現在の兌換銀行券等の金準備は、金の時価が著しく高騰しているにもかかわらず、貨幣法に基づき旧来の低い評価額で計算されている。そこで、これらの準備金を国際的時価に近い水準で評価し直し、金準備の実態を正確に表示することが適切と考えられる。ただし、貨幣法改正による平価切下げは時期尚早のため、発券準備に充当する場合の価格のみを改定する。具体的には現在の金時価に約1割の余裕を持たせ、純金290毫につき1円の割合で評価換えを行う。この評価換えで生じる各銀行の評価益は政府に納付させ、特別会計を設けて外国為替資金の調整等に活用する。
参照した発言:
第71回帝国議会 衆議院 本会議 第6号