台湾拓殖株式会社法施行令
法令番号: 勅令第二百三十八號
公布年月日: 昭和11年7月30日
法令の形式: 勅令
朕臺灣拓殖株式會社法施行令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十一年七月二十九日
內閣總理大臣 廣田弘毅
拓務大臣 永田秀次郞
勅令第二百三十八號
臺灣拓殖株式會社法施行令
第一條 政府臺灣拓殖株式會社法第四條ノ規定ニ依リ出資ヲ爲サントスルトキハ出資ノ目的タル財產ノ價格ニ付臺灣官有財產評價委員會ニ諮問スベシ
臺灣官有財產評價委員會ニ關スル規程ハ別ニ之ヲ定ム
第二條 社長ハ臺灣拓殖株式會社ヲ代表シ其ノ業務ヲ總理ス
社長事故アルトキハ副社長其ノ職務ヲ代理シ社長缺員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
副社長及理事ハ社長ヲ輔佐シ定款ノ定ムル所ニ從ヒ臺灣拓殖株式會社ノ業務ヲ分掌シ又ハ之ニ參與ス
監事ハ臺灣拓殖株式會社ノ業務ヲ監査ス
第三條 社長及副社長ハ拓務大臣ノ認可ヲ經テ臺灣總督之ヲ命ジ其ノ任期ヲ五年トス
理事ハ株主總會ニ於テ選擧シタル二倍ノ候補者中ヨリ拓務大臣ノ認可ヲ經テ臺灣總督之ヲ命ジ其ノ任期ヲ四年トス
監事ノ任期ハ之ヲ二年トス
第四條 社長、副社長及臺灣拓殖株式會社ノ業務ヲ分掌スル理事ハ他ノ職務又ハ商業ニ從事スルコトヲ得ズ但シ臺灣總督ノ許可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第五條 臺灣拓殖株式會社ハ左ノ事業ヲ營ムモノトス
一 拓殖ノ爲必要ナル農業、林業、水產業及水利事業
二 拓殖ノ爲必要ナル土地(土地ニ關スル權利ヲ含ム)ノ取得、經營及處分
三 委託ニ依ル土地ノ經營及管理
四 拓殖ノ爲必要ナル移民事業
五 農業者、漁業者若ハ移民ニ對シ拓殖上必要ナル物品ノ供給又ハ其ノ生產品ノ買取、加工若ハ販賣
六 拓殖ノ爲必要ナル資金ノ供給
七 前各號ノ事業ニ附帶スル事業
八 前各號ノ外拓殖ノ爲必要ナル事業
前項第七號又ハ第八號ノ事業ヲ營マントスルトキハ臺灣總督ノ認可ヲ受クベシ
臺灣外ニ於テ第一項各號ノ事業ヲ營マントスルトキハ其ノ事業及地域ニ付臺灣總督ニ由リ拓務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第六條 臺灣總督ハ臺灣拓殖株式會社ノ業務ニ關シ監督上必要ナル命令ヲ發スルコトヲ得
第七條 臺灣總督ハ臺灣拓殖株式會社監理官ヲ置キ臺灣拓殖株式會社ノ業務ヲ監視セシム
臺灣拓殖株式會社監理官ハ何時ニテモ臺灣拓殖株式會社ノ金庫、帳簿及諸般ノ文書物件ヲ檢査スルコトヲ得
臺灣拓殖株式會社監理官ハ必要ト認ムルトキハ何時ニテモ臺灣拓殖株式會社ニ命ジ業務ニ關スル諸般ノ計算及狀況ヲ報吿セシムルコトヲ得
臺灣拓殖株式會社監理官ハ株主總會其ノ他諸般ノ會議ニ出席シ意見ヲ陳述スルコトヲ得
第八條 臺灣拓殖株式會社ハ左ニ揭グル事項ニ付テハ臺灣總督ノ認可ヲ受クベシ其ノ認可ヲ受ケタル事項ヲ變更セントスルトキ亦同ジ
