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(競馬法中改正法律)
法令番号: 法律第三十一號
公布年月日: 昭和11年5月29日
法令の形式: 法律
被改正法
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改正:
競馬法
国立国会図書館『官報』
国立公文書館『御署名原本』
日本法令索引
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル競馬法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十一年五月二十八日
內閣總理大臣 廣田弘毅
司法大臣 林賴三郞
大藏大臣 馬場鍈一
內務大臣 潮惠之輔
農林大臣 島田俊雄
法律第三十一號
競馬法中左ノ通改正ス
第一條
本法ニ依ル競馬ハ日本競馬會ニ限リ之ヲ行フコトヲ得
第二條第一項ヲ左ノ如ク改ム
競馬ノ開催ハ競馬場每ニ年二囘ヲ超ユルコトヲ得ズ但シ命令ヲ以テ定ムル場合ニ限リ主務大臣ノ許可ヲ受ケ年三囘開催スルコトヲ得
第四條第一項中「第一條ノ法人」ヲ「日本競馬會」ニ改ム
第五條第二項中「當該競馬ヲ開催スル第一條ノ法人」ヲ「日本競馬會」ニ改ム
第六條第一項中「第一條ノ法人」ヲ「日本競馬會」ニ改ム
第八條第一項中「百分ノ六以內」ヲ「百分ノ八以內」ニ、同條第二項中「前項」ヲ「前二項」ニ、同條第三項中「第一項」ヲ「第一項及第二項」ニ、「三分ノ二」ヲ「四分ノ三」ニ改メ同條第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
政府ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ日本競馬會ノ保有スル資金ガ其ノ保有スベキ準備資金ノ最高額ヲ超過スルトキハ其ノ超過額ヲ政府ニ納付セシムルコトヲ得
第九條
日本競馬會ハ勝馬投票券ノ賣得金ノ額ニ對シ其ノ定ムル步合ノ金額ヲ賣得步合金トシテ收得スルコトヲ得但シ前條第一項ノ規定ニ依リ政府ニ納付スベキ金額ト賣得步合金額トノ合計ハ賣得金ノ額ノ百分ノ十五ヲ超ユルコトヲ得ズ
第十條
日本競馬會ハ法人トシ馬ノ改良增殖及馬事思想ノ普及ヲ圖ルヲ以テ目的トス
日本競馬會ハ前項ノ目的ヲ達スル爲本法ニ依リ競馬ヲ行フノ外業務規則ノ定ムル所ニ依リ必要ナル事業ヲ行フコトヲ得
日本競馬會ハ全國ヲ通ジ一箇トシ主タル事務所ヲ東京市ニ置ク
第十一條
主務大臣ハ設立委員ヲ命ジ日本競馬會ノ設立ニ關スル一切ノ事務ヲ處理セシム
第十二條
設立委員ハ業務規則ヲ作リ主務大臣ニ日本競馬會設立ノ認可ヲ申請スベシ
日本競馬會ハ前項ノ認可アリタル時成立ス
第十三條
業務規則ニハ左ニ揭グル事項ヲ記載スベシ
一
目的
二
名稱
三
事務所
四
競馬場
五
役員ニ關スル規定
六
事業及其ノ執行ニ關スル規定
七
資產及會計ニ關スル規定
八
業務規則ノ變更ニ關スル規定
業務規則ノ變更ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第十四條
日本競馬會ハ其ノ成立ノ日ヨリ三週間以內ニ各事務所ノ所在地ニ於テ左ノ事項ヲ登記スルコトヲ要ス
一
目的
二
名稱
三
事務所
四
成立ノ年月日
五
資產ノ總額
六
理事長、副理事長、理事及監事ノ氏名及住所
