(民事訴訟法中改正法律)
法令番号: 法律第十五號
公布年月日: 昭和10年3月28日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル民事訴訟法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十年三月二十七日
內閣總理大臣 岡田啓介
大藏大臣 高橋是淸
司法大臣 小原直
法律第十五號
民事訴訟法中左ノ通改正ス
第五百七十條第一項第二號中「一个月」ヲ「三个月」ニ改ム
同條第二項中「然レトモ」ヲ削リ「第三號乃至第八號」ヲ「第一項第三號乃至第八號」ニ改メ同項ノ前ニ左ノ二項ヲ加フ
前項第二號ノ場合ニ於テ食料又ハ薪炭ニ各數種ノモノアルトキハ執達吏ハ債務者ノ利益ヲ考慮シテ差押ヲ爲ササル範圍ヲ定ムルコトヲ要ス
前項ノ場合ニ於テ執達吏ハ一應差押ヲ爲シタル上執行裁判所ニ差押フ可キ物ノ指定ヲ求ムルコトヲ得此指定ニ對シテハ當事者ハ異議ヲ述フルコトヲ得ス
第五百七十條ノ二 差押ニ因リ債務者カ其生活上囘復スルコト能ハサル窮迫ノ狀態ニ陷ルノ恐アル場合ニ於テ債務者カ誠實ニシテ債務履行ノ意思アリ且債權者ノ經濟ニ甚シキ影響ヲ及ホササルモノト認ム可キ顯著ナル事由アルトキハ裁判所ハ債務者ノ申立ニ因リ前條ノ規定ニ依ルノ外必要ナル限度ニ於テ差押フルコトヲ得サル財產ヲ定ムルコトヲ得
前項ノ裁判ヲ爲シタル後ニ於テ理由消滅シ又ハ事情變更シタルトキハ裁判所ハ當事者ノ申立ニ因リ又ハ職權ヲ以テ前項ノ裁判ヲ取消シ又ハ之ヲ變更スルコトヲ得
第五百二十二條第二項ノ規定ハ前二項ノ場合ニ之ヲ準用ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行前ニ開始シタル强制執行ニ付テハ仍從前ノ例ニ依ル但シ第五百七十條ノ二ノ規定ハ本法施行前ニ開始シタル强制執行ニ付テモ亦之ヲ適用ス
國稅徵收法第十六條第二號中「一箇月」ヲ「三箇月」ニ改ム
附則第二項本文ノ規定ハ前項ノ規定ヲ適用スル場合ニ關シ之ヲ準用ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル民事訴訟法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十年三月二十七日
内閣総理大臣 岡田啓介
大蔵大臣 高橋是清
司法大臣 小原直
法律第十五号
民事訴訟法中左ノ通改正ス
第五百七十条第一項第二号中「一个月」ヲ「三个月」ニ改ム
同条第二項中「然レトモ」ヲ削リ「第三号乃至第八号」ヲ「第一項第三号乃至第八号」ニ改メ同項ノ前ニ左ノ二項ヲ加フ
前項第二号ノ場合ニ於テ食料又ハ薪炭ニ各数種ノモノアルトキハ執達吏ハ債務者ノ利益ヲ考慮シテ差押ヲ為ササル範囲ヲ定ムルコトヲ要ス
前項ノ場合ニ於テ執達吏ハ一応差押ヲ為シタル上執行裁判所ニ差押フ可キ物ノ指定ヲ求ムルコトヲ得此指定ニ対シテハ当事者ハ異議ヲ述フルコトヲ得ス
第五百七十条ノ二 差押ニ因リ債務者カ其生活上回復スルコト能ハサル窮迫ノ状態ニ陥ルノ恐アル場合ニ於テ債務者カ誠実ニシテ債務履行ノ意思アリ且債権者ノ経済ニ甚シキ影響ヲ及ホササルモノト認ム可キ顕著ナル事由アルトキハ裁判所ハ債務者ノ申立ニ因リ前条ノ規定ニ依ルノ外必要ナル限度ニ於テ差押フルコトヲ得サル財産ヲ定ムルコトヲ得
前項ノ裁判ヲ為シタル後ニ於テ理由消滅シ又ハ事情変更シタルトキハ裁判所ハ当事者ノ申立ニ因リ又ハ職権ヲ以テ前項ノ裁判ヲ取消シ又ハ之ヲ変更スルコトヲ得
第五百二十二条第二項ノ規定ハ前二項ノ場合ニ之ヲ準用ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行前ニ開始シタル強制執行ニ付テハ仍従前ノ例ニ依ル但シ第五百七十条ノ二ノ規定ハ本法施行前ニ開始シタル強制執行ニ付テモ亦之ヲ適用ス
国税徴収法第十六条第二号中「一箇月」ヲ「三箇月」ニ改ム
附則第二項本文ノ規定ハ前項ノ規定ヲ適用スル場合ニ関シ之ヲ準用ス