国宝保存会官制
法令番号: 勅令第二百十一號
公布年月日: 昭和4年6月29日
法令の形式: 勅令
朕國寶保存會官制ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和四年六月二十八日
內閣總理大臣 男爵 田中義一
文部大臣 勝田主計
勅令第二百十一號
國寶保存會官制
第一條 國寶保存會ハ文部大臣ノ監督ニ屬シ其ノ諮問ニ應ジテ國寶保存法第一條、第五條、第十一條、第十三條及第十四條ニ規定スル事項其ノ他國寶保存ニ關スル重要ノ事項ヲ調查審議ス
國寶保存會ハ國寶保存ニ關スル事項ニ付文部大臣ニ建議スルコトヲ得
第二條 國寶保存會ハ會長一人、副會長一人及委員三十人以內ヲ以テ之ヲ組織ス
特別ノ事項ヲ調查審議スル爲必要アルトキハ臨時委員ヲ置クコトヲ得
第三條 會長、副會長、委員及臨時委員ハ文部大臣ノ奏請ニ依リ內閣ニ於テ之ヲ命ズ
第四條 會長ハ會務ヲ統理シ會議ノ決議ヲ文部大臣ニ具申ス
副會長ハ會長ヲ輔佐シ會長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理ス
會長及副會長共ニ事故アルトキハ文部大臣ノ指名シタル委員其ノ職務ヲ代理ス
第五條 會長及副會長ハ會議ニ於テ意見ヲ陳述シ可否ノ數ニ加ハルコトヲ得
第六條 國寶保存會ニ常務委員會ヲ置ク國寶保存會ノ委任ヲ受ケ其ノ權限ニ屬スル事項ノ一部ヲ處理ス
常務委員會ハ國寶保存會ノ會長及副會長竝ニ國寶保存會ノ委員ニシテ文部大臣ノ指名シタル者十人以內ヲ以テ之ヲ組織ス
第七條 文部大臣ハ必要ニ依リ又ハ國寶保存會ノ要求アルトキハ文部省高等官其ノ他適當ト認ムル者ヲシテ會議ニ出席シ意見ヲ陳述セシムルコトヲ得
第八條 國寶保存會ノ議事ニ關スル規則ハ文部大臣之ヲ定ム
第九條 國寶保存會ニ幹事ヲ置ク文部大臣ノ奏請ニ依リ內閣ニ於テ之ヲ命ズ
幹事ハ會長及副會長ノ指揮ヲ承ケ庶務ヲ整理ス
第十條 國寶保存會ニ書記ヲ置ク文部大臣之ヲ命ズ
書記ハ上司ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ從事ス
附 則
本令ハ國寶保存法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
古社寺保存會規則ハ之ヲ廢止ス
朕国宝保存会官制ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和四年六月二十八日
内閣総理大臣 男爵 田中義一
文部大臣 勝田主計
勅令第二百十一号
国宝保存会官制
第一条 国宝保存会ハ文部大臣ノ監督ニ属シ其ノ諮問ニ応ジテ国宝保存法第一条、第五条、第十一条、第十三条及第十四条ニ規定スル事項其ノ他国宝保存ニ関スル重要ノ事項ヲ調査審議ス
国宝保存会ハ国宝保存ニ関スル事項ニ付文部大臣ニ建議スルコトヲ得
第二条 国宝保存会ハ会長一人、副会長一人及委員三十人以内ヲ以テ之ヲ組織ス
特別ノ事項ヲ調査審議スル為必要アルトキハ臨時委員ヲ置クコトヲ得
第三条 会長、副会長、委員及臨時委員ハ文部大臣ノ奏請ニ依リ内閣ニ於テ之ヲ命ズ
第四条 会長ハ会務ヲ統理シ会議ノ決議ヲ文部大臣ニ具申ス
副会長ハ会長ヲ輔佐シ会長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理ス
会長及副会長共ニ事故アルトキハ文部大臣ノ指名シタル委員其ノ職務ヲ代理ス
第五条 会長及副会長ハ会議ニ於テ意見ヲ陳述シ可否ノ数ニ加ハルコトヲ得
第六条 国宝保存会ニ常務委員会ヲ置ク国宝保存会ノ委任ヲ受ケ其ノ権限ニ属スル事項ノ一部ヲ処理ス
常務委員会ハ国宝保存会ノ会長及副会長並ニ国宝保存会ノ委員ニシテ文部大臣ノ指名シタル者十人以内ヲ以テ之ヲ組織ス
第七条 文部大臣ハ必要ニ依リ又ハ国宝保存会ノ要求アルトキハ文部省高等官其ノ他適当ト認ムル者ヲシテ会議ニ出席シ意見ヲ陳述セシムルコトヲ得
第八条 国宝保存会ノ議事ニ関スル規則ハ文部大臣之ヲ定ム
第九条 国宝保存会ニ幹事ヲ置ク文部大臣ノ奏請ニ依リ内閣ニ於テ之ヲ命ズ
幹事ハ会長及副会長ノ指揮ヲ承ケ庶務ヲ整理ス
第十条 国宝保存会ニ書記ヲ置ク文部大臣之ヲ命ズ
書記ハ上司ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ従事ス
附 則
本令ハ国宝保存法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
古社寺保存会規則ハ之ヲ廃止ス