前項ニ揭グル事項中ニ變更ヲ生ジタルトキハ二週間以內ニ其ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス但シ前項第五號ニ揭グル事項ニ付テハ每會計年度末日ノ現在ニ依リ會計年度終了後一月以內ニ登記ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ハ登記ヲ爲スニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ對抗スルコトヲ得ズ
本法ニ依リ登記シタル事項ハ裁判所遲滯ナク之ヲ公吿スベシ
第十五條
民法第四十四條、第四十五條第二項第三項、第四十七條、第四十八條、第五十條、第五十四條、第五十五條、第五十七條、第六十八條第一項及第七十條乃至第八十三條竝ニ非訟事件手續法第三十五條、第三十六條、第三十七條ノ二、第百十七條、第百十九條乃至第百二十二條、第百三十六條乃至第百三十八條、第百四十二條乃至第百五十七條及第百七十五條乃至第百七十七條ノ規定ハ日本競馬會ニ之ヲ準用ス但シ民法第四十五條第三項、第四十八條第一項及第七十七條中一週間トアルハ之ヲ二週間トス
第十六條
日本競馬會ニハ所得稅及營業收益稅ヲ課セズ
日本競馬會ガ本法ニ基キテ爲ス登記ニ付テハ登錄稅ヲ課セズ
第十七條
日本競馬會ニ左ノ役員ヲ置ク
理事長 一人
副理事長 一人
理事 若干人
監事 若干人
評議員 二十五人以內
第十八條
理事長ハ日本競馬會ヲ代表シ其ノ事務ヲ總理ス
副理事長ハ理事長事故アルトキ其ノ職務ヲ代理シ理事長缺員ノトキ其ノ職務ヲ行フ
副理事長及理事ハ理事長ヲ補助シ業務規則ノ定ムル所ニ從ヒ日本競馬會ノ業務ヲ掌理ス
監事ハ日本競馬會ノ業務ヲ監査ス
第十九條
理事長及副理事長ハ主務大臣之ヲ命ズ
理事及監事ハ業務規則ノ定ムル所ニ依リ評議員ニ於テ其ノ候補者ヲ選擧シ主務大臣之ヲ命ズ
理事長、副理事長及理事ノ任期ハ五年、監事ノ任期ハ三年トス
第二十條
評議員ハ主務大臣之ヲ命ズ
評議員ハ名譽職トシ前條第二項ノ規定ニ依ル選擧ヲ爲スノ外業務ノ執行ニ關スル重要事項ニ付理事長ノ諮問ニ應ズルモノトス
評議員ノ任期ハ三年トス
第二十一條
日本競馬會競馬ヲ開催セントスルトキハ當該競馬ニ關スル事務ヲ執行セシムル爲命令ノ定ムル所ニ依リ開催執務委員ヲ置クコトヲ要ス
第二十二條
日本競馬會ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ資金ヲ管理スベシ
第二十三條
主務大臣ハ日本競馬會ノ業務ヲ監督ス
第二十四條
日本競馬會ハ左ニ揭グル事項ニ付主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
一
借入金
二
債務ノ保證
三
不動產ノ取得又ハ處分
四
收支豫算
第二十五條
主務大臣ハ日本競馬會ニ對シ業務規則又ハ收支豫算ノ變更ヲ命ジ其ノ他監督上必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第二十六條
主務大臣ハ日本競馬會ニ對シ馬ノ改良增殖及馬事思想ノ普及ノ爲必要ナル施設ヲ命ズルコトヲ得
第二十七條
主務大臣ハ日本競馬會又ハ其ノ役員若ハ開催執務委員ノ行爲ガ法令、之ニ基キテ爲ス處分若ハ業務規則ニ違反シ又ハ公益ヲ害シ若ハ害スル虞アリト認ムルトキハ左ノ處分ヲ爲スコトヲ得
一
競馬ノ停止
二
勝馬投票券發賣ノ停止又ハ制限
三
役員ノ解任
四
開催執務委員ノ職務執行ノ停止
第二十八條
日本競馬會ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ業務ニ關スル諸般ノ計算及狀況ノ報吿書ヲ主務大臣ニ提出スベシ
