第一條 輸出水產物ハ命令ノ定ムル所ニ依リ主務大臣ノ指定スル檢查ニ合格シタルモノニ非ザレバ之ヲ輸出スルコト(保稅地域ヨリ外國ニ向ケ搬出スルコトヲ含ム以下之ニ同ジ)ヲ得ズ但シ特別ノ事情ニ依リ主務大臣ノ許可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第二條 主務大臣ハ輸出水產物ノ資源ノ保護涵養又ハ聲價ノ維持向上ヲ圖ル爲輸出水產物ノ製造、加工又ハ處理ノ設備、方法、使用原料又ハ材料其ノ他輸出水產物ノ製造、加工又ハ處理ニ關スル事項ニ付取締上必要ナル命令ヲ發スルコトヲ得
第三條 輸出水產物ノ製造、加工又ハ處理ヲ業トセントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ主務大臣ノ許可ヲ受クベシ
第四條 前條ノ規定ニ依リ許可ヲ受ケタル者許可ヲ受ケタル日ヨリ二年以內ニ事業ヲ開始セザルトキハ主務大臣ハ其ノ許可ヲ取消スコトヲ得
前條ノ規定ニ依リ許可ヲ受ケタル者引續キ二年以上其ノ事業ノ全部又ハ一部ヲ爲サザルトキハ主務大臣ハ其ノ許可ヲ取消シ又ハ其ノ事業ヲ制限スルコトヲ得
第五條 第三條ノ規定ニ依リ許可ヲ受ケタル者ノ所爲ニシテ本法若ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ違反シ又ハ公益ヲ害シ若ハ害スルノ虞アリト認ムルトキハ主務大臣ハ其ノ許可ヲ取消シ又ハ其ノ事業ヲ制限シ若ハ停止スルコトヲ得
第六條 主務大臣ハ輸出水產物ニ關スル水產組合又ハ水產組合聯合會ニ對シ輸出水產物ノ統制上必要ナル施設ヲ命ズルコトヲ得
主務大臣ハ輸出水產物ノ製造、加工、處理又ハ輸出ヲ業トスル者ニ對シ輸出水產物ノ統制上必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第七條 主務大臣又ハ地方長官取締上必要アリト認ムルトキハ輸出水產物ノ製造、加工、處理又ハ輸出ヲ業トスル者ニ對シ業務ニ關スル報吿ヲ爲サシメ又ハ當該官吏ヲシテ事務所、營業所、工場、倉庫其ノ他ノ場所ニ臨檢シ業務ノ狀況若ハ帳簿書類、輸出水產物其ノ他ノ物件ヲ檢查セシムルコトヲ得
當該官吏臨檢ノ際本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ違反シタル所爲アリト認ムルトキハ尋問、搜索又ハ差押ヲ爲スコトヲ得
臨檢、尋問、搜索及差押ニ關シテハ間接國稅犯則者處分法ヲ準用ス
第八條 輸出水產物ノ檢查ニ關シ第一條第一項ノ命令ノ規定ニ依リ之ニ附シタル印章、記號又ハ證票ハ正當ノ理由ナクシテ之ヲ抹消シ、除却シ又ハ隱蔽スルコトヲ得ズ
前項ノ印章、記號又ハ證票ヲ抹消シ、除却シ又ハ隱蔽シタル輸出水產物ハ之ヲ輸出スルコトヲ得ズ
第九條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
一 第一條第一項又ハ前條第二項ノ規定ニ違反シテ輸出水產物ヲ輸出シタル者
二 第三條第一項ノ規定ニ違反シテ輸出水產物ノ製造、加工又ハ處理ノ業ヲ爲シタル者
前二項ノ場合ニ於テハ犯人ノ所有シ又ハ所持スル輸出水產物ヲ沒收スルコトヲ得若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收スルコト能ハザルトキハ其ノ價額ヲ追徵スルコトヲ得
第十條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
二 第四條第二項ノ規定ニ依ル制限又ハ第五條ノ規定ニ依ル制限若ハ停止ノ處分ニ違反シタル者
第十一條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
一 第七條第一項ノ規定ニ依ル報吿ヲ爲サズ又ハ虛僞ノ報吿ヲ爲シタル者
二 第七條ノ規定ニ依ル臨檢檢查ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シ又ハ其ノ尋問ニ對シ答辯ヲ爲サズ若ハ虛僞ノ陳述ヲ爲シタル者
第十二條 輸出水產物ノ製造、加工、處理又ハ輸出ヲ業トスル者ハ其ノ代理人、戶主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ違反シタルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第十三條 本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ依リ適用スベキ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第十四條 本法ノ適用ニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依リ輸出ノ目的ヲ以テ爲ス輸出水產物ノ移出ハ之ヲ輸出ト看做ス