陸軍教導学校令
法令番号: 勅令第二百十二號
公布年月日: 昭和2年7月1日
法令の形式: 勅令
朕陸軍敎導學校令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二年六月三十日
內閣總理大臣 男爵 田中義一
陸軍大臣 白川義則
勅令第二百十二號
陸軍敎導學校令
第一條 陸軍敎導學校ハ現役步兵科下士ト爲スベキ學生ヲ敎育スル所トス
第二條 陸軍敎導學校ハ左ノ三箇所ニ置ク
仙臺
豐橋
熊本
第三條 學生ノ敎育綱領ハ敎育總監之ヲ定ム
第四條 學生ノ敎育ノ實施ハ敎則ニ依ル其ノ敎則ハ前條ノ敎育綱領ニ基キ敎育總監ノ認可ヲ受ケ校長之ヲ定ム
第五條 學生ハ下士候補者タル現役步兵科兵卒ニシテ所定ノ期間在營シタル者ヲ以テ之ニ充テ其ノ修業期間ハ槪ネ一年トシ每年一囘入校セシム但シ初年兵ヲ二期ニ分チ入營セシムベキ部隊ニ屬スル者ニ在リテハ每年二囘ニ分チ入校セシムルコトヲ得
第六條 陸軍敎導學校ニ學生隊ヲ置キ學生ヲ以テ之ヲ編成ス
第七條 陸軍敎導學校ニ左ノ職員ヲ置ク
校長
副官
學校附
學生隊長
學生隊副官
學生隊中隊長
學生隊機關銃隊長
學生隊附
准士官、下士及判任文官
第八條 校長ハ敎育總監ニ隸シ校務ヲ總理ス
第九條 副官ハ校長ノ命ヲ承ケ庶務ヲ掌ル
第十條 學校附ハ校長ノ命ヲ承ケ敎育ヲ擔任シ其ノ他擔任ノ業務ヲ掌ル但シ敎育ノ擔任ニ關シテハ學生隊長ノ區處ヲ受ク
第十一條 學生隊長ハ學生隊ヲ統ベ校長ノ命ヲ承ケ敎育ヲ掌理ス
第十二條 學生隊副官ハ學生隊長ノ命ヲ承ケ庶務ヲ掌ル
第十三條 學生隊中隊長及學生隊機關銃隊長ハ學生隊長ノ命ヲ承ケ敎育ヲ擔任ス
第十四條 學生隊附ハ上官ノ命ヲ承ケ各擔任ノ業務ヲ掌ル
第十五條 准士官、下士及判任文官ハ上官ノ命ヲ承ケ服務ス
第十六條 武官タル職員ニハ便宜ノ時期ニ於テ隊附勤務ヲ爲サシムルコトヲ得
第十七條 學生ハ校內ニ居住セシメ其ノ修業ニ要スル兵器、圖書、器具及消耗品等ハ之ヲ貸付シ又ハ支給スルコトヲ得
學生ノ兵器及被服ハ其ノ所屬隊ヨリ携行セシム
第十八條 學生ノ願屆其ノ他業務ニ關スル諸件ハ校長ノ管理ニ屬ス
第十九條 學生ハ情願ヲ以テ退校スルコトヲ得ズ
第二十條 學生ハ左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ之ヲ退校セシム
一 軍紀ヲ紊リ又ハ屢法則ヲ犯ス者
二 品行不正ニシテ改悛ノ目途ナキ者
三 學術ノ成績不良ニシテ卒業ノ目途ナキ者
四 傷病疾病ニ因リ修業ニ堪ヘザル者
五 前各號ノ外下士タルニ適セズト認ムル者
第二十一條 學生中傷痍疾病其ノ他ノ事故ニ因リ修業期間內ニ所定ノ學術ヲ修メ得ザル者ニシテ尙望ミアル者ハ所要ノ期間之ヲ滯學セシムルコトヲ得
第二十二條 前二條ノ規定ニ該當スル者アルトキハ校長其ノ事由ヲ具シ敎育總監ノ認可ヲ受ケ退校又ハ滯學セシム
退校セシメラレタル學生ハ之ヲ歸隊セシム
第二十三條 學生卒業ノ期ニ至リタルトキハ校長ハ考科列序ヲ定メ敎育總監ノ認可ヲ受ケ卒業者ニ卒業證書ヲ付與シ之ヲ歸隊セシム
第二十四條 滯學セシメラレタル學生修業ヲ終リタルトキハ前條ノ規定ニ準ジ之ヲ取扱フモノトス
第二十五條 學生ノ敎育上必要アルトキハ校長ハ師團長ニ禀議シ其ノ師團各隊ヲ使用スルコトヲ得
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