第二十九條
主務大臣ハ特ニ日本競馬會監理官ヲ置キ日本競馬會ノ業務ヲ監視セシム
第三十條
日本競馬會監理官ハ何時ニテモ日本競馬會ノ業務及財產ノ狀況ヲ檢査スルコトヲ得
日本競馬會監理官ハ監視上必要ナリト認ムルトキハ何時ニテモ日本競馬會ニ命ジテ業務上諸般ノ計算及狀況ヲ報吿セシムルコトヲ得
日本競馬會監理官ハ日本競馬會ノ諸般ノ會議ニ出席シテ意見ヲ開陳スルコトヲ得但シ議決ノ數ニ加ハルコトヲ得ズ
第三十一條
日本競馬會ニ非ザルモノハ日本競馬會又ハ之ニ類似ノ名稱ヲ用フルコトヲ得ズ
第三十二條
主務大臣ハ本法ニ依ル競馬ニ關與スル調敎師又ハ騎手ノ取締ニ關シ必要ナル命令ヲ發スルコトヲ得
第三十三條
左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ三年以下ノ懲役若ハ五千圓以下ノ罰金ニ處シ又ハ其ノ刑ヲ併科ス
一
日本競馬會ニ非ズシテ勝馬投票券ヲ發賣シタル者
二
第二十七條第二號ノ停止又ハ制限ニ違反シテ勝馬投票券ヲ發賣シタル者
三
本法ニ依ル競馬ノ競走ニ關シ業トシテ多數ノ者ニ對シ財物ヲ以テ賭事ヲ爲シタル者
四
第五條第二項ニ揭グル者ニシテ前號ニ規定スル行爲ノ相手方ト爲リタルモノ
第三十四條
開催執務委員ノ職務ヲ執行スルニ當リ之ニ對シテ暴行又ハ脅迫ヲ加ヘタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ二千圓以下ノ罰金ニ處ス
團體若ハ多衆ノ威力ヲ示シ、團體若ハ多衆ヲ假裝シテ威力ヲ示シ又ハ兇器ヲ示シ若ハ數人共同シテ前項ノ罪ヲ犯シタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス
第三十五條
左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ二千圓以下ノ罰金ニ處ス
一
第四條第一項又ハ第二項ノ規定ニ依ル制限ニ違反シテ勝馬投票券ヲ發賣シタル者
二
第五條ノ規定ニ違反シタル者
三
第五條第二項ニ揭グル者ニシテ勝馬投票券ヲ購買シタルモノ
四
第六條ノ規定ニ依ル制限ニ違反シテ拂戾金ヲ交付シタル者
五
第七條ノ規定ニ依リ認可ヲ受ケタルニ非ザル券面金額ノ勝馬投票券ヲ發賣シタル者
六
第三十三條第一號乃至第三號ノ一ニ規定スル行爲ノ相手方ト爲リタル者
第三十六條
左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ二百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
一
第四條第一項又ハ第二項ノ規定ニ依ル制限ニ違反シテ勝馬投票券ヲ購買シタル者
二
第五條第一項ニ揭グル者ニシテ勝馬投票券ヲ購買シタルモノ
三
勝馬投票券ヲ讓渡シ又ハ讓受ケタル者
四
第六條ノ規定ニ依ル制限ニ違反シタル拂戾金ノ交付ヲ受ケタル者
第三十七條
日本競馬會ノ役員又ハ開催執務委員ガ其ノ職務ニ關シ賄賂ヲ收受シ又ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ二年以下ノ懲役ニ處ス因テ不正ノ行爲ヲ爲シ又ハ相當ノ行爲ヲ爲サザルトキハ五年以下ノ懲役ニ處ス
前項ノ場合ニ於テ收受シタル賄賂ハ之ヲ沒收ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收スルコト能ハザルトキハ其ノ價額ヲ追徵ス
第三十八條
