昭和9年の米穀生産高は内地約7,084万石、朝鮮約1,819万石と例年に比べ著しい増収となり、前年度からの持越米も900万石を超え、供給過剰の状態となっている。この状況に対処するため、米穀統制法の運用を基本としつつ、内地市場への朝鮮米・台湾米の大量移入による更なる供給過剰を防ぐ必要がある。そこで臨時応急の対策として、政府による朝鮮米・台湾米の買入れと内地移入数量の調節を行うため、本法案を提出した。具体的には、昭和10年3月31日までの期間、政府が朝鮮米・台湾米を買入れ、その価格は勅令で定める最高価格の範囲内で時価に準じて決定する。なお、本法は臨時応急の措置であり、朝鮮米・台湾米対策については今後も検討を続ける。
参照した発言:
第65回帝国議会 衆議院 臨時穀移入調節法案外二件委員会 第2号