第一條 勞働統計實地調査ハ三年每ニ一囘十月十日現在ニ依リ之ヲ行フ
第二條 本令ニ於テ鑛山ト稱スルハ鑛業法又ハ砂鑛法ノ適用ヲ受クル事業場及工場ヲ謂フ
本令ニ於テ勞働者ト稱スルハ賃銀ヲ得テ工場又ハ鑛山ノ作業ニ從事スル職工、鑛夫、人夫其ノ他ノ勞役者ヲ謂フ
第三條 勞働統計實地調査ハ第一條第一項ノ期日ニ於テ三十人以上ノ勞働者ヲ使用スル工場又ハ五十人以上ノ勞働者ヲ使用スル鑛山ノ事業主及勞働者ニ付之ヲ行フ但シ左記第一號ニ該當スル工場ニ在リテハ三百人以上、第二號ニ該當スル工場ニ在リテハ百人以上、第三號ニ該當スル工場ニ在リテハ十五人以上ノ勞働者ヲ使用スルモノニ付之ヲ行フ
二 製絲業、絹絲紡績業、船舶車輛製造業、洋紙藁紙板紙類ノ製造業、燐寸製造業又ハセメント製造業ヲ營ムモノ
三 毛撚絲業、眞綿製造業、麻眞田製造業、絲組物紐洋燈心類ノ製造業、活字製造業、漆器業、火藥ダイナマイト類ノ製造業、雷管導火線製造業、製油及製蠟業、籠簾檜織傘骨柳行李類ノ製造業又ハ藺莚麥桿眞田及經木眞田製造業ヲ營ムモノ
第四條 第一條第一項ノ期日ニ休業セル工場又ハ鑛山ニシテ引續キ十月二十日迄休業シタルモノニ關シテハ調査ヲ行ハス
第六條 勞働統計實地調査ハ各工場又ハ鑛山ニ就キ之ヲ行フ但シ調査ヲ行フ際工場又ハ鑛山ニ出勤セサル者ニ付テハ其ノ居所ニ就キ之ヲ行フコトヲ得
第七條 事業主ハ第五條第一項各號ノ事項ヲ、勞働者ハ同條第二項各號ノ事項ヲ申告スル義務アルモノトス
第八條 事業主自ラ工場又ハ鑛山ノ管理ヲ爲ササルトキハ事實上之ヲ管理スル者ヲ以テ事業主ト看做ス
第九條 府縣知事ハ內務大臣ノ命ヲ承ケ府縣內ノ工場ニ關スル調査ノ執行ヲ指揮監督ス
第十條 鑛務署長ハ內務大臣ノ命ヲ承ケ其ノ管轄區域內ノ鑛山ニ關スル調査ノ執行ヲ指揮監督ス
第十一條 郡長ハ府縣知事ノ命ヲ承ケ郡內ノ工場ニ關スル調査ノ執行ヲ指揮監督ス
第十二條 市長ハ工場ニ關シテハ府縣知事、鑛山ニ關シテハ鑛務署長ノ指揮監督ヲ承ケ市內ノ調査ノ執行ヲ管掌ス
第十三條 町村長ハ工場ニ關シテハ郡長、鑛山ニ關シテハ鑛務署長ノ指揮監督ヲ承ケ町村內ノ調査ノ執行ヲ管掌ス
第十四條 勞働統計實地調査ノ事務ノ執行ヲ指導セシムル爲必要アルトキハ府縣、鑛務署、郡又ハ市町村ニ勞働調査指導員ヲ置クコトヲ得
第十五條 勞働統計實地調査ノ事務ヲ執行セシムル爲市町村ニ勞働調査員及勞働副調査員ヲ置ク
第十六條 勞働調査指導員、勞働調査員及勞働副調査員ハ府縣知事又ハ鑛務署長ノ推薦ニ依リ內務大臣之ヲ命ス
勞働調査指導員、勞働調査員及勞働副調査員ハ名譽職トス
第十七條 勞働調査指導員ハ當該府縣知事、鑛務署長、郡長又ハ市町村長ノ指揮監督ヲ承ケ調査事務ノ執行ヲ指導ス
第十八條 勞働調査員及勞働副調査員ハ市町村長ノ指揮監督ヲ承ケ事業票及勞働票ノ配付蒐集、調査事項ニ關スル質問記入其ノ他之ニ伴フ諸般ノ事務ヲ執行ス
第十九條 官營事業ニ關スル調査ニ付テハ主務大臣別ニ其ノ手續ヲ定ム
第二十條 本令中府縣、府縣知事ニ關スル規定ハ北海道ニ在リテハ北海道廳、北海道廳長官ニ、郡、郡長、町村、町村長ニ關スル規定ハ從前郡制ヲ施行セサリシ地及町村制ヲ施行セサル地ニ在リテハ之ニ相當スル地區、官吏、吏員ニ、市制第六條及第八十二條ノ市ニ在リテハ市、市長、區、區長ニ之ヲ準用ス