前條第一項ニ揭グル者ニ對シ賄賂ヲ交付、提供又ハ約束シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ三百圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキハ其ノ刑ヲ減輕又ハ免除スルコトヲ得
第三十九條
日本競馬會ノ理事長、副理事長、理事、監事若ハ開催執務委員又ハ淸算人ハ左ノ場合ニ於テハ千圓以下ノ過料ニ處ス
一
本法ニ於テ主務大臣ノ許可又ハ認可ヲ受クベキ場合ニ其ノ許可又ハ認可ヲ受ケザルトキ
二
第二十二條ノ規定ニ違反シタルトキ
三
第二十五條、第二十六條又ハ第二十七條第四號ノ規定ニ依ル主務大臣ノ命令ニ違反シタルトキ
四
本法ニ基キテ爲ス登記ヲ爲スコトヲ怠リタルトキ
五
民法第八十二條第二項ノ規定ニ依ル裁判所ノ檢査ヲ妨ゲタルトキ
六
第二十八條ノ規定ニ依ル報吿ヲ怠リ又ハ官廳ニ對シ不實ノ申立ヲ爲シ若ハ事實ヲ隱蔽シタルトキ
七
民法第七十條又ハ第八十一條ノ規定ニ違反シ破產宣吿ノ請求ヲ爲スコトヲ怠リタルトキ
八
民法第七十九條又ハ第八十一條ニ定メタル公吿ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正ノ公吿ヲ爲シタルトキ
第四十條
第三十一條ノ規定ニ違反シタル者ハ五百圓以下ノ過料ニ處ス
第四十一條
非訟事件手續法第二百六條乃至第二百八條ノ規定ハ前二條ノ過料ニ之ヲ準用ス
附 則
第四十二條
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四十三條
從前ノ第一條ノ法人ハ本法施行後ト雖モ日本競馬會成立ノ日ヨリ一年以內ハ競馬ヲ行フコトヲ得此ノ場合ニ於テハ仍從前ノ例ニ依ル但シ命令ノ定ムル所ニ依リ勝馬投票券賣得金ノ額ノ百分ノ八以內ニ相當スル金額ヲ政府ニ納付スルモノトス
第四十四條
本法ニ依リ日本競馬會ノ競馬ヲ開催スル競馬場ノ數ハ當分ノ內十一以內トス
第四十五條
從前ノ第一條ノ法人及社團法人帝國競馬協會ハ日本競馬會成立ノ日ヨリ一年ヲ經過シタルトキ解散ス
第四十六條
從前ノ第一條ノ法人及社團法人帝國競馬協會ノ總會ノ決議ニ依ル解散ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第四十七條
從前ノ第一條ノ法人及社團法人帝國競馬協會解散シタル場合ニ於テハ其ノ權利義務ハ日本競馬會之ヲ承繼ス
前項ノ場合ニ於ケル解散ノ登記ハ解散シタル法人ノ理事ノ申請ニ依リ之ヲ爲ス
第四十八條
前條第一項ノ場合ニ於テ主務大臣特別ノ事由アリト認ムル法人ニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ權利義務ノ一部ヲ保留セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ其ノ權利義務ノ一部ヲ保留シタル法人ハ其ノ權利義務ニ付民法ノ規定ニ依リ淸算ヲ爲スコトヲ要ス
第四十九條
日本競馬會第四十七條ノ規定ニ依リ承繼シタル不動產ニ關スル權利ノ取得ニ付登記ヲ受クル場合ニ於テハ其ノ登錄稅ノ額ハ不動產ノ價格ノ千分ノ三トス但シ登錄稅法ノ規定ニ依リ算出シタル稅額ガ本條ニ依リ算出シタル稅額ヨリ少キトキハ其ノ稅額ニ依ル
北海道府縣及市町村其ノ他之ニ準ズベキモノハ日本競馬會ニ對シ第四十七條ノ規定ニ依リ承繼シタル不動產ニ關スル權利ノ取得ニ關シ地方稅ヲ課スルコトヲ得ズ
第五十條
日本競馬會第四十七條ノ規定ニ依リ從前ノ第一條ノ法人又ハ社團法人帝國競馬協會ノ權利義務ヲ承繼シタルトキハ直ニ其ノ旨ヲ公吿シ且從前ノ第一條ノ法人又ハ社團法人帝國競馬協會ノ債權者ニシテ知レタルモノニ對シ各別ニ其ノ旨ヲ通知スルコトヲ要ス
