舶、總噸數二十噸未滿ノ船舶及端舟其ノ他櫓櫂ノミヲ以テ運轉シ又ハ主トシテ櫓櫂ヲ以テ運轉スル舟ヲ除クノ外日本船舶(內地以外ニ船籍港ヲ定ムルモノヲ含ム以下之ニ同ジ)ノ船員又ハ其ノ船舶ニ乘務スルノ常況ニ在ル者船內從業中ナルベキコト
二 前號ノ船舶ヲ除クノ外日本船舶ニシテ總噸數五噸以上ノモノノ船員又ハ其ノ船舶ニ乘務スルノ常況ニ在ル者船內從業中ナルベキコト
三 鐵道列車ニ乘務スルノ常況ニ在ル鐵道係員、郵便取扱員其ノ他ノ者鐵道列車ニ乘務中ナルベキコト
四 選擧事務、選擧會場ノ監視、選擧取締其ノ他選擧ニ關係アル職務ニ從事スル者其ノ投票區域外ニ於テ職務ニ從事中ナルベキコト
五 陸海軍軍人演習召集中又ハ敎育召集中ナルベキコト
七 引續キ十日以上其ノ投票區域ノ屬スル市外ニ於テ職務又ハ業務ニ從事スルヲ例トスル者其ノ投票區域ノ屬スル市外ニ於テ職務又ハ業務ニ從事中ナルベキコト
第三十條 第四十一條若ハ第四十五條ノ選擧、增員選擧又ハ補缺選擧ヲ同時ニ行フ場合ニ於テハ一ノ選擧ヲ以テ合併シテ之ヲ行フ
第三十二條 選擧長ハ投票ノ日又ハ其ノ翌日(投票分會ヲ設ケタルトキハ總テノ投票函ノ送致ヲ受ケタル日又ハ其ノ翌日)選擧立會人立會ノ上投票函ヲ開キ投票ノ總數ト投票人ノ總數トヲ計算スベシ
前項ノ計算終リタルトキハ選擧長ハ先ヅ第二十八條第二項及第四項ノ投票ヲ調査シ選擧立會人ノ意見ヲ聽キ其ノ受理如何ヲ決定スベシ
天災事變等ノ爲開票ヲ行フコト能ハザルトキハ市長ハ更ニ開票ノ期日ヲ定ムベシ此ノ場合ニ於テ選擧會場ノ變更ヲ要スルトキハ豫メ更ニ其ノ場所ヲ吿示スベシ
第三十三條 選擧人ハ其ノ選擧會ノ參觀ヲ求ムルコトヲ得但シ開票開始前ハ此ノ限ニ在ラズ
第三十四條 特別ノ事情アルトキハ市ハ樺太廳長官ノ許可ヲ得區劃ヲ定メテ開票分會ヲ設クルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ開票分會ヲ設クル場合ニ於テ必要ナル事項ハ樺太廳長官之ヲ定ム
第三十六條 投票ノ效力ハ選擧立會人ノ意見ヲ聽キ選擧長之ヲ決定スベシ
第三十七條 市會議員ノ選擧ハ有效投票ノ最多數ヲ得タル者ヲ以テ當選者トス但シ議員ノ定數ヲ以テ有效投票ノ總數ヲ除シテ得タル數ノ六分ノ一以上ノ得票アルコトヲ要ス
前項ノ規定ニ依リ當選者ヲ定ムルニ當リ得票ノ數同ジキトキハ年長者ヲ取リ年齡モ亦同ジキトキハ選擧長抽籤シテ之ヲ定ムベシ
第三十八條 當選者選擧ノ期日後ニ於テ被選擧權ヲ有セザルニ至リタルトキハ當選ヲ失フ
第三十九條 選擧長ハ選擧錄ヲ作リ選擧會ニ關スル顚末ヲ記載シ之ヲ朗讀シ二人以上ノ選擧立會人ト共ニ之ニ署名スベシ
投票分會長ハ投票錄ヲ作リ投票ニ關スル顚末ヲ記載シ之ヲ朗讀シ二人以上ノ投票立會人ト共ニ之ニ署名スベシ
投票分會長ハ投票函ト同時ニ投票錄ヲ選擧長ニ送致スベシ
選擧錄及投票錄ハ投票、選擧人名簿其ノ他ノ關係書類ト共ニ議員ノ任期間市長ニ於テ之ヲ保存スベシ
第四十條 當選者定マリタルトキハ市長ハ直ニ當選者ニ當選ノ旨ヲ吿知シ同時ニ當選者ノ住所氏名ヲ吿示シ且選擧錄ノ寫(投票錄アルトキハ併セテ投票錄ノ寫)ヲ添ヘ之ヲ樺太廳長官ニ報吿スベシ當選者ナキトキハ直ニ其ノ旨ヲ吿示シ且選擧錄ノ寫(投票錄アルトキハ併セテ投票錄ノ寫)ヲ添ヘ之ヲ樺太廳長官ニ報吿スベシ
當選者當選ヲ辭セントスルトキハ當選ノ吿知ヲ受ケタル日ヨリ五日以內ニ之ヲ市長ニ申立ツベシ
官吏ニシテ當選シタルモノハ所屬長官ノ許可ヲ受クルニ非ザレバ之ニ應ズルコトヲ得ズ
前項ノ官吏ハ當選ノ吿知ヲ受ケタル日ヨリ二十日以內ニ之ニ應ズベキ旨ヲ市長ニ申立テザルトキハ其ノ當選ヲ辭シタルモノト看做ス
