巡査分限令
法令番号: 勅令第十三號
公布年月日: 昭和8年2月24日
法令の形式: 勅令
朕巡查分限令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和八年二月二十三日
內閣總理大臣 子爵 齋藤實
內務大臣 男爵 山本達雄
勅令第十三號
巡查分限令
第一條 巡查ハ懲戒ノ處分又ハ本令ニ依ルニ非ザレバ其ノ職ヲ免ゼラルルコトナシ
第二條 巡查左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ其ノ職ヲ免ズルコトヲ得
一 不具癈疾ニ因リ又ハ身體若ハ精神ノ衰弱ニ因リ職務ヲ執ルニ堪ヘザルトキ
二 傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ其ノ職ニ堪ヘザルニ因リ又ハ自己ノ便宜ニ因リ免職ヲ願出デタルトキ
三 定員ノ改正ニ因リ過員ヲ生ジタルトキ
前項第一號ノ規定ニ依リ其ノ職ヲ免ズルトキハ文官普通分限委員會ノ議決ヲ經ルコトヲ要ス
第三條 巡查ハ廢職若ハ廢廳ノ場合又ハ禁鍋以上ノ刑ニ處セラレタル場合ニ於テハ當然退職者トス
第四條 第五條第一項第三號又ハ第四號ノ規定ニ依リ休職ヲ命ゼラレ滿期ニ至リタルトキハ當然退職者トス
第五條 巡查左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ休職ヲ命ズルコトヲ得
一 懲戒令ノ規定ニ依リ巡查懲戒委員會ノ審查ニ付セラレタルトキ
二 刑事事件ニ關シ起訴セラレタルトキ
三 定員ノ改正ニ因リ過員ヲ生ジタルトキ
四 事務ノ都合ニ依リ必要ナルトキ
五 戰時又ハ事變ニ際シ陸海軍ニ召集セラレタルトキ
前項休職ノ期間ハ第一號及第二號ノ場合ニ在リテハ其ノ事件ノ巡查懲戒委員會又ハ裁判所ニ繫屬中トシ第三號及第四號ノ場合ニ在リテハ一年トシ第五號ノ場合ニ在リテハ召集中トス
第一項第四號ノ規定ニ依リ休職ヲ命ズルトキハ文官普通分限委員會ノ諮問ヲ經ルコトヲ要ス但シ其ノ諮問ヲ經ザルコトニ付本人ノ同意アリタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第六條 休職者ハ職務ニ從事セズ及俸給ヲ減ゼラレ又ハ之ヲ受ケザルノ外總テ在職者ト異ルコトナシ
第七條 第五條第一項第三號又ハ第四號ノ規定ニ依リ休職ヲ命ゼラレタル者ニハ事務ノ都合ニ依リ何時ニテモ復職ヲ命ズルコトヲ得
第八條 文官分限委員會官制第十四條、第十五條及第十八條乃至第二十條ノ規定ハ第二條第二項及第五條第三項ノ規定ノ適用ニ付之ヲ準用ス
第九條 文官普通分限委員會第二條第二項ノ議決ヲ爲ス場合ニ於テハ廳府縣長官ノ指定シタル醫師ノ意見ヲ徵スベシ
第十條 本令ハ判任官ノ待遇ヲ受クル消防手ニ之ヲ準用ス
附 則
本令ハ昭和八年三月一日ヨリ之ヲ施行ス
大正七年勅令第六十七號ハ之ヲ廢止ス
朕巡査分限令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和八年二月二十三日
内閣総理大臣 子爵 斎藤実
内務大臣 男爵 山本達雄
勅令第十三号
巡査分限令
第一条 巡査ハ懲戒ノ処分又ハ本令ニ依ルニ非ザレバ其ノ職ヲ免ゼラルルコトナシ
第二条 巡査左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ其ノ職ヲ免ズルコトヲ得
一 不具廃疾ニ因リ又ハ身体若ハ精神ノ衰弱ニ因リ職務ヲ執ルニ堪ヘザルトキ
二 傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ其ノ職ニ堪ヘザルニ因リ又ハ自己ノ便宜ニ因リ免職ヲ願出デタルトキ
三 定員ノ改正ニ因リ過員ヲ生ジタルトキ
前項第一号ノ規定ニ依リ其ノ職ヲ免ズルトキハ文官普通分限委員会ノ議決ヲ経ルコトヲ要ス
第三条 巡査ハ廃職若ハ廃庁ノ場合又ハ禁鍋以上ノ刑ニ処セラレタル場合ニ於テハ当然退職者トス
第四条 第五条第一項第三号又ハ第四号ノ規定ニ依リ休職ヲ命ゼラレ満期ニ至リタルトキハ当然退職者トス
第五条 巡査左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ休職ヲ命ズルコトヲ得
一 懲戒令ノ規定ニ依リ巡査懲戒委員会ノ審査ニ付セラレタルトキ
二 刑事事件ニ関シ起訴セラレタルトキ
三 定員ノ改正ニ因リ過員ヲ生ジタルトキ
四 事務ノ都合ニ依リ必要ナルトキ
五 戦時又ハ事変ニ際シ陸海軍ニ召集セラレタルトキ
前項休職ノ期間ハ第一号及第二号ノ場合ニ在リテハ其ノ事件ノ巡査懲戒委員会又ハ裁判所ニ繋属中トシ第三号及第四号ノ場合ニ在リテハ一年トシ第五号ノ場合ニ在リテハ召集中トス
第一項第四号ノ規定ニ依リ休職ヲ命ズルトキハ文官普通分限委員会ノ諮問ヲ経ルコトヲ要ス但シ其ノ諮問ヲ経ザルコトニ付本人ノ同意アリタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第六条 休職者ハ職務ニ従事セズ及俸給ヲ減ゼラレ又ハ之ヲ受ケザルノ外総テ在職者ト異ルコトナシ
第七条 第五条第一項第三号又ハ第四号ノ規定ニ依リ休職ヲ命ゼラレタル者ニハ事務ノ都合ニ依リ何時ニテモ復職ヲ命ズルコトヲ得
第八条 文官分限委員会官制第十四条、第十五条及第十八条乃至第二十条ノ規定ハ第二条第二項及第五条第三項ノ規定ノ適用ニ付之ヲ準用ス
第九条 文官普通分限委員会第二条第二項ノ議決ヲ為ス場合ニ於テハ庁府県長官ノ指定シタル医師ノ意見ヲ徴スベシ
第十条 本令ハ判任官ノ待遇ヲ受クル消防手ニ之ヲ準用ス
附 則
本令ハ昭和八年三月一日ヨリ之ヲ施行ス
大正七年勅令第六十七号ハ之ヲ廃止ス