日本競馬會ノ承繼シタル債務中辨濟期ノ至ラザルモノアルトキハ日本競馬會ハ其ノ債權者ノ請求ニ因リ相當ノ擔保ヲ供スルコトヲ要ス
第五十一條
日本競馬會設立當時ノ理事及評議員ノ任期ニ付テハ第十九條第三項及第二十條第三項ノ規定ニ拘ラズ各五年以內又ハ三年以內ニ於テ業務規則ヲ以テ別ニ之ヲ定ムルコトヲ得
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル競馬法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十一年五月二十八日
内閣総理大臣 広田弘毅
司法大臣 林頼三郎
大蔵大臣 馬場鍈一
内務大臣 潮恵之輔
農林大臣 島田俊雄
法律第三十一号
競馬法中左ノ通改正ス
第一条
本法ニ依ル競馬ハ日本競馬会ニ限リ之ヲ行フコトヲ得
第二条第一項ヲ左ノ如ク改ム
競馬ノ開催ハ競馬場毎ニ年二回ヲ超ユルコトヲ得ズ但シ命令ヲ以テ定ムル場合ニ限リ主務大臣ノ許可ヲ受ケ年三回開催スルコトヲ得
第四条第一項中「第一条ノ法人」ヲ「日本競馬会」ニ改ム
第五条第二項中「当該競馬ヲ開催スル第一条ノ法人」ヲ「日本競馬会」ニ改ム
第六条第一項中「第一条ノ法人」ヲ「日本競馬会」ニ改ム
第八条第一項中「百分ノ六以内」ヲ「百分ノ八以内」ニ、同条第二項中「前項」ヲ「前二項」ニ、同条第三項中「第一項」ヲ「第一項及第二項」ニ、「三分ノ二」ヲ「四分ノ三」ニ改メ同条第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
政府ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ日本競馬会ノ保有スル資金ガ其ノ保有スベキ準備資金ノ最高額ヲ超過スルトキハ其ノ超過額ヲ政府ニ納付セシムルコトヲ得
第九条
日本競馬会ハ勝馬投票券ノ売得金ノ額ニ対シ其ノ定ムル歩合ノ金額ヲ売得歩合金トシテ収得スルコトヲ得但シ前条第一項ノ規定ニ依リ政府ニ納付スベキ金額ト売得歩合金額トノ合計ハ売得金ノ額ノ百分ノ十五ヲ超ユルコトヲ得ズ
第十条
日本競馬会ハ法人トシ馬ノ改良増殖及馬事思想ノ普及ヲ図ルヲ以テ目的トス
日本競馬会ハ前項ノ目的ヲ達スル為本法ニ依リ競馬ヲ行フノ外業務規則ノ定ムル所ニ依リ必要ナル事業ヲ行フコトヲ得
日本競馬会ハ全国ヲ通ジ一箇トシ主タル事務所ヲ東京市ニ置ク
第十一条
主務大臣ハ設立委員ヲ命ジ日本競馬会ノ設立ニ関スル一切ノ事務ヲ処理セシム
第十二条
設立委員ハ業務規則ヲ作リ主務大臣ニ日本競馬会設立ノ認可ヲ申請スベシ
日本競馬会ハ前項ノ認可アリタル時成立ス
第十三条
業務規則ニハ左ニ掲グル事項ヲ記載スベシ
一
目的
二
名称
三
事務所
四
競馬場
五
役員ニ関スル規定
六
事業及其ノ執行ニ関スル規定
七
資産及会計ニ関スル規定
八
業務規則ノ変更ニ関スル規定
業務規則ノ変更ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
第十四条
日本競馬会ハ其ノ成立ノ日ヨリ三週間以内ニ各事務所ノ所在地ニ於テ左ノ事項ヲ登記スルコトヲ要ス
一
目的
二
名称
三
事務所
四
成立ノ年月日
五
資産ノ総額
六
理事長、副理事長、理事及監事ノ氏名及住所
