第一條 養蠶者ノ依ルベキ繭ノ處理方法ハ地方ノ狀況其ノ他特別ノ事由ニ因リ生繭ノ賣買取引ヲ必要トスル場合ヲ除クノ外左ノ各號ニ揭グルモノトス
二 收繭前爲シタル契約ニ基キテ行フ生繭ノ賣買取引(特約取引)
三 產業組合又ハ產業組合聯合會ニ依リ行フ製絲加工(組合製絲)
第二條 道府縣ハ命令ノ定ムル所ニ依リ繭ノ品位ニ付檢定ヲ行フベシ
前項ノ規定ニ依ル繭ノ檢定ニ關シ必要ナル費用ハ道府縣ノ負擔トス但シ國庫ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ豫算ノ範圍內ニ於テ道府縣ニ對シ其ノ檢定施設ニ要スル經費ノ二分ノ一以內ヲ補助スルコトヲ得
第三條 繭ノ賣買取引其ノ他命令ヲ以テ規定スル繭ノ處理ハ前條ノ檢定ニ依ル品位ニ依ルニ非ザレバ之ヲ爲スコトヲ得ズ但シ命令ヲ以テ規定スル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第四條 特約取引ヲ爲サントスル者ハ行政官廳ノ認可ヲ受クベシ
第五條 蠶絲業組合又ハ繭ノ處理ヲ爲ス團體ガ其ノ組織員ノ繭ノ處理ニ關シ統制ヲ爲シタル場合ニ於テ行政官廳必要アリト認ムルトキハ其ノ統制ヲ故ナク紊シ又ハ紊サントスル組織員ニ對シ其ノ組合又ハ團體ノ統制ニ從フベキコトヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ハ蠶絲業組合法第十八條第二號ニ揭グル者ニ付テハ之ヲ適用セズ
第六條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ三百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
二 第四條ノ認可ヲ受ケズシテ特約取引ノ契約ヲ爲シタル者
第七條 養蠶者、養蠶實行組合、繭ノ處理ヲ爲ス產業組合其ノ他ノ法人、繭ノ賣買若ハ取次ヲ業トスル者又ハ製絲業者ハ其ノ代理人、戶主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ違反シタルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第八條 本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ依リ適用スベキ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第九條 第五條ノ規定ニ依ル行政官廳ノ命令ニ違反シタル者ハ百圓以下ノ過料ニ處ス
非訟事件手續法第二百六條乃至第二百八條ノ規定ハ前項ノ過料ニ之ヲ準用ス
第十條 本法ハ命令ヲ以テ定ムル繭ノ處理ニ付テハ之ヲ適用セズ