一 利益金ノ處分
二 重要財產ノ處分
三 支店又ハ出張所ノ設置
四 資金ノ借入
前項ノ重要財產ハ臺灣總督之ヲ指定シ官報及臺灣總督府報ヲ以テ吿示ス
第九條 臺灣拓殖株式會社ハ左ニ揭グル事項ニ付テハ臺灣總督ニ由リ拓務大臣ノ認可ヲ受クベシ其ノ認可ヲ受ケタル事項ヲ變更セントスルトキ亦同ジ
一 資本ノ增加
二 臺灣拓殖債券ノ發行
三 合併及解散
四 定款
第十條 臺灣總督ハ臺灣拓殖株式會社ノ決議ガ法令、法令ニ基キテ爲ス處分若ハ定款ニ違反シ又ハ公益ヲ害スト認ムルトキハ其ノ決議ヲ取消スコトヲ得
附 則
第十一條 本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第十二條 定款ノ認可アリタルトキハ設立委員ハ株式總數ヨリ政府ニ割當ツベキ株式ヲ控除シタル殘餘ノ株式ニ付株主ヲ募集スベシ
第十三條 株式申込證ニハ定款認可ノ年月日竝ニ商法第百二十六條第二項第二號、第四號及第五號ニ規定スル事項ヲ記載スベシ
第十四條 設立委員ハ株主ノ募集ヲ終リタルトキハ株式申込證ヲ臺灣總督ニ提出シ其ノ檢查ヲ受クベシ
第十五條 設立委員ハ前條ノ檢查ヲ受ケタル後遲滯ナク各株式ニ付第一囘ノ拂込ヲ爲サシムベシ
前項ノ拂込アリタルトキハ設立委員ハ遲滯ナク創立總會ヲ招集スベシ
第十六條 創立總會ニ於テハ第一囘ノ理事及監事ニ付第三條第二項又ハ臺灣拓殖株式會社法第六條第三項ニ規定スル理事候補者ノ選擧及監事ノ選任ヲ行フベシ
第十七條 創立總會終結シタルトキハ設立委員ハ其ノ事務ヲ臺灣拓殖株式會社社長ニ引渡スベシ
朕台湾拓殖株式会社法施行令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十一年七月二十九日
内閣総理大臣 広田弘毅
拓務大臣 永田秀次郎
勅令第二百三十八号
台湾拓殖株式会社法施行令
第一条 政府台湾拓殖株式会社法第四条ノ規定ニ依リ出資ヲ為サントスルトキハ出資ノ目的タル財産ノ価格ニ付台湾官有財産評価委員会ニ諮問スベシ
台湾官有財産評価委員会ニ関スル規程ハ別ニ之ヲ定ム
第二条 社長ハ台湾拓殖株式会社ヲ代表シ其ノ業務ヲ総理ス
社長事故アルトキハ副社長其ノ職務ヲ代理シ社長欠員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
副社長及理事ハ社長ヲ輔佐シ定款ノ定ムル所ニ従ヒ台湾拓殖株式会社ノ業務ヲ分掌シ又ハ之ニ参与ス
監事ハ台湾拓殖株式会社ノ業務ヲ監査ス
第三条 社長及副社長ハ拓務大臣ノ認可ヲ経テ台湾総督之ヲ命ジ其ノ任期ヲ五年トス
理事ハ株主総会ニ於テ選挙シタル二倍ノ候補者中ヨリ拓務大臣ノ認可ヲ経テ台湾総督之ヲ命ジ其ノ任期ヲ四年トス
監事ノ任期ハ之ヲ二年トス
第四条 社長、副社長及台湾拓殖株式会社ノ業務ヲ分掌スル理事ハ他ノ職務又ハ商業ニ従事スルコトヲ得ズ但シ台湾総督ノ許可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第五条 台湾拓殖株式会社ハ左ノ事業ヲ営ムモノトス