前項ニ掲グル事項中ニ変更ヲ生ジタルトキハ二週間以内ニ其ノ登記ヲ為スコトヲ要ス但シ前項第五号ニ掲グル事項ニ付テハ毎会計年度末日ノ現在ニ依リ会計年度終了後一月以内ニ登記ヲ為スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ登記スベキ事項ハ登記ヲ為スニ非ザレバ之ヲ以テ第三者ニ対抗スルコトヲ得ズ
本法ニ依リ登記シタル事項ハ裁判所遅滞ナク之ヲ公告スベシ
第十五条
民法第四十四条、第四十五条第二項第三項、第四十七条、第四十八条、第五十条、第五十四条、第五十五条、第五十七条、第六十八条第一項及第七十条乃至第八十三条並ニ非訟事件手続法第三十五条、第三十六条、第三十七条ノ二、第百十七条、第百十九条乃至第百二十二条、第百三十六条乃至第百三十八条、第百四十二条乃至第百五十七条及第百七十五条乃至第百七十七条ノ規定ハ日本競馬会ニ之ヲ準用ス但シ民法第四十五条第三項、第四十八条第一項及第七十七条中一週間トアルハ之ヲ二週間トス
第十六条
日本競馬会ニハ所得税及営業収益税ヲ課セズ
日本競馬会ガ本法ニ基キテ為ス登記ニ付テハ登録税ヲ課セズ
第十七条
日本競馬会ニ左ノ役員ヲ置ク
理事長 一人
副理事長 一人
理事 若干人
監事 若干人
評議員 二十五人以内
第十八条
理事長ハ日本競馬会ヲ代表シ其ノ事務ヲ総理ス
副理事長ハ理事長事故アルトキ其ノ職務ヲ代理シ理事長欠員ノトキ其ノ職務ヲ行フ
副理事長及理事ハ理事長ヲ補助シ業務規則ノ定ムル所ニ従ヒ日本競馬会ノ業務ヲ掌理ス
監事ハ日本競馬会ノ業務ヲ監査ス
第十九条
理事長及副理事長ハ主務大臣之ヲ命ズ
理事及監事ハ業務規則ノ定ムル所ニ依リ評議員ニ於テ其ノ候補者ヲ選挙シ主務大臣之ヲ命ズ
理事長、副理事長及理事ノ任期ハ五年、監事ノ任期ハ三年トス
第二十条
評議員ハ主務大臣之ヲ命ズ
評議員ハ名誉職トシ前条第二項ノ規定ニ依ル選挙ヲ為スノ外業務ノ執行ニ関スル重要事項ニ付理事長ノ諮問ニ応ズルモノトス
評議員ノ任期ハ三年トス
第二十一条
日本競馬会競馬ヲ開催セントスルトキハ当該競馬ニ関スル事務ヲ執行セシムル為命令ノ定ムル所ニ依リ開催執務委員ヲ置クコトヲ要ス
第二十二条
日本競馬会ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ資金ヲ管理スベシ
第二十三条
主務大臣ハ日本競馬会ノ業務ヲ監督ス
第二十四条
日本競馬会ハ左ニ掲グル事項ニ付主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
一
借入金
二
債務ノ保証
三
不動産ノ取得又ハ処分
四
収支予算
第二十五条
主務大臣ハ日本競馬会ニ対シ業務規則又ハ収支予算ノ変更ヲ命ジ其ノ他監督上必要ナル命令ヲ発シ又ハ処分ヲ為スコトヲ得
第二十六条
主務大臣ハ日本競馬会ニ対シ馬ノ改良増殖及馬事思想ノ普及ノ為必要ナル施設ヲ命ズルコトヲ得
第二十七条
主務大臣ハ日本競馬会又ハ其ノ役員若ハ開催執務委員ノ行為ガ法令、之ニ基キテ為ス処分若ハ業務規則ニ違反シ又ハ公益ヲ害シ若ハ害スル虞アリト認ムルトキハ左ノ処分ヲ為スコトヲ得
一
競馬ノ停止
二
勝馬投票券発売ノ停止又ハ制限
三
役員ノ解任
四
開催執務委員ノ職務執行ノ停止
第二十八条
日本競馬会ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ業務ニ関スル諸般ノ計算及状況ノ報告書ヲ主務大臣ニ提出スベシ
第二十九条
主務大臣ハ特ニ日本競馬会監理官ヲ置キ日本競馬会ノ業務ヲ監視セシム
第三十条
日本競馬会監理官ハ何時ニテモ日本競馬会ノ業務及財産ノ状況ヲ検査スルコトヲ得
日本競馬会監理官ハ監視上必要ナリト認ムルトキハ何時ニテモ日本競馬会ニ命ジテ業務上諸般ノ計算及状況ヲ報告セシムルコトヲ得