市ニ對シ請負ヲ爲シ又ハ市ニ於テ費用ヲ負擔スル事業ニ付市長若ハ其ノ委任ヲ受ケタル者ニ對シ請負ヲ爲ス者若ハ其ノ支配人又ハ主トシテ同一ノ行爲ヲ爲ス法人ノ無限責任社員、役員若ハ支配人ニシテ當選シタルモノハ其ノ請負ヲ罷メ又ハ請負ヲ爲ス者ノ支配人若ハ主トシテ同一ノ行爲ヲ爲ス法人ノ無限責任社員、役員若ハ支配人タルコトナキニ至ルニ非ザレバ當選ニ應ズルコトヲ得ズ第二項ノ期限前ニ其ノ旨ヲ市長ニ申立テザルトキハ其ノ當選ヲ辭シタルモノト看做ス
前項ノ役員トハ取締役、監査役及之ニ準ズベキ者竝ニ淸算人ヲ謂フ
第四十一條 當選者左ニ揭グル事由ノ一ニ該當スルトキハ三月以內ニ更ニ選擧ヲ行フベシ但シ第二項又ハ第三項ノ規定ニ依リ更ニ選擧ヲ行フコトナクシテ當選者ヲ定メ得ル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
四 選擧ニ關スル犯罪ニ依リ刑ニ處セラレ其ノ當選無效ト爲リタルトキ但シ同一人ニ關シ前各號ノ事由ニ依ル選擧又ハ補缺選擧ノ吿示ヲ爲シタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
五 樺太市制第三條第六項ニ於テ依ルコトヲ定メタル市制第三十六條ノ二ノ規定ニ依ル訴訟ノ結果當選無效ト爲リタルトキ
前項第一號乃至第三號ノ事由ヲ生ジタル場合ニ於テ第三十七條第一項但書ノ得票者ニシテ當選者ト爲ラザリシモノアルトキハ直ニ選擧會ヲ開キ其ノ者ノ中ニ就キ當選者ヲ定ムベシ
第一項第四號又ハ第五號ノ事由ヲ生ジタルトキハ其ノ選擧ノ期日ヨリ一年以內ナル場合ニ於テ第三十七條第一項但書ノ得票者ニシテ當選者ト爲ラザリシモノアルトキ又ハ其ノ選擧ノ期日ヨリ一年經過後ナル場合ニ於テ第三十七條第二項ノ規定ノ適用ヲ受ケタル得票者ニシテ當選者ト爲ラザリシモノアルトキハ前項ノ規定ヲ準用ス
前二項ノ場合ニ於テ第三十七條第一項但書ノ得票者ニシテ當選者ト爲ラザリシモノ選擧ノ期日後ニ於テ被選擧權ヲ有セザルニ至リタルトキハ之ヲ當選者ト定ムルコトヲ得ズ
第二項及第三項ノ場合ニ於テハ市長ハ豫メ選擧會ノ場所及日時ヲ吿示スベシ
第一項ノ期間ハ第四十四條第六項ノ規定ノ適用アル場合ニ於テハ選擧ヲ行フコトヲ得ザル事由已ミタル日ノ翌日ヨリ之ヲ起算ス
第一項ノ事由議員ノ任期滿了前六月以內ニ生ジタルトキハ第一項ノ選擧ハ之ヲ行ハズ但シ議員ノ數其ノ定數ノ三分ノ二ニ滿タザルニ至リタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第四十二條 第四十條第二項ノ期間ヲ經過シタルトキ又ハ同條第四項ノ申立アリタルトキハ市長ハ直ニ當選者ノ住所氏名ヲ吿示シ併セテ之ヲ樺太廳長官ニ報吿スベシ
當選者ナキニ至リタルトキ又ハ當選者其ノ選擧ニ於ケル議員ノ定數ニ達セザルニ至リタルトキハ市長ハ直ニ其ノ旨ヲ吿示シ併セテ之ヲ樺太廳長官ニ報吿スベシ
第四十三條 選擧ノ規定ニ違反スルコトアルトキハ選擧ノ結果ニ異動ヲ生ズルノ虞アル場合ニ限リ其ノ選擧ノ全部又ハ一部ヲ無效トス但シ當選ニ異動ヲ生ズルノ虞ナキ者ヲ區分シ得ルトキハ其ノ者ニ限リ當選ヲ失フコトナシ
第四十四條 選擧人又ハ議員候補者選擧又ハ當選ノ效力ニ關シ異議アルトキハ選擧ニ關シテハ選擧ノ日ヨリ、當選ニ關シテハ第四十條第一項又ハ第四十二條第二項ノ吿示ノ日ヨリ七日以內ニ之ヲ市長ニ申立ツルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ市長ハ七日以內ニ市會ノ決定ニ付スベシ市會ハ其ノ送付ヲ受ケタル日ヨリ十四日以內ニ之ヲ決定スベシ