一 拓殖ノ為必要ナル農業、林業、水産業及水利事業
二 拓殖ノ為必要ナル土地(土地ニ関スル権利ヲ含ム)ノ取得、経営及処分
三 委託ニ依ル土地ノ経営及管理
四 拓殖ノ為必要ナル移民事業
五 農業者、漁業者若ハ移民ニ対シ拓殖上必要ナル物品ノ供給又ハ其ノ生産品ノ買取、加工若ハ販売
六 拓殖ノ為必要ナル資金ノ供給
七 前各号ノ事業ニ附帯スル事業
八 前各号ノ外拓殖ノ為必要ナル事業
前項第七号又ハ第八号ノ事業ヲ営マントスルトキハ台湾総督ノ認可ヲ受クベシ
台湾外ニ於テ第一項各号ノ事業ヲ営マントスルトキハ其ノ事業及地域ニ付台湾総督ニ由リ拓務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第六条 台湾総督ハ台湾拓殖株式会社ノ業務ニ関シ監督上必要ナル命令ヲ発スルコトヲ得
第七条 台湾総督ハ台湾拓殖株式会社監理官ヲ置キ台湾拓殖株式会社ノ業務ヲ監視セシム
台湾拓殖株式会社監理官ハ何時ニテモ台湾拓殖株式会社ノ金庫、帳簿及諸般ノ文書物件ヲ検査スルコトヲ得
台湾拓殖株式会社監理官ハ必要ト認ムルトキハ何時ニテモ台湾拓殖株式会社ニ命ジ業務ニ関スル諸般ノ計算及状況ヲ報告セシムルコトヲ得
台湾拓殖株式会社監理官ハ株主総会其ノ他諸般ノ会議ニ出席シ意見ヲ陳述スルコトヲ得
第八条 台湾拓殖株式会社ハ左ニ掲グル事項ニ付テハ台湾総督ノ認可ヲ受クベシ其ノ認可ヲ受ケタル事項ヲ変更セントスルトキ亦同ジ
一 利益金ノ処分
二 重要財産ノ処分
三 支店又ハ出張所ノ設置
四 資金ノ借入
前項ノ重要財産ハ台湾総督之ヲ指定シ官報及台湾総督府報ヲ以テ告示ス
第九条 台湾拓殖株式会社ハ左ニ掲グル事項ニ付テハ台湾総督ニ由リ拓務大臣ノ認可ヲ受クベシ其ノ認可ヲ受ケタル事項ヲ変更セントスルトキ亦同ジ
一 資本ノ増加
二 台湾拓殖債券ノ発行
三 合併及解散
四 定款
第十条 台湾総督ハ台湾拓殖株式会社ノ決議ガ法令、法令ニ基キテ為ス処分若ハ定款ニ違反シ又ハ公益ヲ害スト認ムルトキハ其ノ決議ヲ取消スコトヲ得
附 則
第十一条 本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第十二条 定款ノ認可アリタルトキハ設立委員ハ株式総数ヨリ政府ニ割当ツベキ株式ヲ控除シタル残余ノ株式ニ付株主ヲ募集スベシ
第十三条 株式申込証ニハ定款認可ノ年月日並ニ商法第百二十六条第二項第二号、第四号及第五号ニ規定スル事項ヲ記載スベシ
第十四条 設立委員ハ株主ノ募集ヲ終リタルトキハ株式申込証ヲ台湾総督ニ提出シ其ノ検査ヲ受クベシ
第十五条 設立委員ハ前条ノ検査ヲ受ケタル後遅滞ナク各株式ニ付第一回ノ払込ヲ為サシムベシ
前項ノ払込アリタルトキハ設立委員ハ遅滞ナク創立総会ヲ招集スベシ
第十六条 創立総会ニ於テハ第一回ノ理事及監事ニ付第三条第二項又ハ台湾拓殖株式会社法第六条第三項ニ規定スル理事候補者ノ選挙及監事ノ選任ヲ行フベシ
第十七条 創立総会終結シタルトキハ設立委員ハ其ノ事務ヲ台湾拓殖株式会社社長ニ引渡スベシ