日本競馬会監理官ハ日本競馬会ノ諸般ノ会議ニ出席シテ意見ヲ開陳スルコトヲ得但シ議決ノ数ニ加ハルコトヲ得ズ
第三十一条
日本競馬会ニ非ザルモノハ日本競馬会又ハ之ニ類似ノ名称ヲ用フルコトヲ得ズ
第三十二条
主務大臣ハ本法ニ依ル競馬ニ関与スル調教師又ハ騎手ノ取締ニ関シ必要ナル命令ヲ発スルコトヲ得
第三十三条
左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ三年以下ノ懲役若ハ五千円以下ノ罰金ニ処シ又ハ其ノ刑ヲ併科ス
一
日本競馬会ニ非ズシテ勝馬投票券ヲ発売シタル者
二
第二十七条第二号ノ停止又ハ制限ニ違反シテ勝馬投票券ヲ発売シタル者
三
本法ニ依ル競馬ノ競走ニ関シ業トシテ多数ノ者ニ対シ財物ヲ以テ賭事ヲ為シタル者
四
第五条第二項ニ掲グル者ニシテ前号ニ規定スル行為ノ相手方ト為リタルモノ
第三十四条
開催執務委員ノ職務ヲ執行スルニ当リ之ニ対シテ暴行又ハ脅迫ヲ加ヘタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ二千円以下ノ罰金ニ処ス
団体若ハ多衆ノ威力ヲ示シ、団体若ハ多衆ヲ仮装シテ威力ヲ示シ又ハ兇器ヲ示シ若ハ数人共同シテ前項ノ罪ヲ犯シタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ三千円以下ノ罰金ニ処ス
第三十五条
左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ二千円以下ノ罰金ニ処ス
一
第四条第一項又ハ第二項ノ規定ニ依ル制限ニ違反シテ勝馬投票券ヲ発売シタル者
二
第五条ノ規定ニ違反シタル者
三
第五条第二項ニ掲グル者ニシテ勝馬投票券ヲ購買シタルモノ
四
第六条ノ規定ニ依ル制限ニ違反シテ払戻金ヲ交付シタル者
五
第七条ノ規定ニ依リ認可ヲ受ケタルニ非ザル券面金額ノ勝馬投票券ヲ発売シタル者
六
第三十三条第一号乃至第三号ノ一ニ規定スル行為ノ相手方ト為リタル者
第三十六条
左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ二百円以下ノ罰金又ハ科料ニ処ス
一
第四条第一項又ハ第二項ノ規定ニ依ル制限ニ違反シテ勝馬投票券ヲ購買シタル者
二
第五条第一項ニ掲グル者ニシテ勝馬投票券ヲ購買シタルモノ
三
勝馬投票券ヲ譲渡シ又ハ譲受ケタル者
四
第六条ノ規定ニ依ル制限ニ違反シタル払戻金ノ交付ヲ受ケタル者
第三十七条
日本競馬会ノ役員又ハ開催執務委員ガ其ノ職務ニ関シ賄賂ヲ収受シ又ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ二年以下ノ懲役ニ処ス因テ不正ノ行為ヲ為シ又ハ相当ノ行為ヲ為サザルトキハ五年以下ノ懲役ニ処ス
前項ノ場合ニ於テ収受シタル賄賂ハ之ヲ没収ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ没収スルコト能ハザルトキハ其ノ価額ヲ追徴ス
第三十八条
前条第一項ニ掲グル者ニ対シ賄賂ヲ交付、提供又ハ約束シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ三百円以下ノ罰金ニ処ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキハ其ノ刑ヲ減軽又ハ免除スルコトヲ得
第三十九条
日本競馬会ノ理事長、副理事長、理事、監事若ハ開催執務委員又ハ清算人ハ左ノ場合ニ於テハ千円以下ノ過料ニ処ス
