(所得税法ノ施行ニ関スル件中改正法律)
法令番号: 法律第三十號
公布年月日: 昭和9年3月29日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル大正九年法律第十二號中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和九年三月二十八日
內閣總理大臣 子爵 齋藤實
大藏大臣 高橋是淸
法律第三十號
大正九年法律第十二號中左ノ通改正ス
第三條ノ二 法人カ朝鮮、臺灣又ハ樺太ニ於ケル法令ニ依リ納付シタル第二種ノ所得ニ對スル所得稅額ニ付テハ所得稅法第二十一條第二項乃至第四項ノ規定ヲ準用ス
信託會社カ其ノ引受ケタル貸付信託ノ信託財產ニ付朝鮮、臺灣又ハ樺太ニ於ケル法令ニ依リ納付シタル第二種ノ所得ニ對スル所得稅額ニ付テハ所得稅法第二十二條第二項及第三項ノ規定ヲ準用ス
第四條、第五條及第六條中「臺灣又ハ樺太」ヲ「朝鮮、臺灣又ハ樺太」ニ改ム
第八條 相續稅法施行地ヨリ朝鮮ニ住所又ハ船籍ヲ轉シタルモノニ付テハ相續稅法第二條第四項ノ規定ヲ適用セス
第九條 相續稅法第三條第一項ノ規定ニ依リ課稅價格ヲ定ムル場合ニ於テ控除スヘキ金額中左ノ金額アルトキハ之ヲ控除セス
一 朝鮮ニ在ル財產ニ係ル公課
二 朝鮮ニ在ル財產ヲ目的トスル留置權、特別ノ先取特權、質權、抵當權又ハ典當權ヲ以テ擔保セラルル債務
三 朝鮮ニ在ル財產ニ關スル贈與ノ義務
第十條 朝鮮ニ於ケル法令ニ依リ相續稅ヲ課セラレタル後五年又ハ七年以內ニ於テ更ニ相續開始シタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ相續稅法ニ依ル相續稅ノ全部又ハ一部ヲ免除ス
附 則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス但シ第八條乃至第十條ノ改正規定ハ昭和九年七月一日ヨリ之ヲ施行ス
第三種ノ所得ニ付テハ昭和九年分所得稅ヨリ本法ヲ適用ス
昭和九年七月一日前開始シタル相續ニ關シテハ仍從前ノ例ニ依ル
明治四十一年法律第三十七號第三條第四項中「所得稅法第二十一條第二項」ノ下ニ「若ハ第四項又ハ大正九年法律第十二號第三條ノ二第一項」ヲ加フ
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル大正九年法律第十二号中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和九年三月二十八日
内閣総理大臣 子爵 斎藤実
大蔵大臣 高橋是清
法律第三十号
大正九年法律第十二号中左ノ通改正ス
第三条ノ二 法人カ朝鮮、台湾又ハ樺太ニ於ケル法令ニ依リ納付シタル第二種ノ所得ニ対スル所得税額ニ付テハ所得税法第二十一条第二項乃至第四項ノ規定ヲ準用ス
信託会社カ其ノ引受ケタル貸付信託ノ信託財産ニ付朝鮮、台湾又ハ樺太ニ於ケル法令ニ依リ納付シタル第二種ノ所得ニ対スル所得税額ニ付テハ所得税法第二十二条第二項及第三項ノ規定ヲ準用ス
第四条、第五条及第六条中「台湾又ハ樺太」ヲ「朝鮮、台湾又ハ樺太」ニ改ム
第八条 相続税法施行地ヨリ朝鮮ニ住所又ハ船籍ヲ転シタルモノニ付テハ相続税法第二条第四項ノ規定ヲ適用セス
第九条 相続税法第三条第一項ノ規定ニ依リ課税価格ヲ定ムル場合ニ於テ控除スヘキ金額中左ノ金額アルトキハ之ヲ控除セス
一 朝鮮ニ在ル財産ニ係ル公課
二 朝鮮ニ在ル財産ヲ目的トスル留置権、特別ノ先取特権、質権、抵当権又ハ典当権ヲ以テ担保セラルル債務
三 朝鮮ニ在ル財産ニ関スル贈与ノ義務
第十条 朝鮮ニ於ケル法令ニ依リ相続税ヲ課セラレタル後五年又ハ七年以内ニ於テ更ニ相続開始シタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ相続税法ニ依ル相続税ノ全部又ハ一部ヲ免除ス
附 則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス但シ第八条乃至第十条ノ改正規定ハ昭和九年七月一日ヨリ之ヲ施行ス
第三種ノ所得ニ付テハ昭和九年分所得税ヨリ本法ヲ適用ス
昭和九年七月一日前開始シタル相続ニ関シテハ仍従前ノ例ニ依ル
明治四十一年法律第三十七号第三条第四項中「所得税法第二十一条第二項」ノ下ニ「若ハ第四項又ハ大正九年法律第十二号第三条ノ二第一項」ヲ加フ