樺太廳長官ハ選擧又ハ當選ノ效力ニ關シ異議アルトキハ選擧ニ關シテハ第四十條第一項ノ報吿ヲ受ケタル日ヨリ、當選ニ關シテハ第四十條第一項又ハ第四十二條第二項ノ報吿ヲ受ケタル日ヨリ二十日以內ニ之ヲ處分スルコトヲ得
前項ノ處分アリタルトキハ同一事件ニ付爲シタル異議ノ申立及市會ノ決定ハ無效トス
第一項ノ決定ニ不服アル者ハ樺太廳長官ニ訴願シ其ノ裁決、第二項ノ處分又ハ第五項ノ規定ニ依ル樺太廳長官ノ裁決ニ不服アル者ハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
市長第一項ノ決定ニ不服アルトキハ樺太廳長官ニ訴願シ其ノ裁決、第二項ノ處分又ハ前項ノ規定ニ依ル樺太廳長官ノ裁決ニ不服アルトキハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第十五條、第四十一條又ハ第四十五條第一項若ハ第三項ノ選擧ハ之ニ關係アル選擧又ハ當選ニ關スル異議申立期間、異議ノ決定若ハ訴願ノ裁決確定セザル間又ハ訴訟ノ繫屬スル間之ヲ行フコトヲ得ズ
市會議員ハ選擧又ハ當選ニ關スル處分、決定若ハ裁決確定シ又ハ判決アル迄ハ會議ニ列席シ議事ニ參與スルノ權ヲ失ハズ
第四十五條 選擧無效ト確定シタルトキハ三月以內ニ更ニ選擧ヲ行フベシ
當選無效ト確定シタルトキハ直ニ選擧會ヲ開キ更ニ當選者ヲ定ムベシ此ノ場合ニ於テハ第四十一條第四項及第五項ノ規定ヲ準用ス
當選者ナキトキ、當選者ナキニ至リタルトキ又ハ當選者其ノ選擧ニ於ケル議員ノ定數ニ達セザルトキ若ハ定數ニ達セザルニ至リタルトキハ三月以內ニ更ニ選擧ヲ行フベシ
第四十一條第六項及第七項ノ規定ハ第一項及前項ノ選擧ニ之ヲ準用ス
第四十六條 市會議員被選擧權ヲ有セザル者ナルトキ又ハ第四十條第五項ニ揭グル者ナルトキハ其ノ職ヲ失フ其ノ被選擧權ノ有無又ハ第四十條第五項ニ揭グル者ニ該當スルヤ否ハ市會議員ガ左ノ各號ノ一ニ該當スルニ因リ被選擧權ヲ有セザル場合ヲ除クノ外市會之ヲ決定ス
四 選擧ニ關スル犯罪ニ依リ罰金ノ刑ニ處セラレタルトキ
市長ハ市會議員中被選擧權ヲ有セザル者又ハ第四十條第五項ニ揭グル者アリト認ムルトキハ之ヲ市會ノ決定ニ付スベシ市會ハ其ノ送付ヲ受ケタル日ヨリ十四日以內ニ之ヲ決定スベシ
第一項ノ決定ヲ受ケタル者其ノ決定ニ不服アルトキハ樺太廳長官ニ訴願シ其ノ裁決又ハ第四項ノ規定ニ依ル樺太廳長官ノ裁決ニ不服アルトキハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
市長第一項ノ決定ニ不服アルトキハ樺太廳長官ニ訴願シ其ノ裁決又ハ前項ノ規定ニ依ル樺太廳長官ノ裁決ニ不服アルトキハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第四十四條第七項ノ規定ハ第一項及前二項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第一項ノ決定ハ文書ヲ以テ之ヲ爲シ其ノ理由ヲ附シ之ヲ本人ニ交付スベシ
第四十七條 第十八條、第十九條及第四十四條ノ場合ニ於テ樺太廳長官ノ指定、處分又ハ裁決ハ樺太廳長官、市會ノ決定ハ市長直ニ之ヲ吿示スベシ
第四十八條 市會議員ノ選擧ニ付テハ衆議院議員選擧法第百四十二條及第百四十七條竝ニ衆議院議員選擧法施行令第八章(第五十七條ノ二ノ規定ヲ除ク)、第九章及第十二章(公立學校等ノ設備ノ使用ニ依ル演說會開催ノ爲ニ必要ナル施設ノ公營ニ關スル規定ヲ除ク)ノ規定ノ例ニ依ル但シ內務大臣及地方長官ノ職務ハ樺太廳長官之ヲ行フ