一
本法ニ於テ主務大臣ノ許可又ハ認可ヲ受クベキ場合ニ其ノ許可又ハ認可ヲ受ケザルトキ
二
第二十二条ノ規定ニ違反シタルトキ
三
第二十五条、第二十六条又ハ第二十七条第四号ノ規定ニ依ル主務大臣ノ命令ニ違反シタルトキ
四
本法ニ基キテ為ス登記ヲ為スコトヲ怠リタルトキ
五
民法第八十二条第二項ノ規定ニ依ル裁判所ノ検査ヲ妨ゲタルトキ
六
第二十八条ノ規定ニ依ル報告ヲ怠リ又ハ官庁ニ対シ不実ノ申立ヲ為シ若ハ事実ヲ隠蔽シタルトキ
七
民法第七十条又ハ第八十一条ノ規定ニ違反シ破産宣告ノ請求ヲ為スコトヲ怠リタルトキ
八
民法第七十九条又ハ第八十一条ニ定メタル公告ヲ為スコトヲ怠リ又ハ不正ノ公告ヲ為シタルトキ
第四十条
第三十一条ノ規定ニ違反シタル者ハ五百円以下ノ過料ニ処ス
第四十一条
非訟事件手続法第二百六条乃至第二百八条ノ規定ハ前二条ノ過料ニ之ヲ準用ス
附 則
第四十二条
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四十三条
従前ノ第一条ノ法人ハ本法施行後ト雖モ日本競馬会成立ノ日ヨリ一年以内ハ競馬ヲ行フコトヲ得此ノ場合ニ於テハ仍従前ノ例ニ依ル但シ命令ノ定ムル所ニ依リ勝馬投票券売得金ノ額ノ百分ノ八以内ニ相当スル金額ヲ政府ニ納付スルモノトス
第四十四条
本法ニ依リ日本競馬会ノ競馬ヲ開催スル競馬場ノ数ハ当分ノ内十一以内トス
第四十五条
従前ノ第一条ノ法人及社団法人帝国競馬協会ハ日本競馬会成立ノ日ヨリ一年ヲ経過シタルトキ解散ス
第四十六条
従前ノ第一条ノ法人及社団法人帝国競馬協会ノ総会ノ決議ニ依ル解散ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
第四十七条
従前ノ第一条ノ法人及社団法人帝国競馬協会解散シタル場合ニ於テハ其ノ権利義務ハ日本競馬会之ヲ承継ス
前項ノ場合ニ於ケル解散ノ登記ハ解散シタル法人ノ理事ノ申請ニ依リ之ヲ為ス
第四十八条
前条第一項ノ場合ニ於テ主務大臣特別ノ事由アリト認ムル法人ニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ権利義務ノ一部ヲ保留セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ其ノ権利義務ノ一部ヲ保留シタル法人ハ其ノ権利義務ニ付民法ノ規定ニ依リ清算ヲ為スコトヲ要ス
第四十九条
日本競馬会第四十七条ノ規定ニ依リ承継シタル不動産ニ関スル権利ノ取得ニ付登記ヲ受クル場合ニ於テハ其ノ登録税ノ額ハ不動産ノ価格ノ千分ノ三トス但シ登録税法ノ規定ニ依リ算出シタル税額ガ本条ニ依リ算出シタル税額ヨリ少キトキハ其ノ税額ニ依ル
北海道府県及市町村其ノ他之ニ準ズベキモノハ日本競馬会ニ対シ第四十七条ノ規定ニ依リ承継シタル不動産ニ関スル権利ノ取得ニ関シ地方税ヲ課スルコトヲ得ズ
第五十条
日本競馬会第四十七条ノ規定ニ依リ従前ノ第一条ノ法人又ハ社団法人帝国競馬協会ノ権利義務ヲ承継シタルトキハ直ニ其ノ旨ヲ公告シ且従前ノ第一条ノ法人又ハ社団法人帝国競馬協会ノ債権者ニシテ知レタルモノニ対シ各別ニ其ノ旨ヲ通知スルコトヲ要ス
日本競馬会ノ承継シタル債務中弁済期ノ至ラザルモノアルトキハ日本競馬会ハ其ノ債権者ノ請求ニ因リ相当ノ担保ヲ供スルコトヲ要ス
第五十一条
日本競馬会設立当時ノ理事及評議員ノ任期ニ付テハ第十九条第三項及第二十条第三項ノ規定ニ拘ラズ各五年以内又ハ三年以内ニ於テ業務規則ヲ以テ別ニ之ヲ定ムルコトヲ得
本文
詳細・沿革