朕陸軍教導学校令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二年六月三十日
内閣総理大臣 男爵 田中義一
陸軍大臣 白川義則
勅令第二百十二号
陸軍教導学校令
第一条 陸軍教導学校ハ現役歩兵科下士ト為スベキ学生ヲ教育スル所トス
第二条 陸軍教導学校ハ左ノ三箇所ニ置ク
仙台
豊橋
熊本
第三条 学生ノ教育綱領ハ教育総監之ヲ定ム
第四条 学生ノ教育ノ実施ハ教則ニ依ル其ノ教則ハ前条ノ教育綱領ニ基キ教育総監ノ認可ヲ受ケ校長之ヲ定ム
第五条 学生ハ下士候補者タル現役歩兵科兵卒ニシテ所定ノ期間在営シタル者ヲ以テ之ニ充テ其ノ修業期間ハ概ネ一年トシ毎年一回入校セシム但シ初年兵ヲ二期ニ分チ入営セシムベキ部隊ニ属スル者ニ在リテハ毎年二回ニ分チ入校セシムルコトヲ得
第六条 陸軍教導学校ニ学生隊ヲ置キ学生ヲ以テ之ヲ編成ス
第七条 陸軍教導学校ニ左ノ職員ヲ置ク
校長
副官
学校附
学生隊長
学生隊副官
学生隊中隊長
学生隊機関銃隊長
学生隊附
准士官、下士及判任文官
第八条 校長ハ教育総監ニ隷シ校務ヲ総理ス
第九条 副官ハ校長ノ命ヲ承ケ庶務ヲ掌ル
第十条 学校附ハ校長ノ命ヲ承ケ教育ヲ担任シ其ノ他担任ノ業務ヲ掌ル但シ教育ノ担任ニ関シテハ学生隊長ノ区処ヲ受ク
第十一条 学生隊長ハ学生隊ヲ統ベ校長ノ命ヲ承ケ教育ヲ掌理ス
第十二条 学生隊副官ハ学生隊長ノ命ヲ承ケ庶務ヲ掌ル
第十三条 学生隊中隊長及学生隊機関銃隊長ハ学生隊長ノ命ヲ承ケ教育ヲ担任ス
第十四条 学生隊附ハ上官ノ命ヲ承ケ各担任ノ業務ヲ掌ル
第十五条 准士官、下士及判任文官ハ上官ノ命ヲ承ケ服務ス
第十六条 武官タル職員ニハ便宜ノ時期ニ於テ隊附勤務ヲ為サシムルコトヲ得
第十七条 学生ハ校内ニ居住セシメ其ノ修業ニ要スル兵器、図書、器具及消耗品等ハ之ヲ貸付シ又ハ支給スルコトヲ得
学生ノ兵器及被服ハ其ノ所属隊ヨリ携行セシム
第十八条 学生ノ願届其ノ他業務ニ関スル諸件ハ校長ノ管理ニ属ス
第十九条 学生ハ情願ヲ以テ退校スルコトヲ得ズ
第二十条 学生ハ左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ之ヲ退校セシム
一 軍紀ヲ紊リ又ハ屡法則ヲ犯ス者
二 品行不正ニシテ改悛ノ目途ナキ者
三 学術ノ成績不良ニシテ卒業ノ目途ナキ者
四 傷病疾病ニ因リ修業ニ堪ヘザル者
五 前各号ノ外下士タルニ適セズト認ムル者
第二十一条 学生中傷痍疾病其ノ他ノ事故ニ因リ修業期間内ニ所定ノ学術ヲ修メ得ザル者ニシテ尚望ミアル者ハ所要ノ期間之ヲ滞学セシムルコトヲ得
第二十二条 前二条ノ規定ニ該当スル者アルトキハ校長其ノ事由ヲ具シ教育総監ノ認可ヲ受ケ退校又ハ滞学セシム
退校セシメラレタル学生ハ之ヲ帰隊セシム
第二十三条 学生卒業ノ期ニ至リタルトキハ校長ハ考科列序ヲ定メ教育総監ノ認可ヲ受ケ卒業者ニ卒業証書ヲ付与シ之ヲ帰隊セシム
第二十四条 滞学セシメラレタル学生修業ヲ終リタルトキハ前条ノ規定ニ準ジ之ヲ取扱フモノトス
第二十五条 学生ノ教育上必要アルトキハ校長ハ師団長ニ禀議シ其ノ師団各隊ヲ使用スルコトヲ得
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス